それと、所々モブに略称がある為、どれが誰かを前書きに書いておきます。
1A→1組男子A
1B→1組男子B
2A→2組男子A
2B→2組男子B
2C→2組男子C
~体育館~
午後の競技の為、僕らは体育館にいる。
ドッジボールの時間だ。
ドッジボールは、男女分かれてそれぞれのコートで行う。
ルールは至って簡単。内野に1人でも多く人が残ってる方が勝ち。
組み合わせは綱引きとほぼ同じだ。
まずは1年男子からで、僕は1組との試合。
綱引きの時もわかってたけど、あっちもあっちで腕っ節がありそうなメンツだ。
2組男子A「秦野!ぜってー勝とうぜ!」
2組男子B「しっかり着いて来いよ?」
真黒「わかってるって。一緒に頑張ろう。」
近くのクラスメイトにそう言われ、気合いも入る。
これでも僕は、しーちゃん以外にも仲の良い男の子や女の子もいるんだよ?
まあ、しーちゃんの話ばかりしてるから、友達いないみたいな扱いされがちだけど…。
白羽「黒ちゃーーーん!!頑張ってーーー!!」
観客席からしーちゃんの声が聞こえた。
僕はそれに応え、手を振ってあげた。
しーちゃんに応援されたら、それこそ頑張れる気がするんだ。
2組男子C「ほら、彼女から応援されてるぞー?」
真黒「なっ!?彼女じゃないよ!//////」
2C「そうなのか?ま、精々頑張れや笑」
近くにいた男子から揶揄われた。
何だろう、高校に入ってから揶揄われる事が多い気がする…。
さて、気を取り直して、今から試合が始まる。
ピーーーッ!!
ホイッスルが鳴り、試合が始まった。
目まぐるしくボールが前へ、後ろへと飛び交っていく。
運動部が多いからか、避けるのにも精一杯だ。
1組男子A「秦野が残ってるぞ!」
真黒「え!?うわっ!」
目掛けてきたボールを回避した。
まずい、僕が狙われてる。
2A「おいおい、秦野ばっか狙うなよな!」
相手も本気なのだろう。
1組が現在下位に入ってるからなのか、向こう側からとてつもない競争心が見える。
2B「秦野!そっち行ってる!」
ポフッ
真黒「わっ!」
僕にボールが命中してしまった。
だがしかし───。
2C「取った!秦野はセーフだぞ!」
真黒「あ、ありがとう!」
間一髪でボールが落ちる前に取ってくれた。
1A「ちっ…!他の奴を狙うぞ!」
1組男子B「おう!」
なんとか生き残りたい所。
恐らく他の人を狙う可能性もあるから、僕も手を貸して守ってあげないと。
1B「当たれ!」
《/ブォンッ!
真黒「させないよ!」
ガシッ!
どうにかボールをキャッチできた。
攻めるか、敢えて外野に回すか……。
2C「秦野!無理しないで外野に回しても良いぞ!?」
真黒「大丈夫!てい!」
僕は攻める事を選んだ。
ガシッ!
1B「残念だったな!」
僕が投げたボールを軽々と取られてしまった。
1B「隙あり!」
真黒「うわっ!」
油断も隙も無い。
落ち着いて、慎重にならないと。
~白羽視点~
1組もかなり本気っぽい。
でも、2組も押してる。
この試合、どうなるんだろう。
アヤネ「よぉ。クロの奴、今どんな感じだ?」
白羽「うーん、何とも言えない…。お互い押し合ってるって感じ。」
アヤネ「1組は負けず嫌い多いからな…。そう考えたら奴等も本気なのもわかるわ。」
あやちーの言う事も一理ある。
綱引きで負けた仕返しのようにも見える。
アヤネ「一声かけてやったらどうだ?」
白羽「え?」
あやちーは、アタシにそう言った。
アヤネ「別のクラスの奴が言う事じゃねえかもだけどよ、クロはお前にとって大切な存在なんだろ?そういう奴の頑張る所って見たいもんだろ。」
あやちーはもしかして、繋いでくれてるのかな。
アタシと黒ちゃんの為に……。
アタシは、観客席から身を乗り出し、こう叫んだ─────。
白羽
「頑張れ!!黒ちゃん!!!」
~真黒視点~
押して押されてが続いてる。
これ、ちょっとまずいかも。
少しでも、僕も力になれれば……。
『頑張れ!!黒ちゃん!!!』
真黒「…!」
観客席から声が聞こえた。
その声の正体は。
銀髪のセミロングに黒い肌、そして僕の幼馴染……。
しーちゃんだった。
2A「秦野ぉ、彼女から言われてんぞ?」
真黒「か、彼女じゃないってば…///」
2A「そうか?俺達はそうにしか見えないけどな。でも、江波に良い所見せる機会なんじゃねえか?」
真黒「……。」
2A「好きなんだろ?江波の事。ならかっこいい所見せてやれや。」
どうやら、背中を押してくれてるみたいだった。
なら、やるしか選択肢は無いか。
1A「彼女だか何だか知らねえが、俺達は勝つのみだ!」
ブォンッ!
