ようこそ愛情至上主義の教室へ   作:西のご都合主義者

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本編とは関係ないお話で『もしも翠が泳げなかったら』というパラレルワールド的なお話になります。



番外編①

突然ですが、ボクは今非常に衝撃的な事実に直面しています...

それは何かというと、初めて補習になってしまった、というものです。

ボク水泳だけは昔からできなくて...

これからどうしようかなぁ...

 

「はぁ...。」

 

 

「どうしたの?花萌葱君!」

 

ボクのため息を聞いて桔梗ちゃんが気にかけてくれた。

 

「ほら、ボク水泳の授業補習になっちゃったから、どうしようかなぁって悩んじゃって。」

 

 

「そういうことなら適任者がこのクラスにいるよ!」

 

桔梗ちゃんはそう言ってからある一人の女の子を連れてきた。

 

「櫛田さん、その補習になっちゃった子って花萌葱君のこと?」

 

 

「そうだよ!水泳部の小野寺さんなら教えるのもうまいかなって!」

 

 

「小野寺さん、もしよかったらボクに泳ぎを教えてくれないかな...?」

 

ボクは今椅子に座っていて、桔梗ちゃんと小野寺さんは立っているため、自然と上目遣いになってしまう。

 

「わ、破壊力すご...///」

 

 

「これはずるいね...///」

 

 

「ダメかな...」シュン

 

 

「ダメじゃないよ。私でよければ力になるから。」

 

 

「!...ありがとう小野寺さん!とっても心強いよ。」

 

 

「花萌葱君さえよければなんだけど...かや乃って呼んでくれないかな。」

 

 

「わかったよ。じゃあボクのことも翠って呼んでね。」

 

 

「早速で悪いんだけど、部活空いてる日ってあるかな...?」

 

 

「えっと確か次のオフは...今週の土曜が空いてるよ。」

 

 

「じゃあその日に教えてもらえないかな?プールの使用許可はボクの方でとっておくから。」

 

 

「わかった。じゃあまた土曜にね。」

 

 

そう言ってその日は何事もなく帰った。

 

 

 

 

そして約束していた土曜日。

ボクは待ち合わせ場所に少し早く着き、かや乃ちゃんを待つ。

待ち始めてから5分もしないうちにかや乃ちゃんはやってきた。

 

「ごめん翠くん!待った?」

 

 

「ううん、ボクもさっきついたところだから気にしないで。それじゃあ、行こっか。」

 

 

 

プールに着いてから入念に準備運動をした後、かや乃ちゃんは早速教え始めてくれた。

 

 

「まず手を引いてあげるから、水に顔をつけてバタ足の練習しよっか。」

 

 

「わかった!...手、離さないでね?」

 

 

「大丈夫だよ、離さないから。」

 

手を引かれながら、バタ足をしてなんとか25m地点まできた。

 

「そうそういい感じ!多分これならすぐ泳げるようになるよ。」

 

 

「えへへ、そうかなぁ。」

 

 

「絶対そうだって。じゃあ次は―――――――

 

 

そんな感じでボクはかや乃ちゃんに泳げるように特訓してもらい、その日は一人で50m泳げるようになった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

かや乃side

 

翠君に教え終わったあと、私たちは近くのベンチで座りながら話していた。

 

「いやー翠君ホント容量いいね。今まで泳げなかったのが不思議なくらい。」

 

 

「そんなことないよ、かや乃ちゃんが教えるのうまかっただけ。」ニコッ

 

 

「かっかわいい///」

 

こんな整った顔で純真無垢な笑顔を見せられたら、誰だって赤面してしまう。

もちろん私も例外ではなく、赤面どころか声が漏れ出てしまう。

 

「へっ!?///...ボクそんなかわいい...かな...?///」

 

面と向かってかわいいと言われたからか、驚いた顔で照れている。

翠君はまだ髪が乾いておらず、湿っていて前髪から垂れた雫は鎖骨あたりに落下する。

正直めちゃくちゃエッチだ。

 

「翠君、鎖骨のあたりに水滴ついてるよ。」

 

そういって私はタオルで彼の鎖骨に触れる。

 

「ひゃっ...///」

 

翠君は鎖骨が弱いのか、かわいらしい声を漏らす。

 

「あっ...ごめんね?嫌だったよね。」

 

 

「ち、違うの///急に触られたから、びっくりして...///」

 

身体ごとプイっとそっぽを向きながらそう言う翠君は女の子にしか見えないほどかわいい。

 

「今日、ほんとにありがとう。お世辞でもなんでもなく、かや乃ちゃんがいなかったらどうなってたか。」

 

 

「そっか。力になれたのならよかったよ。」

 

 

「でも、これでかや乃ちゃんに貸しをつくっちゃったからボクにできることがあればなんでもいってね!」

 

なんでも...?なんでもってつまりなんでもってこと...!?

私はなんでもという言葉に悶々としていて、いつの間にか翠君は帰ってしまっていた。

 

「はぁ...私なんでこんなドキドキしてるんだろ...。」

 

翠君といるときに感じる胸の高鳴りの正体を、私が知るのは当分先のことだった。

 

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