この話が多分最終話だから
ここから先の未来をお前に見せる訳にはいかん
これは魔族と人類が共存できるかの実験であり
滅びゆく魔族の為の生存戦略であり
あり得たかどうかすら怪しいタラレバのお話だ
〜勇者ヒンメルの死から???年後〜
「久しぶりだね、アウラ」
「……」
「私の事は覚えてるよね」
「……」
「……えっ、その反応……もしかして覚えてないの?」
「……」
「まぁどっちでもいいか……
……今日はお前を殺しにきたんだ」
「…………」
「あっ、うそうそ。ちょっと冗談言ってみただけだよ」
「……おーい、アウラ、聴こえてる?」
フリーレンは檻越しに、かつての敵に向かって話しかける。
しかし当のアウラは、恐怖の象徴たるエルフの魔法使いの姿にも
その物騒な冗談にも反応すら示さず、壁にもたれ掛かっている。
七崩賢 断頭台のアウラ
かつてはそう呼ばれ、今となっては殆どの人の記憶から忘れ去られてしまった大魔族。
────もし、牢の中にいる少女が大魔族その人だと言っても
誰も信じないだろう。
「お前が私の顔面に土を投げつけてからもう200……300年かな?まぁまぁの年月が経ったよ」
檻を開けて中に入ったフリーレンは
地べたに座り込むアウラに目線を合わせてしゃがみ込む。
「お前がここに捕えられた後、黄金郷のマハトは討ち取られた……だからお前が正真正銘、最後の七崩賢だ」
「他にも結構な数の著名な大魔族や……無名の大魔族も殺した」
「魔王が死んで以来、新しい大魔族が頭角を現したって情報はまだないから、もしかしたらお前がこの大陸で最後の大魔族かもしれない」
「……にしてもお前は全く老けないね。まぁ私も全然変わってないけど」
外の事や他愛ない世間話を語られるも、
アウラは何の反応も示さず、フリーレンの顔をボーっと見つめ続ける。
「(本当に姿形が変わらないな。寿命が長いからなのか、それとも擬態の為の姿だから年老いた姿自体存在しないのか……)」
300年前と一切変わらない容姿を保つアウラ。
……正確に言えば、変わらないのは見た目だけだ。
以前その身に纏っていた傲慢さや高飛車な雰囲気は影も形もなくなり
何の力もない小動物のような、憐れみすら抱かせる貧相な風体になっていた。
「(何百年にも及ぶ幽閉生活は相当堪えたようだね)」
「……ちょっと待っててねアウラ」
フリーレンは一度牢から出て、何やら記入済みのやたら分厚い書類を衛兵に渡す。
受け取った衛兵は持ち場を離れて、別所へと持っていく。
数時間後、戻ってきた衛兵は
"上"との手続きが完了した事をフリーレンに伝えた。
「数百年前の案件だから手続きも時間が掛かったか」
フリーレンはアウラの方へくるりと向き直る。
「…………少し外に出よっか?」
そして、虚ろな表情の彼女に優しく手を差し伸べた。
◇
2人は、地下牢から上に続く通路を登り、地上に出た。
「…………っ!」
「おっと、足元気をつけないと転ぶよ」
フリーレンに手を引かれていたアウラは、
太陽の下に出た途端に顔を手で抑えてよろめく。
「…………まぶしい」
「久々の陽の光はちょっとキツいよね」
「……ぅぅっ」
「歩けそう?」
アウラは小さく首を横に振る。
「じゃあ、少し木陰で休もうか」
「……うん」
2人は木陰に座り、アウラの目が慣れるまでゆっくりと休む。
途中、偶然通りかかった衛兵が
領内に魔族がいる事を見咎めて話しかけてきたが
フリーレンが事情を説明した為に騒ぎにはならずにすんだ。
◇
数十分後
アウラの目は外の眩しさに慣れたが、
永い獄中での生活で足の筋力がすっかり落ちてしまっており
流石に徒歩だと時間が掛かると判断したフリーレンは
地上ではなく空を行く事にした。
今、フリーレンはアウラを連れて空を飛んでいる。
かつて強制連行した時のような雑な扱いではなく
今度はちゃんと背中におぶって。
