最初の異変は、あの日と同じ。
博麗霊夢の死から、一週間。
博麗神社の縁側にて。
「………特に、異変の記事は無し、ね。」
幻想郷の新聞、「花果子念報」を読んでいる少女。
彼女こそが、博麗神社次代巫女「博麗霊灯」である。
霊灯「………母さんが死んで、一週間。」
霊灯「…流石にまだ、異変は起こらないか。まあ、平和なのはいいことね。」
異変が起きていないことに安堵する霊灯。
そこに、一人のお婆さんが話しかけてきた。
「おお、霊灯。今日も異変探しか?」
霊灯「あっ!師匠!お身体は大丈夫なのですか?」
「ああ。おかげさまで。」
霊灯は、巫女としての才能があった。
とはいえど、まだまだ未熟。弾幕の技術も浅い。
しかし先代、博麗霊夢は、霊灯が戦える頃には既に弱っていた。
戦いの術を教えられる時間は限られた。
そこで、霊夢は霊灯に「師匠」をつけた。
霊灯に戦い方を教えるための師匠を。
それが、このお婆さんである。
霊灯「いやぁ………。起こらないものですね。異変。」
師匠「そうだな。霊夢の死からまだ一週間。人里も妖怪の山もどこもかしこも警戒は強めている。そう簡単に、異変は起こらんよ。」
霊灯「……まあ、そうだといいですね。」
師匠「……………もう、大丈夫なのか?霊夢の事。」
霊灯「………正直、まだ心に残ってますね。母さんの死は。泣いていいなら、すぐにでも泣けますよ。」
霊灯「……でも、私が折れたら、それこそ異変の時にどうにもならなくなってしまいます。」
霊灯「ずっと他の方々に頼ってばかりではだめです。だから、私は早く立派な巫女になって、一人でも異変を止められるようにならないと……。って思うんです。きっと、母さんもそれを望んでます。」
師匠「……そうだな。霊夢もそう思ってるさ。」
師匠「でも、一人で背負い過ぎないようにな。困ったことがあったらいつでも話してくれ。きっとみんな力になってくれる。」
霊灯「そうですね。一人で出来ることも結局限られます。だから、頼る時は頼らせてもらいますよ。」
師匠「………ああ。それがいい。」
師匠「そうだ!人里でおはぎをもらってきたんだ。食べるか?」
霊灯「ほんとですか!!ありがたくいただきます!!」
平穏な会話。
平穏な時間。
しかし、異変はいつだって突然に、起こる。
霊灯がおはぎを頬張ると同時に。
突然その時は訪れた。
霊灯「んむっ!やっぱり、このおはぎは美味しい!」
霊灯「…………ん?なんか、湖の方向から………来る!」
師匠「………ふせろっ!」
湖の方向から現れたもの。
それは、幻想郷中に広まり、包み込んだ。
突然現れたそれは。
紅い妖霧であった。
霊灯「………これは!?」
師匠「………紅魔異変」
霊灯「!!!それって、師匠が!!」
霊灯「魔理沙師匠が、お母さんと止めたっていう、あの異変ですか!?」
魔理沙師匠「………そうだぜ。……懐かしい。」
霊灯「………つまり、これって………」
魔理沙「………ああ。」
魔理沙「異変だ。」
魔理沙「霊灯。この異変の出所は、霧の湖。」
魔理沙「そこにある一つの島の館。」
霊灯「………吸血鬼の住む、紅魔館………。」
魔理沙「あれ?知っていたのか?」
霊灯「……ええ。お母さんが、よく話してくれました。昔の武勇伝って言って。」
魔理沙「……そうか、じゃあ、やることは分かるな?」
霊灯「はい!」
霊灯「異変解決の為に!紅魔館へ行って参ります!」
魔理沙「………ああ!初めての異変解決だな。頑張ってくるんだぜ!」
霊灯「はい!それでは、準備を始めます!しばらくお待ちを!」
魔理沙「…………そういえば、もう二十年は行ってないな。紅魔館。」
魔理沙「………やっぱり、この霧を出したのは………」
魔理沙「……試す気か?新たな巫女、博麗霊灯を。」
魔理沙「………私の弟子は、そんなにやわじゃない。」
魔理沙「……紅魔館の奴らの、驚く顔が楽しみだ。」
霊灯「師匠!!準備が終わりました!!」
魔理沙「そうか。どれどれ………」
魔理沙「………おいおい。『アレ』忘れているぞ。」
霊灯「えっ………ああっ!!!一番大事なのを!すいません師匠!」
魔理沙「いや、ちょうどいい。今回は実戦だ。」
魔理沙「………私のを入れておく。練習通り、使ってみろ。」
霊灯「ええっ!?でも、それは師匠の大切な……」
魔理沙「なぁに、私のようなしわしわのお婆さんが持ってるよりは、お前が使った方が100倍役に立つさ。」
霊灯「………わかりました!!頑張ってきます!」
魔理沙「おう!頑張れ霊灯!」
博麗霊灯初めての異変。
『第二次紅魔異変』開幕。
キャラ説明
『霧雨魔理沙』
かつては霊夢と共に異変を解決していた彼女も、今や九十代のおばあちゃん。全盛期ほどの力は残っていないものの、強さは本物。
霊夢に頼まれ、霊灯に弾幕について教えていた。そのため霊灯には
師匠と呼ばれている。