好き勝手生きて何が悪い   作:バタートースト

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見切り発車です。


恋人はオフトゥン

 アラームの音で目が覚める。

 人生で嫌いなものベスト5には入るであろうそれを止めてゴミ箱にシュートする。よし、これで俺の睡眠は守られたな。

 

『おい、目覚ましが鳴ったぞ。早く起きて着替えたほうがいい』

 

 うるさいデバイスもゴミ箱にシュートした。

 

『私を捨てるなー!』

 

 ギャーギャーと喚き立てるそれを無視して俺は再びオフトゥンの温もりを感じていた。あーやだやだ。性能が低いデバイスはうるさいですねー

 もう障害は全て排除した。これで俺の安眠を阻害するものはない。

 

「おはよー!朝だよーっ!」

「ぐはぁ!」

 

 すやすやと寝ていた俺にダイレクトアタックを決める存在。

 そんなやつはこの世に…いや結構居るわ。

 

「あー!クロウまたアイズゴミ箱に捨ててる!」

『助けてくれヴィヴィオ!』

 

 俺の上に乗しかかる金髪の少女の名前はヴィヴィオ。

 一応俺の妹に当たる。血は繋がってないけど。

 ヴィヴィオはゴミ箱から俺のデバイスであるアイズを救出して机の上に置いた。

 

「デバイスは大事にしなさいってママにも言われてるでしょ!」

『そーだそーだ!もっと私を大切に扱え!』

 

 うるせえ解体してフリマに出品すんぞ。

 

「とりあえずどいてくんね?」

「起きるなら退いてあげる」

 

 ていうかこいつ重たくない?昔は全然軽かったのに。

 

「なぁヴィヴィオ?」

「なに?」

「お前太った?」

 

 朝からとんでもないブロウが炸裂したことは言うまでもないだろう。

 

「ヴィヴィオー!クロウー!朝ごはん出来たよー!」

 

 俺の名前はクロウ・アストレイ

 一応この高町ヴィヴィオの兄です。

 

◇◇◇

 

「おはようクロウ、アイズ、今日はちゃんと起きられたね」

『Good morning ladies and gentlemen』

「おはようございます」

『おはようなのはさん、レイジングハート。こいつに敬称は不要だぞ?』

 

 ゴミ箱にポイっ

 

『私を捨てるなー!』

「もう、またアイズを適当に扱うんだから」

「あいつも俺のこと適当に扱うんだからおあいこっすよ」

 

 なのはさんの作った朝ごはんを食べながらそう話す。

 今日はオムライスか…ちょっと多いな…

 

「今日は新レシピなんだけどどう?美味しい?」

「なのはさんの飯は全部美味しいですよ」

「えへへ、ありがとう」

「この調子でお小遣いも新価格に」

「それはダメ」

 

 ちっ、ダメか。

 やはり俺の通帳探し出すしかないか…

 

「ちなみにクロウの通帳ははやてちゃんの家にあるから探しても無駄だよ♪」

「なんでそれだけはやてさんが持ってんすか!」

「だって家に置いてたらクロウ探し出しちゃうんだもん」

『完全に読まれているな』

 

 クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「はぁ…おいヴィヴィオ、牛乳取ってくれ」

「自分で取ればー」

 

 なんだよこいつ太ったって言ったことまだ怒ってんのかよ。

 可愛くないやつ。昔はお兄ちゃんお兄ちゃんって可愛かったのに。

 

「あれ?機嫌悪いねヴィヴィオ」

「クロウに聞いて」

「クロウまた何かしたの?ダメでしょ意地悪したら」

「俺は事実を言っただけですよ〜」

 

 オムライスを食い終わって腹立つからヴィヴィオのコップに注がれた牛乳一気飲みしてやった。

 

「あー!」

「もう、行儀悪いでしょ」

「ご馳走さんでーす」

『最低だなお前は…』

 

 席を立ってとっとと自分の部屋に帰って制服に着替えに行く。

 待たせるとめんどくさいしうるさいしなー

 

「かっ、かんせっっっ!クロウのバカー!」

 

 牛乳くらいで怒るなよ。

 

『そう言うことじゃないと思うぞ』

 

◇◇◇

 

「痛って」

「うん、ちゃんと本体だね。いってらっしゃい」

 

 俺とヴィヴィオはなのはさんと分かれて学校へ向かう。

 今日は俺とヴィヴィオの進級祝いをするから早く帰ってくるらしい。

 まあ別に予定もないから構わんのだが、学校ってのはなんでこうもめんどくさいかねぇ。となのはさんに小突かれた頭を掻きながら考えていた。

 

