年度末は売り上げノルマキツくて死にましたわ(筋肉痛)
今年度もよろしくお願いしますわ^〜
イサラ・ギュンターは動けなかった。
突然上がり込んで来た帝国兵に、兄を助けた客人と妊婦であるマーサを守る為1人銃を向けていた。訓練で銃を握った事はあった、しかし家族を守る為に覚悟を決めたとは言え、敵とは言え人に向けるのは初めてだった。
もっともらしく構えてはいるが、銃を持つイサラの手は震える。決定的なきっかけが無ければ、まだ16の少女にとって銃の引き金は重かった。お互い銃口を外さずに均衡を保っていたが、唐突にそれは破られる。
「おい」
振り向くより早く飛んで来た何かが兵士の頭部に刺さり、糸が切れたように床に倒れ伏す。
鉄帽を突き破って刺さったそれは、手のひら程度のティーカップソーサー。陶磁器のそれは当たれば普通砕け散るのだが、今回は投げた奴が普通ではない為、頭蓋すら突き破っている。
同僚があまりに意味不明な死に方をしたせいで、帝国兵は一瞬危険人物から目を逸らしてしまった。
狙いを定める事もせず兵士が反射的に引き金を引くと同時に、音もなく近寄った男は小銃を蹴り上げ、銃弾は天井に吸われる。無防備になった胸に、胸部プレートが凹む程のパンチを心臓と鳩尾に1発ずつ、苦痛に耐えかねて体勢が崩れたが、丁度殴りやすい位置に顔が来た事で顔面にも1発。
それぞれ人が殴って出せるものではない音を出して、フルフェイスごと顔面を陥没させる。
たった数秒でこの惨劇、作り出した本人は冷ました顔で片手に紅茶をキメている。
男の名前は伏黒。とある極東の島国で軍人……スーパーマン………超人兵士…………いや、ただのギャンブル中毒者である(擁護不可避)
「人が茶ぁシバいてる最中なのにさぁ、マナーがなってないんじゃないの?………イサラちゃん、大丈夫か?」
「……へ?あ、ぁあ、大丈夫です」
「君が注意を集めてくれたお陰で、手早く始末できた」
「……でも、私は撃てませんでした」
「気にすんなよ、それが普通だ………すまん!」
「え?え、ちょっとッ⁉︎」
伏黒がイサラとマーサの上に覆い被さる。
直後に屋外から複数の銃声と共に、銃弾が頭上を通過するパスパスと言う破裂音、室内で跳弾する音、家具や食器が破壊される鳴り響く。
暫くするとそれらの音は鳴り止む。幸い近くに弾が当たりはすれど身体に当たる事はなく、3人は難を逃れる。
武装していないとは言え、
貯金すらせずその日暮らしがザラなギャンブル中毒者とは言え、軍人としての矜持と判断力は鍛えられている。
微かに聞こえる足音と声の数で敵の人数を想定、自分が出した想定より人数が多い可能性もと、常に最悪を考えながら行動に移す。
「でマーサさん、動けそうか?」
「ごめんなさい……今は、ちょっと…」
「陣痛が始まっちまったか? イサラちゃん!マーサさん頼めるか?」
「……ハッ!は、はい。でも、まだ帝国兵が」
「なぁに、俺がなんとかするさ。君は彼女を安全な場所に頼む」
「しかし……」
「これでも軍属なんだ。荒事の方が慣れてる………クソッ!」
室内に転がってくる複数の手榴弾を、伏黒は持ち前の身体能力で咄嗟に居間の方に投げ、テーブルを盾にする。
本来、手榴弾と言うのは破片による敵兵の殺傷や無力化を主としたもの。しかし欧州で使われるソレはまさに手のひらサイズの榴弾、ラグナイトを使っているだけに威力も凄まじいものがある。
居間や扉、壁や床の一部を吹き飛ばし木材、釘、陶器の破片、ガラス片などが散弾となって飛び散る。
テーブルが大部分を塞いでくれたが、たかが木材一枚の盾では同じ様な攻撃はそう何度も防げない事は明白だった。
「悪いが守りながら戦える程器用じゃない、怪我する前に早く下がってくれ!」
「……分かりました。家の裏手の納屋に居ます、どうかお気を付けて」
陣痛に苦しむマーサをイサラに任せ、納屋に向かわせる。
その間にせっせと食器棚を漁って給弾作業に入る。ゴリラ並みの筋力とゴリラ並みの瞬発力でゴリラ以上の投擲力を誇る彼にとって、銃か弾薬が無ければ物を投げれば良いと言う末期思考に入っている。
小皿、大皿、ナイフにフォークにスプーン、手軽な石や釘ですら彼にとっては投げられるのなら武器になる。取りやすい手頃な位置にそれらを置き、見える位置に居る敵に片っ端から投げる。
不意に飛んできた皿を帝国兵達は避けようとするが、見事なカーブを描いて頭を捉えた。
『なんだ!?』
「あれ、意外とイケる?
