「ここが会場か...って全日本学生音楽コンクール!?」
ボクこと花萌葱翠は、管弦楽部の顧問の先生に連れられ、校外に出ていた。
全日本学生音楽コンクールと言えば、あまりコンクールに詳しくないボクでもわかるくらい有名なコンクールだ。
今日は予選だと聞かされていたので、本選と分かれているくらいだからそこそこの規模は覚悟していたものの、さすがにこんな規模だとは思いもしなかった。
「っていうか先生、申し込み間に合ったんですか?」
確か申し込みは6月末から7月中旬ぐらいまでだったはずだ。
「ちょっとツテを使って...ねじ込んじゃった。てへっ。」
わざとらしく舌を出す先生に少し星之宮先生の面影を見つつ、ボクは会場に入った。
結果から言うと、恐らく本選出場は確定だろう。
他の参加者の方の演奏を聴いていたが、特別心を動かされるようなものはなかったし、ボクの演奏の際には審査員の方も大きく動揺の色を見せていた。
こんな言い方をしていると、驕っているように見えるかもしれないが、純粋に実力で判断した結果なのだ。
そしてボクは一番の用事を済ませないといけないので、顧問の先生に声をかける。
「先生、お花を摘みに行ってもいいですか?」
「わかった、ここで待ってるね。」
ボクはトイレの方には行かず、近くにあるポストに向かう。
「よし、間に合った。」
そう言ってボクはあるものを投函する。
校外に出たかったのはこれが目的だ。
目的を達成する道中でヴァイオリンが楽しくなってきたのは今は置いておこう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「お邪魔します。」
そう言ってボクの部屋に入ってくるのは真澄ちゃんだ。
今日はボクの部屋で遊びたいとのことで、昼過ぎに来てもらった。
「わっ...ほんとに和風じゃない。」
そう言われるのも無理はない。
なぜなら一部屋を除いて改築したからだ。
日本家屋に住んでいたため、どうしても洋室が落ち着かず、5月中旬には改築を頼んで、6月にはもうこの部屋だ。
「座椅子でよかったらここ座って。飲み物用意してくるね。」
ボクはそういってココアの準備をする。
真澄ちゃんがココアを飲んでいるのをよく見るので、この間美味しいものを研究して買っておいた。
ココアは温かいもので飲むことが多いらしいが、今日は絶賛猛暑日なので冷たいほうがいいだろう。
「はい、どうぞ。外暑かったでしょ。」
そう言ってテーブルの上に冷たいミルクココアを置く。
「...私がココア好きなの知ってたの?」
「ん、違った?結構飲んでたの見たから好きなのかなーって。」
「あってるわよ。...あ、ありがとう///」
真澄ちゃんは小声で何か言っていたが上手く聞き取れなかった。
「ん...これおいしい。どこの?」
「えっと○○ってメーカーのやつだったかな。」
「えっ...いつも飲んでるのと一緒じゃない。」
「じゃあボクが淹れたから美味しいのかもね。ふふん。」
ボクは胸をつきだし鼻息をフンスと立てんばかりの仕草をする。
「ふふっなにそれ。」
そういいながら微笑む真澄ちゃんはすごく優しい表情をしている。
「そういやその奥の部屋ってどうなってるの?」
ボクの部屋は一部屋だけ大きくしてもらっている。
その部分には防音室があり、そこでヴァイオリンの練習をしている。
近所迷惑にはなりたくないからね。
「見てみる?」
ドアを開けるとそこには、今までの和風の部屋とは打って変わって白を基調とした防音室が完備されていた。
「すっご...これは?」
「ボクが昔から使ってるヴァイオリンだよ。何か弾こうか?」
「翠くんがいいなら弾いて。強制はしないから。」
そう言われたのでイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ第5番を弾く。
弾いている最中、真澄ちゃんはほんのり顔を赤らめながら驚いている。
最後は激しく、そして丁寧に音色を奏で、弓を離して一息つく。
「噂には聞いてたけどほんとに上手い...正直かなりびっくりしてる。」
「えへへっ」
ボクは面と向かって褒められたため、少し照れてしまう。
その後は防音室からリビングに戻り、話しているといつの間にか真澄ちゃんは寝てしまった。
坂柳さんに色々させられて疲れてるのかな。
あっそうだ。お姉ちゃんが疲れた友達にはこうしてあげるといいって教えてもらっていたんだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
真澄side
「んっ...。」
私もしかして寝ちゃってた?
なんだか枕がすごく柔らかい。
そう思って手で揉んでみると、そこには温かさがあった。
「やっ...///まっ真澄ちゃん...?」
目を開けると翠くんが頬を染めてかわいい表情をしている。
えっ今私もしかして膝枕されてる...?