「お祝い楽しみだね!」

「おーそうだなー、なんか欲しいもんあるか?」

「やっぱり自分専用のデバイスかなぁママとレイジングハート厳しいんだもん。クロウはいいよねアイズが居るから」

『私は特別性だからな』

「欲しいならやるぞこんなん」

『拒否する』

 

 なんでお前が拒否すんだよ。

 なのはさんもなのはさんでデバイスぐらい買ってやりゃ良いのに。

 曰く基礎を学ぶ前にデバイスなんていらんとのこと。

 おー怖い怖い。

 

「他になんかないのか?今日くらいはなんか買ってやるぞ。あっ、あんま高いのはやめろよ」

「ほんと!?じゃあ魔法教えてよ!クロウのスパイラルブレイク!」

「ダメ」

「えぇー!!」

 

 こいつが言うスパイラルブレイクとは俺が自分で作った魔法だ。で、事あるごとに教えてくれと頼まれる。

 

「あれは危ないからダメだ」

「えぇー良いでしょー!強いしかっこいいもん!」

「俺はお前に勉強以外教えるつもりはない」

「じゃあジムでスパーリング付き合って!」

「いーやーでーす」

「けちぃ!じゃあ魔法教えてよー!」

「お前はめんどくさい時のティアナか!」

 

 あー機動六課時代のティアナ思い出すわぁ…

 

「ダメなもんはダメだ」

 

 何回言っても聞きやしねぇ…

 この前の休みも教えろ教えろってただこねるし。

 もう初等部4年だろ?駄々こねるのは辞めなさい。

 

「あのなヴィヴィオ、俺の作った魔法はろくなもんじゃ無い。お前はそんなの使わずに真っ当な魔法を使え。ディバインバスターとかシューターとかあとはティアナの幻惑魔法とかも良いぞ?あれはちょっと渋いが」

「私はクロウの魔法が良いの!」

 

 魔法の説明をしているとヴィヴィオの声に遮られる。

 この顔は怒り心頭って感じだなぁ…今日怒りすぎじゃ無い?いや俺の所為なのはわかってるけどさ。

 

「私クロウのそういう自分を卑下するとこ好きじゃない」

 

 さっきまで怒ってたのに今度は悲しそうにして俺を見つめてくる。

 感情忙しいやつだなこいつ。

 

「やめやめ、せっかく進級の日にこんな暗い話題やめようぜ。ほら、コロナと…あれ?誰だ?」

「リオだよ。この前話したよね?」

『ゲームしてたから聞いてなかったのだろう』

 

 あーなんかそんなこと言ってたような気もするわ。

 ダークスピリット(地球で言うダクソ)で忙しかったからね。仕方ないね。

 

「おはようヴィヴィオ、クロウさんもおはようございます」

「おはようヴィヴィオ!あっ、もしかしてあなたがクロウさんですか!?初めましてリオ・ウェズリーです!」

「おう、クロウ・アストレイだ。よろしくなウェズリー」

「リオで良いですよ!二人から話を聞いて会ってみたかったんです!」

 

 元気な奴だなぁ…太陽みたいで溶けそうだわ。スバルを思い出す。

 

「じゃっ、俺はもう行くわ」

「あっ!クロウ!ちゃんとジムついてきてねー!」

 

 いやですぅ〜

 

「来てくれなきゃなのはママに色んなことバラすからねー!」

 

 妹の頼みは聞いてあげなきゃいけないよね!

 

『弱いなお前』

 

 黙れポンコツ。

 

◇◇◇

 

 あーめんどくせぇ…なんで俺が好き好んでジムなんて汗臭いとこに行かなきゃならんのだ。格闘技とかやる奴な気がしれんわ。良いように言ってるけど殴り合いだからね?危ないもんだからね。

 なんて考えてたからか誰かとぶつかった。やべぇやべぇ。

 

「あー悪い悪い、大丈夫か?」

「いえ、こちらこそ申し訳ありません…でした…」

 

 緑色の髪にオッドアイのツインテールの生徒は俺の顔を見た瞬間固まってしまった。これは一目惚れさせてしまったかなぁ?いやぁー罪な男ですわ俺って

 

「クレエ…なぜ…」

「おーい大丈夫か?」

「っ!失礼します…!」

 

 そそくさと立ち去ってしまった。

 あーなるほどね?完全に理解しましたねぇ!

