オーバーロード 竜の降臨   作:読み物好き

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前回までのあらすじ

事実を喋ったら勘違いされた。


カルネ村

カルネ村へ向かう道中、昨晩の事で朝は少し気まずい雰囲気だった。

しかし彼女達の性格故だろうか。

特に何を気にするでもなく普通に話しかけてくるからか、和気あいあいとした雰囲気に戻っていた。

 

そんな中最後尾を歩くモモン達は──

 

(…気まずい)

何でこっちをずっと見ているんだ…?

観察できるように最後尾を歩いていたのだが──

あるタイミングから…もしかしたらずっとかもしれない。

ナーベとモモンをフェディエルがジッと見ているのである。

横を歩くナーベも時折舌打ちしている。

 

──我々に何か?

 

気付けば口に出ていた。

初対面の人に見られるのは気になる、というかやめてほしい。

そんな思いが口に出ていた。

 

くるりと振り向いたフェディエルは顎に手を当て、少しの間何か考えているようだが──

 

「主らは…番かや?」

 

は?

番?つがい?つがいって何だ?

頭に?が浮かぶ。余りにも聞きなれないその言葉に言葉を失うが

ナーベはそうでもなかったようで──

 

「わ、私等が!!恐れ多い!!!私等ではとてもアイン──」

「ナ、ナーベ!!」

 

ハッと我に戻ったのか、ナーベの顔色が見る見る青に変わっていく。

 

「も、申し訳ございません…」

 

「え、えー…ゴホン」

 

あ、危なかった…。

それはそうと番!つがいって何だ!?

つがい…つがい…──つがい?まさか…パートナーかどうかを聞いたのか!?

いや、そうだ!そうだ…と思っておこう!

 

「…ナーベは…仲間ですよ。冒険者としてはパートナーと言ったところです」

 

声が妙なトーンにならなかった自分を褒めてやりたい。

 

「そうかや?」

「ところで何故そのような事を?」

「興味、といったところぞ?お主…見た所──」

 

「ディーエ、皆待ってる」

 

前からふよふよと飛んできたワムデュスが口にする。

どうやら足を止めてしまっていたようで、前方の馬車から皆がこちらを見ている。

 

「何かありましたかー?」

 

「あ、ああ、いえ。何でもありません!お待たせしました。」

 

変わった事を聞かれたもので…等と先ほどの話をしつつも馬車まで速足で戻る。

漆黒の剣の4人が苦笑して、我々も聞かれましたよ等と話している。

…ああ、そういう感じの人か?まぁ──確かにナーベラルは綺麗だし

女性としては気になるのか?等と思い納得しておく事にした。

しかし危なかった…アインズと言いかけていたじゃないか…ナーベラルは後で説教だな。

そんなモモンの背を二人が見つめ──小声で口を開いた。

 

「のうワムデュスよ」

「なに?」

 

「"アレ"は生きてはおらんな?アンデッド…?此方の理から外れておるな」

「でも終わりをむかえた命とは何かちがう」

 

「ヒトの子の真似事をしておる理外の者か、面白いではないかや。

 なんぞ企んでおるのか、それとも此方達の一件と関係あるのかや」

 

「わかんないけど、何かさびしそう」

「寂しいそうとな?ナーベとかいう番…ではなかったが、おるではないか」

「何かちがう感じ。特異点達と全然違う」

「そうかや?確かにあまり会話等はしておらんようだが」

「ディーエはどんかん」

 

早く行きましょうよーという声に応じるように彼女達も進む。

柵に囲まれた小さな村、カルネ村へ。

 

 

 

 

 

 

カルネ村は変わった村だった。

村に小鬼(ゴブリン)が居るのだ。

しかしその目には知性の光があり、村の一員だという話を受ける。

森での薬草を採集する。という目的の為、準備や休憩を兼ねて村を回る。

大きな問題等当然なく──ンフィーレアとエンリという村娘に対してフェディエルがちょっかいを出していたくらいか。

幼い見た目もあり、ワムデュスは村の一部の子供と溶け込み遊んでいる。フェディエルとニニャも巻き込まれいる。

そんな村のある一点をモモンは見つめている。

小鬼(ゴブリン)に習い、弓の修練をしているようだ。

 

「ふーん、やるじゃないか」

「左様ですか?」

 

ナーベから疑問が投げられ、それに答える。

そんなやり取りの所に小さな影が近寄ってくる。

 

「モモ、何してる?」

「モモ…!?下等生物(ゲジゲジ)が!身の程を──」

「よせナーベ、下がれ」

 

奥歯をギリギリと鳴らしているナーベを下がらせ、モモンの事をモモと呼ぶワムデュスに答える。

モモン…アインズとしては別に気にもしていない。

 

「ワムデュス…殿。なに、村人の訓練を見ていたのですよ」

「どの、いらない。ワムでいいよ」

「…ではワム…デュス…は遊んでたのではないのか?」

「うん、遊んでた」

 

少しの沈黙の後、ワムデュスが口を開く

 

「モモ、生き物すき?」

「生き物?」

「そう。例えば人間とか」

 

