黒と白の甘い日々   作:ヤガミ

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幼馴染と海

 白羽「ほら黒ちゃん!早く遊ぼ!!」

 

 僕らは今、海に来ている。

 事の発端は相変わらずしーちゃん。

 それは1週間前まで遡る───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1週間前~

 真黒「え?海?」

 白羽「そう。今年の夏は海の家がかなり混むって、ばーちゃんが言っててね。黒ちゃん、今こうしてバイトしてるから、もし良ければの話だけど。」

 

 スーパーマーケットのバイト中、偶然立ち寄ったしーちゃんにそう言われた。

 海かぁ。最後に行ったの小学生の時かなぁ。

 

 真黒「アヤネちゃんや他の友達とかは誘わなかったの?」

 白羽「あやちーもその日はバイト忙しかったらしくてね。他も誘ったんだけど、既に予定入れてるみたいで…。」

 

 なるほど。で、誘えるのがもう僕だけって事か。

 

 真黒「まあ、その日は丁度空いてるしね。僕は別に良いよ。」

 白羽「本当に!?やったぁ!」

 

 まあ、幼馴染からの誘いだし、バイトしているからには一度こういう経験もしておいた方が良いよね。

 

 白羽「あ、混む時間が終わったら遊んでも良いって!」

 真黒「了解。」

 

 せっかくの夏休みだし、存分に楽しまないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~そして今日~

 若葉「よお、真黒ちゃん!忘れもんねえか?」

 真黒「ええ。大丈夫です。今日はよろしくお願いします。」

 若葉「良いんだよ、そんな畏まらなくて。いつも白羽と仲良くしてもらってるんだからよ。」

 

 家の前で、しーちゃんとおばさんが待っていてくれていた。

 この感じ、なんだか懐かしいな。

 

 白羽「黒ちゃんはアタシの隣ね!早くー!」

 真黒「ちょっと待ってよ、荷物置かせて。」

 若葉「そうだぞ。時間は沢山あるから、あまり真黒ちゃんを急かすなよ?」

 

 この時点でしーちゃんがどれだけ楽しみにしてたか窺える。

 まあ、海が楽しみなのは僕も変わらないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~移動中~

 白羽「ぴゃー!涼しいー!」

 

 車で移動中、しーちゃんは夏風を浴びていた。

 そういう所を見ると、幼さがまだ残っているかのよう。

 

 若葉「サービスエリアに寄るけど、何か欲しいのあるかい?」

 白羽「あ!アタシ、コーラ!」

 若葉「真黒ちゃんは?」

 真黒「麦茶でお願いします。」

 若葉「はいよ。」

 

 おばさんはそう言い、サービスエリアでかけたままお店へ行った。

 

 

 

 

 

 真黒「そういえば、しーちゃんって毎年海に行ってお手伝いしてるの?」

 白羽「まあね。本格的に始めたのは中学の時だよ。」

 

 へえ、僕と離れてる間に始めたんだ。

 なんだか、小さい頃のしーちゃんから一気に成長してるな。

 

 …ひょっとして、肌が黒いのはその影響かな…。

 

 白羽「黒ちゃんはどう?海に行ったりしないの?」

 真黒「最後に行ったのは小学生の時だったからなぁ。しーちゃんみたいに毎年って訳でも無かったから。」

 白羽「じゃあ一層楽しみなんじゃない?しかも幼馴染と!黒ちゃん贅沢しちゃってるね~♪」

 真黒「そんな、大袈裟だよ笑」

 

 そんなこんなで、車内での会話が弾んだ。

 

 その間におばさんが戻って来たので、一緒に会話に混ざりながら移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~海~

 真黒「うわぁ…、久しぶりだな、この感じ。」

 

 僕は先に浜辺に着いていた。

 静かに透き通る潮風が心地良い。

 

 …そういえば、しーちゃんはまだ脱衣所なのかな?