「わあァ………!」
フリーレンに背負われたアウラは
目をキラキラさせながら大空からの景色を見渡した。
「楽しい?空を飛ぶの」
「……うん」
「魔族にとって飛行魔法は切っても切れない関係だしね」
はしゃぐアウラを暖かい目で見るフリーレン。
気がつけば、彼女の口も若干綻んでいた。
「(魔族を背中に背負って飛ぶなんて、生まれて初めてかもしれない)」
「(昔の私だったらこんな事想像すら出来なかった)」
「……リーニエ」
フリーレンのツインテールをワサワサと触っていたアウラが呟く。
「私はリーニエじゃないよアウラ」
「……しってる」
「リーニエは、もっと小さくて、いっつもこわい顔してて……だけどりんごがすきで」
「……最後はイジワルになったわ……」
「なら私は意地悪じゃないから大丈夫だね。安心して気を楽にするといいよ」
「…………そんなこんなしてたら見えてきたね。ほら」
フリーレンが指差す先に、一つの大きな村があった。
「着いたよ……あっ、一応これを被って」
「……まえが見えづらいわ」
「我慢して。魔族がいるなんて知れたら騒ぎになるから」
村の端に降り立ったフリーレンは、アウラに一枚のローブを着せて
頭の角が見えないように深々とフードを被せる。
「お前を連れ出したのはこの村を見せたかったからだ」
「名前は…………『アルム村』」
「嘘が真か、この村には昔、魔族が暮らしてたらしくて」
「なんでもその、『アルム』って名前の魔族の容姿は『紫色の髪をした片角の少女』だったとか」
「村の名前はその女魔族から取って名付けられたものだ」
「……"アルム"?」
「流石にお前の本名は付けられなかったらしいけど」
「……まぁ、お前が生きた証は……ある意味では残せたのかもね」
人々が行き交う大通りを、2人は歩いていく。
やがて、一件の古びた家屋の前に着いた。
「ここがその魔族が暮らし、そして村の基点となった民家だ。今は記念館として保存されている」
民家に入った2人は、内部を見て回る。
並ぶガラスのショーケースの中にはボロボロの農具や二つの背負い籠などの
ここに住んでた住人が使っていたと思われる生活用品が飾られていた。
更に奥に進むと、展示物は生活用品から一転し
魔法使いの杖や一振りの無骨な棍棒などの武器に移り変わる。
「……あ……これ」
「やっぱり興味湧くよね」
奥の方には一枚の絵が飾られており、アウラはその絵に目を惹かれた。
「お前に一番見せたかったのはコレだ」
「……これは、その女魔族と面識があったという一級魔法使いの女性が描いた肖像画だよ」
そこには、花畑の中で花の冠を頭に乗せて
微笑んでいる、紫髪で片角の少女の姿が描かれていた。
「ちょっと脚色は入ってそうだし、お前が本当にこんな幸せそうにしてたかは分からないけど、上手な絵だよね」
「……うん」
「魔族を描いた絵なんて限られてるから貴重な一枚だ」
「…………そう……ね」
2人はずっと、その絵を静かに見つめ続けていた。
「…………私はこの絵を描いた女性と話した事があるんだ」
ふと、フリーレンがその沈黙を破る。
「彼女は家を飛び出してから魔法使いとしてメキメキと成長してね」
「三級魔法使いになる為の試験にも歴代で5番目の若さで合格した逸材だ」
「魔力のコントロールに関してはフェルンの方がずっと上手かったけど、基礎的な魔力量は中々凄かったね」
「……ハイターにしてもそうだけど、たまに人間の中には、長命種に匹敵するレベルの化け物じみた天才が出てくるのかもね」
かつての弟子とも比べながら、大昔の魔法使いの事を楽しげに語るフリーレン。
「……ただ、お前が危険な大魔族だと知った時はすごく悲しそうな顔をしていたよ」
「魔法史の勉強をしていれば、魔族の知識を嫌でも知る事になるし」
「それでも……この絵を見た感じ、幼少の頃のお前との短いながらの思い出はずっと大切にしていたらしいね」
