好き勝手生きて何が悪い 作:バタートースト
「ヴぁぁぁ~眠ぃ~」
『遅くまで起きてるからだ』
「しょうがねぇだろ。あんなこと聞かされて寝れるほうがおかしいわ」
昨日のアインハルトの話が頭から離れず、あんまり寝付けなかった。
こんな状態で今日を乗り切れるのかと不安でしょうがない。
「あっ、クロウさん。おはようございます」
「おお、おはようコロナ」
コロナがご機嫌な様子でこっちにやってくる。
ヴィヴィオ達はまだ寝てんのに優等生だねぇこの子は。
ていうかアインハルトの野郎自分だけは幸せそうに寝やがって・・・
「あれ、それは?」
「はい!私のデバイス、ブランゼルです!」
そういえばルーテシアにデバイス作ってもらってたんだったな。
「そうか、お前らしい綺麗なデバイスだ」
「えへへ、なんだか照れちゃいます」
少し顔を赤くしながら照れるコロナ。
いちいち可愛いなこいつ・・・ヴィヴィオもリオももう少し見習ってほしいんだが?
本物の優等生っていうのはコロナみたいな子を言うんだ。
「私たち同じチームなんですよね。よろしくお願いします」
「ああ、お前の魔法頼りにしてるぜ」
コロナの魔法はゴーレム創成。端末を核に魔力を込めて練り、形を変えて使役する魔法。
かなりマイナーな魔法で最初見たときは驚いた。
「私はこれしかできないので・・・。クロウさんはすごいですよね。格闘戦も魔法戦も、なんだってできるんですもん」
コロナはそう言いながら苦笑する。
そういえば昔、ストライクアーツをやめるかどうか悩んでるの相談に乗ったんだっけ。
「人と比べたっていいことないぜ。俺は・・・ほら、これでも元管理局員だからさ。お前らより動けるのは当然。卑下することなんてないんだ」
「でも・・・」
「なぁコロナ。すごい魔導師っていうのは何も腕っぷしとかどれだけ魔法をうまく扱えるかだけじゃないんだぞ?」
よく勘違いされがちだが、戦いっていうのはそんなに単純なものじゃない。
「確かにお前はヴィヴィオやリオに比べて格闘戦や魔法戦は苦手かもしれない。でも、その代わりお前はほかの二人よりも明確に凄いものを持ってる。もちろんゴーレム創成以外にもたくさんあるぞ?」
「それは・・・?」
「それは自分で見つけなきゃな」
コロナの前で屈んで、同じ高さで目線を合わせる。
こいつは優しくて、自分より相手のことを大切に思ってるからこそ、自分自身を否定してしまうところがある。
「よし、じゃあ特別に強くなるための心得を教えてやるよ」
「ほんとですか!?」
「ああ、ヴィヴィオにも教えてないとっておきだ」
コロナは目を輝かせて俺を見つめている。
楽しみにしてるところ悪いが、そんな特別なことじゃない。
「心得その一、自分に自信を持つこと」
「自信・・・ですか?」
「そう。最初は根拠のない自信だっていい。例えば・・・わたしはなんだってできる!とか。わたしはこの中で一番かわいい!とか」
「そ、そんなことないですよ・・・」
「そうやって自分を否定しちゃだめだ。どうせ自分なんて、どうせあいつには勝てない、そんなこと思ってたら一生強くなれない。まずは気持ちで負けちゃダメだ」
「気持ちで負けちゃダメ・・・」
「よく心・技・体っていうだろ。自信を持つっていうのはその心の部分だ」
実際に気持ちで負けて勝負を諦めたらどうしようもない。
負けない、負けられないって気持ちは意外と役に立つもんだ。
そういう気持ちが少なからずなかったら、俺はここまで生きてない。
「ほら声に出してみる。わたしは強い」
「わ、わたしは強い・・・」
「わたしは管理内世界で一番強い」
「わ、わたしは管理内世界で一番強い」
「わたしはヴィヴィオとリオの何倍もかわいい!」
「わたしはヴィヴィオとリオの何倍もかわいい!って何言わせるんですか!」
真っ赤になって起こるコロナ。
すまんすまん、お兄さんついいたずらしたくなっちゃった。
「でも少しは自信出てきただろ?」
「確かに、ちょっとだけできるような気がします」
「そうそう、その感覚が大事だ」
その自信をどれだけ確実なものにしていけるかはコロナ次第だ。
「心得その二、相手と自分の長所を見つけること」
「長所を見つける・・・」
「そう、相手の長所を正確に見抜けば対処もしやすい。でも、それ以上に自分の強みを見つけなきゃな」
「自分に何ができるかを知るために、ですね」
「そうだ。それに自分の長所を見つければ自信に繋がる。そして、自分の長所も、相手の長所も褒められるいい奴になれ。そうすりゃ、今よりずっと強くなれるし、たくさん友達も増えるからな。以上!」
とりあえず今言えることは全部言った。
まぁ、偉そうに言ってるが、俺自身できてないことのほうが多いんだけど。
「やっぱりクロウさんって優しいですね。わたしが悩んでるとき、いつも相談に乗ってくれますし」
「後輩や妹の面倒見るのは当たり前だろ?」
「そうですか・・・羨ましいな。わたしも、クロウさんみたいな優しいお兄さんが欲しかったです」
「ならお兄ちゃんって呼ぶか?俺は大歓迎だぞ?」
俺はコロナの目の前で両手を広げて見せる。
正直コロナにお兄ちゃんって呼ばれたら何でもしてあげたくなると思う。ロリコンジャナイヨ。
ヴィヴィオに呼ばれたら?なに企んでんだって吊るす。
「・・・いいんですか?」
「おう、お兄ちゃんの胸に飛び込んできなさい」
そう言うと、コロナは俺の胸にぼふっと飛び込んできた。
・・・あれ?ほんとに飛び込んできた?しませんよっ!って怒ると思ったのに
「これから、お兄さんって呼びますね?」
「ああ、全然いいよ(?)」
コロナは俺の背中に腕を回してぎゅと抱きしめてくる。
うーん、まぁ自信がついたのはいいこと(?)
・・・あれ、これひょっとして見られたらだいぶまずい?
「こ、コロナ~?そろそろ離れたほうが・・・」
俺がそう言い切る前に、何やら殺気が飛んできた。
恐る恐る俺が振り返るとそこにはヴィヴィオが立っていた。
「お、おはようヴィヴィオ」
「殺すよ」
今のヴィヴィオはなのはさんより怖いかもしれない
コロナめっちゃ好きなんですよね・・・