 少し早く来すぎちゃったのかも。

 しーちゃんからは、「一緒に海の家に行きたいから待ってて!」と言われている。

 

 

 

 

 

 白羽「お待たせー!」

 

 …と、しーちゃんが来たようだ。

 

 真黒「あ、しーちゃん、待ってた…よ……。」

 

 その瞬間、僕は固まってしまった。

 何せ、僕の目に映ったのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンク色のビキニを身に付けた、しーちゃんがいたからだ。

 

 

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 白羽「ごめんね~!思ったより時間かかっちゃって!」

 真黒「あ、ううん!全然大丈夫!」

 白羽「そ?じゃあ行こっか!」

 

 僕はしーちゃんの後に続き、歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダメだ、水着姿のしーちゃんが気になって仕方ない。

 

 色気が出てるピンクビキニ、あの頃から一気に成長している体つき……。

 

 特に綺麗なくびれと普通じゃないくらい大きく膨らんだ胸、キュッと引き締まったお尻が……。

 

 

 

 ……って、僕は変態か!?

 

 幼馴染とはいえ、女の子の体をまじまじと見るもんじゃないよ!落ち着いて僕!!

 

 白羽「それでね、あやちーがさ……って、黒ちゃん聞いてる?」

 真黒「ふぇっ!?う、うん!聞いてる!聞いてるよ……。」

 白羽「???」

 

 しーちゃんは僕を凝視している。

 

 白羽「あ!黒ちゃん、もしかして……。」

 真黒「……んぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽「…アタシの水着見て興奮しちゃった?♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真黒「ぶっ…!?」

 

 完全に見抜かれた。

 

 白羽「ねえねえ、そうなんでしょ?」

 真黒「いや、思ったより派手だったから……//////」

 白羽「ふーん?黒ちゃんの事だから、水着だけじゃなくて体も見てたんでしょ?」

 真黒「見てないし何言ってんの!?というかどうしてそうなるの!?//////」

 

 嘘です。バリバリ見てました。すいません。

 そう考えてる時に、しーちゃんの手が僕の頬に添えているのに気付いた。

 

 白羽「ほら、幼馴染の水着姿だよ?女の子のこの姿なんて、滅多に見られないんだよ?」

 

 艶っぽい声で、僕にそう言うしーちゃん。

 それにしーちゃんの顔もほんのりと赤く、肌も汗煌めいて、普段より色気が出てるようにも見える。

 

 白羽「ふふっ、黒ちゃんったら可愛い…♡」

 

 鼓動が止まらない。

 しーちゃんに触れられると、容赦なくドキドキする。

 

 白羽「ほら、今なら誰もいないから…♡」

 

 しーちゃんの腕が、僕の腰に添えて……。

 

 あぁ、今から僕、しーちゃんに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真黒「待って!しーちゃん!//////」

 

 

 

 白羽「あっ…。」

 

 危ない、理性が壊される所だった。

 添えられるギリギリの所で、僕はしーちゃんから離れた。

 

 真黒「ダメだよ…。僕達、まだそういう関係じゃないんだから……//////」

 白羽「えっ……。」

 

 僕はそう言うと、しーちゃんは我に返った。

 

 白羽「そ、そうだもんね!///ごめんね!///つい揶揄いたくなっちゃって!//////」

 

 急に恥ずかしくなったのか、しーちゃんは早口でそう言った。

 そうだもん、だって僕達、まだただの幼馴染なんだし…。

 

 白羽「さあ!ばーちゃん達も待ってるし!行こっか!!//////」

 真黒「あ、う、うん…。」

 

 気を紛らわすかのように、しーちゃんはさっさと行ってしまった。

 ……顔真っ赤にしてたし、やっぱりさっきした事が恥ずかしかったのかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~白羽視点~

 白羽(ちょっと待って!!今“まだ”って言った!?つまりそういう事!?//////)

 

 黒ちゃんを揶揄っていたが、カウンターを喰らった。

 “まだ”って事は、そういう事で良いんだよね!?

 無意識なのか、わざとなのか、それすらもはっきりできない。

 心なしか、身体中が熱くなるのを感じた。

 

 

 

 

 

 白羽「天然すぎるよ、バカ……//////」

 

 

 

 

 

 ……まあ、そこが可愛いんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真黒視点~

 海の家に着いたかな。

 大きな木製の建物が見える。

 

 白羽「ばーちゃん!いるー?」

 

 最前線でしーちゃんが立ち、声を掛けた。

 

 

 

 『はぁ~い、おるよぉ~。』

 

 

 

 奥からお年寄りの女性が顔を出してきた。

 この人が、しーちゃんのお婆ちゃんだ。

 

 白羽「手伝いに来たよ!」

 頼子(白羽の祖母)「いつもありがとうねぇ、しろちゃん。おや?隣にいるのは…。」

 

