好き勝手生きて何が悪い   作:バタートースト

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ヴィヴィオって歳の近い兄妹にはちょっと子供っぽくあって欲しい。


妹も覇王もめんどくささのレベルは同じ

「暑苦し…」

『お前はこう言うところ苦手だからな』

 

 付き添いに来ておりますがぜっっさん帰りたい。

 ヴィヴィオは着替えに行ったが俺は着替えない。俺ヴィヴィオの付き添いだし?

 

「あれ?お前は着替えないのか?」

「着替えねぇよ。俺は見学だから」

「なーんだ、じゃあお前はスパーリングしないのか。久しぶりに戦えると思ったんだけどな」

「お前みたいな格闘タイプと一緒にすんな」

 

 こいつはノーヴェ。

 昔は敵同士だったがなんやかんやあって今はぼちぼちやってる。

 上ではこいつの姉妹達が見学していた。俺もあっちで見学しようかな。

 まあ状況が違えばこいつと姉弟だったと思うと不思議な感じだわ。

 ヴィヴィオが一緒が良いって泣かなかったら今頃俺ナカジマ家に引き取られてた可能性が微レ存。

 なのはさんとギンガどっちがうるさいかな?

 

「クロウー!久しぶりっすー!」

「おー」

 

 ノーヴェの姉妹のウェンディとはそこそこ仲が良い。

 馬が合うって感じ?

 

『クロウ、通信だぞ。ギンガ・ナカジマからだ』

「ギンガから?」

 

 俺はノーヴェに一言断りトレーニングルームの外に出て通信に出た。

 ギンガ・ナカジマ。

 機動六課時代の仲間であるスバル・ナカジマの姉貴だ。

 

「久しぶりクロウ。今大丈夫?」

「久しぶりってほどか?まあいいや、なんか用か?」

「実は最近同一犯による傷害事件が起こってるの」

「俺じゃねぇぞ」

「知ってるわよ。まあ正確に言うと事件じゃないんだけどね。被害者が被害届を出してないから。被害に遭ったのは格闘家達ばかりよ」

「辻斬りならぬ辻殴りって?暇だねぇ…」

 

 そう言ってギンガは容疑者の写真を添付した。

 緑色のツインテールに変なバイザー付けてる。なんだまだガキじゃねえか。俺が言えたことじゃないが。

 あれ?って言うかこいつどっかで見たような…

 

「犯人は覇王イングヴァルトと名乗っていたらしいわ」

「スプラトゥーンに出てくるやつ?」

「茶化さないの」

 

 へいへーい。

 にしても覇王イングヴァルトねぇ…また王か。めんどくせぇ…

 つくづく王様ってやつに縁があんのな。

 

「イクスとヴィヴィオに関係するってことだな」

「その可能性があるってだけだけどね』

 

 うーんなんか見たことあるような…あっ、こいつ昼ぶつかったやつに似てるな。でもそれにしちゃ色々とでかい。

 

「心当たりあるの?」

「いや、いいおっぱいしてるなと」

「………」

「冗談冗談〜やだなギンガはぁ〜」

 

 そんなに怒らんでも良いじゃないっすか。ギンガの方が大きいよ?

 

「っていうか俺に言って良いのかそんな情報。我パンピーぞ」

「巻き込まれないとも限らないから伝えておこうと思って。言うか迷ったんだけど…」

「なるほど、被害届が出てないってのも頷けるな。そりゃこんなガキにぶちのめされたとは言えないわ」

「後でノーヴェ達にも連絡入れるけどクロウも気をつけてね」

 

 もしこいつの目的がイクスとヴィヴィオだって言うなら先手を打たないと。イクスは聖王教会の奴らが警護してるから問題ないだろうが…ヴィヴィオも目的に入ってるなら先に潰すしかない。

 

「クロウ?まさか捕まえようなんて考えてないわよね?」

「思ってませんよーでも向こうから襲いかかって来たら分かんないなぁー」

「クロウ!」

 

 びっくりしたっ!いきなり大声出すなよ

 

「お願いだからやめて…」

 

 ギンガは俺を悲しそうに見つめてくる。

 やめてくれよ。

 そんな顔してもらうために命かけたんじゃねぇんだから。

 

