海賊戦隊の世界で、天下御免の侍戦隊! 作:ウルトラマントリガー
「この俺が地球侵攻作戦の司令官か。これもまた因縁というのかな?」
宇宙帝国ザンギャックが、地球侵攻の為に編成した大軍勢を乗せた無数の宇宙戦艦。その旗艦となるのがギガントホース級の戦艦、シュヴァルブランであった。
そのシュヴァルブランのブリッジにて、地球侵攻作戦司令官に着任したシュバリエⅡ世は、小さく笑みを浮かべていた。そんな彼の側には、補佐役として彼に従う親衛隊員のドゴーミン2体の姿もあった。
「確か、銀帝軍ゾーンの初代艦長であった司令のお父上は………」
「地球にて、例のスーパー戦隊とやらに………」
「倒されたさ。まぁ、父といっても、俺の母は父の遊び相手の一人に過ぎなかったからな。俺は父の顔も見たことは無いし、父も俺のことなど、知りもしなかっただろう」
ドゴーミン達の言葉に、自嘲気に返すシュバリエⅡ世。だが、彼はその手に持つステッキを強く握りしめて、今回の作戦への意気込みを語った。
「だが、その父から受け継いだ優れた才能が、俺を今の地位まで押し上げてくれたのも事実。その父が散った惑星の侵攻作戦の司令官を、息子の俺が任されたのが因縁だと言うのならば、今回の一戦でその因縁を終わらせてやる!」
「意気込みは買うが、そう簡単にいくかな?」
突然響いたその声に、ドゴーミン達がその手に持つ槍を構えるが、シュバリエⅡ世が手を上げて、それを制した。
「それは、どういう意味だ?」
「言葉通りの意味さ。地球を、デカレンジャーを、スーパー戦隊を舐めると、父と同じ末路を辿ることになるぞ」
「お前の、いや、お前のクローンと同じ末路か?エージェント・アブレラ」
シュバリエⅡ世の言葉に応えるように、ブリッジに姿を現したのは、かつて、特捜戦隊デカレンジャーに倒されたはずのエージェント・アブレラであった。
「宇宙警察地球署の刑事どもに追い詰められる直前に、クローンと入れ替わり、自分の死を偽装したお前は、地球を離れると闇に潜んで、密かに再起を図った」
「貴様をはじめ、宇宙帝国ザンギャックの関係者にはなかなかに稼がせてもらった。おかげで、地球での損失は無事に全額補填できたよ」
そういって、笑みを浮かべるアブレラに、シュバリエⅡ世も笑みを浮かべながら、問いかけた。
「それで?わざわざ、そんなことを言うためだけに、ここに来たのか?」
「ふん。そんなわけがないだろう。今日ここに来たのは、商談の為だ」
「そんなことだと思った。それで?今回は何を売りに来たんだ?怪重機か?強化アーマーか?それとも、魔獣や超獣といった生物兵器の類いか?」
「そのどれでもない。今回売るのは……人材だ」
「人材だと?」
「どういうことだ?」
アブレラの言葉に、ドゴーミンの2人が疑問の声を上げる。その疑問に、指を上げながら答えるアブレラ。
「地球から去った後も、地球についてはリサーチを続けていた。その過程で、地球のスーパー戦隊に関わった為に壊滅した悪の組織の残党や、その関係者の情報を私は手にしている」
「なるほど。その残党や関係者を紹介するから、紹介料を払えと?」
「いや、今回は無料でいい」
「何?貴様がタダ働きをするだと?」
アブレラの一言を聞いて、それまでの笑みを浮かべた余裕な様子から一変、怪訝な表情を浮かべるシュバリエⅡ世。
「人材紹介ビジネスは初めての試みなのでな。金になるのかどうか確かめたいのさ。あとは、個人的な感情だ」
「………なるほど。個人的な感情というところに、共感が持てるな。それにタダというなら、有り難く使わせてもらうとしよう」
「商談成立だな」
そうして、シュバリエⅡ世とエージェント・アブレラは固く握手を交わすのであった。
その数日後、シュヴァルブランを旗艦とするザンギャック地球侵攻艦隊が、地球に向けて、進軍を開始するのであった。
○
弁護士である遠藤耕一郎は、電磁戦隊メガレンジャーのメガブラックであり、転生者でもある。
彼は今、本業である弁護士を休業して、メガレンジャーとして活動していた頃に、お世話になっていた世界科学連邦I.N.E.T.月面基地の久保田博士の元にいた。
「久保田博士、前回の通信から、何か新しい情報は入りましたか?」
「いや、あの外宇宙からの通信、宇宙帝国ザンギャックの侵略が始まろうとしているとの通信が入って以来、それらしい異変や、追加の通信といった新しい情報は入っていない」
「そうですか」
「何かの間違いであって欲しいとも思うよ。もういい加減、地球は平和になるべきだろう」
「同感です」
久保田博士の言葉に、苦笑いを浮かべながら答える耕一郎。しかし、転生者である彼には確信があった。
宇宙帝国ザンギャックは必ず襲来する。そして、全てのスーパー戦隊との間で、死力を尽くした戦い、レジェンド大戦を繰り広げることになると。
耕一郎がそんな風に物思いに耽っていると、月面基地内で突然アラートが鳴り響いた。
「なんだ!?」
「久保田博士!宇宙レーダーで観測出来る最遠地点にて、戦闘中と思われる熱エネルギー反応を確認しました!」
「なんだと!?」
「戦闘中だって!?」
月面基地の職員からの報告に、驚きの声をあげる久保田博士と耕一郎。
そして、レーダーの反応を確認した耕一郎は、その反応を見て、来るべき時が来たことを確信した。
「この反応は、デンジタイガーにバイオドラゴン、シャトルベースにスターコンドルにフラッシュタイタン、マグマベースにレンジャービークルにビクトレーラーに、星獣達の反応だ!彼らが戦っているということは!ついに、来たのか!ザンギャックが!」