 どうやら、僕に気付いたみたい。

 

 真黒「お久しぶりです、お婆ちゃん。秦野真黒です。」

 頼子「おぉ!真黒君だったのかい!元気にしてたかのぉ。」

 真黒「ええ、お陰様で。」

 白羽「今日は黒ちゃんも手伝いに来たんだよ!」

 頼子「まぁ、助かるわぁ。真黒君もお手伝いしてくれるなんてねぇ。庄助さんが知ったらきっと喜ぶと思うよぉ。」

 

 庄助さんというのは、しーちゃんのお爺ちゃんの事だ。

 お爺ちゃんは、僕としーちゃんが小学3年生の時に他界してしまった。

 それからはお婆ちゃんが1人で、この海の家を経営していたらしい。

 考えてみれば、お婆ちゃんが1人で続けているのってすごいと思う。

 

 真黒「そうあってほしいと思ってます。ところで、今日は僕は何をすれば?」

 頼子「そうだねぇ、しろちゃんと一緒に接客をお願いしてもらおうかのぉ?」

 真黒「え?しーちゃんって接客できるの?」

 白羽「…なんか今馬鹿にされた気がするんだけど?笑」

 真黒「してないしてない笑」

 

 となれば、おばさんとお婆ちゃんは調理って事かな。

 頑張ろっと。

 

 白羽「あ、そろそろお客さんが来る頃じゃない?」

 頼子「おや、もうそんな時間かい。それじゃあ2人共、今日はよろしくねぇ。」

 真黒「ええ、こちらこそ。」

 

 僕達は早速準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予想はしていたけど、かなりお客さんが多い。

 でも、僕にはしーちゃんがいる。

 足手まといにならないようにしないと。

 

 おじさん「白羽ちゃん!今日も可愛いねぇ!」

 白羽「おじさんありがと!今日は何にする?」

 おじさん「じゃあラーメンにでもしようかな!味噌で頼むよ!」

 白羽「はーい!」

 

 すごいな、しーちゃん。これぞギャルって感じ。

 誰にでもフレンドリーな感じで、お客さんに接している。

 

 女性客A「すみませーん!注文したいのですがー!」

 真黒「あ、はい!少々お待ちください!」

 

 …と、お客さんからの呼びかけが来た。

 僕はお客さんの元へ足を運んだ。

 

 

 

 そこにいたのは、お姉さんが2人いた。

 

 真黒「ご注文をどうぞ。」

 お姉さんA「え、この店員さんめっちゃ可愛くない!?」

 お姉さんB「本当だ!」

 

 あれ、なんかすごい褒められてる?

 しーちゃん以外の女の人に褒められるのはあまり無いから、少し動揺してしまう。

 

 真黒「あはは…、ありがとうございます。それで、ご注文は…。」

 お姉さんA「ああ、ごめんなさい笑 焼きそば1つお願いします!」

 お姉さん「私は醤油ラーメンで!」

 真黒「かしこまりました、少々お待ちください。」

 

 注文をメモに取って、厨房へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽「味噌ラーメン1つ!」

 真黒「焼きそば1つと醤油ラーメン1つお願いします。」

 若葉「はいよ!」

 

 同じタイミングでしーちゃんも来ていたようだ。

 …と、何やらおばさんから視線を感じる……。

 

 真黒「えっと…、何ですか?」

 若葉「いや、ここであんたら見てると夫婦みたいだなってさ。」

 真黒、白羽「ふっ……!?//////」

 

 おばさんから思いがけないような言葉が出てきた。

 

 白羽「ママ!いきなり何を言い出すのさ!!//////」

 若葉「何って、ついな笑」

 

 おばさんが言うと、本気なのか冗談なのかがわからなくなる。

 

 真黒「あまり揶揄わないでくださいよ…///別に僕らはそんなんじゃ……//////」

 若葉「何さ、真黒ちゃんも満更でもねえんじゃねえか?笑」

 白羽「~~~!!//////ママなんかもう知らない!!//////」

 若葉「あはは、悪かったよ~娘よ~笑」

 

 そんなやり取りをしながらも、僕らは営業を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、時刻は11時を回る所だ。

 少しずつ、お客さんも減っていってる気がする。

 

 真黒「ふぅ…。」

 

 飲食店での接客って意外と大変なんだな…。

 スーパーマーケットのバイトとは違うや。

 これを続けてるしーちゃん達はすごいな。

 

 

 

 

 

 「なあなあ白羽ちゃ~ん、いつになったら俺と付き合ってくれるんだい?」

 

 

 

 真黒「……ん?」

 

 少し遠くで声が聞こえる。

 誰かがしーちゃんと話してるのかな?

