好き勝手生きて何が悪い   作:バタートースト

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主人公以外のオリキャラ登場です。


裏表のある人は嫌われやすい

 アインハルトとヴィヴィオが試合をしていた同時刻。

 フェイトは本局で書類整理を行なっていた。

 執務官は事件を担当するのも仕事だが大半はこう言った書類整理が多い。

 今週は家に帰れそうだと少しホッとし、ひと段落着いたところで休憩のために自販機でコーヒを買いに来た。

 せっかくだし何かヴィヴィオとクロウに何か買っていってあげよう。

 あれ以来メールをしても返信が無いしクロウはおそらくまだ拗ねてるのだろう。フェイトは仕方ないなぁと呆れながら何を買ってあげるか考えていた心とは裏腹にその表情は穏やかだった。

 

「あら、ハラオウン執務官。元気?」

 

 その声に気づいたフェイトは先ほどのご機嫌な顔から一気に険しくなる。その声の主はフェイトと同じ綺麗な金髪の長い髪に鋭い目、フェイトに負けないほどのプロポーションを持つ、片目が隠れる前髪が特徴的な美しい女性だった。

 

「エルゼクス中将…お疲れ様です」

「そんな嫌そうな顔しないでよ、傷ついちゃうじゃない」

 

 カルミナ・エルゼクス

 4年前は少将だったがJS事件とマリアージュ事件解決の功によって24歳にして中将という異例の出世を果たした女性。

 しかし彼女には黒い噂が絶えない。

 彼女に都合の悪い人間が全員非業の死を遂げたり、非合法なやり方で犯罪者を捕まえ拷問し無理やり情報を引き出し、凶悪犯は司法を通さずに処断しているともっぱらの噂だが証拠が何一つ出てこない。

 なのは、フェイト、はやてとは何かと因縁のある相手だ。

 フェイトも彼女の不正の証拠を探ろうとしているのだが証拠が全く残っていない上に強烈な圧力がかかって思うように動けていないのが正直な所だ。

 

「私の不正の証拠は見つかった?」

「…なにも」

「まあそうよねー。だって存在しないんだもの」

 

 はははと笑うカルミナにフェイトは睨むことしか出来ない。

 調べてる本人に聞くあたりカルミナの性格が窺える。

 

「そうやって上に楯突いてると出世出来ないわよ?あなたも高町なのはも」

「私達は中将と違って出世に貪欲で無いだけです」

「あーやだやだ。融通が効かないけど実力だけはあるから扱いにくい。出世欲もないから抱き込むこともできない。二人とも組織にいて欲しく無いタイプだわ」

 

 自分だけでなく友人のことまでバカにされてフェイトは不愉快極まりないが相手の方が自分よりも立場が上だ。

 早々にその場を離れようと思い歩き出した時

 

「そういえばクロウも大きくなったわね。この前会った時びっくりしちゃったわ」

 

 言葉が耳に入ってきた時フェイトの足はぴたりと止まった。

 聞き流さなければいけないのに、彼女の耳はそれを逃してはくれない。

 

「クロウにこれ以上何をさせるつもりですか」

「たまたま近くに寄ったから会いに行っただけよ。他意はないわ」

「クロウはもう管理局員ではありません。関わらないでください」

「私は中将として会いに行ったんじゃなくてカルミナ個人として会いに行ったのよ。個人の付き合いをどうこう言われる筋合いはないわ」

「屁理屈を…」

 

 この女が理由もなしにクロウに会いに行くわけがない。

 今度は何を企んでいるのか、彼に何をさせる気なのか。

 またクロウを犠牲にして自分の権力を強めようとしているのか。

 そんなことを黙って見過ごすわけにはいかない。

 

「またクロウをあなたの都合に巻き込むつもりなら私は許しません」

「だから違うって言ってるじゃない。私にはクロウの他にも沢山部下が居るのよ。彼を使う事態なんてそう来ないわ…あなた達執務官がしっかり仕事をしてくれるならね?」

 

 いちいち嫌味を言ってくるがそれに対して反応してしまっては彼女のペースに乗せられてしまうためフェイトはそれをなんとか聞き流す。

 

「全力を尽くします」

「ぜひそうして頂戴。そうしないと、大事な時に頼ってもらえないわよ?」

「っ!」

「あら図星?あなたって…案外彼から信用されてないんじゃない?」

 