生き物が好きか…?人間…か。

正直、興味はない。

アインズはアンデッドである。こちらに来る前は鈴木悟という名の人間であったが──

この世界に来てから、人間に対しての同族意識というものはない。

その辺を飛ぶ虫…とまでは言わないが、小動物を前にした感情とでもいうのだろうか。

とはいえ、そんな事を子供に言うわけもなく…。

 

「あー…うん、好きだぞ」

「そっか、良かった。少しだけ心配してた」

「心配?」

「モモ、カラッポだけどカラッポじゃないから」

「空っぽ…?」

「何でもない、好きならいい。こっちきて」

 

手を引かれるまま──先ほどの子供達の居た所へ連れていかれる。

 

「じゃーん!ゆうしゃブラックモモつれてきた」

 

「ほーう、この黒である此方の相手は主かや?」

 

子供達が勇者モモーと呼ぶ状況を理解する。

そういう事か──好きって言うんじゃなかったかもしれない。

 

「嫌だった?」

 

黙っているモモンにワムデュスが訪ねる。

ニニャと目が合う。少し苦笑している。ああ、巻き込まれたのか。

正直面倒…だが…まぁする事もないしいいだろう。

 

「…お前が黒のフェディエルか!この勇者モモンに会った事を後悔するがいい!」

 

高々に名乗りを上げる。

子供達からは歓声が上がるのだった。

 

 

 

 

「子供達と遊んでいただいて、ありがとうございました!

 色々あって、皆最近辛そうだったから、あんなに楽しそうな子達は久々に見れました!」

 

下等生物(ハムシ)如きと何故…と目を白黒させているナーべを下がらせ、エンリや村人から礼を言わる。

依頼で空いた時間ですし何の問題ありませんよと彼らに告げその場を離れる。

 

「モモ、楽しかった?」

 

「ん?まぁ…そうだな」

 

アインズ──鈴木悟に子守の経験や子供相手の経験等はない。

だからごっこ遊び…というのもこれでいいのか…?

ウケてるのか?大丈夫か?とおっかなびっくりだったのだ。

だがまぁ、楽しくなかったと言えば嘘になる気もする。

 

「…楽しかったぞ」

「ほんとに?」

「何故だ?」

「モモ、あった時から少しさびしそうだったから」

「寂しそう?私がか?」

 

寂しそう──

寂しそうか。

 

「何故そう思うんだ?」

「何となく」

「モモ、悪いやつじゃないし

 ワム友達になったげよっか?」

 

友達か…俺には仲間が居る。掛け替えのない仲間が。

 

「いや──私には仲間がいるからな」

 

「どんな人達?」

 

「私が弱かった頃に──最初に救ってくれた聖騎士──それに、刀使い、神官、暗──盗賊。様々な…素晴らしい仲間達だよ──」

 

つい、喋ってしまう。大切な思い出を。彼等との日々の一部を。

昨日の光景を見ていたせいだろうか。

輝かしい思い出を、誰かと共有したかったのだろうか。

気付けば口を出ている。

輝かしい冒険の日々の話が。

 

「いい人たちなんだね」

「ああ、素晴らしい仲間達だった」

「今はどこに居るの?」

 

「…わからない。だが、必ず見つけ出してみせる…何をしてでも」

 

「じゃあ、探すのワムも手伝ってあげる」

 

「何?」

 

「モモ、仲間の話してる時すごく楽しそうだった。

 だからわかった。一人じゃさびしいでしょ?」

 

──!!!

何かに打たれるような感覚がアインズに走る。

 

「…何故そう思うのだ?」

 

「ワムも一人は嫌。だからわかる。

 いくら食べてもたりない、ずっとカラッポなかんじがする」

 

「でも特異点と会ってわかった。

 皆といると楽しい。それにカラッポうめられた」

 

「モモ、カラッポにみえる。だから友達になろ。そしたらカラッポうまる。

 それに、困ってるでしょ?だから、助けてあげる。ワムはやさしいので」

 

すまし顔で胸を張る…とてもじゃないが似ても似つかぬ聖騎士を重ねてしまう。

困ってるでしょ?助けてあげる…か。

…はは…ハハハハハ!!声を上げ笑ってしまう。暖かい何かを感じ…抑制される。

 

「…そうか。それは頼もしいな」

「じゃあ、モモもワムの友達」

「……ああ、よろしくワムデュス」

 

「モモ、悪いことしちゃだめだよ」

「ん?悪い事?」

「特異点みたいに、いい事すればきっといい事でかえってくる。

 わるい事すると、きっとわるい事で帰ってくる。

 いんがおーほーというやつ。いい事すればきっと見つかる。約束」

「とくいてん…?……そうだな…約束しよう」

 

 

──モモンさーん!

