オーバーロード 竜の降臨   作:読み物好き

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物語を書くの初めてなのでぬるく見守ってくださいませ。


六竜の黒

 

 

 

──長い夢を見た。

 

 

夢ではないかもしれない。

 

何かが繋がったともいえる感覚。

 

呼ばれている──そんな感覚。

 

ぼんやりと、違和感がある。しかし、心地よい気もする。

 

離れていく…何か自分の一部が…

 

故に、それは夢と呼ばれるものかもしれない。

 

 

体が重い 

瞼が重い 

 

もう少し──もう少しだけ──

 

 

 

 

起き────────────

 

────楔────、────務────────

 

 

 

 

 

何処か遠くで誰かが喋っている。

いや、此方(こなた)に喋りかけているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふあぁー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

寝ぼけ眼を擦り目を開く。

 

 

「…はて?」

 

 

──そこは見渡す限り大地続く、草原だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…はて、此方(こなた)はこのような所におったかや?」

 

 

頭がぼんやりする。霧が掛ったような。

そんな──妙な感覚。

体がぼんやりする。皮膚の外に何か見えない皮があるような──妙な感覚。

 

「そこの者、このような所で何を?」

 

静かで深い声が響く。

振り返るとそこには馬に乗り鎧を着た、俗に言う兵士と呼ばれる集団が居る

 

「おお、丁度良い所に、ここは──」

 

一瞬、兵士達の顔が緩む。当然と言えば当然である。

その肌色は健康的な褐色で、その身に纏う服は肩、胸元、腹、脚と大きく露出している。

顔立ちもまた美しく、その瞳は輝くような赤紫。風になびく銀色の長髪が太陽を反射している。

そしてその頭部には──2対の角。

一瞬緩んだ兵士達が引き締まる。嫌、恐怖に染まる。

 

「亜人!?亜人だと!」

 

「何故このような所に!戦士長!!」

 

悲鳴に近い声を上げる者も居る。

 

 

「落ち着け!」

 

 

戦士長と呼ばれた者の一言で声が止まる。余程信頼があるのか。

 

「…亜人の者よ、ここで何をしている」

 

──ふむ?亜人とな?

と、疑問に思いつつ彼らを見る。

よく見れば戦士長と呼ばれた者も兵士も皆傷を負っている。

特に戦士長は酷い物だ。治療はされているようだが、満身創痍といったところである。

さて、どうしたものか。と思案していると、沈黙と取ったのか戦士長が再度口を開く。

 

「…もう一度聞く、ここで何をしている」

 

「先ほど起きた所でな、何をと言われると困る」

 

彼女にとっての事実だ。起きたばかりで何をしている?

と聞かれれば何もしていない。が正しいだろうか。

 

「貴様は何者だ。先のスレイン法国の関係者…ではないか。

 起きた所というのはどういう事だ」

 

剣を抜きこちらを見る目にはこちらの動きを一切見逃さぬ。

何かあれば首を落とす。そんな気概が伺える。

 

「名を訪ねるなら先ずは名乗るものではないかや?」

 

彼女としては素直に答えてもいいが、寝起きに声を掛けられ振り返れば悲鳴を上げられ

あまつさえ剣を抜かれた上に何をしている、何者だとは失礼もいい所である。

 

「…私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。

 もう一度聞く、何者だ、ここで何をしている」

 

「リ・エスティーゼ王国?

 ああ、名乗られたなら答えようぞ

 此方(こなた)こそは闇より出でて尚暗きもの、あらゆるものを黒く染め上げるもの。

 空生まれし時より在るもの、理の外のもの!フェディエルぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──では、王国に危害を加える気はないと?」

 

「くどいぞ。そもそも何度も言うているではないか

 此方(こなた)は目が覚めたらここに居ったのだ。王国とやらにどうこうする気はない」

 

ガゼフから何度も同じような質問をされ流石に辟易していきた所だ。

それに会話をしていたせいか、ぼんやりした頭が大分回るようになってきた。

と同時に少し──嫌、大きな違和感を覚えていた。

急ぎ確認せねば…何か不味い。そんな予感だ。

 

此方(こなた)は少し用ができた。この辺で行かせてもらうぞ」

 

