愛ほど歪んだ呪いは有らず   作:カバー

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愛ほど歪んだ呪いは有らず その20

 

 

 

神楽輪視点

 

 

 

 

暫くはそのまま平和な日が続いた。

そんなこんなで、任務の回ってこない学生である私は、歌姫先生から講義を受けたり、東堂先輩からしごかれたりしながら過ごしていた。

 

だが私は心中穏やかではなかった。

その原因は前日の訓練からある程度経った日の、真依が任務で外していた深夜のこと。

私の自室に押しかけてきた三輪ちゃんは、挙動不審だった。暫くなにかを迷っているようだったが、やがて私に身を乗り出してこう告げた。

 

「その…いけないことだとは分かっています。でも、私を、輪の第二の恋人にしてくれませんか!」

 

 

 

「……………………は?」

 

 

 

呆然。今三輪ちゃんは何て言った?

暫く言葉を頭で咀嚼する。

…は?

 

 

…真依が一番でも構いません。でも、私輪を…す、好きになってしまったんです!」

 

 

「な、なに言ってるの!?」

 

 

「愛人枠でも構いません!だからどうか…」

 

 

「い、いや、ちょっと待って!落ち着いて!」

 

 

 

そう私は怒涛の追撃を入れてくる三輪ちゃんに、私は自分にも言い聞かせるようにそう言った。

 

「気持ちは嬉しいよ。ありがとう。でも、それはできないよ、真依への裏切りになるし…」

 

「それは…分かってます。」

 

 

三輪ちゃんから罪悪感を感じる。しゅんとしてしまった三輪ちゃんに、私がアワアワしていると、三輪ちゃんは何かを決心した顔になり、ぎこちない動きで私の腕に体を纏わせてきた。

 

 

「い、い…いけませんか?」

 

腕に三輪ちゃんの健康的な形の整った胸が当たる。やばい。落ち着け。落ち着け私。

 

 

「え、あ…うう………だ、ダメったらダメ!」

 

 

二人とも顔を真っ赤にしながら、取り敢えずそれで話は終わり、三輪ちゃんは帰った。

…が、それからも二人きりになると、三輪ちゃんは私にぎこちないアピールを続けた。

 

ある時は胸元を恥ずかしがりながら見せてきたり、(途中で彼女から顔を赤くして去っていった。)

 

腕を組んできたり。

 

幸い真依は気づいていないようだが、メカ丸と西宮先輩と東堂先輩にはまずバレている。

 

視線が痛い。特にメカ丸の。

ついでに東堂先輩から真顔で「二股はダメだぞ、ベストフレンド。」

と常識的に諭された時は、泣きそうになった。

 

 

 

 

 

*************

 

三輪視点

 

 

 

私は、最低だ。

 

 

 

あの訓練の後、スポーツドリンクを買って戻る時に、私がそれを聞いたのは偶然だった。

 

「それと…お前の術式の影響で真依が強くなった、というのは周りに悟られていないか?」

 

 

加茂先輩のその言葉に、耳を疑った。

三級から、急に一級に上がりそうな真依。

私は、正直祝福すると同時に、妬ましくも思ってしまった。

呪霊の影響とは言うが、私がなれるものならなりたかった。

だって、そうすれば家族に楽をさせられる。

貰える給料は、三級と一級では比較にならない。

 

私なりに努力しているつもりでも、なかなか結果は伴わない。

 

それが、輪のおかげ?しかも、どうやらそれを隠しているようだった。教えてと頼んで教えてくれる雰囲気ではない。

 

私は、こっそり隠れて聞くことを選んだ。

 

その結果、とんでもないことを知った。

輪の術式は、好感度で人の強さを変える。

 

…なら、私は。

 

 

罪悪感が無かったわけではない。

真依には本当に悪いと思っている。でも、家族に楽させる選択肢が目の前に転がっているのに、それを無視する罪悪感の方が、大きかった。

 

 

「その…いけないことだとは分かっています。でも、私を、輪の第二の恋人にしてくれませんか!」

 

 

ああ、私は最低だ。

 

 

 

 

 

 

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