ワイらがこの先生き残る為には   作:食べる辣油

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 シャルリー・ルクレール・(ヤン)
 父に秋津洲人、母に仏系ベルギー人を持つ特殊ながらごく無難な家庭に生まれ育った。しかし幼少期に父親である楊 洋次が海難事故で事故死し、その後は母であるルイズ・ルクレール・楊と生活し欠損家庭で育つ。

 生前の父親の意向で遺産を相続し、それなりに不自由しない生活を送っていたが、16の時に母が乳がんを発病。入院費、手術費等を稼ぐ必要に迫られた結果、当初目指していた大学への道を諦め連邦陸軍士官学校に入学。
 戦史研究と共に歴史研究も盛んに行われていたので、給与と手当て、賞与等を母親の手術費として貯蓄しながら、無料でそれらの教材を読み漁っていた。
 
 成績は良くも悪くも平凡と言う他なく、熱心とは言わないが手を抜いている訳でもなく「評価する者を退屈せしめる」と当時の教官が語る程である。

 
 ヤンが欧州に向かうのは1917年。彼が士官学校に入学してから2年後、士官学校を卒業してから僅か2日後のことであった。



【ヴァーゼルの戦い】

 

 

 義勇兵の動員が完了したガリア軍は、即座に「春の嵐作戦」を開始する。作戦に投入される兵力は義勇軍であり、正規軍は含まれていない。

 

 これは貴族士官が多いガリア軍において、一般市民を中心に構成される義勇軍への蔑みの意識からくるものでもあるが、一番の要因は正規軍の主力が先の戦闘で壊滅しているというものである。

 

 それに不満を持つ兵士は多く、現在行動を共にしている連邦軍将兵の耳にも入ってきている。

 

「すると、ガリア軍は今回の作戦に戦力を割かないと」

 

「困ったもんだよ、頭の中は既得権益とプライドのことでいっぱいだ。あと少しで自分達が絞首台に立つかも知れないってのに、まったく呑気な連中だよ」

 

「貴族連中は何を考えてるんでしょうか、プライドで戦争に勝てるなら我々も苦労してませんが」

 

「まぁ、貴族や特権階級の人間ってのは、総じて我々とは精神構造が異なるものだ。まぁ、少なくともダモン将軍に関しては典型的な門閥貴族らしい」

 

 ゲオルグ・ダモン。彼に軍人としての才覚と貴族としての器量は備わっていないが、ダモン家はガリア国内では代々軍属の家系として知られており、彼も第一次大戦時には少佐として従軍していた。

 

 父親の期待とは裏腹に指揮した部隊を悉く壊滅させ、悪評ばかりを稼ぐ結果となった。

 そんな父親が戦死してからはダモン家の家督を継ぎ、その余りある悲惨な戦歴に見合わない昇進を続ける事になるが、これはガリア公国宰相であるマウリッツ・ボルグによるものが大きい。

 

 彼の才能は殊更汚職の面で光るものがある。公金横領、脱税、特別背任、等々、それらで得た資金をボルグへの贈賄と、己の私腹を肥やす事に使用していた。

 彼が大将の地位に至るのもボルグへの一種の忠勤が認められたからである。

 

「はぁ、仕方ない。回って来ない手札の事を気にして、状況が改善される訳じゃない。取り敢えず使える手札の事だけ考えておこうか」

 

「夜襲でも仕掛けますか?」

 

「そうだな……ただそうなると義勇軍が我々にとって足枷になる」

 

「別に良いではありませんか?我々が目的とするのは自国民の保護であり、何よりも優先するべきものです」

 

「自国領内だったら良かったさ。だがここはガリアで、相手は帝国軍だ。形だけでもガリア軍に先陣を切ってもらわないと、上が苦労する事になって、最終的に皺寄せがこっちにもくるだろ?嫌だよ私は、また書類に埋もれて生活するなんて」

 

 何れにせよ、遣欧部隊はガリア政府やガリア軍から干渉を受けないとは言え、ガリア軍と帝国軍との戦闘には不干渉を建前としている。

 

 実際のところはとある一兵卒(カス人外)が戦端を開いたり、先の通り機甲戦闘も頻発した結果、なし崩し的に帝国軍と戦闘が行われ始めていた。

 

 上は閣議(スレッド)で丸め込めるが、今となっては世代交代が著しく、知古(スレ民)の人間も決して多くない為、果たしてどう言い訳するものかと悩んでいた。

 

「しかしどうしますか。現状ヘリは使えませんしそうなると強引ですが、歩兵の渡河作戦になります」

 

