■【偽リベリウス記】
それは
――偽リベリウス(10000?)
◆
■交差都市ユディト
きつく薬を嗅がされたことで吐き気と頭痛がしていたし、手足は粘りつくように痺れていた。耳や鼻は使い物にならず、動いているのか止まっているのかすらわからない。いつまでもあたりがぐるぐると回っているような感覚に陥っていく。
「猿め」
かなり長いあいだ、ふたりはそうして運ばれていた。途中で覆いが掛けられ、また外されたような気がした。
ユディト市から出されたのかもしれない。
もし外海に出たのなら、かなり厄介なことになる。船に乗っているのかどうかさえ、こんな状態ではわかりようもない。
そして、目隠しが乱暴に外された。
埃っぽい石床の上に放り出されて、肺腑から息が押し出される。
耳鳴りが酷くて音が判りづらい。けれど僅かな音の響きからして、かなり広い空間のようだ。外ではない。
中央、やや奥まったところに座っていた人影が立ち上がり、なにか口にした。異国の言葉、意味のない雑音だった。
男だ。背は高く、しっかりした重心の立ち姿は武術の心得を窺わせる。それにこのパチパチと爆ぜるような力の気配。
「<人間イカリ>」
傍らで
使いらしきものが恭しく、なにかを捧げ持って戻ってきた。
中央にいる男は、ここにいる面々から敬われている。
所作の端々にそれを感じる。それも貴人に向けるそれだ。この男は、アシタの戦士階級のなかでも支配層なのに違いない。
長だ。このアシタ人たちの長なのだ。
使いによって、
唇の部分は、二対の牙のような彫り物で閉ざされている。
『《
男が静かに呟いた。
途端に、水晶の顔が口を開けた。
牙の印がずれるようにして開き、頬に移動する。堅い水晶の彫り物のはずのそれが、柔らかな生身のように唇を動かした。
男がなにか言った。そして、水晶像もまた口を動かした。
『さて……話をしようか、連邦の特務兵?』
その瞬間、何十もの言語がその場にいたふたりの脳裏に響き渡った。
「わざわざ第二級異物を解放せねばならないとはね」
男は疲れたように言った。
だが、目だけは異様に虚ろだった。光のない、憂いを帯びた目だ。
「偽りは許されない」
男はそう言って、水晶に手を置いた。
ハッタリだ。
どちらにせよ、下手なことは言えない。
「だんまりかい?」
男はつまらなさそうに言い、そして弾けるように動いた。
金属のぶつかり合う音がして、周囲の兵たちがふたりに剣を突きつけた。
黒い石のような刃には、血抜きの紋様とアシタ文字が彫り込んである。
男はどこから取り出したのか、やや丈の短い槍を
(聖異物か)
かなり強い力を感じる。
鋭い刃に囲まれて、棘のある剣呑さに身をつつかれながらも、
兵のひとりがなにか言った。男は槍を下げ、肩を竦め、呟いた。
「いや。やめておいてくれ。それでは意味がないからね」
兵たちが一斉に退いた。反りのない、肉厚の剣は鞘に収められ、槍もまた解けるように消失した。まるではじめから蜃気楼かなにかだったようにだ。
「まず、立場を理解しておいてほしい。僕らは簡単に君たちふたりを始末できる。それをね、わかっておいてほしいんだ。だが、一先ず、こちらから名乗ろうか」
男は言った。それは数十の少しずつ異なる言語になって脳裏に響いていく。囁くような残響のなかで、男はひとつの名を口にした。
「僕はタカ。オオタカヒコだ」
頭の中で、数十の言葉が一斉にそう告げた。
「アシタ皇国では軍毅の立場を授かっていた。君たちが滅ぼした国だ。畏れ多くも、異民族の分際で清浄なる我らが国家をだ」
周囲で男たちがどよめいた。それは怒りと、無念と、怨みによって熱を持っていた。まだ混乱薬は効いているが、もうはっきりと見える。眼差しだけで人を殺せそうな目、目、目だ。
