ようこそ愛情至上主義の教室へ   作:西のご都合主義者

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前回がさすがに短すぎたので二話投稿にします。


7話

「にしても、急なテスト範囲の変更とかほんとやめてほしい。」

 

テスト範囲の変更?なにそれ。

 

「えっ?なにそれ知らないんだけど。」

 

 

「一週間前くらいに先生から言われなかった?」

 

一週間前ってことは...勉強会始めた日じゃないか!

茶柱先生何考えてるんだ...。

 

「言われてない...。ちなみに範囲ってどこからなの?」

 

 

真澄ちゃんに教えてもらった範囲は結構違うところだった。

ボクの一週間の努力って...。

 

 

それをクラスのみんなに言う前に、茶柱先生にこのことを聞きに行こうと思って、今は授業終わりの茶柱先生を追いかけています。

 

「茶柱先生!テスト範囲が変わってるって本当ですか!」

 

階段の踊り場から、階段を降りている先生に話しかける。

 

「ああ、本当だ。...おや、私としたことが伝え忘れていたな。」

 

 

「...なにが目的なんですか。」

 

 

「目的?何の話だ。私は伝え忘れのミスをしただけだが。」

 

まぁ白を切られるよね。

とりあえず階段を降りてってやばいっ!躓いたっ!?

 

「わあっ!?」

 

 

「花萌葱!大丈夫か...ってどこに顔を突っ込んでいるんだ!///」

 

階段で躓いて落ちたボクは茶柱先生の上に乗り、胸に顔を突っ込んでいる体勢になっていた。

 

「っ!?...ごっごめんなさい!///わざとじゃないので通報しないでください...」

 

ボクはパニックになり、涙目になっていた。

 

「おっ落ち着け!通報なんてしないから!これではまるで私が花萌葱を泣かしたみたいじゃないか...」

 

 

「ほんとですか...?」

 

 

「ああ、お前がわざとそういうことをする生徒だとは思っていない。だから早く泣き止め///」

 

そう言って先生は急にボクに抱擁をする。

 

「せっ先生!?///はっ恥ずかしいです...///」

 

いつもはしっかりしている先生だからこそ今なにが起きているのかわからず少し固まってしまう。

 

「はっ私は何をしているんだ...す、すまん花萌葱。私はどうかしていた///」

 

先生は頭を下げる。

 

「ふふっ...じゃあお相子様ってことでこのことは二人だけの秘密にしませんか?」

 

ボクは人差し指を唇の前に持っていき、小声でしーっと言う。

 

「わ、わかった///ここであったことは誰にも言わん。」

 

 

「約束ですよ、茶柱先生!」

 

ボクは手を振って教室に戻る。

 

 

花萌葱、かわいかったな...///

 

その声がボクに届くことはなかった。

 

 

 

教室に戻ってテスト範囲の変更をみんなに伝えると、クラス中が大騒ぎになった。

 

 

「みんな落ち着いて!テスト範囲が変わったから焦るのはわかるけど、ここからまた勉強すれば絶対赤点を回避できるよ!」

 

平田君がみんなを落ち着かせてくれる。やっぱりまとめ役は平田君が向いてるなぁ。

 

「綾小路君、なにかいい方法ないかな。」

 

 

「なんで俺に聞きにくるんだ?花萌葱。」

 

 

「君なら、どうすればいいかわかってるでしょ?手伝えることがあればなんでもするから。」

 

そう言うと、綾小路君の表情が少しだけ動く。

 

「あ、堀北さんの手下って設定なんだっけ?ふふっ」

 

 

「ああそうだ。俺は堀北の命令で動いている。」

 

なんだか綾小路君って底が知れないのにこういうとこはかわいらしいな。

 

「で、堀北さんはどうすればいいって言ってたの?」

 

ボクは綾小路君が堀北さんの手下って体で話を進める。

 

「堀北は過去問に目をつけてたな。俺は知らないが。」

 

バレバレだよ。ちょっと心配になるくらい。

 

「過去問かぁ、じゃあお昼休みのときに先輩に貰いに行ってくるね!」

 

 

「...花萌葱、身体は売るなよ?」

 

 

「しないよ!!ボクそんなえ、えっちに見えるかな...?///」

 

 

「いや、しないならいいんだ。悪いな。」

 