 

 

 

 

 

 白羽「ごめんね!気持ちだけは受け取っておくから!」

 男「そんな事言って、もう1年も待ってるんだぜ?返事くらいしてくれても良いじゃねえか。」

 

 しーちゃんの方を見ると、如何にもチャラそうな男が絡んでいるのがわかる。

 ひょっとしてナンパってやつ?

 あれって実際起こるものなんだな…。

 それにしーちゃん、あまり良い気分ではなさそう…。

 

 白羽「本当にごめん、アタシ、心に決めてる人がいるから…。」

 男「そう言って逃げるつもりだろう?俺にはわかるんだよね、白羽ちゃんは彼氏がいないって事。何なら俺はずっと白羽ちゃんを追っかけてたからよ。」

 

 うわぁ、かなり面倒だな…。

 流石に僕もちょっと気持ち悪く感じてきた。

 

 白羽「…あのさ、そろそろいい加減にしてくれない?ていうか、アタシ今仕事中なの。わかる?」

 男「おうおうわかってるよ。ただ白羽ちゃん、こういう時しかここにいねえだろ?だから俺がわざわざこうしてここに来てんだよ。」

 白羽「もー!しつこい!」

 

 

 

 ……そろそろ限界が来たかも。

 

 止める?ううん、そうするしかない。

 

 だって、しーちゃんをここまでさせてるんだから。

 

 

 

 

 

 男「それなら無理矢理にでも!」

 白羽「ちょ、やめ─────!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

 

 

 

 

 気付いた時には、僕は男を止めるべく腕を掴んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~白羽視点~

 接客中、あの男に絡まれていた。

 

 あいつはアタシが中3の時から絡んできて、正直もう嫌になってた。

 

 だけど、それを止めてくれたのは─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幼馴染の黒ちゃんだった。

 

 

 

 真黒「…そろそろ止めてくれませんか?このまま続けると、お店のご迷惑となりますので。」

 男「…あ?うるせえぞガキ。俺は今白羽ちゃんと話してたんだ。邪魔すんじゃねえぞ。」

 真黒「その割には嫌がってましたが?しーちゃんをここまで苛立たせるなんて、あなたは最低ですね。」

 男「んだとゴラァ!!」

 

 男は黒ちゃんに殴りかかろうとしていた。

 

 

 

 

 

 ─────その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

 男「…あ?いででででで!!」

 

 

 

 

 

 若葉「……何か騒いでると思ったら、こんな事になってたなんてな。」

 

 拳を止めたのは、ママだった。

 

 そうだ、ママも昔は水泳やってたから、力には自信があるんだ。

 

 男「くそ!離せ!!」

 若葉「お前、去年もここに来てた奴だろ?常連だと思ってそっとしておいたが、まさかこんな事になってたなんてな。」

 男「うるせえ!俺はただ白羽ちゃんと……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 若葉「……これ以上娘に絡むようなら、その腕の骨をへし折ってやろうか。」

 

 

 

 

 

 ママは鬼の形相で男を睨んだ。

 

 男「ひぃ!すみませんでしたあああああ!!!」

 

 男は怯え、一目散に逃げていった。

 

 

 

 若葉「……ったく、迷惑な野郎がいたもんだ。」

 

 

 

 白羽「ママ、ありがとう。」

 

 アタシは、ママにお礼を言った。

 もちろん、黒ちゃんにもお礼を言うつもり。

 

 若葉「ん?ああ、気にすんな。娘を守んのが母親の約目だろ?」

 白羽「そうかもね。」

 若葉「真黒ちゃんも、よく止めてくれた。」

 真黒「え?いや、僕は何もしてないですよ。」

 

 黒ちゃんは目を丸くしながらそう言った。

 

 若葉「なぁに、一番最初に止めてくれたのは真黒ちゃんじゃねえか。最悪怪我してただろうに、よく頑張ったな。」

 真黒「ま、まあ…。」

 