「本当は無理に奪還する必要はないんだ。ヴァーゼル市はガリア北部の鉱物資源や穀物を、南部や中部に供給する物流拠点だ。ファウゼンの攻囲状態を解く橋頭堡にするというのであれば、奪還する必要もある。だがこれは、ガリア軍に十分な余力があることが前提なんだ」

 

「今の公国軍にそんな余裕はないでしょうな。防衛の失敗と撤退戦で全兵力の3分の1を失っています。負傷兵が戦線を離脱している事を考えると、半数以下もあり得るかと」

 

「その上穀倉地帯は帝国軍に占拠され、ファウゼンのガリア軍も長くは持たない。だから現時点ではこの大河を盾に安全を確保して出血を強い、公国軍の戦力回復を待つべきだと言ったんだが……」

 

「あぁ、そこで例の将軍が」

 

「無能で無害ならまだしも、有害とくると私も流石に手の施しようがない」

 

 負け続きのガリア軍としてはここで勝っておきたい。というのもあるが、ヴァーゼル市はランドグリーズから然程離れていない大都市であり、ここを帝国軍に占拠され続ければ、いずれ防御線を突破される危険性があった。

 

 ここまで来て漸く自分達の首に縄が掛かりつつあると理解し行動に移し始めた貴族たちだが、やはり保身の域を出ることはなく、ダモンの言動も自らの利権と権力の牙城を守るが為の物でしかなかった。

 

 

『……から、なんでダルクス人が部隊に居るんだい!』

 

 

 仮の臨時司令部としたヴァーゼル橋と対岸が見える川沿いの消防署に入ろうとした時、土手下の方から怒鳴り声が耳に入る。

 

 上から覗いてみれば、若い部隊長に詰め寄る赤毛の女兵士と熟練兵らしき大柄な兵士が居た。

 

「あぁ、義勇軍の連中ですよ。大方若い指揮官と従軍経験者の衝突でしょう」

 

「だと良いんだけどねぇ」

 

 開口一番にガリア語でダルクス人という単語が出た時点で、そんな物ではないだろうとヤンは考えた。

 

 しかしそれ以前にガリアという国家に外国人ながら危機感を抱いていた。一部を除けば誰も彼もが当事者意識がないのか、問題や不和が絶えない。

 

 人の数ほど思想と考え方が有るとは言え、自分達の生活と生存権が脅かされる中でそれらを優先する意義がどこに有るのか。

 同じ思想なのに弾圧が絶えない(共産性の違い)為に、主義主張の壁を乗り越え挙国一致体制が取れた北欧国家とは全く真逆の状況だった。

 

 

 PS.鋼鉄の人

「時代は一国社会主義論だって、ハッキリ分かんだね」(ホロドモール、第一次五カ年計画、農業集団化、重工業化、大粛清)

 

 リスト・リュティ

「クソですか?」(半ギレ)

 

 

『僕が48時間以内にヴァーゼル橋を奪還できなかったら、隊長を辞任しよう』

 

『ちょっとウェルキン⁉︎』

 

 中々啖呵を切る士官じゃないかとヤンは感心した。だが、それと同時にあの士官にはこの状況を打破できる案があるらしいと見抜いた。

 

 勝つなら楽に勝ちたい、それも損害が少なく尚且つ手早くガリア軍の余力を削がない方法でという特大ハンデがついている。

 

 無論、それらを完全に達成するのなら連邦軍が先鋒になれば良いし何より速攻ができる。この際ガリア軍は足枷でしかないが、ガリア軍を無視すればそれはそれで誤魔化しで使ってきた人道支援活動という建前が使えなくなる。

 

 悩んでいた所に良い判断材料が転がり込んできた時、ヤンの行動は早かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、君はこの運河を潜水走行し対岸に上陸すると?」

 

「はい、水面にヤドリアシという植物が見えます。アレが水面まで葉を伸ばしている箇所は、他と比べても水深が浅い場所です。ヴァーゼル市を流れる川の水深は8.4m、ですがヤドリアシが目視できる部分は2〜3m程度の筈」

 

「だが、失敗したら義勇軍は君達兄妹とエーデルワイスという貴重な装甲戦力を失う」

 

「はい。ですがヴァーゼル橋が使用できない以上、対岸で戦車を運用するにはこれしか方法がありません。それに、ちゃんと渡れる算段は付けてあります。必ず成功させます!」

 

 ウェルキン・ギュンターの作戦は奇抜だった。潜水能力を付与して運河を強行突破するというものだった。

 