「おまえが首魁か」
「愚かしい。復讐のつもりか。アシタが滅んだのは必然ですよ」
「野蛮で遅れたものは淘汰される。弱いからだ。そして、世界は正しく進歩したものによって統べられることで前へと進んでいく。我々は自然の摂理を執行しているのです。滅ぼされたことを、ありがたいと思って感謝しなさい」
「シャーンびとお得意の理屈だね」
タカは腰掛けて言った。
「傲慢。曳航連邦のみが正しいと本気で信じている。だが、僕はそんな君達と話がしてみたかったんだよ」
タカは薄ら笑いを浮かべていた。それは挑発や、嘲りなどではなく、ただ余裕と危険性からくるものだった。
「曳航連邦に勝てると本気で思っているのですか?」
「僕は
タカは黙っていた。
「お前たちには、<
「そうかい」
「お前たちが刃向かえば刃向かうだけ、罰が重くなるだけです。敗北の運命が決まっているのだから、賢いものなら分不相応な夢など見ずにただ大人しくしているものだ。我ら曳航連邦軍は屈しない。お前たちが
「理屈は通ってるね」
タカは悠々と言った。
「つまり、君の論理はこういうわけだ。曳航連邦は強く正しい。我々アシタはそれに勝てない……だが、それが間違いならばどうかな」
タカは微笑んだ。
「何を、馬鹿な」
「それが馬鹿でもないんだよ」
タカはちらりと眼差しを動かした。その先には、黒いローブを纏った集団があった。顔は見えず、小揺るぎもしない。
<
『罪だ』
彼らはその見えない眼差しで特務兵を眺め、さざなみのように囁きあっていた。
『罪だ……』
『罪』
『罪深い……』
無数の息遣いのようにしゅうしゅうと唸るそれらが、ふたりの肌をざわめかせた。
「秘密結社がそのわけですか」
「つくづく愚かだ。奴らはお前たちの味方になどなりませんよ。あらゆる国々の敵なのだから」
「それはどうかな、僕らとしては<
その<
そこにあったのは、眼差しを隠す仮面だった。稲妻のような雷紋に囲われて、黒く輝く太陽の意匠が刻んである。焼き締めた土器に、鋼を嵌め込んで造られているのだ。
その面の下で、青白い男の唇が歪んだ。
『……世に、黙示録のあらんことを』
それはアシタ語だった。
妙に耳障りに響く、不気味な声だった。深みのある色声だが、金属の罅割れるような甲高いものが微かに混じっている。
『貴殿らが悪の国、曳航連邦に対して革命を企て、反旗を翻す限り、我々は助力を惜しみませんとも』
「あぁ、ありがとう、サングィス」
<
『それで、これが例のシャーン人ですか』
仮面のサングィスは咳払いをした。次いで、なにかを思い出すように頭を傾けた。確かめるように薄い唇が震え、舌が動き、喉が声を鳴らし始める。
「我々は<
流暢なシャーン語に、ふたりは目を見開いた。サングィスは、見えているのかいないのか、姿勢を屈めて言った。
「どうか、世に黙示録のあらんことを」
「話せるのか」
「やはり
微かにそう呟いたサングィスを、
(こいつには、手がある)
そう、サングィスには両の手があったのだった。黒い布の内側に隠れているが、時折その白い指が覗く。
<
サングィスは曖昧に黙っていた。教団の掟について、赤裸々にするつもりはないということらしい。
「銃を見ただろう?」
タカは素知らぬ顔で言った。
「あれはね、彼らが用立ててくれたものなんだよ。君たちの独占していた技術体系ではもうないということなんだ。今や、僕達も銃を使えるんだよ」
「その程度で……」
「それは虚勢だよ」
間髪入れず、機先を制すようにタカは言った。それは剣術の稽古に似ていた。下段から持ち上げた剣を、すかさず切っ先で抑えつけるような。
