ワイらがこの先生き残る為には   作:食べる辣油

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自分で書いてて思ったのですけど、わたくしやっぱり描写下手くそだと思うんですの(保険)
誤字報告感謝してますわよ!大分助かってましてよ!(小声)




ある日のシベリア

 

 

《お〜い、生きてるか〜?》

 

 

 ペチペチと少女の頬を叩く兵士が1人。

 クラスノヤルスク道の検問所には今日もそれなりの人数を抱えた団体が難民として辿り着いている。

 

 兵士は検問所の警備や周辺地域の見回りをしている、所謂国境警備部隊の人間であり、普段は歩哨として歩き回り偶に検問所で難民の対応をしたりしている。

 

 栄養失調で衰弱している人間、凍傷で欠損している人間などいるが、稀に感染症を罹った人間もいる事から、民間職員が対応するには衛生的に安全とは言えない為、パンデミックを防ぐ観点からもワクチン接種済みの軍関係者が対応する羽目になっている。

 そんな時に、道の端で横になったまま動かない少女が兵士の目に留まった。

 

 せいぜい14歳程度だろうか、厚手の服だが防寒着とは言い難いボロボロの服に身を包んで横になり蹲っている。周りに知り合いが居ないのか、誰も少女に声は掛けない。

 死体なら少々気が引けるが運ぶしかない、生きて歩けるなら、さっさと検問所を抜けてもらわないと冬場というのもあり凍傷で死んでしまったり、要らない怪我をする事になる。

 兵士は少女に声を掛けた。掛けられた本人は疲労困憊の重い身体を何とか起こす。

 

 

《あぁ、帝国語(ドイツ訛りのロシア語)じゃ無いと通じないか》

 

「……だ、誰?」

 

「訛りは酷いが許せよ。それより、おまえさん1人か? それとも待ち人か?」

 

「……い、いえ」

 

「そうか。じゃあ家族は? 身内は居るか?」

 

「……いない、です」

 

「分かった、歩けそうか?」

 

「は、はい……」

 

 

 そう言って立ちあがろうとしたが、腹部からそこそこ大きい音が鳴る。彼女も想定していなかったらしく、顔と耳を赤く染めている。

 

 

「体は正直だな、これでも飲んどけ」

 

 

 そう言って背嚢から水筒を取り出し、蓋を開けて差し出す。差し出された水筒を手に取って中身を飲み込むが、あまりの熱さに口から離す。

 中身は入れたてアツアツの紅茶であり、大人である兵士はまだしもまだまだ子供である少女にはとても耐えられる物ではなかった。

 

 

「悪いな、入れたてなんだ。冷ましながら飲めよ」

 

「は、はい……」

 

 

 兵士の忠告通り、息を吹きかけ冷ましながら飲む。

 凍え切った身体に久々振りに入る暖かい飲み物、体の内側が温まる感覚には思わず少女もホッとする。

 チビチビと紅茶を飲み続け、中身が無くなる頃には最初に項垂れていた時より気力も体力も回復して来ていた。

 飲み終わったあたりで背嚢を漁っていた兵士が黄色い箱(カロリーメイト)を取り出し、小袋を破いて中身を少女に手渡す。

 

 

「生憎消化に良いものは持ってないんだ。けど美味いぞ」

 

 

 レンガブロックを小さくしたような見た目で、ほんのり甘い匂い(メープル味)も漂って来る。

 保存食は大抵不味いという感覚が少女の中にあり、恐る恐る口に運んで噛み砕くが、次の瞬間には瞬く間に食べ尽くしてしまった。

 満足な食事ではないが、ここに来るまでで食べたものと比べれば圧倒的にまともな食事ではあった。尽き掛けていた体力も回復し、顔色も他者から見ればだいぶマシになっていた。

 兵士はゴミや空になって冷たくなった水筒を背嚢にせっせとしまい込む。

 

 

「ここだと何だ、歩けるか?」

 

 

 ブザーがなり周りの人間は一斉に検問所に向かって歩き出す。歩けない者、衰弱し切った者が兵士に運ばれ門の下をくぐっていく。

 日も暮れ始め元から低かった気温も下がり始めている。食事でマシにはなったが、一度の食事で疲労が回復するはずもない、歩く程の体力もない為、少女は首を横に振る。

 兵士は背嚢を前に背負って少女を背中におぶって進む。

 そのまま検問所を通り抜け、難民キャンプとは別に孤児達が集められている収容施設に向けて歩いていく。そのまま静かなままかと思っていたが、少女はポツポツと喋り始める。

 