向こう側からボールが飛んでくる。
ガシッ!
それを、僕はキャッチする。
真黒「ていっ!」
ブォンッ!
狙いを定めて投げる。
1A「へん、そんなボールなんて……って、あれ?」
何処を狙ったかって?
それはね……。
1A「しまった!足に……!」
ポフッ
真黒「よし!」
白羽「やった!」
そう、足元に向けて投げた。
これなら、簡単に取られにくい。
2B「マジかよ…。あいつやるじゃねえか!」
2C「これいけんぞ!」
この調子で減らしていこう。
そう心に決めた。
2A「ここだ!」
1B「甘い!」
来る。
真黒「やぁっ!」
僕はボールを投げる。
……と見せかけて。
2B「なっ!?フェイント!?」
真黒(…チャンス!)
ポフッ
2B「だあああああっ!くそっ!やられたっ!!」
精々僕ができる事は、足元に投げる、フェイントをかける事。
…と言っても、それくらいしかできないけどね…。
ピーーーッ!!
やがてホイッスルが鳴り、試合は終わった。
「勝者、2組!」
2組
『うおおおおーーーーーっ!!!!!』
なんとか1組に勝てた。
正直どうなるかと思ったけど、結果的に勝てて良かった。
2A「秦野!お前すげえよ!」
2B「ああ!あの戦法マジでやばかったぞ!」
2組の男子からそう称賛される。
真黒「そんな、僕はやれる事しただけだよ///」
正直、あまり一斉に褒められる事には慣れてない。
だって、勝てたのは皆のお陰でもあるんだから。
2組男子(え、照れてる秦野可愛すぎね?本当に男子高校生かよこいつ……//////)
~白羽視点~
2組の男子が勝った。
良かった、黒ちゃんに届いたみたい。
アヤネ「…やったじゃねえか。」
隣にいたあやちーにそう言われた。
アヤネ「クロがあそこまで本気になれたのは、お前のお陰と言っても良いかもな。」
白羽「もう、茶化さないでよ笑」
本意なのかそうじゃないのか、あやちーの言葉に対してそう思った。
アヤネ「さて、次は女子の番だな。クロの事考えて無茶すんなよ?」
白羽「何それ、しないよ笑」
あやちーに揶揄われる。
なんか、黒ちゃんと出会ってから揶揄われる事が多くなってきた気がする…。
~真黒視点~
僕は今、観客席から女子の試合を観ていた。
コートの中にはしーちゃんがいる。
誰よりも活発に動いていた。
2A「よ。女子の方はどうだ?」
クラスメイトが、僕に近寄った。
真黒「そうだね、頑張ってるよ。」
2A「とか言って、江波ばっか見てる訳じゃねえよな?笑」
真黒「そうじゃないって…///」
そう言って揶揄う彼。
しーちゃんも気にはなるけど、だからと言ってしーちゃんばかり見てる訳じゃないよ…。
2A「まあ、江波は男子からウケ良いもんな。可愛いし胸でけーし、ギャルなのに性格良いしさ。」
真黒「……しーちゃんをエッチな目で見てない?」
2A「なわけ笑」
最初の二言がそうにしか聞こえないのは気の所為かな?
2A「つっても、俺とは釣り合わねえよ。何だったら1番仲良いお前と釣り合うんじゃねえか?」
真黒「……。」
2A「もうこの際告っちゃえば?」
と、言われたのだけれど…。
僕は……。
真黒「……まだ早いと思うんだ。」
2A「ん?何でだ?」
そう返して、僕は続けて言う。。
真黒「だって、再会してから日もやや浅いし、しーちゃんもどう思ってるかって考えたら、まだ告白は早いと思うんだ…。」
2A「…そういう事ね。まあ、お前がそう思うんなら別に良いけどよ。あまりタイミング伺ってばかりじゃあ江波取られるぞ?」
真黒「それはわかってるよ…。でも、ちょっと怖いんだ。」
2A「?」
真黒「仮にしーちゃんと付き合えたとしても、何をしてあげたら良いのかわからないんだ…。僕ってしーちゃんより背が低いし、もしかしたら彼氏として見られないのかもしれないって考えたら、尚更ね…。」
僕は、しーちゃんの事が好き。
あの時アヤネちゃんに言われてから、しーちゃんを異性として見てしまう事もあった。
やっぱり、これが恋ってやつなのかな。
2A「心配ねえだろ。あんだけ仲が良くて、付き合えたら彼氏として見れない方がどうかと思うぞ。江波もきっとわかってくれるさ。」
真黒「そうだと良いけどね…。」
しーちゃんがどう思ってるかはわからないけど、付き合えたら良いなって考える。
その為には、前身あるのみだよね。
ピーーーッ!!