 黒ちゃんは頭を掻きながらそう言った。

 褒められ慣れてない所が可愛い。

 

 確かにママの言う通り、黒ちゃんが止めてなかったら、永遠に続いていたかもしれない。

 黒ちゃんに怒鳴り散らした男の声が響き、それがママにも届いて、騒ぎは収まった。

 これでやっと、いつも通り営業できるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真黒「……ところでおばさん、さっき腕の骨をへし折るって……。」

 若葉「ん?ああ、おばちゃんの冗談さ。何だ?まさか本気にしたのか?」ニヤリ

 真黒「いや、そういう訳じゃ……。」

 

 

 

 真黒(…何だろう、おばさんが言うと本当に冗談に聞こえない……。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真黒視点~

 真黒、白羽「ありがとうございました(ー!)。」

 

 時刻は午後2時。

 お客さんもだいぶ減ってきた頃合いかな。

 

 頼子「2人共、お疲れ様ぁ。今日は大助かりだったわぁ。」

 真黒「いえ、どういたしまして。」

 頼子「お礼と言っちゃあアレじゃが、2人の為にスイカ持ってきたよぉ。良かったらお食べ。」

 白羽「やった!ばーちゃんありがと!」

 

 お婆ちゃんがスイカをお盆に乗せて持ってきてくれた。

 夏と言ったらスイカだよね。

 

 

 

 

 

 真黒、白羽「いただきます。(いただきまーす!)」

 

 僕らは早速、スイカを食べた。

 

 白羽「んー!美味しい!♪」

 真黒「本当だ、このスイカ、すごく甘いね。」

 

 塩無しでも甘い味が口の中に広がる。

 とても食べやすて好きだな。

 

 頼子「今日はもう予約も無いから、後はお婆ちゃん達で大丈夫よぉ。折角海に来たんだから、2人共遊んでらっしゃい。」

 白羽「うん!ありがと!」

 真黒「わざわざすみません。」

 

 そういえば、しーちゃんと海で遊ぶのも久しぶりだな。

 スイカを食べ終え、僕らは浜辺へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、今に至る。

 

 白羽「ぴゃー!ちめてー!」

 

 海の水は冷たくて心地良い。

 火照った体を癒してくれる。

 

 白羽「くーろちゃん♪えいっ!」

 

バシャッ

 

 真黒「うわっ!やったなー?」

 

 突然、しーちゃんに水をかけられた。

 そっちがその気なら!

 

 真黒「お返し!」

 

バシャッ

 

 白羽「きゃっ!負けないよー!」

 

 水のかけ合いっこが始まった。

 子供の頃もこうやって遊んでいた。

 何だか、過去にタイムスリップしたみたい。

 

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 若葉「ははっ、本当に仲良いな、あいつら。」

 頼子「そうねぇ。小さい時からずーっと仲良しだもんねぇ。」

 若葉「願わくば、この先もずっと仲良しでいてほしいな。もしかしたら白羽の奴、真黒ちゃんと結婚まで行くんじゃねえかな。」

 頼子「そうねぇ、曾孫の顔も見てみたいわぁ。」

 若葉「気が早ぇよ笑 あたしも同じ事思ってたけど笑」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お互い、びしょ濡れになった。

 水着だからどうって事ないけどね。

 

 真黒「小さい頃もこんな感じだったね。」

 白羽「うん!あの頃は楽しかったし、今もこうして黒ちゃんと一緒にはしゃいでいられてるもん。」

 

 お互い笑って、騒いで、遊び疲れるまではしゃいでた。

 高校生になった今でも、こうやって子供みたいに振る舞える。

 そんな日々も悪くない気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ん?待てよ?

 

 今お互いびしょ濡れになってるって事は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えーっと、現状報告しておくと…。

 

 

 

 水着+肌の所々が出てる+濡れてる、だから……。

 

 

 

 

 

 真黒「~~~!!//////」

 

 もうこれでわかっただろう。

 

 今のしーちゃんは、すごく色気が出ていたのである。

 

 濡れてるせいで、肌がテカっている。

 

 「水も滴るいい女」とは、まさにこの事だろう。

 

 何と言うか…、すごくエロい。

 

 テカっているって事は、もしかしたら胸も……。

 

 

 

 

 

 白羽「…?黒ちゃん、どーしたん?」

 

 

 

 

 

 真黒「!!!!!//////」

 

 まずい、つい見とれてしまった。

 だって!目の前に濡れてる女の子がいたら何かに目覚めちゃうんだもん!仕方無いじゃん!!