 少し小馬鹿にするように鼻で笑いカルミナはそのまま自分の執務室に帰っていった。

 彼女は心の底から自分たちを侮辱しているのだと表情から見て取れた。

 信用されていない。

 その言葉はフェイトの中で何度も反響する。

 彼女の言葉通り、クロウが危機迫った時に頼るのは自分たちではなくカルミナだ。

 クロウは自分よりもカルミナを信用してーーーー

 

「違う!」

 

 ガァン!と隣にあった自販機からすごい音がする。

 らしくなく物に当たってしまった。

 音と手から伝わる痛みでフェイトは落ち着きを取り戻す。

 

「嫌な気分…」

 

 あまり嫌いという言葉を使いたくはないが、自分はカルミナ・エルゼクスが嫌いだとフェイトは思った。

 さっさと仕事を終わらせて早く三人の元へ帰ろう。

 

 

◇◇◇

 

 ヴィヴィオとアインハルトがわかり合った?日から数日たった。

 聖王と覇王が再び邂逅したからといって俺の日常に変わりはない。

 朝は家から少し離れたところにアインハルトが待っていて、そのまま俺とヴィヴィオとアインハルトが三人揃って登校ということになっている。

 

「ごきげんようアインハルトさん!」

「ごきげんようヴィヴィオさん、クロウさん」

「ごきげんよー」

 

 ごきげんようなんて今時使うのうちの学校の女子だけだ。

 

「クロウさん、体調はどうですか?」

「快調だよ」

「春といえどまだ少し気温が低いので暖かくしてください。それと夜更かしはお体にさわりますので控えて下さい。それから食事もバランスよく果物なども摂取して下さいね。あっ、ですがスーパーなどで売られている野菜ジュース等は砂糖が大量に入っているので逆に健康被害が出ますのでおすすめは」

「だぁー!朝からうるせえなお前は!俺がどう生きようが俺の勝手だろうが!」

「いけません!」

 

 アインハルトは俺の両手をガッと包み込んで顔を覗き込ませる。

 

「あなたの身体はあなた一人のものではないのですから、お身体は大切になさって下さい」

「えぇ…なにお前…」

 

 ちょっとキモイんだけど。

 

ーーーーそんな格好では体を冷やしてしまうよ!僕の上着を貸すから!

ーーーーパンケーキにシロップをかけすぎだ!健康に悪いじゃないか!

ーーーーあーもう鬱陶しい!私の勝手でしょうが!

 

 なんか変な幻覚まで見え出したしひょっとして風邪引いた?

 こいつら放って帰ろうかな…

 

「また二人の世界に入ってる…」

「こいつが自分の世界に俺を引き摺り込んでるだけなんだが」

 

 巻き込み事故すぎる。

 アインハルトを現実に引き戻して歩き出そうとした時後ろから車のクラクションが鳴った。

 黒いリムジンの後部座席から見覚えのある顔が見える。

 

「はぁいそこの子供たち、なにしてるの?」

「ああ!カルミナさんだ!」

 

 カルミナ・エルゼクス。

 俺の元上官で、今は中将だったっけ?

 数ヶ月前に会ったばかりだしテレビにも出てるからあんまり久しぶりって感じがしねぇ。

 こいつなのはさんが俺たちと別れるまで待ってやがったな。

 

「大きくなったわねヴィヴィオ。もう10歳だっけ?」

「うん!カルミナさんも元気そうだね!」

「もちろん、あなたのお母さん達が頑張ってくれてるもの」

 

 よくいうぜこいつ。

 

「あの、この方は?」

「カルミナ・エルゼクス。時空管理局の中将だよ」

「ちゅ、中将…お若いのに凄い方なんですね」

「最年少で中将になった凄腕だからな」

 

 まあ違法行為のオンパレードなんですけどね。

 

「あなたは…アインハルト・ストラトスちゃんね?」

「私を知っているのですか?」

「ええ、医局に情報が残ってたし。最近やんちゃしてたみたいじゃない?」

「うっ…」

「ふふふ、やんちゃもいいけど怪我しない程度にしなさいね。さて、せっかくだし学校まで送ってあげるわ」

「いいの!?やったぁ!」

「ラッキー、ついでになんか飲み物くれ」

「そういうとこ変わんないわねあなた」

 

 俺とヴィヴィオとアインハルトは三人でカルミナの車に乗り込む。

 中は黒いシックな作りをしていて落ち着いた大人の雰囲気といった感じだ。

 座席の前には小さいバーカウンターのようなものがあり酒や飲み物が並べられていた。

 金持ってんなぁ中将は。

 

「わぁ…すっごいね…」

「良いでしょ?ちなみに防弾耐爆装甲にAMFも展開されてるから防犯対策もバッチリ」

「凄まじいですね」

(あれ?でも念話使えるくね?)

