好き勝手生きて何が悪い 作:バタートースト
試験とは学生に欠かせないものである。
うちの学校は初等部にも定期テストがあるってんだから英才教育に力入ってんなぁと思う。
正直そんなもん役に立つとは思えんが。
そう考える俺もなのはさんに何されるか分かったもんじゃないのでギリギリ赤点回避くらいの点を取ってる。
もっと頑張りなさいって言われるがテストってのは将来のためにいい点を取るもんだが将来の無い俺にそんなもんなんの意味もないし。
「やっぱ俺も行かないとダメっすか?」
「逆になんで行きたくないの?」
「めんどくさいんで…」
せっかくの試験休みだと言うのにオフトレに行くらしい。
真面目だねぇーと思って元気よく行ってらっしゃいと言ったのだがお前も来いと言われてしまった。
なんで好き好んで休みに訓練しないといけないん?
「久しぶりにエリオとキャロにも会いたいでしょ?」
「あいつらとは心で繋がってるんで」
「バカなこと言わない」
「えぇー」
「うーんでも確かに強制は良くないか」
俺がゴネてるとなのはさんが意外なことを言い出した。
なのはさん分かってるじゃないっすか!そうそう何事も強制は良くないんすよねぇ〜流石教育者!
「なのは!?クロウを1人で家に置いとくと何するか分からないよ!?」
「俺をなんだと思ってんすか!」
「行きたくないなら仕方ないよ。ただクロウに一つ提案があるんだけど聞かない?」
「なんすか」
なのはさんがニヤニヤと悪そうに笑う。
その顔カルミナそっくりですよ。
「試験休み中お小遣いは多い方がいいよね?」
「まあそうですね」
「私とフェイトちゃんに模擬戦で勝てたら8万あげる」
はははははははは8万!?14歳に8万!?
「だ、ダメだよなのは!子どもにそんな大金!」
「その代わり負けたらオフトレに来ること。もちろん提案に乗らないでついて来ないって言うのもありだけど…欲しいものあるよね?」
そこで俺の頭は高速回転し2人を倒す作戦を音速で立てる。
フェイトさんは対応可能だが問題はなのはさん。
なのはさんと俺の相性は正直最悪と言っていい。
もちろんこの提案に乗らなければ無条件で悠々自適な試験休みライフが送れるだろう。
正直この2人に勝てる確率は4割ってところ。
勝てるか勝てないかギリギリのライン、それをなのはさんも分かってるからこんな提案を出して来たんだろう。
いつのまにこんな小癪な案を出せるようになったんだこの人。
ここで降りれば良い…しかし8万!8万あればそれはそれは素晴らしい試験休みを送ることができる。
新作ゲーム、プラモ、ハンバーガー、パチンコ。
「分かりました!その提案乗りますよ!」
「OK!じゃあ早速いこうか!」
「ふ、2人とも!?ちょっと一旦落ち着こうよ!」
調子こいちゃったっすね2人ともねぇ!
俺はこの2人ぶっ飛ばして悠々自適な試験休みライフを送ってやるぜぇぇぇぇぇぇ!
◇◇◇
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
「観念しろよ。負けたんだから仕方ねぇだろ?」
結局俺は負けてついてくることになった。
いやあとちょっとだったんだよ。あとちょっとだったんだよ。
「ママ達に勝てるって調子乗ったクロウの自業自得でしょ」
「おいアインハルトこいつの座席蹴り上げ…寝てるぅ…」
今はそんな正論聞きたくねぇんだよハゲ!
ていうかアインハルトしなだれかかるな重たいから。
鬱陶しいから膝の上で寝かせよ。
「負けたんだから文句言わない」
「もう少しだったんだけどね」
少し膨れながら運転するフェイトさんとニコニコしてるなのはさん。
フェイトさんは撃墜出来たんだけどなのはさんまで届かなかった。
半分までライフ削ったんだけどさ!
