脱社畜を目指してパルデア1のブラック企業に勤める話   作:永久冬眠

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先日、ポケモンセンターDXに行く機会があったので、ミミッキュとヒトモシを連れて帰りました。(−1万円)


面接は何歳になっても怖い

 

 

 

 

パルデア地方の中心に位置する学徒の街テーブルシティ。その西側にポツンと佇むポケモンリーグの中へと案内されたコヨミは、挨拶もそこそこにパルデアリーグのトップチャンピオンであるオモダカとの面接に臨もうとしていた。

 

 

「……では、改めまして……私はオモダカ。このパルデアリーグのトップチャンピオン並びにお隣のオレンジアカデミーの理事長を勤めさせていただいております。どうぞよろしくお願いします」

 

「シンオウ地方から来ました、コヨミと申します。こちらこそ本日はよろしくお願いします。」

 

「本来であればゆっくりとお話をお聞きしたいところですが、2時間後にはここを出なくてはいけないので、早速面接を始めますね」

 

「ええ、僕としても仕事が得られるなら早い方がいいですから」

 

 

少し申し訳なさそうに言い出したオモダカにコヨミはそう返した。

 

 

「ありがとうございます……では早速、前職での役職については、既にアオキからある程度報告を受けています。詳しい業務内容など、話せる範囲でお聞きしたいのですが」

 

 

そう言うオモダカの手には先程アオキに手渡した名刺があった。それを見たコヨミは機密となってしまったアカギ関連の話題は伏せ、自身の職歴について話す。

 

実際のところオモダカは名刺に記載された役職だけではなく、コヨミが元いた研究所での経歴もある程度は部下に調べさせていた為、ここでコヨミが嘘をつけば容赦なく落とすつもりでいるのだが、コヨミの知るところではない。

 

 

「主に宇宙空間に存在する未知のエネルギーの研究とその活用方法についての研究が主でした。主任研究員なんて大層な役職ですが、元々機械いじりが得意で最初の頃は下っ端の研究設備のメンテナンスなんかが仕事で、エネルギー開発に関しては全くの素人でした」

 

「……整備士から、主任研究員になったと言うことですか。何か教育プログラムのようなものがあったのですか?」

 

「いいえ、特にそういったものは用意されていません。とはいえ分野自体に興味はあったので、完全な独学で書いたレポートなんかを当時の上司だった研究員の方々にプレゼンしまくって2年くらいで研究員に昇格。その後も同じことを続けていたら、6年目くらいには主任になっていました」

 

「それは、素晴らしいご経歴ですね」

 

「あはは……ありがとうございます」

 

“絶対、お世辞だ……笑顔だけど目が笑ってないよ…“

 

 

コヨミからすればお世辞にしか聞こえなかったが、オモダカの賛辞は間違いなく本心からのものだった。

 

 

ただの機械整備士から主任研究員?それも独学でたったの6年程度で?

 

既に調査済みだったコヨミの経歴には研究員として働き始めてからのことしか記載されておらず、研究員になった経緯などは不明とされている。本人も特に嘘をついている気配は無くもし、本当にそれだけの期間で全くの素人から主任研究員になったのであれば明らかに異常だ。

 

オモダカは別にエネルギー研究の分野にそこまで詳しいわけではないし、パルデアとは違うであろうシンオウ地方の昇進システムに詳しい訳でもない。

 

しかし、アカデミーの理事長として、学徒の長として分かることがある。

 

未知のエネルギーの研究という先駆者が限りなく少ない分野において、独学で成果を上げることがどれほど難しいことか。

 

既に何十年と研究をしてきた上位の研究員すら押しのけて、たった6年で主任の席に座れるほどに、彼が優秀であったことが伺える。

 

テラスタルとはまた分野が別れるのだろうが、彼なら問題ないのかもしれないと、オモダカは考えた。

 

 

「ええ、職歴については文句のつけようもありません。貴方ならきっとテラスタルについても有意義な研究をしてくれると信じます」

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

しかし、喜ぶコヨミを前にオモダカは自身の懸念を話す。

 

「ただ少し、詳しいことはまだお話しできませんが、一つだけ懸念があります」

 

「え“……な、何でしょう?」

 

これは合格貰っただろうという気持ちでいたコヨミは、背中に冷たい氷を押し付けられたような気分になった。

 

 

「コヨミさん……」

 

 

「は、はい」

 

 

ずい、と笑顔でにじり寄るオモダカに思わずコヨミは後退りする。

 

 

「私と……」

 

 

「…ゴクリ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バトル……していただけますか?」

 

 

 

にっこりと、誰もが見惚れるような微笑み(嫌とは言わせなねぇからな)で、オモダカはコヨミに告げるのだった。

 

 

 






「トップ、あと1時間くらいでここ出ないかんの分かっとんのやろか」


「ぜったい、もうわすれていますの」
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