るぷ :やられたっすー↓くやしいっすー↓
デミえもん :ふふふ、彼女はプレアデスでも↑そこそこ強い↑↑
あうら :敵集団の中にハローとか舐めプにも程があんじゃないの?
しゃるてぃあ:しねーシャルぱーんち
(…凄い金額だったから思わず受けたけど…どんな貴族なんだろうか)
空中を浮遊する板──
急ぎの依頼。館を守ってほしい。
アインズとしては凄い金額だったし──王都ならワムデュスに会えるかも。
何より、貴族へのパイプもそろそろ欲しい。あって困る事もないだろう。
そんな気持ちがアインズの首を縦に振らせた。
そういえばデミウルゴスから例の件を起こしますって報告されたけど…
例の件って何だよ…
一度ナザリックでしっかりと状況把握しないと流石に不味いかなぁ
セバスの軍資金も必要だし…金欠は辛い…
ふぅと息を吐き出しながら、自らを運ぶ板に目をやる。
「モモンさ──ん、あちらを」
ナーベラルに声をかけられ顔を上げる。
王都の一角が、眩い炎の壁に包まれていた。
「──ゲヘナの…炎?」
(あれって…ゲヘナの炎…だよな…?)
王都に?何故?誰が?まさかついにプレイヤーが?
王都が襲われているのか?誰かが防衛している?
まさかデミウルゴス?例の計画ってこれか!?
複数の疑問が矢継ぎ早にアインズの頭に押し寄せる。
「あれは…!ナーベ!全速力で私をあそこへ運べ!」
「はっ」
そんな疑問を振り切ってアインズは行動を起こした。
その視線の先には、時折上がる水柱。
あんな事ができる者は一人しか思い浮かばない。恐らく何かと戦っている。
運ばれながら遠くに確認したのは無数の人影。
友の姿を浮かべ、アインズは剣を握り飛ぶ。
・
「悪魔の諸相:鋭利な断爪」
ガガーランに鋭く伸びた爪が襲い掛かる──
水の柱が立ち昇り、弾き飛ばされる。
手を出せないというのは本当に──厄介だ。
「もっと固まって。離れてると守れないかもしれない」
悪魔が狙っているのは冒険者。
そう判断したワムデュスは冒険者が逃げ切るのは無理だと判断し、冒険者を一か所に集めている。
デミウルゴスは仮面の下で眉をひそめる。
これでは簡単に殺せない。
直接がダメなら防げないよう殺せばいいでしょうか。
「
「ぐお…か、体が…おげ…」
冒険者達の体が激痛と共に風船のように一瞬膨れあがる。
と同時に体から青い光──水の様な物が溢れ出し、ワムデュスに吸い込まれていく。
すると体の膨張も止まる。
「これもでもダメですか。賞賛をお送り致します」
「いらない。お腹は空いてるけど今のは酷いあじ」
「ではこれならば如何でし──」
言いかけると、けたたましい音と共に何かが落ちる。
石畳が砕け、土煙が舞い上がる。
そこには、月光と炎の光で照らし出された、漆黒の鎧を身に付ける戦士が佇んでいた。
冒険者達は息をするのも忘れ、その姿に目を凝らす。
あの圧倒的な悪魔ですら。その鎧の戦士に息を吞んでいた。
「友よ、無事か?」
・
「──それで…デ──そこのデーモン、お前が私の敵か?」
片方の剣をスーツの悪魔に対して向け、片方の剣を冒険者達を守るように構える。
その迷いのない悪魔に立ち向かう姿とは裏腹に──アインズの心中は大変な事になっていた。
鎧の中では何度も発光を繰り返している。
(どうなってんの!この状況!!何でここにデミウルゴスが!?そしてワムデュスと敵対してるのか!?)
ちらりとワムデュスの方に目をやると傷一つ負ってはいない。
(よ、良かった…ちゃんと命令通り手は出してないようだが…ど、どうする!?ここからどうしたらいい!)
