海賊戦隊の世界で、天下御免の侍戦隊! 作:ウルトラマントリガー
すみません。
特捜戦隊デカレンジャーの敵は、宇宙の犯罪者アリエナイザーである。彼らが倒したラスボス、エージェント・アブレラは、アリエナイザー達にアーナロイドや、バーツロイド、イーガロイドといった戦闘用アンドロイドや、マッスルギアシリーズといった強化プロテクター、更には、巨大ロボット怪重機を販売する闇商人である。
それがどういう意味を持つか?
「「「「うわーー!」」」」
「はん!ザンギャック帝国からレンタルしたこの量産型グレートワルズにかかれば、宇宙警察のポンコツロボットなんて、目じゃないんだよ!」
ラスボスを倒しても、デカレンジャーの戦いは続くということである。
今、地球署に所属するデカレンジャーは4人。デカブルーのホージー、デカグリーンのセン、デカイエローのジャスミン、そして、デカピンクのウメコである。
それは、デカレッドのバンは新設されたファイヤースクワッドに異動し、デカブレイクのテツは元々所属していた特キョウに戻ってしまっていたからであった。
彼らは今、地球に侵入したザンギャックの巨大ロボット、量産型グレートワルズをデカウイングロボで迎え撃ち、苦戦していた。
「こいつ!」
「たくさんの地球人を拉致して、ザンギャック帝国に奴隷として売り付けようだなんて!」
「絶対許すまじ!」
「デリート許可はすでに出ている!何としても、倒すぞ!」
デカグリーン、デカピンク、デカイエロー、デカブルーの闘志は揺るがない。しかし、相手は量産型とはいえ、ザンギャック帝国の技術力の粋を結集して開発された決戦兵器グレートワルズである。
デカウイングロボを以てしても、劣勢を強いられていた。
そんな時である。
「「ダイナマイトアッパー!」」
「ぐぉ!?」
突然飛び込んできたスーパーデカレンジャーロボが、グレートワルズに強烈なアッパーを叩き込んだのである。
「「「「スーパーデカレンジャーロボ!?一体、誰が!?」」」」
そんな4人の疑問は、スーパーデカレンジャーロボからの通信で、すぐに解消された。
「情けないぜ、相棒!やっぱり、俺がいないとダメだったか?」
「なっ!?バン!?」
「ナンセンス!こんな奴にやられるなんて、先輩達らしくないですよ?」
「テツまで!?どうして!?」
「俺が呼んだ」
「「「「ボス!?」」」」
バンとテツこと、デカレッドとデカブレイクからの通信に、デカブルーとデカピンクが驚いていると、通信にドギー・クルーガーが割り込んできた。
「地球署の深刻な人手不足を解消する為に、バンとテツには地球署に戻ってもらうことになった」
「そういうこと!またよろしくな、相棒!」
「お世話になります!先輩達!」
「あっちょんぷりけ」
「そういうことは、もっと早く教えてよ〜!」
「ハハ。また賑やかになりそうだね」
「というか、どさくさに紛れて、相棒っていうな!」
ドギーの説明の後、デカレッドとデカブレイクが挨拶すると、デカイエロー、デカピンク、デカグリーン、デカブルーがそれぞれの口を開いた。
「てめぇら!よくも、このグレートワルズに傷をつけたな〜!追加料金取られちゃうだろうが!」
「よっしゃ!久々に一気に行くぜー!」
「「「「「おう!」」」」」
デカレッドのその叫びに、他の5人が応えると同時に、スーパーデカレンジャーロボとデカウイングロボが、グレートワルズに向かって行くのであった。
宇宙警察地球署、デカベースの中枢デカルームにて、ドギー・クルーガー(転生者)は、スーパーデカレンジャーロボとデカウイングロボが、量産型グレートワルズと互角に戦う様子が映されるモニターを見ていた。
「スーパーデカレンジャーロボと、デカウイングロボの2体を相手にして互角とは………!」
「ザンギャック帝国のテクノロジーは、予想以上に進んでいるようね」
彼の隣に立ち、技術者としての目線で同じ映像を見つめるのは、地球署のメカニックを一手に引き受ける女性技術者、白鳥スワンであった。
「スワン。最近のアリエナイザーが使用している怪重機についてだが……」
「前に解析を頼まれてたものね。もう終わっているわ。見て」