 

 真黒「何でもないよ!うん!何も見てない!!//////」

 白羽「見てないって……。あ…、ふ~ん…?♪」

 

 しーちゃんは何かを察したように、僕に近付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽「……黒ちゃんのエッチ…♪」

 

 

 

 

 

 真黒「!!!!!!!!!!////////////」

 

 

 

 

 

チャプンッ…

 

 

 

 

 

 しーちゃんに囁かれて、暴発して倒れた。

 

 もう、海の水で頭冷やそ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽(やっぱ見てたんじゃん……//////)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕方~

 気が付いたら、もう日が暮れていた。

 

 白羽「ふぅ~!いっぱい遊んだね!」

 

 あれから水のかけ合いっこを続けたり、泳いだり、砂のお城を作ったりした。

 と言っても、子供の時と同じ事してたんだけどね。

 

 真黒「もう夕方かぁ…。何だか寂しくなっちゃうな。」

 白羽「黒ちゃん…。」

 

 どうして時ってというのは、こう目まぐるしく移り変わるんだろう。

 しーちゃんと共にいるこの時間が、ずっと続いたら良いのにって思った。

 

 白羽「…!そうだ!記念写真撮ろうよ!」

 真黒「え?」

 

 しーちゃんの突拍子もない言葉に驚いた。

 

 白羽「こうして今一緒に遊べるくらいなんだし、せっかくだからと思って!」

 真黒「僕はいいけど。」

 白羽「よし!じゃあスマホ持ってくるね!」

 

 しーちゃんはそう言い、ダッシュで行った。

 まあ、写真を撮られるのは嫌いじゃないけど。

 

 

 

 

 

 白羽「お待たせー!」

 

 しーちゃんが戻ってきたみたい。

 

 白羽「まだお日様沈んでないよね?」

 真黒「大丈夫だよ。」

 白羽「良かった!ちょっと待ってね、今カメラ起動するから…。」

 

 「むむむ…」とスマホと睨めっこするしーちゃん。

 これはこれで可愛らしい。

 

 白羽「よし、完了!黒ちゃんおいで!」

 真黒「うん。」

 

 僕はしーちゃんの言う通りに動いた。

 

 白羽「んー、もうちょい近付けられるかな?」

 真黒「え?う、うん…。」

 

 これでも十分近いと思うけど…?

 そう言おうとしたその時だった。

 

 白羽「んー!もうちょい!」

 

グイッ

 

 真黒「えっ。」

 

 しーちゃんに引き寄せられた。

 そして─────。

 

 

 

 

 

ムニッ♪

 

 真黒「!!!!!//////」

 

 しーちゃんに密着する形になってしまった。

 

 

 

 もう一度言う。

 

 

 

 しーちゃんに密着する形になった。

 

 

 

 

 

 ……つまり、そういう事だ。

 

 

 

 

 

 真黒(ちょっとしーちゃん!?当たってる!!当たってるよ!!!//////)

 

 お察しの通り、しーちゃんの大きくて柔らかいモノが当たってるのだ。

 

 いや、羨ましいとは思われるけど!これはこれで理性壊れそうなんだけど!?

 

 真黒(あ、結構柔らかい……。)

 

 ……って、何考えてんだ僕は!!

 

 

 

 白羽「よし、撮るよー!」

 

 我に返り、写真を撮る事に集中した。

 

 とりあえず、適当にピースでもしておこう…。

 

 

 

パシャッ

 

 

 

 

 

 白羽「ありがと!これも思い出になったよ!」

 

 ……もう僕は思い出どころじゃないんですけどね。

 

 でもこれだけは言っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柔らかくて気持ち良かったです。ご馳走様でした(?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~夕食~

 若葉「今夜はバーベキューだぞー!」

 

 白羽「やったーーーーー!!」

 

 おばさんとお婆ちゃんが夕食の準備をしてくれていたらしい。

 お肉や野菜、貝が並んでいた。

 

 真黒「あ、焼くの手伝いますよ。」

 若葉「良いよ良いよ、真黒ちゃんは座ってな。昼間手伝ってくれた礼だと思ってよ。」

 真黒「そうですか?なら遠慮なく…。」

 