しゃあっ」(投擲)
流石に距離が離れると鉄帽を貫通する事はない………と言うわけでもなく、変わらず威力を保ったまま放たれた皿は次々と獲物を捉えていく。
しかも脳波コントロールできるッ!(鉄仮面)
とは言え、伏黒自身は人型の目標に物を投げるなどは手榴弾の投擲訓練以外、やった試しが無かった為に結構やっつけ本番でもあった。
このゴリラに球技など覚えさせた暁には、どんな種類のボールだろうが投げた瞬間死球になる。幸いなのは本人は全く球技に興味がない事と、殺しても(一応)問題にならない相手がいる事だ。
まぁ問題になったとて、何とかしてくれる管理職が居るから無問題である。
???
何も考えずに火遊びするの楽しそうだな(全ギレ)
『一階の窓だ!そこにいるぞ!』
『何でもいいから撃て!!』
「クソボケが——————————ッ!」
同僚が次々と変死していくが彼らとて軍人、すぐさま元凶に対して鉛玉を浴びせ始める。超人と言えど耐久力は並の人間である、撃たれれば痛みを感じるし、斬られれば痛みを感じるし、急所に当たれば痛みを感じる(死ぬとは言っていない)
ゴリラと言えど鉛玉を喰らえばタダでは済まされない。直様窓から離れて廊下側へ離れる。銃弾やら小銃擲弾やら、しまいには室内に手榴弾やらとやたらめったらと投げ込まれる。
余りの数にミートパティになってしまうと直感した伏黒、迷いなく奥の部屋へと逃げ込むが、同時に室内に突入してきた帝国兵とバッティングする。
『なんだコイツ⁉︎』
「しゃあッ」(先制攻撃)
脚で小銃をへし折って使い物にならなくした後、顔面へと全力パンチを放つ。今度は陥没どころか胴体と離れ離れになり、そのまま後ろでまごついていた帝国兵に直撃する。
『化け物がぁ‼︎‼︎』
『くたばれ!!』
「しばきあげたらぁッ」
銃床で殴れば首があらぬ方向に捻じ曲がり、倒れ伏してそのまま動かなくなる。流れる様に余った銃身を投げつければ、胸部プレートを貫通して臓物を射抜く。
流れる様に3人を星の元に送り、更に入ってきた2人の帝国兵には死体から
ダメ押しに刺さった銃剣の柄を蹴って帝国兵を屋外へと蹴り飛ばす。ドアや家具に勢いよく当たったせいか、首と四肢があらぬ方向にひん曲がったまま勢いよく外に飛ばされた。
『後退、後退だ!』
『あんなゴリラ相手とか命がいくつあってもたらねぇぞ!?』
勢いよく飛び出してきた仲間の成れの果てに、遂に帝国兵はギュンター邸もといジェイソンもビックリな化け物が待ち受けるモンスターハウスへの侵入を諦め、再編のため撤退を始める。
追撃しても良いが、もとより伏黒の目的は敵の殲滅が目的でないので深追いはしない。さっさとイサラが言っていた納屋へと向かう。
納屋の第一印象は母屋に負けないくらい大きい物で、入り口戸は開けっぱなしにされている。
中に入ると無数の機械部品、オイル等の消耗品に工具棚にひしめく様に工具が収納された整備工場の様な場所であり、そこを抜けると納屋には似つかわしくない戦車と、その間近で話す兄妹の姿が見えた。
伏黒の存在を認識した
「フシグロさん!無事だったんですか!?」
「ソレはこっちのセリフだぜ、ウェルキンもほぼ丸腰で良くここまでこれたな?」
「イサラから聞きました。貴方が家に侵入してきた帝国兵の相手をしてくれたと。多分そのお陰です。
それと、イサラとマーサさんを守ってくださって、有難うございます」