 

「俺って罪な男だよな」

『バカモノ』

 

 でも俺の恋人はただ一人。柔らかいオフトゥンなのよね…

 

「俺のこと誰かと間違ってたんかね」

『クレエと言っていたな。女性の名前の様だったが』

「決めつけは良く無いぞー?今は多角性の世の中っていうだろ?カミーユって名前の男もいるんだから」

『それを言うなら多様性だ。多角性ってなんだ証明問題か』

 

ツッコミも出来るからデバイスって便利だわ。

 

◇◇◇

 

 なぜ!なぜ彼女がここに!

 いや、彼女とは違う。でも彼女にそっくりだった。

 違うのは性別と目の色だけ。

 私に刻まれた覇王の記憶。

 その中に色濃く残る黒い髪の女性。

 明るく元気で、いつもクラウスを振り回していた。

 覇王が生涯で愛した二人目の女性で彼の子を成した妻。

 クレエ・イングヴァルト。

 

「くっ…」

 

ーーー私は幸せよクラウス

ーーーでも僕は君を、都合よく利用して…っ!

ーーーいいのよクラウス。

ーーー私が貴方の分まで貴方を愛してるから、いいの。

 

「貴方は誰なのですか?」

 

 この涙が私のものなのか、彼のものなのか。

 私にはわかりませんでした。

 確かめないと、見極めないと、彼が、何者なのか。

 もし彼が彼女なら、今度こそ…今度こそは…

 

◇◇◇

 

 私は高町ヴィヴィオ!10歳です!今はトレーニングに来てます!

 昔は色々あったけど今はなのはママとフェイトママ、あとはちょっと意地悪なお兄ちゃんのクロウと幸せに暮らしてます!

 私のママ二人は公務員さんで、世界を守る時空管理局員なのです!

 実はクロウも元々管理局員で機動六課の隊員でなのはママ達の教え子だったんです。

 今は辞めちゃったんだって、勿体無いなぁ。その分一緒に居られるからちょっと嬉しいけど。

 管理局を辞める時に一人暮らしするってクロウは言ってたけど機動六課の人たち全員が反対して、誰が引き取るかって話で結構揉めました。

 あっ、もちろんクロウを押し付けあってたわけじゃなくてその逆、なのはママやフェイトママにはやてさんが引き取るって言って大変でした。

 

「ヴィヴィオもクロウと一緒が良いって言ってるし、元々クロウはスターズ隊だから私達が一緒に住むよ。クロウもヴィヴィオと一緒がいいよねー?」

「エリオもキャロも兄弟が増えて嬉しいだろうし、ヴィヴィオも居るし、何より私は子育ての経験が二人よりもあるから安心だよ。クロウも良いよね?」

「いやいや何言うてんねん!エリオもキャロもそんなに手かかってないやん!それにフェイトちゃんもなのはちゃんも仕事忙しいやろ?その点うちはヴァルケンもあるし安心やと思うんや。クロウもそう思うやろ?」

「いや、俺一人で暮らせるし…」

「「「10歳の子供に一人暮らしさせるわけないでしょ(やろ)!!」」」

 

 最終的にはクロウが私と一緒が良いって言ってなのはママ達に決定しました。クロウが!ですからね!私が!じゃないですからね!

 クロウは妹離れができないんだから〜しょうがないなぁ〜。

 

「楽しみだなぁ〜クロウさんってすっごい強いんでしょ!」

「うん!陸戦なら誰にも負けないって!教導官してるなのはママが言うんだもん間違い無いよ!」

 

 クロウは凄い魔導師で陸戦ならママ達にも負けないってなのはママとフェイトママが嬉しそうに話してたなぁ。

 一人で全部のポジションできるってママ達が自慢げに話してた。

 でもクロウは本人は全然そんなことなくて

 

「なのはさんとフェイトさんはすぐ話盛るんだよー」

 

 ってゲームしながら言ってた。ゲームばっかしてないでたまには格闘技とか教えてよー。

 そのあとティアナさん達にも聞いてみたけどなのはママ達と同じこと言ってたんだよねー。クロウはもうちょっと自慢しても良いと思うけど。

 

「いいヴィヴィオ、あいつがなんか不審な行動してたらすぐ私かなのはさん達に言うのよ。あのバカすぐ無茶するんだから…」

 

 っていうティアナさんの顔はちょっと赤かったです。

 でもクロウはシスコンだから難しいと思いますよ。

 クロウはシスコンだからなぁ〜困っちゃうなぁ〜

 

「クロウ!スパーリングしよ!」

 

 今日は進級のお祝いだからクロウは私のお願い聞いてくれるはず!

 シスコンだから!

 

「えっ?やだよ」

 

 よーしバスター撃ち込んじゃおー!




ヴィヴィオはブラコンです。
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