「君は恐れているんだ。僕らを恐れている。銃の技術が漏れ、ハザードドラッグが奪われ、そして……世界一の超大国である君達と同等の戦力を今や僕らアシタ人が持っているかもしれないんじゃあないか、と」
「戦力?」
「そう、戦力」
タカは呟き、サングィスに目配せをした。サングィスは頷くと、<
『秘されるもの』
『秘されるもの』
黒い影たちがざわめき、囁き声を纏って滑るように割れた。
彼らは壁際の仕掛け、紐、歯車に取り付き、それを動かした。差す陽光に映る埃が、磁気に引かれてざわめく。電気のブーンという動作音が唸り始め、天幕が引かれてその向こう側を顕にした。そこには納骨堂のような、広々とした空間があった。
そして<
丸い殻のような背、そして短く萎えたような脚を折りたたみ、長すぎる双腕を抱きかかえている。まるで生まれる前の胎児のような格好で、その<天使>はそこに静止していた。《円環》はない。誰も“同化”していない。
「<
赤子のように指を動かし、
「まさか」
「《円環》がない。“同化”しているわけじゃない。それが動くというのは、まさか……」
身体が震える。眼の前の<天使>が恐ろしくてたまらない。理屈ではない。本能がそれを恐れていた。
畏れ多い。
まるで、ぽっかりと空いた大坑を覗き込んでいるかのようだ。今にも吸い込まれてしまいそうな。
「あぁ。わかるのか。君たちも<人間イカリ>だからね」
タカは言った。
「契約者は皆、知らず知らずにこれを畏れる。何故だろうね、非契約者では感じ取ることもできない。<人間イカリ>にだけ通じるなにかがあるらしい」
そこには、仄かな光を纏う翼があった。
電流のように青白い、《円環》と同質の光が翼の縁に絶えず走っている。それは時折脈打つように膨らみ、また和らいでいた。
光の翼……それが何を意味するか、
「すべての<天使>には同化限界がある」
タカは書を捲りながら言った。
「それは同化戦術の限界でもある。どんな<人間イカリ>も<
「“それ”はトルバトス以前から船乗りにはとてもよく知られていた。海を彷徨い、気まぐれに船を襲う存在」
「【偽リベリウス記】第45章第5節」
「“見よ、彼らはくびきから解き放たれた。それは
「“野良”。契約者なしに活性化している<
<
硬い石像だったものが、人間の意志を吹き込まれて動き始めるのだ。
だが、はじめから活性化している<天使>もいる。人類はそれを、“野良”と呼んでいたのだった。
<
それらは皆、同じ姿形をしていた。寸分違わず同じ異形を持っていたのだ。おしなべて胎児のように身体を丸め、時を待っている。
タカは誇らしげに頷いた。
「君たちは言った。曳航連邦は強いと。だが、どうだろうね?ここにいる“野良”が、残らず曳航連邦に攻め込んだら。契約者がいない“野良”は昼夜を問わず戦い続けられる。本能に従って。同化限界はない。奇跡は尽きることがない。止まらない、休まない軍団だ。都市一つなど容易く滅ぼせるさ」
興奮を隠せない様子で、タカは言った。
「“野良”を制御する術を手にしたんだよ、我々は。<
「秘術だと」
「そう、天使の軍勢だ!」
ふたりは何も言えなかった。気圧されていたからだ。タカはまるで、もう既に曳航連邦を滅ぼし終えたかのように、震えながら誇った。
「今度はこちらから言おう。君達こそ、敗北する運命なのだから、早めに我らアシタの虜囚になれ、とね。奴僕として奇跡を使うなら、心身ともに健やかなまま使ってあげられるだろう」
「もし、断ったなら、かい?」
タカは笑い、手を叩いた。
「
眼差しの先で、そこにいた人影のひとりが、鎖を付けたまま立ち尽くしているのに