「まぁ、一応軍属だから反射的だったと言うか……ところで。後ろの大層なものは?」
「『エーデルワイス』です。 僕の父が使っていた戦車です」
納屋に隠されていた戦車を見やる。
独特な防楯と流線型の砲塔に傾斜のかかった全面装甲。砲身が短かったり車体がかなりずんぐりむっくりしていると差異はあるが、何処となくかつて連邦陸軍で採用されていた
だがほぼ非武装な事と産気づいた妊婦というハンデと、ガリアで展開中の派遣軍の支援が得られない中、銃弾を防ぎながら移動できる戦車は貴重な装甲戦力だ。
「兄さん、発進準備が整いました」
「わかった。フシグロさんも中へ!」
「ウォォォォォォォォォオッ!!!!」
ギュンター邸を発進したエーデルワイス号は、砲塔後部に対人散弾タレットを乗せながらブルールの市街地に突入していた。
目に入るのが敵兵なら躊躇いもなく散弾を投げつける為、エーデルワイスが通った後には弾痕………弾痕?が夥しい数生成されていた。
しかし車長のウェルキンは乗り気ではなかった。妹のイサラから聞いてはいたものの、実力が本当であったとて余りにも危険すぎる為である。
しかしエーデルワイスには同軸機銃と少量の榴弾以外に歩兵を処理できる対人火器が備わっていない。
正規軍の戦闘車輛なら、装甲車でも散弾擲弾等の近接防御火器が備わっているが、そもそも個人のDIYの範疇での改造でそこまでの改良は正規品でもない限り出来ないのだ。
ちょっと(航空機感覚)東の方に行けば、海軍の研究から派生した無人砲塔や無人銃座を戦車に当て嵌めて開発した国があるとか無いとか。いやぁ世界は広いなぁ()
『くたばれ化け物!!』
『砲塔の上の奴だ!そいつだけ狙えばいい!』
「そんなもん撃って、何になるってんだよおォォォォォォォォオオオッ!!!!」(ヤケクソ)
敵がいるであろう、隠れてるだろう、出てくるだろうと目星を付けた箇所に片っ端から散弾を投げつける様はまさに
おまけにコイツが投げる石は銃弾と同じで、大抵の民家の壁ならスパスパ貫通させてくる。教練隊時代にたっぷり教え込まれた勘をフル活用し、即死攻撃を放ってくる様はもはや戦闘ではなく一方的な虐殺であったのだ。
『マ゜ッ!゛!゛!゛!゛』
『ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛!゛!゛!゛?゛!゛?゛』
『ウ゛ォ゛エ゛ッ゛!゛!゛』
『駄目だ!大通りから退避しろぉ!!』
『い、石が!か、母さんッ』
『戦車は!戦車は来ないのか?!』
『無理です!前方の民兵と交戦中で身動きが取れません!』
「クサヴァーさんッ
見ててくれよぉぉぉぉぉぉッ‼︎」
偶然だったが敵の後背を突けたエーデルワイス(+α)に敵はいない。敵装甲目標にはエーデルワイスが、歩兵全般は何故かオプションされた散弾タレットが行うと言う無敵の布陣が完成していた。
最初こそ果敢に反撃していた帝国軍だったが、次第に現場で行われる惨状と恐怖が無線越しに伝播し、最終的にエーデルワイスが進むと思われる進路上から兵士が逃げていく有様である。
しかし戦車はそうも行かない。大通りは整備されているが小道が多いブルールの市街地、最後の意地と言わんばかりに瓦礫をばら撒いて簡易的な対戦車障害物にして徹底抗戦する自警団に意識を取られ、背後から接近するエーデルワイスに気づかなかった。