そんな話をしている間に、女子の試合が終わった。
「勝者、2組!」
白羽「やったーーーーーっ!!!」
どうやら、しーちゃん達が勝ったみたい。
第1試合は、圧倒的2組の勝利だった。
2B「よし、俺達も行くか。次も頑張ろうぜ!」
真黒「うん。」
─────その後は3組、4組と試合をしたが、3組には負け、4組には勝った。
そして、最後の競技になった。
最後はお待ちかねのリレーだ。
白羽「黒ちゃん!一緒に頑張ろうね!」
真黒「うん。」
このリレーは、男女混合だ。
力の差もあり、その点も兼ねて協力しないといけない。
……まあ僕の場合、しーちゃんより下かもしれないけど…。
そんな事はどうでもいい。
学年順なので、1年生からになる。
「1年頑張れー!」等の声援が聞こえる。
「よーい……。」
パァンッ!
ピストル音が鳴り響き、一斉にスタートした。
今の所、4組がやや後ろに離れていて、他は纏まっている感じ。
1組と3組、やはり強い。
2組女子A「秦野君!はい!!」
ついに僕の番が来た。
半周とは言え、少しでも気を抜けばあっという間に先を越されてしまう。
全力で走る。
近くには3組、その後ろに1組がいた。
後ろは見ていられない。
前に進むしかない。
半周を走りきるそこには……。
真黒「しーちゃん!!後はお願い!!」
白羽「任された!!」
しーちゃんがいるから。
僕のクラスは、しーちゃんがアンカーだ。
僕は走りきった後にレーンから外れ、アンカーのしーちゃんを見守る。
しーちゃんは一気に距離を離す。
流石水泳やってるだけあって、持久力はある。
しかし、そこに追い付くのは……。
真黒(…!アヤネちゃんだ…!)
やはり、3組のアンカーはアヤネちゃんだった。
3組にとってアヤネちゃんは切り札なのだろう。
でも、こっちにはしーちゃんがいるんだ。
真黒(でもまずい、すぐにでも追い抜かれそうだ…。)
アヤネちゃんも負けじとしーちゃんを追い掛ける。
このままだと、リレーでは負けてしまう。
真黒
「頑張れ!!!しーちゃん!!!」
気付いたら僕は、今まで出した事の無い声を上げた。
ドッジボールの時、しーちゃんがやってくれたように。
~白羽視点~
黒ちゃんから渡されたバトンを握りながら、全力疾走をしていた。
大方予想はしてたけど、隣にはあやちーがいた。
しかも、かなり僅差で追い詰めていた。
もうこれじゃあ、アタシとあやちーだけが戦ってるみたいじゃん。
半周を走りきるその時─────。
『頑張れ!!!しーちゃん!!!』
その一言が聞こえた。
その正体は、コートの中央にいた黒ちゃんだった。
この感じ、ドッジボールの時と同じだ。
それを真似るように、黒ちゃんはしていたんだね……。
なら、期待に応えなくっちゃ!!
アヤネ「…!マジか…!」
フルパワーで後の半周を走る。
あやちーもそれに負けじと走っていた。
後ろを見る余裕は無い。
前だけを見た。
そして─────。
─────完走したのだ。
司会『なんと、2組と3組が同時に完走したように見えました!少々お待ちください、撮影係が確認しています!』
どうやら、2人は横に並んでゴールしたらしい。
しばらく、結果を待つ事にした……。
司会『只今の結果……。』
司会「2組の方がラインを過ぎていた為、僅差で2組が勝ちました!!」
2組
『おぉーーーーー!!!!!』
やった!勝った!
アヤネちゃん達に勝ったんだ!
白羽「黒ちゃーーーーーん!!!」ムギュウゥ
真黒「しーちゃ……んぶっ!?」
こっちに走ってきたしーちゃんに思い切り抱き着かれた。
白羽「黒ちゃん!!やったよ!!勝っちゃったよ!!!」
真黒「んーーー!!んーーーーー!!!//////」
しーちゃん、嬉しいのはわかるけど!しーちゃんの大きくて柔らかいモノが当たってるんだって!