てことは私が揉んだのって...///
「真澄ちゃん、お顔真っ赤だよ?大丈夫?」
そういって翠くんはおでこに手を当ててくるのでさらに熱くなってしまう。
なんでこんな状況になってるの!?
私は急いで翠くんの膝から降りる。
「真澄ちゃん、体調悪いなら病院連れて行こうか?」
なんて心配してくれているが、翠くんのせいでこうなっているのだ。
「だっ大丈夫だから!///ていうかなんで膝枕してたのよ!」
「えっお姉ちゃんが疲れた友達には膝枕してあげなさいって...。」
翠くんってたまにこういう非常識なところあるわよね...。
「普通の友達同士でそんなことしないから。私以外にそんなことしてないでしょうね?」
「うん、お姉ちゃんを抜いたら真澄ちゃんが初めてだよ。」
なんだか言い方のせいでいやらしく聞こえる...。
結局その日は、晩御飯を翠くんに作ってもらったが、久々の手料理に思わず涙が出そうになった。
特にだし巻き卵と天ぷらはお金を出せるレベルに群を抜いて美味しかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
オマケ
とある学校の掲示板
花萌葱翠くんスレpart146
68:ななしの女子生徒 ID:3HUsBHnT6
こないだケヤキモールで翠きゅんみかけて鼻血だしかけたわ
なんであんなにかわいいの?
69:ななしの女子生徒 ID:+0hmBpgrq
いいなぁ、鼻血だして心配されたい
鼻血だしてる私に『大丈夫ですか?』って言ってハンカチ差し出してくれるんだ
そのハンカチしゃぶりまくって洗わず翠くんに返して蔑まれたい
70:ななしの女子生徒 ID:OcT7nNUHk
怪文書やめろ
71:ななしの女子生徒 ID:lDY7EUzMr
>>69
きっも
72:ななしの女子生徒 ID:JSfu7BFEm
>>69
きもちわるいが気持ちはわかる
73:ななしの女子生徒 ID:7omE2XoEZ
あーほんと翠きゅんかわいい
援交してないのかな
74:ななしの女子生徒 ID:Y6ez3uLW5
押せばイケそうではある
75:ななしの女子生徒 ID:borshR6cj
ホテルで顔真っ赤にしながら脱いでる翠きゅん想像したら濡れる
76:ななしの女子生徒 ID:YpVA29I7n
夏休み入ってから結構翠きゅんの目撃情報あるよね
77:ななしの女子生徒 ID:wTu0J3M1I
1年Dクラス佐倉の部屋に入ったり、2年Bクラス鬼龍院とケヤキモールに出かけたりな
78:ななしの女子生徒 ID:Yam4spring
でも花萌葱って男らしくねーじゃん。むしろ男なのに女みたいできもちわりーよ
79:ななしの女子生徒 ID:1aiaA3clN
お前男だろ?
80:ななしの女子生徒 ID:tdAEkk7X3
>>78
アンチ消えろよ
81:ななしの女子生徒 ID:+46sjYVeX
>>78
おめぇがきもちわりぃわ
82:ななしの女子生徒 ID:fASWlynNW
>>78
翠様の良さがわからないやつは猿
猿は森に帰れ
83:ななしの女子生徒 ID:HvPst4vKx
てか職員室でのヴァイオリンの画像美しすぎる
png.――――――
84:ななしの女子生徒 ID:fFASvno1h
わかる
この写真撮った人はカメラマンになるべき
85:ななしの女子生徒 ID:aKPh6UxAK
>>83
はぁ普段かわいいのに急にかっこよくなるのマジで
86:ななしの女子生徒 ID:NtbIQ2fHW
>>83
ちなみにワイ管弦楽部だがこのヴァイオリンオークションで5400万の値が付くほどレアもんだから恐らく翠きゅんの実家はすごいと思う。
有名資産家か名家レベルは確定かも
87:ななしの女子生徒 ID:H91fT9FFW
ファ!?
88:ななしの女子生徒 ID:H5U7jYnwJ
>>86
5400万!?
89:ななしの女子生徒 ID:dyNrKjG9K
>>86
つまり翠きゅんと既成事実をつくればかわいい夫+玉の輿!?
90:ななしの女子生徒 ID:TCyl1q80R
家柄が見合わなければ無理かと...
91:ななしの女子生徒 ID:ZvLGH9oIh
じゃあ詰みだわ
92:ななしの女子生徒 ID:iUxb90ZA7
しょうがないからセフレか愛人で我慢しよう
93:ななしの女子生徒 ID:4W9UmmIAw
がっつり狙ってて草
この2次創作を投稿し始めてもう1か月だそうです。時の流れって早いですね。