「王国戦士長として、領内に現れた怪しい亜人を逃がすわけにはいかん」

 

「ほう?ではどうすると?此方(こなた)を脅すのかや?」

 

──しつこい。

言う事を聞かずに駄々をこねる子に湧くような、そんな小さな怒り。

ほんの少しの怒気。

 

「…っ!!」

 

ガゼフや兵士達を黙らせるには十分だった。

 

「また縁があれば会おうぞ、ガゼフとやら」

 

声をかける間もなく、彼女は空へと飛びさった。

残された兵士達は青く澄み渡った空を──眺める事しかできなかった。

 

「…何なんだアレは…

 ゴウン殿…フェディエル…王国に何が起ころうとしているのだ…」

 

突如現れた未知の力を持つ魔法詠唱者、そして亜人と立て続けての邂逅に

ガゼフは一抹の不安を吐き出すようにポツリと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空高く──さらに高く──限界まで高く

フェディエルは飛び──見渡し、確信する。

地平線の彼方まで続く陸。そして海。

 

ここは空の世界ではない。

そして──世界との繋がりは感じられない。

 

フェディエルは空の世界では六竜と呼ばれる

創世神により空の世界が創られた際、空の世界の摂理を定める存在として生まれた。

火、水、風、土、光、闇の中で闇を司る。

世界の形を保つための圧にして元素を生む楔。

世界そのものと表裏一体であり、影響をお互いに与え合う強大な存在だ。

 

つまり、空の世界から欠けてはならないもの。

もしも欠けようものならその影響は計り知れない。

 

──困った

 

そう、フェディエルは困っていた。

戻らなければ──とはいえどのように?

何処に向かいどうすれば?

そもそも何故ここに?

 

 

 

「特異点や他の六竜の気配もなし…此方(こなた)はどうすればよい…」

 

 

 

当然、誰からも返答はない。

 

──ここは(空の世界)とは違う世界

それだけは分かった。

元々世界の繋がりを持っていた為か、はたまた六竜という存在から得られる直感なのか。

何処からか何かの繋がりのような、言葉にできない"何か"は感じるが、それがどの方角か

近いのか遠いのかもわからない。

 

長考する。考える。

人類離れした、世界とも六竜とも呼べるモノ

理から離れ、楔となるモノ

元素であり、世界を構築するモノ

そんな彼女から出た結論は──

 

 

「うむ!わからん!」

 

 

「しかしこの世界に顕現したのは何かわけがあろう。

 となると、(空の世界)の世界への影響だが…。

 繋がりは感じる。という事は此方(こなた)の元素がなくなるという事もあるまい。

 特異点や奴ら(他の六竜)が異変への影響は何とかするであろうぞ」

 

 

そう、丸投げである。

 

 

──しかし…もしも此方(こなた)以外の六竜も全てこの世界に来ているとしたら…

少々、否、大分不味いかのう。

しかし今の所は何も感じぬ。恐らくそれはあるまいて。

 

軽く頭を振り、浮かんだ疑念を頭から追い出す。

 

「しかし興味深い、異なる世界…異世界という奴か?

 この世界ではどのように命が育まれ、(あかし)を継ぐのかや?」

 

此方(こなた)は摂理を定める六竜の『(こく)』!なれば他の世界であってもやる事は同じであろうぞ

 空の命…いや、この世界の命よ、此方(こなた)にその(あかし)を輝きを見せるぞよ!」

 

となれば、まずはこの世界を少し見て回るとしようぞ!

少しだけウキウキしながら彼女は飛ぶ。生命の生きる地上を目指し。

空の世界とは少し違う、この世界の生命の輝きを目にすべく。

 

──それに…少し前から気になる事がある

 

死、安寧、終焉を絶望を統べる彼女だからか、この世界からは何かを感じる。

近いうちに起こるであろう、死と絶望の気配を。

 

 




補足:特異点とは グラブルの主人公 チートの結晶体
大体何でも何とかするから多分今も何とかしてる

時系列的にはカルネ村救出~ニグン達回収~ガゼフ帰還中あたりのお話。

オバロもグラブルも大好きだけど、どっちもにわかだからご都合もユルシテ!


ニグンの兄貴は許されなかったようです。
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