(内部のAMFはON/OFF可能にしてあるのよ)

 

 抜け目ねぇなこいつ…

 

「げっ…すぐ出して頂戴」

「なんだよ急に…」

 

 カルミナが後ろを見ると顔を引き攣らせながら運転手に指示を出した。

 何事だと思って見てみたら凄い速度で走ってくるなのはさんが見える。

 うわすっごい怒ってるこわっ…

 

「あっ、なのはママだ…なんか怒ってるよ?」

「お二人のお母様ですか…覇気を感じますね」

 

 流石のなのはさんも魔法なしで車に追いつくのは無理だったみたいで距離は離れていき見えなくなった。

 

『なのはさんから通信だぞ』

「後で連絡しますってメール送っといてくれ」

 

 一番見られたくない人に見られたわ。

 問い詰められるんだろうなぁ…

 

「あーこわっ。エースオブエースは伊達じゃないわね」

「ねぇカルミナさん、前から思ってたんだけどなんでなのはママ達とカルミナさんって仲悪いの?」

「立場の違いってやつよ。大人の世界ってめんどくさいから」

 

 大変よねーと言いながら飲み物を飲むカルミナ。

 うーん…まあヴィヴィオにはまだ早いよなこういう話。

 

「そういえばストライクアーツやってるんだっけ?楽しんでやれてる?」

「うん、毎日楽しくやってるよ!」

「そうなの。アインハルトちゃんは覇王流の後継者だっけ?」

「はい。まだまだ修行中の身ですが」

「謙虚な子ね。クロウも見習えば?」

「うるせぇ」

 

 最初は戸惑っていたアインハルトもカルミナの人柄に惹かれたのか自分からも話をするようになって来た。

 流石は身体と外面だけは良い女、人心掌握はお手のものか。

 

 (んで?結局何の用だよ)

 (本当にただ近くに寄っただけよ。私をなんだと思ってるの?)

 (身体200点性格-100点の女)

 (あら100点もくれるのね)

 

 エロさには勝てないと思うんです。

 

 (久しぶりにヴィヴィオに会いたかったし、噂の覇王を見ておきたかっただけよ。あと近いうちに頼み事ができるかもって伝えとこうと思って)

 (頼み事?)

 (今はまだ言えないけどね)

 

 こいつが俺に話すのはかなりやばいことが起きそうってことだ。

 JS事件やマリアージュ事件よりも小規模であることを祈るしかねぇ。

 

「クロウさんとヴィヴィオさんはエルゼクス中将とどこでお知り合いに?」

「そんな改まらなくていいわよ。カルミナで良いわ」

「俺の元上官だよ」

 

 俺は機動六課に入る前は陸士108にいたんだが、それより前にいたのがカルミナの部隊だ。

 まあ、人には言えない仕事しかしてないけど。

 だからと言って俺は別にこいつを恨んではいない。

 こいつもこいつで色々考えての結果だったから。

 

「で、俺とヴィヴィオに色々便宜を図ってくれるってわけ」

「昔よく遊んでくれたんですよ。カルミナさんも忙しかったのに」

「気にしなくて良いのよ。2人は私の子どもみたいなものなんだから」

 (お前頼むからそれなのはさん達の前で言うなよ)

 (向こうの態度次第かしらねぇー)

 

 お前ら本当に仲悪いな。

 しょうがないけど。

 

「そろそろ学校ね。話せて楽しかったわ三人とも。何か困ったことがあればいつでもいって頂戴、できる限り協力するわ」

「うん!ありがとうカルミナさん!」

「こちらこそ貴重なお話を聞けました。ありがとうございます」

「お礼なんていいのよ。強いていうなら将来の夢の中に管理局を入れておいてくれると嬉しいわ」

「勧誘すんな」

 

 カルミナの仕事なんてしたら世界の闇を見ることになる。

 

「さてと、ヴィヴィオ」

「なに?」

「帰ったらなのはさんに鬼詰めされるけど頑張ろうな」

「仲良くしたら良いのに…」

 

 多分無理だと思う。

 

 

 

 

 

 




えっちなお姉さん大好きです。
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