海賊戦隊の世界で、天下御免の侍戦隊!   作:ウルトラマントリガー

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※6/8に内容を修正しました。


Vシネは設定が緩くなりがち

「ここか」

 

俺の名前は志葉丈瑠。三途の川から現れる外道衆から、この世を守る侍の一族、志葉家の現当主だ。

 

本来、俺は本物の志葉家当主を守る為の影武者だったのだが、その本物の志葉家当主である志葉薫姫と結婚することで、正式に志葉家の当主となった。

 

そんな俺には、ある秘密がある。

 

それは、俺が前世の記憶を持つ転生者であることだ。

 

そう。俺は知っている。この世界が、難易度が高めに設定されている海賊戦隊ゴーカイジャーの世界であることを。

 

そして、この世界を守る為に、俺以外にも34人の転生者がいることを。

 

今日はその中の一人に呼び出されて、あるビルの前までやって来ている。

 

「このビルは先週、隙間センサーが反応したビルだよな?」

 

外道衆は、三途の川からこの世に現れる時に、隙間を通ってくる。その反応を探るのが隙間センサーであり、反応があった場合には速やかに調査をする必要がある。

 

まぁ、ほとんどの外道衆は、この世に現れるとすぐに暴れだすので、調査ではなく討伐になるのがお決まりのパターンなのだがな。

 

そんなことを考えているうちに、指定されていたビルの屋上に到着した。

 

そこには、既に数名の人の姿があった。

 

「来たか」

 

まずは、俺を呼び出した張本人。宇宙警察地球署の署長にして、特捜戦隊デカレンジャーのデカマスターこと、ドギー・クルーガーさん。

 

「久しぶりだな、丈瑠」

 

次に、炎神戦隊ゴーオンジャーのゴーオンブラックこと、石原軍平さん。彼とはVシネの事件時に知り合った仲である。

 

「殿様まで呼んでたのか?まいったぜ……」

 

そう話すのは、獣拳戦隊ゲキレンジャーのゲキバイオレットこと、深見ゴウさん。この人とは初対面である。

 

「彼は今回の事件の当事者だからな」

 

そういって、ゴウさんの肩に手を置くのは、轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケンレッドこと、明石暁さん。彼とは、ドギーさん主催の忘年会で顔を合わせたことがある。

 

「ええ。それに私の占いでも、彼が今回の事件の鍵を握ることになるって出てるわ」

 

水晶を片手にそう話すのは、魔法戦隊マジレンジャーのマジブルーこと、小津麗さん。彼女ともドギーさんの忘年会で顔を合わせたことがある。

 

「揃ったみたいね」

 

そんな言葉と共に、突然その場に現れたのは、忍者戦隊カクレンジャーのニンジャホワイトこと、鶴姫さんだった。

 

「いや、あと1人来る」

 

「よっと!お待たせ!」

 

ドギーさんのその台詞の後に、空から現れたのは、天装戦隊ゴセイジャーのゴセイレッドこと、アラタであった。

 

「なっ!?署長!流石にゴセイジャーはダメだろ!?」

 

「いや、呼べたということは、彼にも事情を話しても良いということだろう?そうじゃなかったら、声すらかけられないはずだ」

 

「確かにな」

 

「俺もダメ元で呼んだんだが、呼べたということはそういうことなのだろう」

 

アラタが来たことで、軍平さんがドギーさんに抗議をするが、そんな軍平さんに対して、明石さんが声をかけた。すると、ゴウさんがその明石さんの言葉に納得し、ドギーさんがさらに説明を続けた。

 

「あの〜、確認なんだけど、ここにいるのは、みんな転生者ってことで良いのかな?」

 

そんな状況で、アラタが一同にそんな問いを投げかけた。俺は、その問いに手を差し出しながら答える。

 

「ああ。その通りだ。知っていると思うが、俺は志葉丈瑠。侍戦隊シンケンジャーのシンケンレッドだ」

 

「そうなんだ。良かった〜。俺、他の転生者に会うの初めてでさ。俺、アラタ。天装戦隊ゴセイジャーのゴセイレッドさ」

 

そう言いながら、俺の差し出した手を握るアラタ。そんな俺とアラタの手に、麗さんが手を重ねた。

 

「私は小津麗。魔法戦隊マジレンジャーのマジブルーよ。よろしくね。みんな、やっぱり、この2人が今回の事件の鍵を握っているわ」

 

麗さんのその言葉に、アラタが疑問を口にした。

 

「今回の事件って、いったいどういうこと?俺と丈瑠が鍵を握ってるってことは、Vシネの事件?」

 

「当事者には、Vシネを含めた原作に関わることは教えられないし、当事者以外の戦隊は関与出来ないはずでは?」

 

「そのことは、私から話すわ。みんなも聞いて。実は、私と一甲くんのある行動がきっかけになって、ゴセイジャーVSシンケンジャーで起こる事件が、全く違う内容になってしまったみたいなの」