なにより、その顔には狂気があった。まるで沈黙病の患者のように虚ろな目は、映すものをなにひとつ理解していない。
「彼は、ユディトの賊のひとりだった。“紙”の<天使>の<人間イカリ>だ」
タカは言った。
「もう人格も、思い出も、自分の名前が
タカは黙りこくるふたりに、ゆっくりと、その顔を向けた。
「もし、快い返事がもらえないのなら、薬で人格を破壊して、奇跡を暴走させる。なるべくならやりたくはないんだ」
タカは冷徹な猛禽がするように、じっと二人を両の目で見つめた。
「古く、天使学者トルバトスはこう言っている。奇跡とは、ヒトの意思が起こす力だと……心を壊された<人間イカリ>の出力はひどく落ちるんだ。木偶人形では、真に欲する者には勝てないというわけかな。やりたくはない、それは損だからね。だから、教えた」
声を低めてタカは言った。周囲では、剣を携えた戦士たちがじっとふたりを睨んでいた。
「絶望してくれないかと思って。判るだろう、君たちに勝利の可能性は、ない。勝ち船に乗ることは利口なものにしか出来ない」
「それだけか?」
だが、
「言いたいことはそれだけですか。僕らに、自分の意志で、曳航連邦を裏切れと?」
そして、
「あるはずがない。我ら曳航連邦に敗北の可能性などない!自分で、人間を辞めて、貴様らのような野人の真似をして暮らせだと?そのような屈辱はたとえ天が落ちても、海が割れても無いものと思え!人間もどきの知恵など所詮その程度だと言うことだ、<
タカは電流に貫かれたように立ち尽くした。一瞬のうちに、その身に秘めた力の気配が濃く、強く、危険なものになった。
影を置き去りにするほどの勢いで、タカは
『言わせておけば……』
タカの顔が歪んだ。
あの理知的で穏やかな物腰は消し飛んで、眼窩が深くなり、色の薄い髪が逆立つ。人間ではないものの面影が、その骨格に現れている。
『連邦のイヌの分際で、陛下を侮辱したな』
丸いヒトの瞳孔が割れ、鳥のように縦に裂けた。
肉体が膨らみ始めた。人間の輪郭が崩れ、異形へと少しずつ変わっていく。肌の色は濃く硬くなり、爪と指先が溶け合って鉤爪へと変化していた。
「
だが、それは流石にまずかったらしい。戦士たちが慌ててタカにしがみつき、口々にアシタ語でなだめるように何か言った。
タカの手が緩んだ。
タカは深く息を吸い、吐いた。その顔が人間らしいものへと戻り、穏やかさを取り戻していった。
「忘れるな」
タカは息を切らしながら言った。
「忘れるな
だが、これ以上言葉を交わす気は、もうどちらにも無いようだった。タカはうんざりしたようにため息を漏らすと、誰の目も見ずに呟いた。
『牢に戻せ。薬を濃くしておけ。時が来るまではな』
『解りました、オオタカヒコ様』
応える戦士たちにタカは曖昧に頷くと、去っていった。<
「ええ、いずれ、時は来る……」
サングィスのそれだけが、耳にこびりついていた。
◆
■ユディト禁忌霊廟
午前中に照らされて、褪せた石が白く光っている。
砂に埋ずもれた霊廟は、巨大な立方体だった。それは数多の小さな立方体の集合で造られていて、欠けた部分には空中回廊や梯子が架けてある。そのひび割れの一つですらが、並の都市構造体より大きいのだった。
頂上を見上げようとしてみたが、首が痛くなるだけだった。高さは何ローグもありそうだ。手で触れられるここから、遥か高みまで、ざらついた壁が延々と続いている。
あたりは花畑だった。
色とりどりの美しい花が荒野を征服するように咲き誇り、かすかな風に少しだけ揺れていた。葉は絡み合うように茂り、萎れているものは一つもない。
大佐はそれを貫く砂利の小路を進み、門番のように立ち尽くす背の高い黄金色の花に、そっと触れた。
