人理修復with不死身の杉元   作:死ねない作者

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最近イベントでガムシン(永倉新八)が出てきたし、金カムもちょうど読み返してたから書いてみようと思った。


プロローグ:召喚

 

 

──その男は気がついたら森の中に立っていた。

 

 

木々が立ち並ぶ場所。

時間は既に夜なのだろう。空を見上げれば星々が輝いている

 

男は辺りを見渡し、そして目の前にいる人物へ目を向けた。

そこには目を見開き男を見やる少年とその傍らで盾を携えた少女の2人。

 

訳の分からない状況に戸惑う男だが……脳に流れ込む情報でようやく現状を理解。

手にした歩兵銃を肩にかけて、頭に被った軍帽をかぶり直す。

マフラーの位置も調整。身だしなみを整え、顔に傷をつけたその男は気まずそうに口を開いた。

 

「あーっと……く、くらす?ばぁさぁかぁ?でいいのか?とりあえず……"杉元佐一"だ。よろしく頼む」

 

こうして、日露戦争の英雄が現界した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──日露戦争に参加した軍人。暴れ狂いながら戦うさまはまさに鬼神の如し。単独で敵の分隊をいくつも殲滅し、普通なら致命傷になる傷を負っても倒れることなく敵を倒し続けた姿から"不死身"の異名を持ったとされている……』

 

宙に浮かぶホログラム映像に映る一人の男。

彼はなにかの資料に目を通し、その言葉を言いきった。

そうして嬉しそうに頬を綻ばせ、何度も頷き言葉を続ける。

 

『強力なサーヴァントを呼び出せたようだね"藤丸君"。彼は心強いよ」

「はい。さすがに俺でも知ってる名前ですね」

「……杉元さん、でよろしいでしょうか」

 

盾を持ったピンクの髪で片目が隠れた少女が横を歩く"杉元佐一"と名乗ったサーヴァントへ声をかける。

彼はそれに対して人の良さそうな笑みを浮かべ気さくに口を開いた。

 

「ああ、好きに呼んで。……えーと」

「あ、"マシュ・キリエライト"と言います。よろしくお願いします」

「俺は"藤丸立香"です」

『"ロマニ・アーキマン"、気軽にロマンって呼んで欲しいな』

「分かった。改めてよろしく」

 

各々が自己紹介を終え、並んで森を進む。

そんな中、ふと杉元は自分が置かれた状況と脳に直接入ってきた情報に差異があることを感じた。

 

「そういえば、今どんな状況なんだ?……せ、せいはい戦争?だったかに呼ばれたんじゃないのか?」

「あー……」

「ドクター」

『……そうだね、1から説明する必要があるね』

 

 

 

──カクカクシカジカ──

 

 

 

「……つまり、今は世界が滅亡してて、世界を救おうって……そういう話か?」

『そうだね。端的に言えばそれで合ってるよ』

「………」

 

ドクターロマニ、ロマンの説明を受け唸る杉元。

自分が死んだ先の世界。未来にはこんな結末が待ち構えていたとは……。

 

顔には出さないが内心穏やかでは無い。驚きと事件の首謀者に対する少しの怒りが浮かび上がった。

 

「……人理を取り戻す戦いか。またエライことに巻き込まれちまったな。仕方ない。俺が出来ることならなんでも手伝うよ」

「ありがとう。杉元さん」

 

藤丸はそんな杉元の言葉に笑顔で返した。

 

そんな中、杉元はというと久しぶりの現世に少しだけ思いを馳せる。

日露戦争でも生き残り、刺青人皮の砂金争奪戦でも生き残り、残った余生は"彼女"と過した日々。

平凡で平和な日常の果てに老衰で死んだ杉元は、待ち受ける新たな戦いに気持ちを切り替え、戦場に身を置いていた心を取り戻そうとしていた。

 

「……そういえばここはどこなんだ?日本か?」

『いやフランスだよ。西暦1431年の百年戦争の休止期間中で、"ジャンヌ・ダルク"が火刑に処されてからまだそんなに日数は経っていない、そんな時期さ』

「……ジャンヌ・ダルク、か」

 

流石の杉元もそのビックネームは知っている。

 

百年戦争。ざっくりと説明をするとイングランド王家とフランス王家の王位と領地を巡る戦いである。

 

その歴史に登場したジャンヌという少女は、簡単に言うとイギリス軍(イングランド王家)に攻められ存亡の危機に陥ったフランス軍(フランス王家)を建て直し、見事にフランスを大勝利に導いた少女だ。

 

しかしその後、"神の恩寵を認識できる"とされていたジャンヌは、"神の恩寵は認識など出来ない、それはただの幻覚である"という教会側の主張により異端審問にかけられる。

1度はそれを掻い潜ることは出来たものの、結局は捕まりそのまま火炙りという形で生涯に幕を閉じた。

 

「……気分のいい歴史じゃ、ないよな」

『……気持ちは分かるよ杉元さん。あの時代の人間は、悪と感じたら悪にしてしまう。極端な価値観しか無かったんだ』

「分かってるさ。こんなことを言っても意味ないこともな」

「………」

「………」

 

杉元の言葉に気まずい雰囲気がその場に流れる。

それを感じて杉元は苦笑いを浮かべながら藤丸の肩を叩いた。

 

「悪いな気まずくさせた。さあ早く行こう。案内してくれ」

「あ、はい!」

 

そうして杉元は歩兵銃を肩にかけ直し、いつ敵が出てきてもいいように鋭い目で歩き出した。




もし、金カムを題材にしたイベントが来たら"ぐだぐだ網走ゴールデン"とかかなあという妄想をした。

続きはモチベが続いたら書く。
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