おお……無礼な
「正面、敵重戦車背面!弾種徹甲!」
「徹甲装填、射撃位置に付きました!」
「撃てッ!」
ウェルキンの合図で発射された砲弾は確実に敵戦車のラジエーターを捉え、炸薬たっぷりの徹甲弾はエンジンルームで炸裂し、蒼い光を放ちながらしめやかに爆散したのだ。
正面にいた僚機が撃破され、後方からの敵に気が付きもう一両が慌てて旋回し迎撃せんとした。
しかし側面を向けた時にはエーデルワイスの装填は終わっている。欧州で普及した自動装填装置は、従来の人力では不可能な高速装填を可能にした。
無防備な土手っ腹にまた徹甲弾が刺さる。小規模な爆発ののち、炸薬に引火して火柱を上げる。
敵戦車を、やっちまったぞ!(戦車妖精)
「ッ!ウェルキン!?」
「間に合った! 暫く帝国軍は来ない筈だ、今のうちに脱出を!」
急いでいたとは言え、帝国軍の進軍コースを進撃したエーデルワイスの後ろに敵は居ない。
大半は石で粉砕されるか、石で粉砕されるか、石で粉砕されるか、霧散したかである。まともに部隊を編成し、追撃しようとする勇敢な者は最初のうちに死んでいるのだ。
帝国軍の進撃が止まったことで、ブルール自警団は壊滅寸前まで損耗したが、市民を西方に逃し、僅かに残った団員もその全てが撤退に成功する。その中には、自警団には似つかわしくない戦車が1輌だけ混じっていた。
ブルールでの戦いは僅か2時間での出来事。しかし、帝国軍に与えた衝撃は大きい。
市街に侵入した複数の小隊が所属不明の兵士からの攻撃で壊滅的被害に遭い、戦車数両が
それでも帝国軍からしたら、一戦線の小さな戦場での出来事。しかし敗者であるガリアでは、英雄ギュンター将軍の息子である、ウェルキンの活躍と自警団の活躍が盛んに宣伝された。
後に、この戦いがガリアでの戦いの転換点である事はまだ誰も知らない。
ヴィシーフランス
「ワンワンッワンワンッ‼︎」(ガムラン政権)
ドイツ
「よ〜しパパ便利な奴隷(直球)が欲しいからアフリカ行っちゃうぞ〜!」(アフリカ軍団)
エディカス
「オラッ フランス正統政府なら戦えッ(正論)
ドイツに占領されたら苛烈な統治が待ってるぞ!(事実)アフリカの諸君は戦え!
それはそれとして(デビルマン)
ここにぃ、ヴァルキュリア人の末裔の方々がいるんすよ」(禁断の技術)
フランス
「んほ^〜!!!!
こうなったらヤケですわ^〜」(一応完全体だったリシュリューで奮闘)
植民地人
「んほ^〜!!!!!」(積極的に投入されるアフリカ師団)
イタリア
「誰かー!誰か(仲裁者)居るー!?」(孤独な孤立者)
ステイツ
「国籍不明ならコイツらはゲリラや!よって捕虜はおらんな!」()
国籍不明()潜水艦隊
「んほ^〜!!!!!!!!」(降伏する前に片っ端から沈められる潜水艦たち)
ブラジル
「はぇ^〜なんかうちの沿岸に謎()の潜水艦流れ着いてますねぇ!!
ほなリバースエンジニアリング……ん?」(機密文書発見)
アルゼンチン
「あ、ごめんなさいね^〜」(寄港した潜水艦を片っ端から拿捕して乗員はナイナイ)
んほ^〜‼︎‼︎‼︎(国際法の庇護を受けられない乗組員達の悲鳴)
チリ
「はぇ^〜……親方に電話させてもらうね」(チクリ)
帝国&ガリア
「あのゴリラは何?」(恐怖)
宮内庁
「陛下がお隠れになられました」
連邦臣民
「どうか逝かないで!」(悲哀)