連邦生徒会を襲撃しようとするホシノを止める転生オリ主 作:you are not
「それで……なんでアビドスを狙う?」
ホシノが先ほど捉えたヘルメット団の団員をパイプイスに縛り付けて尋問をしている。対する俺は、本を開いて判断力低下のデバフを団員にかけ続けている。
「…ある企業に雇われたんだ。アビドス高校を占拠すれば破格の値段で売ってくれるって」
虚ろな目をしながら確かな受け答えをするヘルメット団員。罪悪感がなくはないが必要なことだと自分を納得させる。
「その企業って…?」
「カイザーコーポレーション…」
その言葉に俺たち三人は息を呑んだ。部屋の空気はきっと重くなっていることだろう。少なくとも俺にはそう感じられた。
「何で?いや、わかりきった話ですね」
ホシノの言葉に俺は無言で同意する。奴らカイザーコーポレーションはアビドスに金を貸している。だが、その利子は法外。いわゆる闇金と言うやつである。そんなことをしてまで奴らがしたいことと言えば、恐らくこの土地が欲しいのであろう。土地があれば様々なことに利用できる。そう、カイザーのようにいろんな事業を展開している企業は特に…その中でアビドス高校は目の上のたん瘤だろう。
「もういい、わかった。ホリ、こいつを解放してやれ」
「あぁ、記憶を消しておくよ」
記憶処理を施して運ぶ。奴らの拠点がどこか知らないから学校の校門前に放置しておいた。後は勝手に帰ってくれるだろう。
―――
「……」
教室ににて、ホリは空をボッーと眺めながらお茶を飲んでいた。もっとも、その湯飲みの中身は一切減っていなかったのだが…
「ホリ君、こんな時間に何してるの?」
偶然通りがかったユメが声をかける。ユメの言う通り外は夕焼けで輝いていた。
「…ちょっと考え事を」
「悩みなら相談に乗るよ?これでもおじさん年上だからね!」
おじさんとつまらないジョークを言うユメに白けた目を向けるホリだったが、先輩モードのユメ先輩に押し切られ悩みを打ち明ける。
「今回のカイザーの妨害で思ったんですよ…俺の、俺たちの頑張りって何だったんだろうなって…」
今までアビドス対策委員として3人で何とかお金を用意して返済してきた。だが、返済先のカイザーは自分たちの妨害をする。その因果関係にホリはどこか虚しさを感じていた。
「いくら頑張って返済してもカイザーは終わらせる気がないだろうなって思って、それじゃあ、ユメ先輩や卒業していった先輩たちも報われないし、何よりホシノの「アビドスを復興させたい」って夢を踏みにじってるって思うとなんだか悔しくて…」
段々とホリの声は弱くなっていき、遂には嗚咽音だけが教室に響き渡る。
「わかるよホリ君。辛かったよね、苦しいよね」
「ユメ先輩…」
ホリが話し終わると同時にユメはホリを抱擁する。それは慰めか、共感ゆえかはたまた……
「私もあの時似たようなこと考えちゃったんだ。でも、心の何処かで囁くの…「まだ終わってないのに何諦めてるんだ!」って」
「!!」
ホリにとってユメの独白ともいえる言葉は何処か心の琴線を揺らした。
「辛いかもしれない、無駄なのかもしれない。でも、私達が止まっちゃうと本当に辛くて無駄なことになっちゃう。だから、私は生きてる限り進むよ。ホリ君はどうする?」
「俺は…みんなと一緒にいたい。3人で…今度は、後輩も混ぜて笑う合っていたい。ホシノの夢も支えてあげたい。こんな俺でもできますか?」
「もちろんだよ。ホリ君が居れば後ろは絶対任せられるからね一緒にがんばろ!」
ユメ先輩の鼓舞により、ホリの心の迷いは断ち切られた。だが、彼は知らなかった。ユメという少女の最後を……
少しだけ、ホリ君に曇ってもらった。と言ってもまだ曇らせモドキの葛藤でしかないけど…まぁ、メインディッシュが待ってるからね!
予告「U R MY SPECIALZ」
次回!ユメ先輩死す!