 

遠くからンフィーレアが走ってくる。

大きく息を乱したンフィーレアが、チラリとワムデュスを横目で捉える。

息を整えた彼はフェディエルが呼んでたから行くようにと促し、十分に離れたのを確認するとモモンに向き直った。

 

 

──モモンさんが、アインズ・ウール・ゴウンさんなのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハムスケお気に入り」

 

ハムスケに乗ったモモン…アインズの股の間に挟まる形で乗るご機嫌なワムデュス。

横ではフェディエルが残念そうに見ている。

 

「なぜ此方は乗ってはならぬのだ」

「申し訳ないでござるよ…フェディエル殿は何か…怖いんでござるよ」

 

依頼通り薬草を無事…薬草の種類の見分けが全くつかない者が居たため

少し長めに時間がかかったが。

採集中"偶然"遭遇した森の賢王──ハムスケと名付けられた魔獣を従えたモモン達はエ・ランテルへの道を行く。

なお、森の賢王は森の外の情報は持っていなかった。

ハムスケが番を探しているという話を聞き目を輝かせて居る者も一名居たようだが。

 

「そういえばフェディエルさん達はこれからどうするご予定ですか?」

「此方は帰る為にも情報が欲しいが──」

「でしたら、どうでしょうか!冒険者になられてみては!」

「それはいいのである!モモン氏と同じく人並外れた力をお持ちだ!」

 

道すがら話を聞くところによると──

ザックリ言ってしまえば国家に所属しない対モンスター用の傭兵だ。

稀に遺跡や秘境の探索を行うこともあり、国家とはまた別のルートで情報を所持している。

 

「ワムはいいよ。ろーどーの対価でいろいろ食べてみたい」

「此方もよいぞや!今はあてもない故。なかなか面白そうなよな!」

 

そんな話をしながらエ・ランテルへ着く。

彼女達の衣服が異様に高価に見えた事等もあり、街に入る際に少しだけ時間がかかったが──

ハムスケのインパクトにそれも霞み、ンフィーレアの紹介もあり問題なく街へと足を踏み入れる。

 

「それではモモン氏は組合であるな!」

「じゃあ俺らはどーするか。ンフィーレアさんの所で薬草下しでもする?」

 

漆黒の剣の提案に対し、少し考えてンフィーレアが答える。

 

「ありがとうございます。お気持ちだけで大丈夫ですので、お二人を組合に連れて行ってあげてください。初めての街だと思うので」

 

キョロキョロしている二人を横目にンフィーレアが告げる。

 

「…わかりました!では我々はこれで!」

 

 

 

 

 

 

「おお!これで此方も冒険者かや!」

「ふふん、冒険者ワム」

 

首に(カッパー)のプレートをかけ、彼女達は冒険者となる。

申請時にはその場にいた大量の冒険者と受け付けはワムデュスを、冗談だろ?という顔で見てはいたのだが。

特に年齢制限等はなく、冒険者の立ち合いの元という事で比較的すんなりと進んだ。

組合受付の説明に首を傾げたりしている彼女達への説明は漆黒の剣も手伝ったのだが、結構大変だったりした。

 

「ところで、仕事はなにする?」

「あそこの掲示板に張り出されている物を選ぶんですよ」

 

「ワム、この字読めない」

「此方も読めんぞ」

 

「あー…でしたら受付でも直接受けれますよ」

「わかった!ありがとニニャ」

 

「あ、モモ。ワムも冒険者になったよ」

 

登録が終わったのか現れたモモンを発見するとトトトと駆け寄りそれを見せる。

下等生物(ミミズ)が…馴れ馴れしい…とモモンの後ろから聞こえた気がするが。

 

「おお、似合っているぞ」

 

──何だか娘みたいだな。いや、俺子供居た事ないけど。

アウラやマーレとはまた少し違うんだよなぁこの子。

そうだ、あの二人と合わせたら、あの二人とも友達になってくれたりしないかな。

等とアインズが考えているとペテルが歩み寄る。

 

「あの、モモンさん。実は俺達これから食事に行くんですけど、モモンさんも如何ですか?」

「食事ですか」

 

「ええ、命の恩人のフェディエルさんに…結局まだ何も恩返しらしい事ができないので。

 でも俺達が出来る事っていうと…お恥ずかしいですが食事代を出すくらいしか出来なくて」

 

「であれば我々は居ないほうが良いのでは?」

 

向こうをチラリと見る。

食べる事ができないアインズとしては出来れば遠慮したい話だ。

 

「よいよい!気にするでないぞ!食事は多くで食べるとより旨いと聞いたでな!」

 

ニニャ達もうんうんと頷いている。

どうにも逃げきれそうにない。

その後、ペテル達は財布に中々なダメージを受ける事になるのだが、それはまた別の話。

アインズはあの手この手で食べない事を正当化していた。

 

 

それは食事を終え、今夜泊まる先はあるのか。

もし無いようであれば、相部屋で良ければ等の話をしている時の事だった。

 

 

 

 

──カーンカーンカーン

 

 

 

 

鐘の音が響き渡る。

衛兵が大声で叫び声を上げている。

 

アンデッドだ!アンデッドが出たぞ!!

 

 

 





漆黒の剣無事生存
まだ染まりきってないピュアモモンガ兄貴に幼女の痛恨の一撃

ご都合展開とキャラ崩壊と独自解釈は今後も続く。ユルシテ
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