そう言ったスワンが、ドギーのデスクを操作すると、モニターの映像が切り替わる。そこには、直近半年以内に、アリエナイザーによって使用された怪重機の映像が映されていた。
「これらの機体は、見た目は従来の怪重機だけど、中身は大幅にアップデートされている」
スワンがそう説明すると、具体的にどうアップデートされているのかを詳細に解説したテロップが、映像に追加される。
「そのアップデートに使用された技術や、パーツの出所は、貴方が予想していた通りよ」
「やはり、ザンギャックか。スワン、この解析結果をレポートにまとめて、本部に提出してくれ」
「それは構わないけど、どうする気なの、ドゥギー?」
「そのレポートを元に、ザンギャックへの警戒を促す」
「でも、ドゥギー。ザンギャック帝国に対する宇宙警察の方針は、基本的に静観よ?」
「そもそも、それがおかしい」
ドギーは唸り声を上げたい気持ちを抑えつつ、宇宙警察本部が掲げる方針への疑念を口にした。
「すでにザンギャックは、ゴズマ、メス、ゾーン、ジャカンジャの残党を掌握し、自陣営に取り込んでいる。さらに、指名手配されていた凶悪なアリエナイザーまで引き入れて、多数の惑星に侵略の魔の手を伸ばしている。なのに、本部はザンギャックに対して、何もしようとはしていない」
「本部としては、悪の組織同士で潰し合って、アリエナイザーをまとめて引き入れてくれた方が、後々の対応が楽と考えているのでしょうね。あとは、本部の主力を投入すれば、いつでも制圧出来るとも……」
「だが、表沙汰にはなっていないが、宇宙警察本部は、かつて、ゴズマ、メス、ゾーン、ジャカンジャの違法行為を取り締まろうとして、返り討ちにされている。残党とはいえ、それらの組織の力を取り込んだザンギャック帝国を、そんな風に侮るなど………!」
ドギー・クルーガーに転生し、宇宙警察で働き始めてから知った事実。宇宙警察が、歴代の悪の組織に返り討ちにされていたという事実は、ショックであると同時に納得もしていた。何故なら、宇宙警察が悪の組織を抑えられていたら、それらの組織とスーパー戦隊が、地球で戦う必要なんて無いのだから。
「でも、ドゥギー。本部がそう判断しても仕方無いわ。だって、宇宙警察の戦力は常に強化を続けているし、それに………」
「ああ。わかっている。ゴズマも、メスも、ゾーンも、ジャカンジャも、この地球の………宇宙の中心から離れた辺境に位置し、技術力も他の惑星に比べて低いこの惑星出身の5人から6人の少人数のチーム、つまり、スーパー戦隊に敗れて、組織が壊滅している。そのことが、かつての悪の組織への、ひいてはザンギャックへの侮りに繋がっているんだ」
もっとも、スーパー戦隊の中には、デンジマンやバイオマン、フラッシュマンといった地球以外の惑星の技術を扱う者達もいたのだが、宇宙警察本部からしてみれば、それはたいした差異ではなかった。
「それに、地球での戦いを終えたいくつかのスーパー戦隊が、宇宙でザンギャックと戦い、局所的に勝利しているのも、本部が静観の姿勢を変えない理由の1つよ」
「辺境の地球出身のスーパー戦隊が勝てるならば、自分達だって勝てるということか………」
先輩達の活躍が、こんな形で返ってくるとは………。
だが、それだけか?
自分と同じように、かつての悪の組織に敗北した事実を知り、それらの残党を取り込んだザンギャックに脅威を感じている者は必ずいるはずだ。
なのに、自分を含めたそういった者達の危惧は無視され、いつでも制圧出来るというザンギャックを侮った考え方が、本部の主流となっている。
もし、これがザンギャックが十二分な力を得るまでの時間稼ぎだとしたら?
それを狙ったザンギャックの工作員、もしくは、ザンギャックに寝返った裏切り者が、宇宙警察本部にいるとしたら?
確かめる必要がある。
ドギーはひときわ深いため息を吐くと、自分がこれからやるべきことを決めた。
「とにかく、現状のザンギャックの技術力を報告し、本部に警戒を促す。スワン、報告書を頼む」
「了解」
この報告によって、宇宙警察に潜む敵がいるか否かを見極める。
地獄の番犬の目は、鋭く光っていた。
次こそ、シンケンジャー結成編やります。
…………たぶん!