そう言おうとしても、その圧で喋れなくなってしまう。
アヤネ「……クロ、シロ。」
そうこうしている時に、アヤネちゃんが来た。
白羽「あ、あやちー!」
アヤネ「やっぱ、お前らはすげえよ。」
白羽「ふふん、そうかな?」
アヤネ「……それと、シロはクロを離してやれ。クロが苦しそうだぞ。」
白羽「え?あ、ごめん!嬉しくてつい…///」
しーちゃんは苦笑いしながら僕を離した。
……しーちゃんの大きなモノに包まれて最高でした。ご馳走様です。
そして、結果発表の時間となった。
総合で3組と僅差となり、2組が優勝した。
「白熱してた!」「悔しいけど楽しかった!」等と言った、生徒達の声が聞こえた。
司会『これにて、体育祭を終了致します。皆さん、お疲れ様でした!』
これで、僕達の体育祭は幕を閉じたのだった────。
~夕方~
白羽「───それでは!アタシ達の体育祭完遂を祝して!乾杯!」
真黒「乾杯。」
体育祭が終わった後の夕方、打ち上げの為僕らは焼肉店にいた。
と言うのもこれは、おばさんが提案者だ。
いつもの3人と叔母さんの4人で来ている。
真黒「すみません、奢ってもらっちゃって。」
若葉「いいんだよ、皆頑張ったんだからさ。好きなだけ食って良いからな!」
白羽「ママはお酒ダメだよ?あやちー送れなくなるからさ!笑」
若葉「さ、流石に今日は飲まねえよ…。」
しーちゃんはおばさんを揶揄う。
なるほど、お酒の癖は昔と変わらなかったんだな笑
若葉「そういや、最後のリレーは本当に白熱してたな!白羽とアヤちゃんだけが戦ってるみたいだったぞ。」
アヤネ「悔しかったけど、シロはすごかったっすよ。やっぱ持久力では敵いませんした。」
若葉「ははは!アヤちゃんにそこまで言われるとは、流石自慢の娘だ!」
白羽「もう!声が大きいよ!」
それからは何気ない会話も続きながら、食事を楽しんだ。
そして、ラストオーダーが近付いてきた。
白羽「そろそろデザート食べよっかな~?あやちーは何食べたい?」
アヤネ「先にシロが選べよ。アタシも自分でやるから。」
白羽「そう?じゃ、遠慮なく~♪」
若葉「なあ、真黒ちゃん。」
真黒「はい?」
突然、おばさんから話し掛けられた。
それに心なしか、小声で。
若葉「……白羽にはいつ告白するんだ?」
真黒「え、ちょ、急に何ですか//////」
若葉「ん~?何となくだが?んで、どうなんだ?」
真黒「……まだその時では無いと思うんです。しーちゃんもどう思ってるかなんてわからないし…。」
若葉「そう。ならゆっくり考えな。」
おばさんは微笑みながらそう言った。
告白かぁ…。
僕にその勇気は、本当にあるのだろうか…。
若葉「これだけは言っくとな、白羽の奴は……。」
真黒「…?」
若葉「…こっからは自分で考えな。」
真黒「え、何ですかめっちゃ気になるんですけど。」
ギリギリではぐらかされる。
何て言おうとしたんだろ…。
若葉「ま、いずれにせよ真黒ちゃんにもわかる時が来るさ。」
真黒「…???」
僕にもわかる事……。
……って、もしかして……?
白羽「黒ちゃんはデザート何食べる……って、2人して何話してるの?」
若葉「別に?学校楽しいかーとかそんな話してただけだぞ?」
白羽「…?なら良いけど。てか黒ちゃん、顔赤くない?もしかして熱でも……。」
真黒「…!僕、ちょっとお手洗い行ってくるね!//////」
白羽「あ…。」
あんな事考えたら、無性に恥ずかしくなってきた。
もしこれが本当なら……。
……いや、考えるのはやめとこう…。
若葉(…ま、精々頑張りな。真黒ちゃんも、白羽も。)
~夜~
お風呂も歯磨きも済ませ、今はベッドにいる。
今日は本当に疲れた。
でも、体育祭は楽しかったな。
すごく盛り上がったし、何しろ、皆頑張ったと思う。
最近、しーちゃんの事ばかり考えるようになった。
きっかけはやはり、アヤネちゃんだろう。
『クロはシロの事、どう思ってる?』
『……白羽にはいつ告白するんだ?』
アヤネちゃんとおばさんの言葉が脳裏を走った。
しーちゃんに会う度に、微かながら鼓動が高くなったり、体が熱くなったりもしていた。
今まで、こんな感情抱かなかったのに…。
どうしちゃったんだろ、僕……。
あなたの好きな登場人物は?
-
秦野真黒
-
江波白羽
-
鷺沢アヤネ