 

前から思ってたけどボクそんなに身体売るように見えるのかな。周りの人にそんな感じで思われてたらやだなぁ...。

そんなことを思いながら授業を受け、お昼休みになる。

 

「すいません先輩、少しいいですか。ってもしかして()()()()()()()!?」

 

 

「おや、そのキュートな顔つき、もしかして翠か?」

 

 

今声をかけたのは鬼龍院楓花、名家のお嬢様だ。家の繋がりで仲良くなった。

だがここ数年は会えていなかった、久々に顔が見たいと思っていたらこんなとこでばったりと会ってしまった。

 

 

「久しぶりだね、楓花お姉ちゃん!また会えてうれしい!」ニコッ

 

 

「っ!...君自身はかなり変わったみたいだが、君の美貌は変わらないな...それどころかますます可愛くなってきている。」

 

楓花お姉ちゃんはいつも褒めてくれるけど褒めるときちょっと近くて恥ずかしい。

 

「近いよぉ...///」

 

 

「数年ぶりに会ったんだ、もっと堪能させておくれよ。」

 

 

「うぅ...///」

 

ボクが真っ赤になっていると、金髪の先輩が近くにくる。

 

「おい鬼龍院、なにをしている?」

 

 

「なんだ、南雲か。私は許嫁との久々の再開に心躍らせていたんだ。」

 

そう、ボクと楓花お姉ちゃんは許嫁だ。でも許嫁と言っても、両家とも結婚するつもりはなく、お互いに婚姻の話がでないようにと所謂女除け、男除けのための許嫁だ。

 

「許嫁だと...?女同士でか?」

 

女同士という言葉に楓花お姉ちゃんは笑いを飛ばす。

 

「ふっ...翠はこれでも男なんだ。」

 

 

「...は?」

 

 

南雲と呼ばれた先輩は目を見開いたまま固まっている。

 

 

「ここじゃなんだし場所を移そう、翠。君の可愛い姿をみるのは私だけでいい。」

 

 

「ええ?///し、失礼します。先輩。」

 

ボクは先輩に一礼してからその場を去った。

 

「なるほど...あれが噂の花萌葱か...。」

 

 

 

そうしてボクは楓花お姉ちゃんに連れられて食堂にきた。

 

「それで翠、一体何のために私に声をかけたのかな?」

 

 

「うん、それなんだけど。中間テストの過去問が欲しくて...今日先輩のだれかに貰いに行こうと思ってたんだ。それでたまたま声をかけたのが楓花お姉ちゃんだったの。」

 

 

「ふむ、そうか。じゃあ連絡先を交換しておこう。過去問については後で送っておくよ。」

 

あまりのあっけなさにボクは唖然としている。

 

「え、いいの?ポイントとか払うよ?」

 

 

「許嫁からポイントを取るほど腐っちゃいないさ。」

 

 

「許嫁っていっても別に結婚しないじゃん...」

 

 

「私は翠さえよければ結婚してもいいんだぞ?」

 

ボクは唐突な告白にまた唖然とする。

 

「え?」

 

 

「前までは君と結婚しないと思っていたんだが、今日君に会ってそれが変わったよ。」

 

楓花お姉ちゃんはそう言い、席を立ち、ボクの横にきて片膝をつく。

 

 

翠、私と結婚してくれないか?

 

 

食堂で行われた急な逆プロポーズ。目撃者は何10人もいるわけで、噂が広まるのはすぐだった。

 

『2年の変人が1年の男の娘に逆プロポーズした』

 

この噂はもちろん1年の教室にまで届いていた。

 

 

 

 

 

というか、噂の元凶がボクの真横で優雅に歩いている。

 

「じゃあ翠、教室についたし私はここまでさ。」

 

そういいながら教室の空いているドアの前で顔を近づけてくる。

 

 

チュッ

 

 

ボクはその瞬間、何をされたのか分からなかった。

わかるのは、自分の体温が急上昇しているという事実だけ。

教室の中や廊下から、女の子の黄色い悲鳴や男子のいやらしい視線が突き刺さる。

 

ボクはその日、寝るまで放心状態だったそうな。




個人的に高円寺や鬼龍院ってこういう行動しないかもと思ったんですけど翠くんが絶世の美少年だから許されるはず...はず...。
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