「確か、彼女の名前は……」
「ヒルフェ」
フリーレンが言うよりも先にアウラは答えた。
「……なんだ。知ってた……いや、"覚えてる"んだ」
アウラは何も言わずにコクリを頷く。
「意外だ、てっきりお前の記憶は────」
「……?」
「────いや、なんでもないよ」
キョトンとした顔のアウラを見て、フリーレンは何か言おうとするのを辞める。
「他にも展示されてるものがあるから、色々見て回ろうか」
「そうなの?……すごい楽しみだわ」
2人は古民家に増設される形で繋がる別館に行き、様々な物を見て回った。
「これは魔法使いヒルフェが発明した『魔法を使えない人でも魔法が発動出来る魔道具』の一種だよ」
「で、この魔道具に込められているのは"花の冠を作る魔法"だ」
「こうやって手に取って、このスイッチを押してごらん」
「……こう、かしら?」
魔道具を持ったアウラがスイッチを押すと、何もない空間から花が現れ
それが独りでに編み込まれ、一つの花冠が作られた。
「手に取った人物の魔力を自動で用いて、魔法を発動する仕組みだ」
「コレは、お前が見つけた
「魔法を扱えない者でも持ってるだけで魔法が発動出来る事をコンセプトにした物なんだよ」
「他にも魔法に合わせて様々な種類の魔道具がある」
「それは……きっとすごいものなのね……」
「うん、凄いどころか、魔法史に名前が遺る程の革命的な発明だ」
「(まぁ……今じゃ南側諸国の戦争で使われてる"魔法兵器"に仕組みを転用されたりして、いい事尽くめじゃないけどね)」
フリーレンは最後の部分だけは口にせず、心の声に留めた。
「……それに、私はこの"花の冠を作る魔法"はあまり好きじゃないな。便利だけど、手作り特有の温かみというか、柔らかさが感じられないから」
「勿論この魔法を否定する訳じゃないけどさ」
フリーレンは、アウラの手の中の花冠を見つめながら
かつて"ある勇者"が自身の為に冠を編んでくれた時の事を思い起こす。
「……フリーレン、どうしたの?」
しんみりとした顔を不思議そうに覗き込んでくるアウラに気が付き
フリーレンは表情をパッと変える。
「……っと、ごめん。ちょっと話が逸れたね。他の物も見て回ろうか?」
「まだあるの?」
「沢山あるよ。……例えばこれ、村の名物のお菓子、その名も『戦士ユンゲモチョチョ』だ」
「痩せた土地でも負けない小麦がこの村の特産品だからね。その小麦を使ったこの菓子は北側諸国でも人気なんだよ」
「おいしそうね」
「めっちゃ美味しいよ。ほら、アウラも一つ」
フリーレンから手渡された焼き菓子を口に頬張る。
「んっ……おいしい……この、"クソガキモチョチョ"」
「…………クソガキモチョチョ?」
◇
「今日は色々と見て回ったね」
「……うん、そうね」
アウラを背負い、フリーレンは伯爵領へと飛んでいた。
「……フリーレン」
「……ん?なに?」
「わたし……魔法がすきだわ」
魔法で作られた花冠をじっと見ながら、アウラは辿々しく喋る。
「知ってるよ。…………お前達魔族は人殺しの怪物だし、魔法も人を殺す為の道具なんだろうけど」
「魔法に対する真剣さだけは本物だ」
「で、何の魔法が好きなの?…………やっぱり"服従させる魔法"?」
「それもすきだけど、いまはこの……"花冠を作る魔法"のほうがすき」
「そっか、紹介した甲斐があったよ。ヒルフェもその魔法が一番好きだったそうだから」
「……あと、"逃げる時、足が絡れなくなる魔法"」
「……なかなか渋いね。それって確か民間魔法でしょ?」
魔法の事を談笑するフリーレンとアウラ。
……『魔族を憎悪する魔法使い』と、『人間の天敵である大魔族』
2人の経歴を知る者が見たならば、信じられないような顔をするだろう。
「……アウラ」
「……なぁに?」
フリーレンは、穏やかな笑顔から比較的真面目な顔になり