 戦車にはある程度の河川を渡れるように、最低限の潜水渡渉能力を獲得できる装備がある。しかし戦闘地域に際して敵陣に単独突入するために潜水するというのは未だに例がなかった。

 

 ましてや通れる水底があったとして、一度でもルートを誤るともはや行動も脱出も不可能である。

 

 しかしヤンは口では慎重論を唱えつつも、ウェルキンの作戦には賛同していた。欧州製のラグナイトエンジンは空気を必要としない。ラグナイト鉱石を加工して作られたラジエーターのエネルギーによって稼働する。その為、車内の空気循環やエンジンへの吸気に長いシュノーケルをつける必要がなかった。

 

 水中でも問題なく活動できるというのは、連邦軍戦車にない特徴であり、それらを知って尚ウェルキンの案に慎重論を唱えるのは、特に深い意味はない。言ってしまえばただの最終確認の様なものだった。

 

「分かった。なら工兵隊から資材と部品を提供しよう。必要があるならその都度言ってくれ」

 

「ありがとうございます!」

 

「うん、それで追加で申し訳ないんだけど、君たちと一緒に乗せてって欲しい厄介……ん゛ん゛ん! 人物が居るんだ」

 

「今でこそエーデルワイス号は2人乗りですが、元々は無線手と装填手がいました。2人までなら乗せられますね」

 

「ほぉう、尚更それで良い!早速人選の方を……」

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

「おいこれ大丈夫なんじゃろな‼︎ なんか至る所から浸水しとるぞ⁉︎」

 

「水密パッキンの加工不足かもしれません。潜水渡河自体は考慮していたのですが、1m以上の深さは初めてなので……」

 

「………」

 

「なんでお主は平然としてられるんじゃ⁉︎」

 

「何とかなるだろ」

 

「貴様の何とかなるは大体貴様以外が全滅しとる時じゃろうが‼︎」

 

「あはは……」

 

 パッキンの甘かった箇所を布で押さえる黒服(第一種軍装)の黒髪幼女と、正反対に冷静すぎる青髪の兵士を乗せて潜水航行中だった。

 

 ヤンが隠さず言えば厄介払いとして仕返しついでに同行させたのは、キリコ・アンダーセンと年齢、名前、階級共に不詳の幼女こと将軍だった。

 

 しかしこの2名の人選にも私怨を抜きにしても理由がある。ブルールで暴れたゴリラ(伏黒)と違い、ある程度加減しながら戦えるという点での人選だった。

 

 殊更今回の様な奇襲作戦では、在る物全てを使いながら真正面からねじ伏せるタイプの伏黒(ゴリラ)は使い勝手が悪く、最悪橋向こうで周りの被害を気にせずワンマンアーミーをしでかす可能性があった。

 

「頼むぞ?妾溺死とか嫌じゃぞ?頼むぞ?」

 

「落ち着け」

 

「五月蝿ぁい!黙れぇい!痴れ者がぁ‼︎」

 

 水深3mの水底を進み始めて5分が経ち、いよいよ車内の浸水度合いが無視できないレベルまで来た時、エーデルワイスの車体が傾く。上り坂に入ったのだ。

 

「イサラ、そろそろだ。一気に駆け上がってくれ!」

 

「はい!」

 

 徐行運転から一気にアクセルを踏み抜き川底を登る。数分と経たないうちに3mの川底を一気に駆け上る。

 

 意図していなかったが、エーデルワイスの渡河ポイントにはパトロール分隊が存在していた。不運なことに、早朝出勤の彼らの前に現れたのは、日の出ではなく突然水面から速度を上げながら猛突進する敵戦車となる事になった。

 

『……ん?』(悪寒)

 

 異変に気づいた時にはもう遅く、減速するはずのないエーデルワイスが水面を掻き分けて現れ、そのまま帝国兵の集団へと突入していく。

 

『うわッ前から戦車が⁉︎』

 

『待て!止まれぇ!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ‼︎』

 

 履帯に轢き潰される事はなかったが、運悪く体の装備品が車体に引っかかり加速していく戦車に巻き込まれ引き摺られ、壊れた人形の様にぐちゃぐちゃにされる。

 

「すまん!もう無理!妾先出る‼︎」

 

「あ、おい待てぇい‼︎」(江戸っ子)

 

「ちょっと!危ないですって‼︎」

 

 最早一刻も早くこの棺桶から這い出たいという欲求から、将軍が砲塔のハッチをこじ開けて勢いよく飛び出していく。

 

 川から現れた戦車から年端も行かなそうな幼女が飛び出してくるというとんでもない絵面だが、本人たちは至って真面目なのだ。

 

『なんだこの幼女⁉︎』(驚愕)