 

「……ほんとは、いたんです」

 

「家族がか?」

 

「……お父さんと、お母さんと……あと、あと……妹と……弟が」

 

 

 兵士は黙って少女が話すのを待つ。

 

 

「……最初に、弟が……病気で死んじゃって

 

 妹も、死んじゃって……」

 

 

 段々と防寒具を掴む力が強くなってくる。震えていた声を段々と荒らげて来ていた。

 

 

「お父さんと、お母さんは……何処か、連れて……行かれちゃって……」

 

「頑張ったな。まだ15も行ってないだろうに」

 

 

 兵士の防寒着のフードに顔を埋める。妹弟を亡くして、頼れる両親も連れ去られ、悲しむ暇もなくひたすら東を目指して歩き続けた少女は、漸く泣くことが出来た。今まで溜まっていた涙が止まることなく溢れて来ている。

 

 

「……スンッ……んぅッ……!」

 

「泣け泣け、今は泣いて楽になれ」

 

「何で……なんで、私ばっかりッ……!」

 

 

 少女に対する神からの仕打ちなのか、ただ運が悪かっただけなのか、それは誰にも分からないが、当の少女からしたら理不尽であり不平等だったのは間違いない。

 堪えていた分泣きに泣き続け、自分を背負っている兵士に対して全て吐き出した。故郷でのことであったり、妹と弟のことであったり、ダルクス人狩りにあった両親のことであったり。

 話を聞くだけでも彼女が家族から愛されており、また同様に両親や妹弟を愛していた事がわかる。

 

 

「悪い事、してないのに……皆んな虐めてくる……ッ!」

 

「辛かったな」

 

「何で……なんで……ッ!」

 

 

 最初こそ泣いていたが、段々と涙も収まり次第に怒りからくる不満や愚痴が多くなってくる。やれ故郷の奴らが憎いだの、道中の市民がケチだの、年相応の悪口で最大限非難している。しまいには手頃な位置にある背嚢を力無く殴ったりしている。

 こいつ、意外と図太いな? 彼はそう思いつつも言葉にはせず頭の中にしまっておく。

 

 少女の話を聞きながら、何度目かの受け答えが終わる頃には収容施設に辿り着き、自動扉を潜る。

 中は白一色、とは言わないがそれ相応に見栄えが良く、またかなり清潔に保たれている。飲料水の自販機や設置されているソファなどもあり、待合室には大画面のテレビが設置されニュースや雑多な番組が流れている。

 ここに勤める人間にとっては当たり前の光景ではあるが、彼女からしたら全てが初めてであり、特にテレビには目が釘付けだった。

 

 

「ここで待ってろ」

 

 

 少女と背嚢を待合室のソファに下し、奥へと歩いていく。彼の姿が見えなくなり、少女はテレビに向けて視線を戻す。

 何を言っているかは分からないが、それが天気に関する番組だと言うことは分かった。普通の人なら特に面白みもない映像だが、文字通り自分の視界を映している様な鮮やかさに彼女の目は惹かれていた。

 

 天気予報が終わり夜のバラエティー番組が始まった時、施設の奥からスーツ姿の職員と兵士が話しながら戻ってくる。

 

 

《あの娘1人?》

 

《そうっすね。話聞く限りここまで1人で歩いて来たらしいっす》

 

《親戚もいない感じですか?》

 

《いやぁそこまではちょっと……》

 

《あ、わかりました〜。あとちょっとお名前と答えられる範囲で書類記入いいですか?一応規則なので……》

 

《あ,はい》

 

 

 職員が少女を見やる。何処から来たのか分からないが、ただの子供が着の身着のままここまで来たのだから、シベリアの厳しさを知る人間はその行為に驚くだろう。

 当然何を言っているか少女には分からない為、数回の会話と書類を記入した後に職員の姿は再び奥へと消える。

 

 

「ほれ、詰め替えて来たぞ」

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

 

 自販機で詰め替えられ満タンになった水筒を渡す。

 受け取った水筒の飲み口を開けて中身を飲む。中身はホットレモンティー、ただし飲みやすいように適度な温度になっている。

 紅茶と違ってレモンの香りと程よい甘さ、飲みやすい温度と言うのもあり、彼女はあっという間に水筒の中身を飲み干してしまった。

 飲み終わり一息入れたところで、兵士が彼女の今後について話し始める。

 

