脱社畜を目指してパルデア1のブラック企業に勤める話   作:永久冬眠

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沢山の評価、感想ありがとうございます。
楽しく読ませてもらってます。
自分でもプロローグで綺麗に終わった感を感じずにはいられないのですが、一応まだまだ続く予定です。

時間がある時に投稿していくので、拙い文章ですが、楽しみにして頂ける方々は、気長にお待ちください。


因みに最近投稿してなかったのは、大体藍の円盤のせい。
おかげさまで、図鑑完成しました。
BP集めが大変スグル………。



パルデアでの一幕

 

 

 四季折々の自然豊かな大地、パルデア。

 

 オレンジアカデミー率いる学園都市、テーブルシティを中心に据えたこの地方は、アカデミーの一大イベントである『宝探し』が始まると、ジムチャレンジや、新たなポケモンとの出会いを求める学生達がそこかしこで散見される。

 

 

 例年通り今年も、無事に宝探しのシーズンを迎えたパルデア。学生達(こども達)が冒険を楽しむ一方で、大人達は今日も今日とて仕事に追われる。

 

 

 ここで本日は、パルデアでも随一のブラック企業(一部勤務形態)の様子を見てみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ………人材探し、ですか」

 

 

 トップチャンピオン、オモダカに声をかけられたアオキは、面倒事の匂いを感じて、怪訝そうに眉を顰める。とはいえアオキは立派な社会人、表情には出さない。あくまで雰囲気的に、である。

 

 

「えぇ………アナタも知っての通り、我々パルデアリーグは深刻な人手不足が問題となっています」

 

 

 

 アナタに言うのも何ですけど、とオモダカは続ける。何を隠そう、このアオキと呼ばれる死んだ目をした非凡サラリーマンが、パルデアリーグの人手不足の深刻さを象徴する人物である。

 

 彼の役職はサラリーマン兼、ジムリーダー兼、四天王であると言えば理解できるだろう。四天王自ら営業へと赴く姿に、取引先は涙を禁じ得ないとか、何とか。

 

 

 

「エリアゼロ、ひいてはテラスタル研究の第一人者であるオーリム博士との連絡がつかなくなって、早一月。彼の研究を引き継ぐ者も未だ見つかっていない現状を放置しておく訳にはいきません」

 

 

 

 エリアゼロと呼ばれるパルデアの大穴、そこで見られる強力なパラドックスポケモン、テラスタルジュエルとそこから発せられるエネルギーに関する研究。テラスタルの一部仕様についてなど、大衆に公開されたものもあるが、フトゥー博士が遺した研究資料の大部分はゼロエリアの奥底で眠っている。

 

 テラスタルこそ、パルデアを代表するバトルの名物となっているが、テラスタルとそのエネルギーに関する謎は多く残される為、試験を通過したトレーナー以外のテラスタルオーブの所持は禁止され、テラスタルを活用した関連技術に関しても、資料不足、人手不足によって半ばオーパーツと化している。

 

 

 

「今後のパルデア地方の進退がかかる大事な仕事です。私からもそれなりに人を探しては見ますが、アオキは外回りで顔も広いでしょうから、一応頼んでおきます」

 

 

「はあ………承知しました」

 

 

 頼まれはしたが、オモダカからも探すと言っているのだから、そこまで本気になって探す必要は無さそうだと、アオキは安堵した。

 

 

 

「できれば機械に強い人が良いですね、資料の中には古いコンピュータに保管されているものもあると聞きますし、多少は扱えた方が良いでしょう………それに、半年前から放置されているリーグの放送機器も直して欲しいですね」

 

 

「それは、確かに」

 

 

 リーグの放送設備が故障して早半年、四天王が倒されるたびに次の四天王を大声で呼びつけるのは何とも面倒で、見栄えが悪い。四天王の中でも一番被害を受けたアオキ的にも速やかに解決したい問題である。

 

 

「それから、ポケモンバトルの実力もできれば欲しいです。エリアゼロに赴かなければならない以上、強力なポケモンとの戦闘は起こり得ますからね。四天王の誰かを護衛にするにしても、我々も激務に追われる身ですから、そう何度も付き合う事はできません」

 

 

 四天王の中で、唯一仕事がバトルしかないポピーという幼い少女がいるが、十歳にも満たない彼女を護衛とするのは流石に問題になってしまう。

 

 

 

 アオキはふと考える。

 

 成程、テラスタル等エネルギーの知識に造詣が深く、機械を弄る技術力があって、なおかつバトルの実力もそこそこにと…………

 

 

 

「いますか?………そんな人」

 

 

 

「…………では、頼みましたよ」

 

 

 有無を言わさぬ笑顔でそう告げ、立ち去って行くオモダカの姿を見送ったアオキは、リーグの休憩室(四天王の溜まり場)へと向かって足を運んだ。

 

 

 

 

 聞かなかったことにしよう。

 

 トップも探すから大丈夫……多分。

 

 

 

 

 休憩室に入ると、二人の人間が会話する声と、テレビから時事ネタを取り扱うゴシップ系ニュース番組の音声が聞こえる。

 

 

 

「テレビにうつっているきんいろのお姉ちゃん。おとこのひとにおかおをくっつけてなにをしているんですか?」

 

「アカン!ポピーちゃんにはまだ早いでー!………にしてもシンオウのチャンピオン、男おったんやなー、意外や」

 

 

 

 テレビを見ながら和気藹々と会話をする四天王のチリとポピーを横目に、部屋の隅に設置されたサーバーからコーヒーを持ってきたアオキは椅子に座ってテレビを眺める。

 

 

『熱愛発覚!?シンオウチャンピオン!?お相手は誰なのか!?』と銘打った番組はここ最近テレビで見ない日は無いと言って良いほど話題のネタである。

 

 

 

「………ふぅ」

 

「おわっ!?なんや、おったんかいなアオキさん。声かけて下さいよ」

 

 

 アオキがコーヒーを飲んで、一息つくと、声に驚いたチリがびくりと肩をあげる。影が薄いアオキはこうして度々、驚かれることがある。

 

 

「……では、私は外回りに行ってきます」

 

 

 早々に休憩室を出て営業の仕事、もといジムリーダーとしての役割を果たす為、自身のホームタウンとも呼べるチャンプルタウンへと向かおうとするアオキに、忘れるとこやったとチリが再び声をかける。

 

 

 

 

 

 

「トップから伝言で、『見つけたらボーナス出るので、聞かなかったことにしようとはしないように』って言ってはりましたけど………何のことです?」

 

 

 

「………無理です」

 

 

 いる訳ないでしょう、そんな都合のいい人間。

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