「やっぱ砲撃魔法と砲撃魔導師はクソ」
「はいはい、向こうでシュークリーム作ってあげるから機嫌直そうねー」
「子どもじゃねぇんですよ」
「じゃあ食べないの?」
「食べます」
『そこは突っぱねるとこだろ』
シュークリームに罪はねぇんだよ。
「私…ちょっと真剣にトレーニングしなきゃ」
「頑張ってくださいねぇ〜負けませんけどぉ〜」
「むうううう!腹立つぅぅぅ!」
「フェイトママ前見て前!」
まだ腹立つからしばらくこれでイジってやる
「先輩ってやっぱり強いんですね、普段ちゃらんぽらんなのに」
「はっ倒すぞ八重歯」
最近こいつ生意気じゃない?そろそろどっちが上かはっきりさせてやるか。
「俺はなのはさん以外には負けないの」
「クロウの弱点は遠距離広範囲攻撃だからね。私は天敵なんだよ」
「ただ突っ立って砲撃ぶっ放してるだけの砲撃魔導師なら余裕だけどこの人飛び回る上に高火力広範囲、挙げ句の果てに硬いとかクソゲーだろ」
「クロウの高機動撹乱戦法も理不尽だよ」
「えぇ…どっちもどっちじゃないですか…」
「同時に味わってみろ、やる気失せるぞ」
流石ノーヴェ経験者は語るってやつだな。
「でもなんでなのはママに勝てないのにフェイトママに勝てるの?」
「ヴィヴィオ?やめよう?」
「フェイトさんがバカだから」
「怒るよ!」
「コラ、そんなこと言わないの」
「なのはぁ…」
「フェイトちゃんは天然なだけだよ」
「なのはぁ!?」
あんたもサラッと酷いこと言ってません?
「半分冗談で、要はタイプ相性なんだよ。俺は近距離で戦う魔導師にめっぽう強いからフェイトさんみたいな高機動高火力紙装甲はカモがネギ背負って来たのと一緒なの。ちなみに同じ理由でベルカ式の魔導師もな」
「でも砲撃魔導師って動かないから接近しちゃえばなんとか出来そうな気しますけど」
「普通の砲撃魔導師はその場から動かない、砲撃を連発できない。接近戦がゴミとかで狩れるんだけど、なのはさんは砲撃魔導師の弱点全部克服してアホみたいな速度と精度で砲撃連発してくる、挙げ句の果てに接近戦がそこそこできるわでやってらんねぇー」
「伊達に教導官やってないってこと」
「絶対吠え面かかせてやりますからね」
「楽しみにしてるよー」
あの顔腹立つぅぅぅ。なのはさんって意外と煽り性能高いだろ。
カルミナといい勝負しそう。キレられるから言わないけど。
ていうかそろそろ着きそうだな。
「おいアインハルト、そろそろ起きろ」
「ふわぁ!?ね、寝てません!」
いや寝てたよお前…
次元港についた俺たちは車を降りて先に来てたティアナ達と合流する。
この前会ったばっかだから全然久しぶり感ねぇ。
「そういえば聞いたわよクロウ、なのはさんに撃墜されたんだって?」
「書類に埋もれて溺死しろ」
「はははは!どうせお小遣いに釣られて勝負してやられたんでしょ?バーカ」
「てめぇ次元船の先端に括り付けてやる!」
執務官のくせに煽りやがってこのカス!
俺がティアナを追いかけてクルクルしてるとフェイトさんが帰ってきた。
「わわ!どうしたの2人とも?」
「テメェ隠れんな!」
「いーや」
「私を挟まないでよー!」
フェイトさんの周りを2人でぐるぐる回ってると急に耳引っ張られた。
誰だぶちのめしてやろうか!
「こんなところで騒がない」
「いでででで!んぁ?ギンガ?なんで居んの?」
「ギンねぇも一緒にからだよーびっくりしたでしょー」
聞いてないんだが!?おい待てい俺のこと説教する人増えてんじゃねぇか!
「久しぶりに会えて嬉しいわ。クロウも嬉しい?」
「いや全然?仕事しとけよ」
横にあった次元港の壁にヒビが入った。
「嬉しいでしょ?」
「管理局員が器物破損は良くない…」
横からやばい音が聞こえてきた。
「わーい!ギンガも一緒なの嬉しいなぁー!」
「そうよねー?嬉しいわよねー?ちなみにこの前の件も詳しく聞くからね?」
このオフトレってなに?俺への刑罰かなんか?
って俺の気持ちは次元の彼方へ消えていった。
フェイトさんはちょっといじめたい感じしない?
しないかぁ…