 

「ここは孤児院みたいな所だ。今日からここがお前の家だ」

 

「……ここが?」

 

「そう、家だ。お前と同じで身寄りのない子供が集められてる」

 

「……私、どうなるんですか……?」

 

「里親が見つかるまではここにいる事になるな。安心しろ、衣食住なら向こう持ちだし、社会に出て生きる術もここで学べる」

 

「……お、おじさんは……これから、何処に?」

 

「……んまぁ、ちょっと相談というか。会議があってな、本来の仕事に戻る」

 

 

 そう言ってヘルメットをトントン叩く。

 それが何を意味しているか分からないが、少なくとも彼が少女に付き添うのはここまでだと言う事だ。

 彼は少女と同じ目線の位置まで屈み、彼女の目を見て話す。

 

 

「生きろよ、家族の分まで。それが残された人間の役目だ」

 

「……はい」

 

「死のうなんて考えるなよ?」

 

「……はい」

 

「よ〜しいい子だ」

 

 

 彼は笑顔で少女の頭を思いっきりくしゃくしゃと撫で回す。なすがままにもみくちゃにされて困惑気味だが、悪い気はしないらしく彼女はそれを受け入れている。

 暫くすれば兵士も気が済み、撫で回す手を止める。

 

 

「緊張するか?」

 

「……ちょっと」

 

「心配すんな、すぐ慣れるさ。周りの大人を頼るんだぞ」

 

 

 大丈夫そうだと兵士は思い、荷物を纏めて歩き始める。

 

 入り口まで来た時、ふと思い出したかの様にくるりと少女に振り向き直り。

 

 

「そういや、名前聞いてなかった。なんて言うんだ?」

 

「あ、アフーノヴァ……って、言います」

 

「アフーノヴァ。改めて、ようこそ日本へ」

 

 

 そう言い残して、彼は日が落ち一層寒さが厳しくなったシベリアの夜に消えて行った。

 






とある兵士
就職先に迷っていた時、軍の応募に引っかかって陸軍にぶち込まれた可哀想な人。体力も技術もC−だが、根性だけはSSRだった為になんとかなっている。
本土の教練隊が鬼すぎるのでシベリアに転属(避難)し、引っ越しも済ませている。相当嫌だったんだろうね(とある貧民の扱きを見つつ)
本土と違って仕事をしながらサブカルの沼に浸かる余裕がある為、本人曰くシベリアは色んな意味で天国らしい。
難民が押し寄せる様になってからは歩哨より雪かきや傷病者の搬送がメインになっている。平和なのって良いですよね(平時の軍人並感)
最近のやらかしは、そこそこ高い水筒を貸したまま紛失したので給料からいくらか差っ引かれた事。

とある少女
東の理想郷に向かって歩き続けたら自分以外の家族は全員死別か連れ去られ1人残された。どっかの懲罰部隊に居るダルクス人兵士並の悲惨さである。
ただその甲斐あって這々の体であるが極東管区のクラスノヤルスク道まで辿り着くことができた。なお兵士が言っていた様に割と図太く、多少事では割と動じないらしい。道中の経験がそうさせたのか、元からそうなのかは不明。
今でも渡された水筒は大切に使っているとか


現在の欧州

帝国
「怒らしちゃったねぇ?俺のことねぇ!?」(ヤベェ国民煽りすぎて止まんねぇ……メンツの問題で引く事も出来ねぇ……なんかの間違いで協商引いてくんねぇかなぁ…)

連合加盟国
「エェイシャアッ!」(総動員)

エディンバラ
「なんじゃあワレェ⁉︎ ぶち殺すぞテメェ‼︎」(ヤベェこの段階で戦争は欧州が灰燼になる……メンツの問題では引く事も出来ねぇ……なんかの間違いで帝国引いてくんねぇかなぁ……)

協商加盟国
「ルーシの田舎もんが勝てる訳ねぇだルルォ⁉︎」(総動員)




日本
「欧州って怖いっすね」(対岸の火事)

アジア諸国
「ん、そうですね」(内政厨)

合衆国
「まぁナシオンとプロイセンには恩あるし、物資くらいは送ってやるか……」(武器供与法案)

コロンビア
「今日もいいペンキ!」(トロピコ)

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