 

 咄嗟に銃を構える帝国兵だが、手を出すのが早かったのは目の前の幼女だった。

 何処からともなく取り出したチェーンを次々に帝国兵の首に巻き付ける。

 

 見た目に見合わない怪力で、そのまま首に巻き付いたチェーンを引けば8人ばかりの首が宙を飛び、後には倒れ伏した8人の首無し死体が残った。

 

 防水処理で外が見えないイサラは兎も角、うっかりキューポラから身を乗り出していたウェルキンは、その惨状を目の当たりにしてしまった。

 

 旧支配者のメッセンジャー

「そこのあなた!非現実的な現象を目の当たりにしましたね⁉︎1D100でSAN値チェックだ、振れ」(畜生)

 

 

「あぁ〜スッキリしたぞ!やはり人間は地に足つけて生きる生き物じゃ!……何ぼさっとしとる。さっさと仕事せんか」

 

「あ、ハイ」

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

 

「発光信号来ました!」

 

「よし総員突入!行け行け行くんだぁ!」

 

 待機していた連邦軍と義勇軍が一斉に渡河を始める。

 尤も義勇軍はゴムボートの操縦経験者がいない為、連邦兵との相乗りであった。

 

 哨戒兵がことごとく悲惨な目にあった為、発見される事なく運河を渡りきり、エーデルワイスが確保した渡河ポイントに集結する。

 

「こ、これは」

 

「ウッ…」

 

 一つ問題があるとすれば、集結地に放置された死体だった。

 大凡人の死に方ではないものが10体ほど転がっており、つい先月まで民間人だった人間が多数の義勇軍兵士に少なくない精神的ダメージを与えた。

 

「邪魔だから向こう避けとけ」

 

「うっす」

 

「あそこの転がってる8人は将軍がやったらしいっすよ」

 

「やるじゃない」(三等陸佐並感)

 

 苦でない訳ではないが、慣れてはいる連邦兵はそれらをせっせと護岸の脇の方へと集め始める。

 

 南米帰り、というよりそのまま転戦させられた人間が多い遣欧部隊では、この手のスプラッターには慣れている、いや慣れざるを得なかった。

 

「しかし、本当に戦車で渡っちまうなんてね」

 

「あぁ、だがそれ以上に……」

 

 連邦兵は戦い慣れている。義勇軍のラルゴ・ポッテルはそう思わずにはいられなかった。

 

 ガリア兵とは違い、兵士一人取ってもガリア兵は足元にも及ばない。ましてや練度の高い帝国兵にすら優っている。

 極東に巨大な連邦国家が存在するのは知られていたが、ヨーロッパ諸国にとって実態はいまだに謎が多い。

 

 というよりお互いが情報統制し合っているので、まともに情報が出て行かないし入ってこないだけだが。

 

「ラルゴ!ボサッとしてると撃たれるよ!」

 

「……あぁ、すまん!」

 

 ブリジット・シュターク伍長に背中を叩かれ、思考をやめる。

 彼はそのまま既に市街地へと浸透し始めた連邦兵を、他の義勇軍部隊と共に追いかけていく。

 

 





 のじゃロリ系将軍
「ホラホラホラホラ!」(妖怪首狩り)

 帝国兵
「マ゜ッ!!!!!!!!」(絶命)

 ボトムズ
「うちの問題児がすみません」

 連邦兵
「ナカナカヤルジャナイ」(KNN)

 義勇軍
「なんなのこの人(達)……」




 ドイツ
「あぁ^〜(占領地でロマンス()するの)病みつきになりソース」(略奪経済)

 ヒスパニアンズ
「俺たちの先祖が受けた屈辱だ!オラッ逝け!!」(報復心の化身)

 エディカス人民
「んほ^〜‼︎」(嘆嗟の声)

 エディカス
「あぁ^〜ん!!早く助けてぇ!!」(死に体)

 ステイツ
「殺したい程憎たらしいが約束のブツを確認できるまでは死んでほしくないのでブリストルだけは死ぬ気で死守してクレメンス」(ブリストル攻防戦)





 ブラジル
「じゃ、(反民主的で野蛮ちゃんな国家には軍隊)流しますね…」(パワーパック作戦)

 コロンビア
「南米の秩序を乱すものには、邪険正義の鉄槌を下しましょうね^〜」(一方的なエアランドバトル)

 チリ
「ボトボトッボトボトボトッw」(アンデスの向こう側からの航空作戦)

 アルゼンチン
「貴様ら如きに、アルゼンチンの栄光をやらせはせんぞぉ‼︎」(ヤケクソ)

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