あと今回から書き方少しだけ変えたので良ければアンケートにご協力ください
「試験疲れたね、真澄ちゃん」
「何処かのお姫様のせいでね」
そう皮肉を言う真澄ちゃんは少しまんざらでもなさそうな表情をしている。
今は無人島試験を終え、帰路について3日目だ。だがボクはもう一波乱あると思っている。
「そういや翠くん、この前にナイトプール一緒に行ってた女って誰?」
今ボクはなぜか真澄ちゃんから鬼のような威圧を感じている。怖い。
「Cクラスの伊吹澪ちゃん、だけど...」
「伊吹...伊吹ね、憶えたから」
なんで憶えたの、なんてボクには聞けない。
「そういや真澄ちゃん」
「なに?」
「なんでボク、真澄ちゃんの膝の上に座らされてるの?」
現在、水着で真澄ちゃんの膝の上に座らされています。どういう状況なんだろうか。
「...ストレス発散?」
「前も似たようなことあった気がするけどこれでストレス発散になるの?」
「なる」
そうなんだ...。
「でもボクも真澄ちゃんと触れ合ってると落ち着くと同時にドキドキするよ...えへへ」
「っ!.......翠くん、ちょっとあっち行こ」
そう言って真澄ちゃんは陰になっている裏手の方に連れて行こうとする。その瞬間、キーンと甲高い音が響き渡る。
『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようお願いいたします。繰り返します――――――――』
「メール確認しないと」
「........そうね」
そしてメールを開くと、特別試験の文字が書かれてあった。そして20時40分に202号室に行かなければならないらしい。
さらに、どうやら真澄ちゃんは違う時刻、違う部屋に行かなければならないらしい。
「.....坂柳、翠くんと同じ時間だって」
不服そうに言う真澄ちゃんのおかげで、幾つかのパターンがあると仮説が立てれた。
一つ目は、同じ時刻の人たちで集まり、1つのグループとして試験を受ける可能性。
二つ目は、逆に同じ時刻の人たちの組み分けでクラス対抗の試験を受ける可能性。
三つ目は、同じ時刻の人たちで集まり、他の時刻で集まったグループと争う試験の可能性。
パッと思いついただけでも、そのくらいは出てきた。用心するに越したことはないだろう。
「ね、ねぇ真澄ちゃん」
「なによ?」
「なんでボクの向きを180度回転させて向かい合うようにして抱擁してるの?」
なんだか最近、真澄ちゃんから接触が多くなってきた気がする。別に嫌って訳じゃないんだけど、なんだか恥ずかしくてよくわからない気持ちになる。
「ま、真澄ちゃん」
「だからなによ?」
「なんでもない....///」
む、胸が当たってる....///
「最近さ、真澄ちゃん身体触ってきたりすること多くない...?」
「....もしかして嫌だった?」
「嫌じゃないけど.....なんか恥ずかしいし、よくわかんない...///」
「.........やっぱり、ちょっとあっち行こっか」
そう言ってさっきと同じ場所に連れて行こうとする真澄ちゃん。
「そこまでよ、神室さん」
「誰? あんた」
「花萌葱くんと同じクラスの堀北鈴音よ」
「ただのクラスメイトなら邪魔しないで」
ボクは二人が言い合うのをアワアワと眺めているだけだった。
「ただのクラスメイトでも、特別試験について話し合うことがあるの。だから花萌葱くんを解放しなさい」
「....あっそ。じゃあ翠くん、また後でね」
話し合いが終わると、真澄ちゃんは手を振って去っていった。
「花萌葱くん、嫌ならきちんと言わないとダメよ?」
「嫌って訳じゃないんだ、でも恥ずかしいというかなんというか...///」
ボクは指先をつんつんと合わせながら話す。
「それと、私のことは鈴音でいいわ。だから私も翠くんと呼ぶわね」
「ええっと、わかったよ。鈴音ちゃん」
名前呼びを許してくれたってことは、少しは仲良くなれたってことだよね?