「わかったわかった。頼むからそんな顔すんなよ」

「管理局員を辞めて普通に生きてるんだから、もうJS事件やマリアージュ事件の時みたいな無茶はしないで。危ないこともしないで…」

「…分かったよ。危ないことはしないよ」

「天に誓って?」

「天に誓って」

「約束よ。破ったら好きなだけ奢ってもらうから」

「成人女性が14歳にたかるかね!?」

 

 冗談よと言って笑いながら通信を切ったギンガ。

 そうそう、その顔がいいよ。

 

「よし、戻るか」

 

 俺が戻るともうヴィヴィオ達がトレーニングを始めていた。

 相変わらず元気なことで。

 

「あっクロウ!ってなんで着替えてないの!?」

「俺は付き添いで来ただけでトレーニングするとは言ってない」

「屁理屈じゃん!」

 

だって俺スポーツとかやりたくないもん疲れるし。

 

「じゃあスパーリングだけしよ」

「じゃあってなんだよ、やだよ」

「やろうよー!」

「ノーヴェとやれよ…」

『やらないといつまでも言うと思うぞ』

 

 四年生なんだからもう駄々こねるのやめなさいよ。

 

「やってくれないとクロウがゲームセンターで5000ミッド溶かしたってママに言う」

「やります」

 

 なのはさんのお説教喰らうくらいなら体動かすわ。

 誉は布団で寝てるよ。

 

◇◇◇

 

 クロウはネクタイを取ってヴィヴィオに向かい合う。

 周りにはスパーリングが行われると言うことでちらほらと見物人が集まり始める。

 

「めんどくさいから3分だけな」

「えぇー!」

「俺はお前みたいにスポーツマンじゃないの」

「ルールは魔法無しの格闘戦オンリー、クロウの提案で制限時間は3分だ。それじゃ始めるぞ!」

 

 ノーヴェの合図と共にヴィヴィオはクロウに接近して拳を繰り出す。

 繰り出された拳と蹴りをクロウは必要最低限の動きで避けて、ヴィヴィオの頭を軽く小突く。

 その後もヴィヴィオの攻撃は当たらず隙が出来たらクロウにぺちんと頭を軽く叩かれデコピンなどを喰らう。

 完全に遊ばれている。という事実にヴィヴィオは少々ムキになり始めひたすらに攻撃を続けていた。

 

「うわぁ…ヴィヴィオが完全に遊ばれてる…」

「クロウさんやっぱり凄いなぁ」

 

 リオは初めて見るクロウに驚き、コロナは改めてクロウの身のこなしに感服していた。

 

「話には聞いてたけど凄い…」

「そりゃあたしより強いからな」

「ノーヴェさんよりもですか!?」

「ああ…まああんまり思い出したくないけど」

 

 ノーヴェは少し青い顔をする。

 リオとコロナは何かあったのだろうかと彼女を眺めていた時、鈍い音が鳴り響いた。

 ヴィヴィオの拳がクロウにクリーンヒットした音だった。

 

「ええ!?」

「ぐぁぁぁぁぁーやられたぁー」

 

 ヴィヴィオの拳を受けてクロウがその場で倒れ込んだと同時に3分を告げるアラームが鳴った。

 

「あーやられた。降参降参。強くなったなーヴィヴィオ」

 

 わしわしとヴィヴィオの頭を撫でて一息入れようするクロウ。

 一仕事を終えたような顔をしてホッコリしていたがそれは彼だけであり

 

「真面目にやれー!!」

 

 ヴィヴィオは全く納得していないようだった。

 そんな彼女にクロウはため息をつきやれやれと言った様子だ。

 

「何が不満なんだよ、付き合ってやったろ?」

「不満しかないよ!最後ワザと喰らったでしょ!」

「買い被りすぎだって、自分の腕前を信じなさい。いやぁお兄ちゃん妹が成長してくれて嬉しいなぁ〜」

「うるさーい!もう一回やれー!」

「わぁぁぁ!ノーヴェ見てないで止めろよ師匠だろ!」

 

 その後クロウは時間いっぱいまでヴィヴィオに追いかけ回されることになったことは言うまでもない。

 

◇◇◇

 

「はぁ…疲れた…」

「お疲れ様。お兄ちゃんは大変だね」

 

 ソファーに寝そべって完全グロッキーの俺に帰ってきてたフェイトさんが淹れてくれたジュースを一気飲みする。あぁ〜。

 あの後帰ってきてからヴィヴィオのご機嫌取りがものすごく大変だった。妹ってめんどくさいねほんとね。

 なんて話をしてるとフェイトさん一家の定時連絡の時間になった。

 親子水入らずを邪魔する訳にもいかず退出しようかと思ったのだがフェイトさんに首根っこを掴まれ逃げられませんでした。

 

「クロウ?なんで逃げるのかな?」

「シュクダイヤラナキャナノデ」

「後で一緒にやろうね?」

『諦めろ。フェイトさんはテコでも動かんぞ』

 

 お前俺のデバイスなんだから打開策考えろや!