(造花か)
花々はすべて命のない作り物だった。
霊廟と同じ、ざらついた純白の石に、塗料で色を付けてあるだけだ。鮮烈な花の色が途端にうすら寒いものに見えた。甘い香りも、舞う虫も、湿った土もない。渇ききった砂と錆の上に、絵の具で描いた偽物の花だけが広がっていた。
足元で水音がした。
「シラヌイか?」
大佐は口を動かさずに言った。
「遅かったな」
『この辺の地下は論理結界だらけで進めないんです』
シラヌイは言い訳するように答えた。
『ここに来てくれてよかったですよ。道を見つけるのに何回も深く潜らなきゃならなかった』
シラヌイはそこでちょっと言葉を切って、続けた。
『なぜあの時、俺に動くなって言ったんですか』
大佐は返してもらったコートの袖を弄いながら、息を吐いた。
「成り行きを見たかった。お前まで戦い始めたらいよいよ収拾がつかん」
『殺されなくてよかったですよ。あんたに死なれたら俺なんか、明日から職無しですからね』
シラヌイは水っぽい声でゴボゴボ言った。
『それで、成り行きとやらは見られたんですか』
「あぁ。役者が増えた」
大佐はうんざりした口調で唸った。なんでもないふうに、小路を歩きながら。
「台本を大幅に書き直さなきゃならん。終幕は変わらないが」
『そういう話し方似合いませんよ』
「“簒奪者”は我々が確保する」
大佐は言った。
「“
『
シラヌイは勘づいていたふうで言った。
『あの物凄い力の塊はそれっすね?頭に銃を突きつけられながら寝てるような気分でしたよ。“堅牢王”……奴隷狩りの王ですか。もうひとりは?』
「“
大佐は鉄を舐めるような渋面で零した。
「あの女の総力が揃う前にかたを付けたい。やつには懸賞金も神話級の戦力も意味がないはずだ。なにか厄介な目的がある。思いつくのはどれも嫌な予想ばかりだ。引き渡しには……まず応じないだろうな」
『先んじて捕らえると。うちで脚が速いのは、今は俺くらいですか?あぁ、こんなときに
「言っておくが、見つけたとしても捕まえるのは至難の業だぞ」
大佐は立ちどまって言った。
「既にそれなりの時間が経っているんだ。奴の、“葬送”の奇跡も次の段階へ進んでいるかもしれない。単なる破壊じゃあなく、もっと奇跡的なものへ」
『考えすぎでしょう』
シラヌイは首を振った。硬い砂地のはずの足元が、まるで水面のように、少しだけ泡立った。
『やつには師がいない。圧縮の概念も知らないはずです。
「
大佐は唇を舐めた。
「やつを逃がしたのは“不死”だ。圧縮術の師が要ることぐらい知っているはずだ。そしてイザールから北方へ動くと、経路によってはあの世捨て人に行き当たる。鉄の女のいるトバルカインにだ」
『“
シラヌイはあぶくに乗せて言った。大佐は考え込むように頷いた。
「あの女は圧縮術の達人だ。
港湾マフィアとのことを思って、大佐はそう言った。だが、シラヌイは唸った。
『やっぱり、考えすぎでしょう』
「なぜ、そう思う?」
大佐は足元に向かって言った。
砂の奥で、金色の瞳が光った。
『アシタ皇国を滅ぼしたのは、“
シラヌイは言った。
『鉄の
「一理あるが」
大佐はゆっくり頷いた。シラヌイは自信ありげに付け加えた。
『ただのアシタ人ならまだしも、連邦に指名手配された人間を助けるってのは
「そうだな。しかし……」
大佐は納得がいかない様子だったが、それ以上なにか言うつもりもないようだった。理屈は通っているのだ。
「まぁ、いい。とにかく、私はあのユディトと同行する。お前は
そう言えば、と大佐は付け加えた。
「今日はユディトの
<
「式典狙いの襲撃なんかが無ければいいが」
To be continued…