不死身チート貰うとかサイボーグになるしかないよね! 作:らんくまっちょ
みなさん。ターミネー○ーは見た事あるだろうか?
無い、という人は……まあ、2XXX年の現代において、かなり多いんだろうな。かなーり昔の、そのまた昔の映画だし。
私は、あの映画の全てが好きだ。1も2も3も4も……いやもう、全部好きだ。好きな箇所を挙げ始めるとキリがないので辞めておくが……とりあえず言えることは1つ。
“サイボーグ最高!!!!!”
“特に、ムキムキマッチョのサイボーグは最高!!!!!!!”
小学2年生の頃、祖父に見せられたあの映画によって私は見事に脳をサイボーグ1色に染め上げられてしまった。
それからはもう、旧文明……
せめて見た目だけでも近付けんと己の肉体を鍛え。
サイボーグとしての完璧な知能を求めて勉学に励み、
常に憧れのサイボーグに、人間であってもせめてなりきり出来るよう努力してきた。
あと、アメリカのリアル・サイボーグ人間(全身機械化の異能者)に、毎年ファンレターだって送っている。たまーにサインや、
お礼のメールが送られてきて……その度に小躍りして喜びを噛み締めている。
流石に、高校一年生。メカというものに目覚めてから、7、8年熱は冷めなくとも……現実ってやつも、多少は見えてくる。
異能にも、魔法にも。目覚めない奴は基本的にサイボーグになれやしない。
実は、海外の方では機械化による老人の延命手術なども可能になっているようだが……
俺が成りたいのは、戦い、傷付き、敗北を経験しても折れず、
ただ進んでいく……とにかく格好良い。格好良いサイボーグになりてえんだ。
ロマンが詰め込まれた、
その異常に気付いたのは、包丁で指を切った時だった。
かなり深めに切ってしまい、ズキズキと鋭い痛みが。滴り落ちる血。あー、これは絆創膏要るなぁー、
なんて考えながらタンスから絆創膏を取り出し。貼ろうとしていたら―――
傷が、無くなっていた。先程までは痛々しく血を垂らしていた左手の人差し指が、
今は傷一つ無く肌色に戻っている。
そういえば、タンスを開けた時辺りから痛みが無かった気が……?
もしや、指を切ったのは気のせいで……なんて考えたが、キッチンを見ると私の指から出た血が明確にある。
……取り敢えずもう一回切っとくか……
さっきの包丁で、今度は右手の甲を軽く撫でる、そうすると当たり前だが傷が付き、血がみるみる溢れ出す、のだが。
十秒ほど経つと―――傷口の内側から、
治り始めてからは、一瞬だった。盛り上がった肉が変化し、肉、皮と修復されていく。
え、この歳にして異能覚醒?
嬉しい、嬉しいんだけど。再生、治癒系かぁ。
どうしても、機械系への憧れが……まあ、貰えただけでも感謝、か。
まあ、とにかく親に報告しておこう。そろそろ母さんは仕事終わりの筈なので、電話でいいか。
2コール待った後に、向こうからガチャリと音が鳴る。
「どうしたの?こんな妙な時間に掛けて来て。何かあった?」
「異能目覚めた。明日調べに行こう」
しばしの沈黙。
「……え、本当に?」
「うん。なんか傷が治る。」
「えーっと、まあおめでとう。後明日も仕事あるから明後日ね。」
「了解。晩飯ハンバーグでいい?」
「いいよ」
じゃあ、これから帰るから、と言って通話が切られた。
まだ少し頭が混乱しているが……取り敢えず、晩飯作るか。