 

「あれ?珍しいねクロウが通信に出るなんて」

「クロウ!久しぶりー!全然連絡くれないから寂しかったよー!」

「お前らも田舎暮らし御苦労さん。ヴィーガン生活楽しんでるか?」

「クロウ?」

「冗談じゃないっすか…」

 

 黒いオーラ出すんやめてくださいよ頼むから。

 昔からこういう冗談言ってましたからね?

 それからは特に問題もなくフェイトさんがヴィヴィオの大人モードに関して心配して子供二人に諭されるって感じだった。

 

「ヴィヴィオはああ見えてクロウよりもしっかりしてますから」

「そうそう、俺よりしっかりしてんだから大丈夫だよー」

「あっクロウどこ行くの?」

「コンビニっすよー」

「もう遅いんだからなのはに買って来てもらいなさいっ」

「なのはさんはエナドリの種類分からないので嫌です」

「コラっ!夜なのにそんなの飲んじゃダメでしょ!」

 

 明日飲むからいいんですよー。

 ほんとは今日のつもりだったけど二人がいるなら夜更かし出来んし。

 

「はぁ…本当にヴィヴィオの方がしっかりしてるかも…」

 

 ◇◇◇

 

「もう…本当に困らせるんだから」

「でも安心しました。元気そうで」

「ちょっとヤンチャ過ぎるかもだけどね」

 

 苦笑するフェイトにエリオとキャロも釣られて笑ってしまう。

 三人にとって彼が元気に生きているのは喜ばしいことだ。

 

「マリアージュ事件の怪我も治ったみたいですし、本当に良かったです」

「そうだね…」

「ごめんなさいフェイトさん…私たちがもっとしっかりしてれば…」

「何度も言うけど二人のせいじゃないよ。誰のせいでもないの」

 

 マリアージュ事件。

 数ヶ月前に起きた古代ベルカの冥王を巡る事件解決にクロウも一役買うことになったのだが事件を解決したクロウには大きな代償を伴うこととなった。

 JS事件、マリアージュ事件と彼には大きな負担を強いてしまった。

 その事をクロウは特に何も感じてはいない、諦めてしまっていると言った方が正しいか。

 

「クロウは…相変わらず?」

「そう、仕方ない事でしょって」

 

 フェイトはたまらず俯いてしまう。

 クロウは様々な要因が重なって元々長く生きることができなかった。

 しかし、上記二つの事件のために大幅に寿命を削り20歳を迎えることはないと言われてしまった。

 それを彼はただ当たり前のように。

 

「あー、まあしょうがない」

 

 大して興味がなさそうに。

 当然の如く、まだ14歳になったばかりの少年が言い放った。

 まだまだこれから未来がある若者のはずなのに彼はもうすでに自分の人生を終わらせる準備をしている。

 そんな光景に耐えられるわけがなかった。

 

「心配しないで、必ずなんとか方法を見つけて見せるから」

「僕たちも協力します!」

「もちろんです!クロウは大事な家族ですから!」

 

 今までの悲しみを消し去るように三人は決意を新たにした。

 自分たちの家族を死なせる訳にはいかないと。

 

◇◇◇

 

「ふぁぁぁ…春だってのに寒いなぁ」

『今の気温は10℃だ。少し寒いと言ったところだな』

 

 俺たちはコンビニに向かって夜のミッドチルダを歩いている。

 もう時期は春になって暖かくなって行くはずなのに夜はまだまだ肌寒い。

 

『しかしお前も素直ではないな』

「何が?」

『邪魔してはいけないとコンビニを理由に出て来たのだろう?』

 

 ちっ、勘のいいデバイスだな。

 

『余計なお世話かもしれんがフェイトさん達はお前のことを家族だと心の底から思っていると思うぞ。もちろんなのはさんもヴィヴィオもだ』

「そーだな。分かってるよ。分かってるさ…でも」

『自分のような人間が居てはいけない世界だと?』

「分かってんなら聞くなよ」

 