「これはこれは──まずはお名前を伺ってもよろしいでしょうか?私はヤルダバオトと申します」
「やるだ…バオト?私はモモン。アダマンタイト級冒険者だ」
幾つか問答を交わす。
蒼の薔薇達はその情報を頭に叩き込み、情報を引き出すモモンという男が一流の冒険者である一端を垣間見た。
「では…その六大神の降臨とやらの…最初の降臨…とやらの為にこの都市の人間を襲ったと?」
「その通りです。貴方が私の前に立たれた今、私たちは敵同士として戦うしかありませんね」
「とは言えあなたはお強そうだ。後ろの子供と共闘されても面白くありません。ここは分断させて頂きましょう」
悪魔が指を鳴らすと大量の悪魔が王都へと飛んでゆく。
「如何でしょうか。守った方がよいのではないですか?住民を無視して私を殺すという選択肢もありますが…私を殺しても彼らは消えません」
一瞬の沈黙の後にモモンが叫ぶように声を上げる。
「この悪魔は私が相手をする!住民を守ってくれ!行くぞデミ──ヤルダバオト!!」
振り上げられた剣を受け、その威力で悪魔は家々を貫通して吹き飛んでいく。
漆黒の影がそれを追い、土煙の中へと消えていく。
「私達は住民の保護を!急いで!」
それを合図に一斉に冒険者達が弾かれるように走り出す。
あの化け物のような悪魔を一人で相手すると言い消えていった戦士の言葉を無駄にしない為に。
一人でも多くの住民を助けねばと。一人の少女を除いて。
「モモ…?」
「ほら行くぞ!チビ!助けてくれてありがとうよ!心配すんな!
あの悪魔をぶっ飛ばしたんだ!死にはしねぇよ!」
ガガーランに抱え上げられた少女は離れていく土煙を眺めていた。
・
「それで…この部屋は安全なんだな?」
「勿論でございます。この部屋での会話を盗み聞き出来るような者はおりません」
用意された椅子に座り話を聞く。
「では本題だが──お前の計画を全て話してもらうぞ」
「今回の一連の計画には四つほど利点がございます」
「ほ、ほう?…み、三つだと思っていたが?…四つだったか」
何が起こっているのかすら分かっていないアインズだったが、尾をゆらゆらと揺らし
歓喜と会心の笑みを浮かべるデミウルゴスを前に何の話しですかとは言えない。
自分がいかにもすべてお見通しです。と言わんがばかりに鷹揚に4つの利点を述べるよう指示を出す。
「では、第一はこの倉庫区を襲い、すべての財をナザリックに運ぶことで財宝を得ます。既に運搬済みとの連絡を受けております」
それは素晴らしい!心の中で絶賛する。
セバスの諜報活動、様々な物資の検証と常に金欠だったのだ。
だが同時に、それは…悪い事なのでは…という気持ちが鎌首をもたげる。
デミウルゴスは指を二本立てると言葉を続ける
「第二にスレイン法国という国へ疑念を植え付ける事です。どうやら人間絶対主義の国との事。取るに足らない存在であっても群れを成し、結託すれば潰して回るのも手間。六大神。それを利用いたします」
話を聞き、アインズは鷹揚に頷く。当然の如く何の話か分かっていない。
「第三に、多数の人間をナザリックに連れ去っております。そこで様々な用途に使えればと考えております。これらすべての悪評をヤルダバオトが代わりに受けてくれるという事です」
連れ去った!?何で!?それにヤルダバオトって何だ!
暫く思案し、会話をしながらかつての命令を思い出す。
モモンと共に作ろうと思い、かつて出した命令。魔王の誕生という命令か…。
「連動させ第四に、続く計画の布石と致します。そしてこの場で国の国王には死んで頂きます。この国は国王がギリギリの天秤を支えています。彼が死ねばこの国は砂の城の如く崩れ去りましょう。八本指、貴族の抗争、住民達の負の感情。後は我々が何をする必要もございません」
一体何を言ってるんだデミウルゴスは?
目を通した書類に何か書いてあったか?何か見落としてた?
アルベドとデミウルゴスだし問題ないだろうと読み飛ばして判子押してたツケか!?
アインズは限界を迎えようとしていた。
いきなりのゲヘナの炎、友達と敵対するNPC、彼の言う計画
ああ…わからん…もう考えるのをやめたい…
精神が抑制され、落ち着きを取り戻し、聞いていた中での疑問が口を出る。
「…人間をナザリックに…と言っていたな。そして国王を殺すと」
「はい。その通りでございます」
「その人間達は…どうするのだ」
「順次処理していく予定です。アンデット作成用の者、実験に使う者、用途は様々でございます。死体の入手で多くのアンデッド作成が可能でしょう」
当然のように口にするデミウルゴスに…アインズは少しの嫌悪と恐怖を覚えていた。
今…なんて言ったんだ?処理?人間を?
