ボクはこの間から考えていたことを今実行しようとチェス部に向かっています。
チェス部に何しに行くかって?決まってるじゃないですか。賭けですよ、賭け。
チェス部の部室の前につくと、女子生徒二人組と出会う。
「おや?」
「あっ翠くん」
「真澄ちゃん、とあなたは...坂柳さんだよね?」
「私のこと、知っているんですね。」
本人の前だから言わないが、銀髪で杖を突く生徒なんて学校でも一人しかいないだろう。
「有名だからね。ボクの名前は花萌葱翠。よろしくね!」
「花萌葱...あぁあなたがあの。」
「あの...?ボクって有名なんですか?」
「学校初日からSシステムについて見破るDクラスの容姿の優れた男の娘って上級生の間では有名になっていますよ?」
男の子の発音がおかしかったのは気にしないでおこう。
「それ加えて新入生可愛さランキングで女子を抜いて1位、押し倒したいランキング1位、あとその...援交してそうランキング1位の三冠だからね///」
エンコウってなんだろう?
「真澄ちゃん、エンコウってなに?」
「えっ!?あー...///」
真っ赤になっている、なにかまずいことを聞いてしまったらしい。
「援助交際の略称ですよ。」
「援助交際...援交...なるほど。それすっごく不名誉じゃない?」
「「だね(ですね)。」」
「ていうか二人もここにくるってことは、賭け?」
「花萌葱くんも同じなんですね。」
「真澄ちゃんはそれの付き添いって感じかな?」
「そんなとこ。」
そんな会話をしながら扉をあけると上級生たちが一気にこっちを向く。
「やあ。君たちは一年生だよね?部活見学か入部希望者かな?」
「いえ、ボクたちはPPtを賭けて勝負しにきました。」
そう言うと部室全体がピリッとした雰囲気になり上級生たちの目線も足元を見るような目線に変わる。
二年生の大人しそうな男子生徒が声をかけてきた。
「君、僕と一局どうかな?」
「じゃあお願いします。何ポイント賭けますか?」
「君の倍出すよ。」
「じゃあ15万出すので先輩は30万でお願いします。」
先輩たちと真澄ちゃんたちはボクが15万出したことに驚いている。
「初手から15万も出すとはなかなか大胆ですね。」
ボクと先輩はお互い席について勝負を始めた。
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結果から言うとこの後も連勝したが、部長には負けた。
それでも180万勝ったから大勝利と言っていいだろう。
でも坂柳さんは先輩方から無敗で300万搾り取っていた。恐ろしや。
部室を出ようとしたら坂柳さんに声をかけられた。
「花萌葱くん、一局賭けてみませんか?」
ボク負けるの確定じゃん。いじめかな?
「何賭けるの?」
「一回言うことを聞く権利です。」
「いいけど、それどれくらいの効力あるの?」
「命以外ならなんでもっていうのはどうでしょう?」
「いいね、おもしろそう。」
先輩たちは一年同士の対戦が楽しみなのか結構な人が見ている。
そんな中、対戦は始まった。
お互い牽制などせず、攻め、攻め返すと同時に相手の攻めを潰すというのを延々と繰り替えしていた。
だがこちらのミスでその均衡は破られ、あっけなくやられてしまった。
「くっそ~!負けちゃった~。」
「ふふふ、とても楽しかったですよ。」
上機嫌になっているところをみると、どうやら楽しんでくれたらしい。
「坂柳さんはボクにどんな命令するの?」
「そうですね...じゃあ一回だけ何らかの形でAクラスに味方してください。」
すでにクラス競争があることを知っていることを先輩たちは目を開いて驚いている。
「わかった。あとでお互いの先生交えて書面で残そうね。」
「そこまでしていただかなくてよろしいですよ?」
「いや、書面で残していた方がクラス内で言い訳が立つから。」
「なるほど。」
すると先輩がまた声をかけてくる。
「君たち、名前は?」
「私は坂柳有栖と申します。」
「ボクは花萌葱翠です。」
ボクが自分の名前を言うと周りから一気に視線が来る。
「えっうそ!あれが花萌葱くん!?」
「あれが噂のDの男の娘かぁ。」
「女子だと思ってた...。」
やっぱボク上級生の間では有名なんだなぁ。
「坂柳さんに、花萌葱くん、また来月になったらおいで。今回ほどは賭けられないけど、いい勝負にはなると思うから。」
来月こそは部長さんと坂柳さんに勝ちたいなぁ。
なんて思っていると、終始空気だった真澄ちゃんが不貞腐れている。
「ごめんね真澄ちゃん、暇だったでしょ。」
「べつに。」
しっかり不貞腐れている。
「今度またデートしよ、それでチャラじゃダメかな?」
上目遣いで聞いてみる。
「...ずるい///」
機嫌は直ったみたいでよかった。
「花萌葱くんと真澄さんは仲がよろしいんですね。この前はデートをしてらっしゃったらしいじゃないですか。」
「デっデートなんかじゃ...///」
「デートって逢引って意味だよね?じゃあデートだと思ってたんだけど...」シュン
「っ!?デートよデート!//」
なんて微笑みながら坂柳さんは言うけど、あとで真澄ちゃんイジられるんだろうなぁ。
この後は軽く談笑しながら、三人で歩いて帰った。
純粋な翠くんを書くのがとても楽しい。