 俺はエリオやキャロやヴィヴィオとは違う。

 あいつらは子どもとして幸せになる権利もあるし未来もある。

 俺にはそんな権利も、未来もない。

 

「俺も誰かの世話になるつもりなんてなかった。だけどなぁ…」

『ヴィヴィオか』

 

 本当はこの家もとっとと出て行くつもりだった。

 いつまでも迷惑かけちゃいけないし、今だって中等部卒業したら家出るつもりだし。めっちゃ揉めそうだけど。

 

『2年生になるまで大変だったな』

「どこ行くのもついてくるんだから家出る隙なんてなかったわ」

 

 考えてみれば出会った時からなんか異様に懐かれてた気がする。

 なのはさんが居ないと泣くし俺が居なくても泣くし。大変だったなぁ。

 成長してマシになったけど俺だけ駄々こねるのはそろそろやめてほしい。

 そんなこんなしてたらなんか…出れなくなって行った。

 

「こうなるのが嫌だから一緒に住みたくなかったのになぁ…死に際なんて見せるもんじゃないし。家出たらどこ行こうかね」

『私は暖かいところがいいぞ。雪が降らないところだ。雪を見てると悲しい気持ちになる』

「ついてくる気かよ」

『捨てさせんぞ』

「おーおー愛が重たいことで。これが美女だったら役得なのに」

『髪は白いロングで目は赤くしてくれ』

「作れってか!?」

 

 待てよ人型にしたらこいつにも優しくなれ…ないわ。

 中身が可愛くないから無理だわ。

 

『服は黒く翼は4枚で黒くしてくれ』

「注文細かいし4枚もあったら邪魔だろ」

『頭の中に浮かんだんだ。絶対にそれにしてくれ』

 

 なんで人型のイメージなんて持ってんだよお前。

 さーてと、現実逃避もここまでにしとくか。

 

「なんか用か?最近話題の辻殴りさんよ」

「気づいていたのですか」

 

 緑色の髪をツインテールにしてバイザーをつけてる女が街頭の上に佇んでいた。

 綺麗な満月をバックにして、噂の辻殴りじゃなければ綺麗で見惚れてしまいそうな風貌をした女は街頭から飛び降りて俺の前に立った。

 

「Stヒルデ魔法学院中等部クロウ・アストレイさんとお見受けします」

「綺麗な月の夜に人がせっかくセンチメンタルな気分になってんのにクソダサバイザー付けてチラチラ視線に入って来やがって。どうしてくれんだ」

「失礼しました。では外しましょう」

 

 そう言って女はバイザーを外した。

 その顔はやはり俺が昼にぶつかった緑と紫色の目をしたオッドアイの女子生徒だった。

 

「覇王流正統、ハイディ・E・S・イングヴァルト。覇王を名乗らせていただいてます」

「名前まで聞いてねぇよ。覇王?北斗剛掌波か?」

『それはラオウだ』

 

 なんでデバイスのくせに北斗の拳なんか読んでんの?

 

「で?その覇王が俺になんの用だ?」

「あなたにいくつかお聞きしたいことがあります」

「なんだ?」

「聖王オリヴィエと冥府の炎王イクスヴァリアの所在について」

 

 やっぱり目的はヴィヴィオとイクスか。

 

「あー歴史のお勉強がしたいなら無限書庫に行くか聖王教会のアホシスターどもに聞くことをお勧めしとく」

「答える気はないと?」

「そんな奴らは知らないしな」

「そうですか…それではもう一つお聞きします。あなたはクレエ・イングヴァルトをご存知ですか」

「昼もそんな名前出てたが知らんな」

「そう…ですか。ではそれは結構です。ですが聖王と冥王の所在は答えて頂きます」

 

 タダでは返してくれなさそうだなこれは。

 はぁ…こんな事になるなら家で素直にハラウオン一家会議に出席してればよかったよ全く。

 

『後悔先に立たずとはこの事だな』

「サラッと心を読むんじゃねぇ」

 

 可愛くねぇデバイスだな!

 

「しょうがねぇ、パッパと終わらせてゲームの続きするか」

『病み村の前に覇王戦をクリアと行こう』

 

 覇王だろうとなんだろうと、降りかかる火の粉は払うまでだ

 

 

 

 




ギンガさんのアインハルト(大人)ってどっちの方がデカいんだろう。
もちろんπの話です
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