「それで、特別試験について話をしたいの。ついてきてくれるかしら?」
「うん、着いていくよ」
そしてボクは着替えてから鈴音ちゃんと客船の中にあるカフェで話をすることになった。
「...翠くんとは時間も部屋も同じ。そして綾小路くんとは時間も部屋も違うのね...」
ボクがクラスの人たちにメールを送りまくっていると、3、4人の時間も部屋も同じな人が12グループあることがわかった。このことから試験の組み分けは各クラスから混ぜられるか、もしくは12グループが4クラスで48グループで何かを競うのかもれない。という仮説が立てられる。
ボクと同じ時間同じ部屋の人は鈴音ちゃん、桔梗ちゃん、平田くんの3人だった。なにか共通点があるのかと思いきや、特別なにかがあるわけではなかった。
「うーん、今の段階じゃ情報が少なすぎるね。軽い仮説を立てるしかできないかな」
「そうね。一先ずは情報収集に徹するのがいいかもしれないわ」
なんて会話をしていると、時刻は20時30分になっており、メールに記載されていた時刻まであと10分だったので店を出ることにした。
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「入ってください」
ノックをすると、そんな声が聞こえてきた。部屋に入るとCクラス担任の坂上先生が椅子に座っており、既に桔梗ちゃんや平田くんも席についていた。
ボクたちは事前に連絡を取り合っていたので何の疑問も抱かない。そんな様子を見て関心したような表情をする坂上先生。
「では全員揃いましたので、特別試験の説明を行います。まず今回の特別試験では、1年全員を干支になぞらえた12のグループに分け、そのグループ内での試験を行います。試験の目的はシンキング能力を問うものとなっています」
「すみません、坂上先生。シンキング能力についての詳細をお聞かせいただけますか」
「質問には答えられません。すみませんね」
先生方もマニュアルに則ってやっているのだろう。大変そうだ。
「社会人に求められる基礎力には大きく分けて3つの種類があります。アクション、シンキング、チームワーク。それらが備わった者が初めて優秀な大人になる資格を得るのです。先の無人島の試験は、チームワークに比重が置かれた試験内容でした。しかし、今回はシンキング。考え抜く力が必須な試験になります。問題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力。想像力を働かせ、新しい価値を生み出す力。そういったものが必要になってきますよ」
急に社会人の話をされたみんなはポカンとしているが、坂上先生が言っていることは尤もだろう。能力のある生徒がAクラスで卒業し、優秀な大人になる。それを目指せと言っているのだ。
「そこで今回の試験では12のグループに分け、試験を行うとなったわけです」
「なるほど。先生、次の説明をお願いします」
桔梗ちゃんに鈴音ちゃん、平田くんとこのグループは賢い人が多い。だからすぐ理解できたことに坂上先生も違和感を持たないようだ。
「まず当然のことですが、ここにいる4人は同じグループとなります。そして今この時間、別の部屋でも同じように『君たちと同じグループとなる』メンバーに対して同時に説明が行われています」
仮説の中の『同じ時刻の人たちで集まり、1つのグループとして試験を受ける』というのが当たった。なんとなく出した予想でも、当たるものなんだな、なんて思っていた。
「それでは先生、纏めて説明しないのには理由があるんですね。別のクラスには知られてはいけないものかなにかが」
ボクがそう言うと坂上先生は目を見開いた後クク、と笑った。
「そうですね、凡そ正解です。説明をすると、各クラスから3人から5人ほどを集めて作られるグループになります。君たちのグループは『竜』グループと呼ばれます。これがメンバー表です。この部屋を出る前に返却してもらうので、必要なら覚えておいてくださいね」
そう言われ、見せてもらったものにはこう書いてあった。
Aクラス 葛城康平 坂柳有栖 的場信二 矢野小春
Bクラス 安藤紗代 神崎隆二 津辺仁美
Cクラス 小田拓海 鈴木英俊 龍園翔
Dクラス 櫛田桔梗 花萌葱翠 平田洋介 堀北鈴音
「この試験では大前提としてAクラスからDクラスまでの関係性を一度無視しなさい。そうすることが試験をクリアするための近道であると言っておきます。今から君たちはDクラスではなく竜グループとして行動することになりますので。そして試験の合否の結果はグループ毎に設定されています――――――――――」
そう言われ説明されたのは、複雑なものだった。
・試験開始当日午前8時に一斉メールを送る。『優待者』に選ばれた者には同時にその事実を伝える。
・試験の日程は明日から4日後の午後9時まで(1日の完全自由日を挟む)。
・1日に2度、グループだけで所定の時間と部屋に集まり1時間の話し合いを行うこと。
・話し合いの内容はグループの自主性に全て委ねるものとする。
・試験の解答は試験終了後、午後9時30分~午後10時までの間のみ優待者が誰であったかの答えを受け付ける。なお、回答は1人1回までとする。
・『優待者』にはメールにて答えを送る権利がない。
・自身が配属された干支グループ以外への解答は全て無効とする。
・試験結果の詳細は最終日の午後11時に全生徒にメールにて伝える。
結果1 グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合、グループ全員にプライベートポイントを支給する。(優待者の所属するクラスメイトもそれぞれ同様のポイントを得る)
結果2 優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、1人でも未解答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。
そして回答時間を待たずして回答した場合、隠れている3,4の結果が出てくる。
結果3 優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ正解していた場合。答えた生徒の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得ると同時に、正解者にプライベートポイントを50万を支給する。また優待者を見抜かれたクラスは逆にマイナス50クラスポイントのペナルティを受ける。及びこの時点でグループの試験は終了となる。尚優待者と同じクラスメイトが正解した場合、答えを無効とし試験は続行となる。
結果4 優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ不正解だった場合。答えを間違えた生徒が所属するクラスはクラスポイントを50ポイント失うペナルティを受け、優待者はプライベートポイントを50万ポイントを得ると同時に優待者の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。尚優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。
まず目に入るのは50万PPtという圧倒的なポイント。そして結果1だとそれが全員に配られるという羽振りの良さ。だがそれを裏付けているのは結果3,4だ。結果1はあくまで回答時間に回答した場合の話。別々のクラスの面々が集まるグループで、まとめ上げるのは不可能に近いだろう。
さて、どうしたものかな.....。
書き方どうですか?
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普通
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見ずらい
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非常に見ずらい