アウラに尋ねる。
「今日一日、周りの人間を見て……どう感じた?」
「…………どう感じたか、ですって……?」
その問いに対し、アウラは首を傾げたり頭を捻ったり
悩んだ末にこう答える。
「おいしそうだとおもったわ」
「……そっかあ、……"美味しそう"か」
それっきり、フリーレンは口を開かず
伯爵領へと飛んでいった。
◇
「フリーレン殿、今日一日、あの女魔族を連れて如何でしたでしょうか?」
伯爵領の屋敷の一室
フリーレンは、現領主と対席し、一日の出来事を報告していた。
「そうですね……害があるし、ないとも言えます」
「……と、言いますと?」
「アウラは多分、人間を無意味に殺す魔族の習性そのものは抜けてないですね」
フリーレンはまっすぐな目で偽りなく思った事を話す。
「そう……ですか」
「ただ」
目を伏せて残念そうにする領主に対して、フリーレンは続きを喋る。
「今のアウラは、物理的にも精神的にも人を傷つけるのは不可能かと思われます」
「……ほう。それは何故に?」
「身体能力の低下はもちろんですが……」
「何をどうすれば人を殺せるのかを考え、それを行動に移すプロセスが欠落しているんです」
「……例えるなら、何も分からない幼児にナイフを持たせても、どう人を刺せばいいのか分からないように」
「記憶喪失になった訳じゃないようで、昔の事を一応覚えてはいるみたいですが」
「自身の過去の記憶に対しての認識能力が、以前の彼女とは別のものになっている」
「……あと、多分嘘も吐けなくなってますね」
「というより、深く考えるより先に思った事をそのまま口にしてしまうと言うか」
「……話を聞いていると、まるで無垢な子供のようですな」
「ですね。実際の魔族の子供はもっと強かで悪辣だから、更に抜けてますが」
「……先祖が幽閉したそうですが、一体この300年でアウラに何があったのでしょうか?」
「うーん……それは……」
領主のその問いにフリーレンは、しばらく瞑目した後、こう答える。
「"何もなかった"が答えかと」
「……何も……なかった?」
「アウラは、耐えられなかったんだと思います」
「永い年月を掛けて洗練してきた魔法を奪われ、魔族としての誇りと尊厳を奪われ」
「外の世界を行き来する自由すら簒奪される……」
「プライドが高い彼女は、自身の現状を受け入れたら心が取り返しがつかない所まで壊れてしまうから」
「きっと子供のような、物事を深く考えない所まで心を崩して己を保とうとしたのかと」
「自分で自我を崩壊させたという事ですか……それはつまり、元に戻る可能性も」
「0じゃないけど……限りなく低い」
「幼い言動や辿々しい喋り方は時間と共に治るかもしれないけど」
「ぐちゃぐちゃになった精神構造は、もう二度と戻せないでしょう」
フリーレンは己の見解を一通り述べ終えた。
「……フリーレン殿」
「なんでしょう」
領主は、フリーレンから聞いた話を頭の中で何度も擦り合わせた答えを口にする。
「アウラを、引き取ってはいただけないでしょうか?」
「……んん、まぁ……なんとなくそんな気はしていました」
「それはアウラに同情しての事でしょうか?」
「もちろんそれも多少はありますが」
「実を言うと、我々もあの魔族の事は持て余していたのです」
「先祖の遺言通りに300年に渡り幽閉してきましたが……『領内で魔族を生かしたまま捕えている』など、外部には漏らせません故」
「牢番の衛兵の人選や、絶対に秘密保持する為の人員配置……これらにはかなり気を遣います」
「でしょうね……それでも衛兵の間では、『地下牢から呻く怪物』の伝説が、まことしやかに語られてるみたいですし」
「いや全くお恥ずかしい……私共の情報統制の至らなさを痛感致します」
「……仮に、アウラを外に出しても問題がないというのであれば、それらの問題が一気に片付くのですが」
