学園都市キヴォトス、それは無数の学園と生徒により構成されている巨大な都市。ここキヴォトスでは銃が当たり前のように使用されている。その理由として挙げられるのがヘイロー。ここの生徒達は皆、ヘイローという光輪のようなものが頭の上に浮かんでおり、銃弾を受けても痛い程度で済んでしまう程の肉体を持っているのだ。しかし、どの世界にも例外というものは存在する
「止まりなさいそこのバカ2人!!!今日という今日は絶対に許さないから!!!」
「待ってくださいって早瀬先輩!あれは黒崎がやっただけで俺は無関係ですってぇぇぇぇぇ!!!!!」
その例外というのが、キヴォトスでは珍しい男子生徒で、キヴォトスで唯一ヘイローが無い生徒であるこの少年、ミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の1年生、白川ナギだ
「ちょちょちょっ!?ここまで来ておいて裏切りですか!?そっちだって『いいんじゃね?やれば?』って言ってたじゃないですか!」
「まさか本当にやるとは思わねぇだろうが!砂糖の代わりに塩をコーヒーにぶち込むなんて馬鹿みたいなこと!早瀬先輩!俺は止めたけど黒崎の馬鹿が勝手にやったんです!」
「はぁぁぁぁぁ!?何1人だけ助かろうとしてるんですか!誰のおかげでセミナーの部室から脱出できたか忘れちゃったんですか!?」
「はぁぁぁぁぁ!?なら今、早瀬先輩が撃ってきてないのは誰のおかげだと思ってるんですかぁ!?俺のおかげだろうが!そもそもお前が勝手に連れてきたから俺まで共犯扱いされてんだろうが!俺無関係です早瀬先輩!!!」
「問答無用!!!」
「理不尽だぁぁぁぁぁ!!!」
「というか、いつも不良倒すみたいにユウカ先輩のこと迎撃してくださいよ!」
「撃ってもどうせ当たらないんだから意味ないだろ!?そもそも早瀬先輩に当たったら後悔すんのはお前だからな!?」
「なーに言ってるんですか!ユウカ先輩から逃げきれて、ヘイトはそっちに行くなんて一石二鳥じゃないですか!」
「言ったなお前!早瀬先輩のヘイトが俺だけに向いて、黒崎が説教される相手が生塩先輩になっても俺は知らないからな!」
「え゛っ」
「じゃあ撃つからな!!!」
「わぁぁぁぁ!!!無し無し!今の無しです!!!撃たないで!!!ほ、ほら!ここまで一緒に来たんですから死ぬ時は一緒ですよ!ねっ!?ねっ!?」
「必死だなこいつ…あっ、そういえばこの先って…」
「え、どうしました?」
「おい黒崎、お前の大好きなギャンブルだ。この先の道は二手に分かれている…言いたい事は分かるな?」
「………にはは、いいでしょう。絶対に逃げ切ってやりますよ!」
「よしっ!健闘を祈る!」
「そっちこそ!」
◇
ふぅ…この辺まで来れば大丈夫か…無我夢中で走ってたから、撒いたのか黒崎の方に行ったのか分かんないな…はぁ…死ぬほど疲れた。とりあえずそこの自販機で水でも…。そう思っていると知らない大人に声をかけられた
「"あ、そこの君、ちょっと道を聞きたいんだけどいいかな?"」
男の人…?珍しいな
「別にいいっすよ。どこに行きたいんすか?」
「"えっとね、たしか…ゲーム開発ぶっ!?"」
ゴンッという鈍い音とともに崩れ落ち始める、先程まで話していたはずの男性。そして、そのまま連鎖するかのように自分の頭目掛けて落ちてくるプライステーション。……そう、プライステーションなのである。もしこれが、ただの瓦礫やボールだったら、戦闘面で比較的強いと言える彼の反応がここまで遅れることは無かっただろう。しかし、プライステーションが空から降ってくるという現実では考えられないような現象は、彼の思考を止めるには十分な事だった
「あがっ!?」
頭にはしる強い衝撃とどこかから聞こえてくる
「やばっ!?もしかして先生に当たっちゃったかも!?って、ダブルヒット!?」
「プライステーションは無事!?」
という声を最後に俺は意識を手放した
ちなみにユウカはコユキの方に行き、コユキは普通に捕まった
「うあぁああああ──なんで──!」