皆さんこんばんは妖夢です。
白玉楼に新たな住人が増えました。幽々子様、師匠でもあるお爺様、私。そして新しく先日、外の世界より『ムゲン』という方がこの白玉楼の用心棒、正確には用心棒見習いとして住むことが(幽々子様の思い付きで)決定しました。ムゲンさんはあまり乗り気で内容でしたが、幽々子様の「ここにいれば強いものと闘えるかもしれないわよ」という一言で目の色を変えてしまいました。
因みに、用心棒『見習い』というのは、しばらくの間お爺様が私と同様に稽古をつけ、その役割を十分に全うすることができると判断されれば、お爺様の後を継ぎ白玉楼を守る、というものでした。
このムゲンという男性はボサボサの黒髪のウニ頭、着崩した朱色の甚平、鋭く獲物を狙う様な眼光とどれをとっても私からするととても怖いです。またその見た目が示すように性格も大変粗暴で、言葉遣いも荒く、言ってみれば私と対極的な男性です。
この物語は私がムゲンさんに振り回される様子をまとめたものです。
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ムゲンさんが白玉楼に来てから一週間程経ちました。今私は稽古を終え、夕食の準備をしているところです。
私がお味噌汁の様子を見ていると後ろからムゲンさんが突然現れました。
「おい、ガキ。今日の晩飯はなんだ?」
説明する必要もないと思いますがこの方がムゲンさんです。今の一言からもわかるように私のことを兄弟子として尊敬する気持ちが一切見られません。
「今日は、少し忙しかったので簡単に焼き魚とお味噌汁にしようかと思います。ムゲンさんは何か食べたいものはありますか?」
私が今日のメニューについて伝えるとあまり快くないような顔をしました。まるで「魚なんか食っているから強くなれねぇーんだよ」とでも言いたそうな雰囲気です。
「魚か。まぁ、いいんじゃねぇーのか。ところで、肉はねぇーのか?」
「スミマセン、お肉は今日切らしてあります。明日にでも時間があれば買ってきましょうか?」
「また今度の楽しみにとっておくよ。ところで……」
「……はい?」
「そのフヨフヨした煙みたいなやつは何なんだ?ここに来た頃からずっと気になっていたんだが。」
「これは半霊です。私は半分生きていて半分死んでいる存在ですからね。こうして半分霊としても存在しているのです。言うなれば半霊も私の一部ということです。」
「ふーん。でそいつは食えるのか?」
私の体に悪寒が走る。この男は今私の話をちゃんと聞いていたのだろうか?恐らく聞いていないだろう。そうでなければ私の一部であると語った半霊を食べようだなんて考え付くはずもない。いや、恐らく何も考えていないのだろう。
「だ、駄目ですよ!なに考えているんですか?」
「いいだろ?端っこくらい。」
「あなたは人の話を聞いているんですか!?もういやだ!こんな弟弟子!!」