「特に、フリーレン殿のお目付けの元であるというのならば尚更……」
直球に言えば、『アウラの世話は疲れたからあなたに押し付けたい』という内容。
その要求に対し、フリーレンが出した答えは
「……分かりました。引き受けましょう」
「よろしいのですか?」
「元はと言えば、私が早々に始末せずに、伯爵領を巻き込んでこのような事態に発展した訳ですし」
「しかしそれは、私の先祖の無念を晴らしたいという貴女様の御厚意では……?」
「確かにそれもありましたが……」
「……それ以外のお考えがあったのですね?」
「申し訳ありません。ここから先は、口にするのも憚られるような内容ですので」
「……私も、フリーレン殿の思索に深入りするつもりはありません」
フリーレンは己の胸の内を打ち明ける事を拒み
領主もそれを追及するような事はしなかった。
「では、アウラに関しての手続きはこちらで済ませますので」
こうして、アウラをフリーレンの管理下に移すか否かという対談は無事に終わった。
◇
〜勇者ヒンメルの死から328年後〜
「アウラ、ちゃんと荷物は持った?」
「……多分、持ったとおもうわ」
あれから、アウラは無事に釈放された。
私は寝ぼけ眼のアウラを連れて、伯爵領を後にした。
「街中に行く時とかはフードを取ったらダメだからね?」
「わかってる……わかってるって……ふあァ……」
「……フェルンって私の世話してる時こんな気分だったのかな」
ここ100年くらい、弟子も仲間もいない孤独な旅路だったし
話し相手が出来たと思えば、まぁ楽しいものになりそうだ。
「まずは聖都に戻って色々と溜め込んでた仕事片付けないと」
「そしたらオイサーストに行ってゼーリエにアウラを会わせて……」
「……300年前の時点でアウラの件は耳に入ってるだろうし…………めちゃくちゃ怒られるだろうな〜」
「フリーレン、……ゼーリエって誰なの?」
「多分アウラが知らない人だよ。魔王が台頭するよりも、ずっとずっと昔の人だ」
「ふぅーん……」
こいつ、途中で興味が逸れたな……。
……私は、気になったんだろう。
あの時、形だけとはいえ、人間の家で問題なく暮らしていたアウラを見て。
「ねぇねぇフリーレン、オイサーストって……どんなところなの?」
「大陸最大の魔法都市だよ。この大陸で2箇所しかない、一級試験を受けられる場所のひとつで──」
魔王のような『共存を望む魔族の赴くがままに任せようものなら人類は殺し尽くされる』。
「わたしもそこに行ったら……魔法がつかえるかしら?」
「……使えるようになるといいね」
「うん……!たのしみだわ」
なら、『最初から共存するしか道がない魔族ならどうなるのだろうか?』と。
……正直、数百年を掛けてアウラの心が砕けるであろう事は大方予想がついていた。
そして、"その先"が知りたかった。
人間と相容れない魔族としての精神構造を壊した後に形成される情緒を。
魔族は憎いけど、人の姿はしているのだから
私だって殺さずに済むならそうしたい。
「魔法都市……たのしみね」
「リュグナーが聞いたら、きっと……うらやましがるわ」
その結果が、
魔族
だけど、魔族という種族全体に対してそんな処置をするのは到底不可能だろう。
アウラが憎くなかった訳じゃない。
だけど、私はくだらない好奇心で
歪で哀れな怪物を生み出してしまった。
「……もし
「フリーレン?」
「なんでもないよアウラ。」
今の私に、面と向かってアウラを殺せるかと言われたら、正直微妙だ。
そして、アウラを殺さなければならない未来が来ない事を心より願う。
「南にいくの……初めてかもしれないわね」
アウラは、このまっさらな状態から色んな事を学んでいく。
その結果、人間の事を理解出来るかは分からない。
「そうか、きっと楽しい事が待ってるよ」
けど、くだらなくとも、楽しい旅にしてやりたい。