確かに死体によるアンデッド作成は消える事がない。いればいるだけナザリックの戦力を強化できる。それ自体は魅力的な話だ。
だが…長くモモンでいた事、そして──友の存在。約束。
それが彼に、以前より僅かに人間に対し──鈴木悟の本来の感情に近い物を感じさせていた。
「…それは、罪を犯していない者、老若男女関係なしか?」
不思議そうにデミウルゴスは肯定する。
助けてやりたい。アインズの心がそう叫ぶ。
数刻の沈黙の後に──何時もより、少しだけ、ほんの少しだけ弱々しく言葉を吐き出す。
「…デミウルゴス、その者達を解放…はできないのか?」
「解放…でございますか?…ナザリックを知った者達を…でございますか?」
一瞬不思議そうな顔をし、主人の真意を読み取るべく目を細めている。
そうだ…ナザリックに連れ帰った者が外で情報を出すのは非常に不味い。
それはアインズも十分に理解はしていた。
「そうだ……生きている者は解放せよ」
「…なるほど、そういう事でございますか。承知致しました」
デミウルゴスは深々と頭を下げ、承知の意を示す。
「そして──王を殺すのは止めよ」
それを聞いたデミウルゴスは素早く顔を上げ、顔色を少し悪くしながら口にする。
「申し訳ございませんアインズ様。そのようにお考えでしたとは…このデミウルゴス、一生の不覚でございます。大変申し上げ難いのですが…その…」
「王の殺害は──シャルティアに一任しております。既にもう処理されているのではないかと…」
・
──ちっ!
傷だらけの敵を見据えシャルティアは舌打ちする。強い。
本当に人間か?変装用の今の装備は戦闘用とは雲泥の差があるとは言えど──
致命傷となる一撃は全ていなされている。
そして攻撃が重い。一発一発が響く。それに爪の様な一撃。
一撃貰うと裂けるように傷が付く。
そして体の動きが鈍くなる──。人間だとは信じられない。
「星の獣や竜でもなしにその強さ。褒めて遣わすぞ」
…さて、どうするか。
頬を伝う血をぬぐいフェディエルは思案する。
この仮初の体では押し切るのは難しいやもしれん。
が、本気でかかればこの周囲が粉々になってしまおうぞ。
仮初を捨てようものなら王都そのものを吹き飛ばしかねん。
…それは出来ればしたくはない。
「いい加減そろそろ死ね!!<清浄投擲槍>!」
シャルティアの手元に巨大な白銀の槍が出現する。
より輝きが増したそれを彼女は放つ。
直線的に飛んでくる光輝く槍を避ける。
──が、その切っ先はその動きを読んでいるが如く、方向を変え彼女の脇腹に突き刺さる。
っ!?
突き刺さったそれは、物理的なだけでなく、清浄な──光のようなその力が
彼女の肉体に痛みを与え消えていく。
傷口からはドロリと血液が流れ落ち、余裕の色が薄れ、ほのかに苦痛の色が顔に浮かぶ。
「おや?神聖属性が弱点でありんすか?」
「ではおかわりと行きんしょう!<清浄投擲槍>!」
再び投擲された槍を避ける。
傷口から痛みが走る。人間であれば転げまわる事すらできない激痛だろうが──
彼女としてはそこまでの激痛ではない。
槍が曲がり、彼女を追う。それを避ける。曲がる。
回避。が、気が付くとそこには、もう一本。
腕と脚に深々と突き刺さり、槍が消えると血液が溢れ出す。
「アーハハハ!やっと終わりねぇ?人間にしては中々楽しめたわ」
脚を貫いた。もう機敏には動けないだろう。
ご機嫌に笑うシャルティアは獲物を見るようにニヤリと笑う。
吸って眷属にして可愛がってやろうか?中々壊れない、いい玩具になりそうだし。
よくよく見れば、至高の御方々に作られた私達には及ばないだろうが…
素晴らしい顔立ち。はちきれんばかりの胸。美しい銀色の髪。
ああ、なんて素晴らしい玩具。でもアインズ様はお怒りになるかしら──
そうそう、仕事もしなくては。さっさと王を殺して──
──ぞわり。背中に何か冷たい物を感じた気がした。
アンデッドであるシャルティアでなければ汗が滝のように流れていたかもしれない。
──なんだ?
腹、脚、腕と血を流しながらこちらを向いている女。
目からは光が消え、そこから感じる──闇。死にかけの獲物のそれではない。
まるで、巨大な──壁を前にしたような圧迫感。
──
フェディエルが呟くと足元から黒い液体のような、煙の様な物が流れ出る。
触れた地面は形を変え、瓦礫は砕け、家は崩れていく。
空間は黒く染まり、黒いインクを垂らしたように染まっていく。
不味い。
何をする気か知らないが不味い。
感じるのは殺気。
ナイフを首に突き付けられたような。死の気配。
無意識に大きく距離を取る。
馬鹿な!私が?私が気圧されたとでも!?死にかけの人間に?