 

「「えっ?」」

 

「「は?」」

 

アラタと俺の疑問に答えるべく、鶴姫さんが説明を始めるが、その内容にアラタと俺は固まってしまった。さらに、同じ話を聞いていた軍平さんとゴウさんも驚いている。

 

顔と声には出さなかったが、ドギーさんも驚いた様子だ。

 

「始まりは先週のことだ。ダークシャドウの風のシズカが、国の研究所から、ある物を盗んだ」

 

「ある物?」

 

説明役が鶴姫さんから、明石さんに変わり、彼の説明を聞いた俺が発した疑問に答える様に、明石さんは説明を続けた。

 

「ある城の欠片だ。………これだけで、アラタ以外のみんなにはわかるんじゃないのか?」

 

「ある城の欠片だって?………っ!?おい!まさか!その城って!?」

 

「………?」

 

明石さんの説明を聞いて、ゴウさんがそう叫ぶと、その場にいる他の面々も驚愕の表情を浮かべた。ただ、アラタだけは話の要点がわからずに戸惑っている。そんな中、明石さんは険しい表情で説明を続けた。

 

「そう。黒十字城だ」

 

「「「「「黒十字城だって!?」」」」」 

 

「黒十字城って、ゴレンジャーさんのラスボスが変身したやつだよね?」

 

俺、軍平さん、ゴウさん、麗さん、ドギーさんが驚き、アラタが首を傾げていると、明石さんが詳細な説明を始めた。

 

「そうだ。かつて、秘密戦隊ゴレンジャーさんが死力を尽くして戦い、そして、倒した敵、黒十字総統。その真の姿が黒十字城だ」

 

「その黒十字城の欠片が、風のシズカの手に渡ったのか………」

 

「マズいわね。確か、ダークシャドウの首領は、古い「何か」と最新式の「何か」を融合させる事で怪人を生み出せたはずよ」

 

ドギーさんがそう呟いた言葉に、麗さんがそう続いた。さらに、麗さんが話しを続ける。

 

「欠片とはいえ、あの黒十字城を媒介に使ったのなら、相当に強力な怪人が生み出せるはずよ」

 

「なるほど。麗さんの言う通りなら、黒十字城の欠片が、風のシズカに盗まれたことが、アラタと俺のVシネの内容に影響するというのにも、合点がいくな」

 

「もしかして、元々は、俺達のVシネのキーアイテムだったりするの?」

 

「いや、ゴセイジャーVSシンケンジャーのVシネには、黒十字城の欠片は関係ない。いや、関係ないはずだった」

 

麗さんの言葉に俺が納得していると、アラタがさらに問いを発した。そんなアラタの問いに、明石さんがそう答えると、鶴姫さんが説明の続きを引き取った。

 

「黒十字城の欠片を盗んだ風のシズカを、私と一甲くんが捕らえたのよ。彼女、正確には、彼女が所属するダークシャドウのせいで、カクレンジャー、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーの活動に支障が出てたから、原作的にも問題無い今のタイミングで、ダークシャドウを壊滅させようと思って………だけど、それがマズかったみたい」

 

「鶴姫さんと一甲さんが、風のシズカを捕らえたタイミングで、ナナシとビービの妨害を受けたんだ。そのどさくさで、風のシズカには逃げられた。だが、逃げたはずの風のシズカは、ここから少し離れた路地裏で意識を失って倒れていた。しかも、風のシズカは、その時にはもう黒十字城の欠片を持っていなかった。この意味がわかるか?」

 

「……まさか!」

 

「ブラ……いや、今はまだブレドランか……奴の仕業か」

 

鶴姫さんと明石さんの説明を聞いて、軍平さんが驚きの声をあげる。その横では、ドギーさんが小さく呟く。アラタを除く他の面々も同じことを考えている様子だ。

 

「え?ブレドラン?ちょっと待ってよ。ブレドランは俺達が倒したよ?」

 

「いや、生きているはずだ。何故なら、奴は〇〇〇〇〇〇〇〇。やっぱり、言えないか」

 

戸惑うアラタに、ネタバレを言いそうになったが、そのネタバレは言葉にならなかった。どうやら、今回のVシネ案件は特例らしい。

 

「じゃあ、ブレドランは生きていて、黒十字城の欠片で何かしようとしているってこと?」

 

「おそらくな」

 

アラタのその問いに、ゴウさんがそう答えると、明石さんが自らの懸念を口にした。 

 

「問題は、ブレドランが何をしようとしているかだが………アラタ以外のみんなはもう予想はついているよな?」

 

その明石さんの言葉に、俺はようやく、ここにいる転生者達が集められた理由を悟った。

 

確かに、これはゴセイジャーVSシンケンジャーではすまないな。これは、もうゴセイジャーVSスーパー戦隊だ。

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