 そう言われたので、大人しく待つ事にした。

 

 白羽「黒ちゃん?ちゃんと野菜も食べないとダメだからね!」

 真黒「うっ、そう言われると…。」

 

 そう、ご覧の通り僕は野菜が苦手である。

 全部……と言う訳ではないけど、特に緑黄色野菜がちょっと……。

 

 若葉「白羽?そう言うお前もキノコ無理だろ?ほら、椎茸入れてやるからおあいこな!」

 白羽「ちょ!卑怯だー!」

 真黒「あ、あはは…。」

 

 おばさんは苦手な食べ物に対してはスパルタだからなぁ…。

 ここは腹括って食べるしかないか…。

 

 

 

 

 

 真黒、白羽「……………。」

 

 えー、どういう状況かと言いますと。

 

 僕はピーマンや人参の緑黄色野菜、しーちゃんは椎茸を食べようとしています。

 

 これらは僕らの苦手な食べ物です。

 

 白羽「黒ちゃん…!これも試練だと思って食べるよ…!」

 真黒「いや大袈裟!!」

 白羽「いただきます!はむっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽「やっぱり無理~~~~~!!泣」

 

 …ダメだったようです。

 

 いや、僕も覚悟決めたんだ。苦手克服する為に食べないと!

 

 真黒「はむっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真黒「……………。」プルプル

 

 何も言葉が出てこなかった。

 やっぱり苦手なものは苦手だ…。

 

 若葉「ありゃ、やっぱダメだったか…。ほら2人共、口直しに肉食いな。」

 

 おばさんは気を遣って焼けたお肉を分けてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 白羽「はぁ~、舌がおかしくなりそうだったよ~…。」

 

 結局苦手克服はできず、お肉や貝をパクパクと口へ運んだ。

 

 白羽「黒ちゃん、椎茸食べてもらっても良い?黒ちゃんのピーマンと人参食べてあげるからさぁ…。」

 真黒「……はいはい…。」

 

 そう言って、しーちゃんの椎茸(しかもかじりかけ)と僕のピーマンと人参を交換したのである。

 

 若葉「まったく、真黒ちゃんは白羽に甘いんだよなぁ。」

 頼子「まぁまぁ、好き嫌いあるのは仕方ない事じゃからのぅ。少しは大目に見てあげないとねぇ。」

 真黒「…なんかごめんなさい。」

 

 返す言葉もございません。

 いつまで経っても舌は子供のままでした。

 

 

 

 それからは4人で世間話をしていた。

 

 頼子「そういえば、真黒君も高校生なんでしょぉ?学校はどこに通っているのぉ?」

 真黒「しーちゃんと同じ所です。中学の時に親と相談して、ここに帰ってきました。」

 頼子「まあ、そうだったのねぇ。しろちゃんも喜んだんじゃなぃ?」

 白羽「うん!すっごく嬉しかった!またこうして黒ちゃんと一緒に遊べるしね!」

 

 しーちゃんは満面の笑みでそう言った。

 まあ、あの偶然さえも僕は嬉しかったけど。

 

 若葉「白羽、中学ん時は色々あったしな…。ま、そんなもん真黒ちゃんといりゃ吹っ飛ばせるさ。」

 白羽「そう…だね。アタシもそう思う!」

 

 …ん?なんか急に歯切れが悪くなったような…?

 …気の所為かな。

 

 

 

 ───しばらくして。

 

 若葉「はあぁ~!!仕事の後の酒は最高だぁ~!!」

 白羽「もう、ママったら笑」

 真黒「僕らはジュースで十分だしね。」

 若葉「お?“ジュースで十分”……はははっ!真黒ちゃん1本!お礼に残った肉を沢山やる!!」

 真黒「ちょ、いくら何でも酔いすぎでは!?汗」

 白羽「あははは!!」

 

 そんな、真夏の夜の賑やかな時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 真黒の水着姿ですが、インナー込のままになってしまい水着っぽくなくなってしまったのは申し訳ないです。元々女性キャラを作る為のアプリだったので…。

 最近本当に暑くなってきましたね(投稿は7月現在)。皆様熱中症には気を付けて下さいね。

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  • 秦野真黒
  • 江波白羽
  • 鷺沢アヤネ
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