──
その拳を覆うように、何かが見える。あれは…一体…
黒い闇の塊のような所から…骨のような…
<…シャルティア、聞こえるかい?王はまだ生きているかい?>
シャルティアの頭に声が流れ込んでくる。
──作戦中止。撤退命令。
迷いなく
あれは…あれは危険だ。彼女にそう確信させるには十分だった。
・
戦いは終わった。
漆黒の英雄──漆黒のモモンが激戦を経てヤルダバオトを追い詰めた。
モモン侮りがたし。そう判断したのか、ヤルダバオトは王都を人質として撤退した。
ヤルダバオトが目論んだとされる、六大神の復活。
四大神を信仰する王国とは違い、スレイン法国は六大神を信仰していると聞く。
先のガゼフ・ストロノーフを襲ったとされる事件はスレイン法国の布石では?
ヤルダバオトはスレイン法国と繋がっているのか?と、王国は混乱の渦にあった。
悪魔の戯言だと言う者。神は悪魔だったのではという者。
神殿は悪魔を祭っていると激怒する者。混沌と混乱が王国を襲っている。
破壊された王都からは多くの行方不明者が見つかっている。未だに救助活動を行っているが──
謎の六芒星を模った巨大な魔法陣の様な物の中央に集められていた赤子達。
酷い怪我をした者。恐怖に震える者。
見た事もないような極寒の地や、燃え盛る大地へ連れ去られたと口々に口を開く者達。
何かの儀式に使用するつもりだったのだろう、捧げものや生贄であろう。
幻覚ではないか。神の世界を見たのかもしれない。
と様々な議論が交わされているが目的は何一つわかっていない。
わからないと言えば、王を襲った女が居た街の一角が砂地になっていた事も話題を呼んだ。
丸く、くりぬく様に生命一つ感じさせない、その空間には皆恐れ誰一人近寄っていない。
ヤルダバオトを撃退した漆黒のモモン、多くの民や兵を救った蒼の薔薇や冒険者達には大きな歓声と止む事のない称賛が送られた。
黒碧はその姿を眩ませた。王都を出て行く姿を見た者が居るらしい。
また、王と第二王子には住民から多くの称賛と歓声が轟いた。
民の危険を、己が身を顧みずにも救おうとしたその姿に、多くの民が感謝と歓喜を口にしている。
今回炎で包まれたのは八本指…犯罪者の多くが利用していた地である。と王城が発表した事も大きな衝撃を国民に与えている。
大きな損害を受けた王国復興の為。ヤルダバオトの目的や犯罪組織との関連性を調べるためにも王都全土の徹底的な調査と犯罪の撲滅を行う。
と、王の勅命が発された。
多くの貴族や闇に生きる者達が反発を抱いているが、国民の多くは失いつつある王国へ小さな希望を見出した。
「──以上が、報告となります。いやはや興味深いですな陛下」
「じいが興味を持ったのはその碧とやらだろう?」
金色の髪は周囲の光を反射し輝きを放つ。
切れ長のアメジスト色の瞳を持つ男が不敵な笑みを浮かべている。
「当然でございますぞ陛下。水に特化した
「聞いた話では水柱を作り出したとか。じいには可能か?」
「無理でございますな。そのような魔法は聞いた事がございませぬ」
その蓄えた髭を扱きながら語る老人の目には歪な輝きが宿っている。
「──気になるのはアインズ・ウール・ゴウンとかいう
奴の出現と共にその漆黒や黒碧とやらも台頭したのだろう?」
金髪の男性──ジルクニフは目を閉じ考える。
悪魔が言い残した…六大神の降臨か。…法国がそのような事を考えている…か?何か引っかかる。
しかし神の降臨…そのような噂が広まると帝国としても面倒になりそうだ。
…それにしても国王もよくやったものだ。危険に身を投げ出し民の称賛を得るとは。
それにでっち上げたような勅命…あの老いぼれの考えではないな。
あの女の入れ知恵…という所だろう。
しかし…オリハルコン級が蒼の薔薇の命を救い悪魔を止めただと?
つまり…実力はアダマンタイト級…それ以上…か?
それに漆黒のモモン…同格の蒼の薔薇が負けた悪魔を一人で追い返したと聞く。
そんな事が可能か…?まさか…いや、考えすぎか…?しかしそうだとすれば…。
暫くの沈黙の後にゆっくりと目を開き口にする。
「──その冒険者チームに興味がある。黒碧を帝国へ引き抜く」
ふぇでぃ :あー!逃げるとは聞いておらん!全身が穴ぼこだらけぞ!次見つけたら許さん!
あおばら :うわぁ…(ドン引き)
ももんが :うわあああああ↓↓死体まみれだあああああ↓↓↓↓
デミえもん:死体は回収しておきました↑
ふーーーこれにて投稿前からの書き貯め消化完了っす。
そのうちちょっと投稿ペース下がるっす。
年末年始ー!早く来てくれー!