最近の僕は夢見が悪い   作:無名篠(ナナシノ)

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※夢の内容です。



一夜目

あれは誰か──僕の友達のような──の何かのお祝いにその友達の家へ入ったところから始まった。

 

部屋はよくある一般家庭の家の中だった。多少ごちゃついてはいたけれど、足の踏み場が無いほど酷いわけではない。

 

家の外観? 扉から入ってリビングまでの廊下から場面がスタートしたからわからない。

 

とにかく、リビングに入るや否や、どこもお祭り騒ぎだった。

その家に暮らす母親が笑顔を浮かべながら料理をしており、祝いに来た他の人たちも談笑している。

 

さて、どこから見たか。

 

 

 

 

母親が作り、出来上がった料理を見ていると味見として一人もらった。料理を一人分では無い。料理に入っている小豆のような、レーズンのような小さな黒い豆を指して一人と、母親は言った。

 

僕は疑問に思った。

「これは小豆…ですか?」

 

母親は言った。

「これは"一人"よ」

 

理解できなかった。

 

 

 

 

母親がキッチンから離れたタイミングで目に入ったのは、キッチンの隣にある部屋に繋がる入り口の近くに、表情の死んだ男が談笑している祝いに来た人たちを見ていた。

 

しかも、逆手に包丁を持っていて、刃の平らな面を唇にペチ…ペチ…と当てていたのだ。

 

男はこの家の者、という認識はあった。しかし、その異様な光景に僕は話しかけに行くのはしなかった。

 

何をされるかわからなかったから。

 

 

 

 

包丁といえば、この家の4歳くらい小さい少女が持っていたのは驚いたし慌てた。

 

見ればキッチン下にある収納扉が若干開いており、包丁入れに入っていたであろう物なのがわかった。

 

はしゃぐ少女から包丁を取り上げて、包丁入れに戻す。

 

そのとき包丁で唇を叩いていた男がこちらを見ていたが、特に気にせずじっと見つめ返した。

 

しばらくその状態が続いた後、男は奥の部屋に消えていった。

 

生きた心地がしなかった。

 

 

 

 

そうして全体を見て、不思議に思ったのがお祝いに来た人たちの一部に遊戯王の千年アイテムが首から下がっていた事である。

 

他はもう覚えていないが、1番印象に残っているのが千年錠。どれも精巧なデザインではなく、金属の板でくり抜いたような平べったい形だったが。

 

そして、それは僕にも渡された。

 

千年パズル──これも板をくり抜いた平べったいものだったが──。それと謎の模様が描かれた石板。

 

理由はわからない。でもその時の僕は、その場の楽しい雰囲気で深くは考えなかった。

 

お祝いに来た人たちと石板は何なんだと考えていると、石板に描かれた物がだんだんと問題文に見えてきた。

 

それはクイズだった。A、B、C〜に振り分けられたパーツを組み合わせて迷路を作り、出口までのルートを作るという物。

 

満足感が走った。頭がスッキリした感覚がした。

迷路を完成させた訳では無い。まだ問題文の意図がわかっただけだったが、理解できなかったものが理解できてモヤモヤが晴れた、そんな気分だった。

 

そうして石板に視線を戻せば、手で持っている部分がシワになっているのに気付いた。

 

石板にシワ……? 不思議に思いシワを引っ張れば、それは簡単にビリビリと破けた。

 

石板かと思ったらそれはただの包装だった。

何となく気まずくなった僕はとっさに周りを見る。

 

祝いに来た人たちはすでにおらず、皆玄関から帰って行く様子だった。

 

その隙に紙袋をまとめている置き場に石板だった物を破いた包装ごと突っ込む。大変マナーも常識もないが、冷静ではなかったのと夢の内容なのでどうか許してほしい。

 

さて、その後のことなのだが。

 

僕はなぜが4歳の少女のお世話をしていた。そしてご飯に同席していた。

 

ご飯に出たのは玄米っぽいご飯と、小豆のような、レーズンのような"一人"。

 

玄米っぽいご飯を少女に食べさせていると周りの雰囲気が変わっていることに気づく。

 

来た時は夜で、お祝いの装飾なんかで部屋が彩られていたのに。

 

外は明るく、装飾は無くなり、普通の家庭の平凡な朝となっていた。

 

部外者の僕がいるのに。

 

"一人"を出されたこともあって、急いで部屋から逃げようとした。

 

男は奥の部屋の窓の前に座り込んでいた為、走り抜ければ接触することはない。

 

だが、そこへ立ちはだかった母親。彼女の足には少女がくっ付いている。

 

僕は言った。

「家に…家に帰ります!」

 

母親はこう返した。

「…死ぬの! みんな! みんな死ぬのよ!!」

 

その時の母親の顔は狂っているというよりは悲壮感に包まれて怯えていた。

 

おかしい、と思った。

 

怯えているなんて、まるで被害者のようではないか。

 

ならば元凶は一体誰か。

 

母親の足元にくっ付いている少女をみる。

 

髪がザワザワと動いている。

 

目は怪しく光っている。

 

口は呪いを吐き出している。

 

そうして少女の存在感が大きくなっていき──

 

──僕は目を覚ました。

 

 

 

 

お昼寝で寝ていたため、目が覚めた時はすでに夜だった。21時くらいだったかな。

 

体は重いし、夢の内容で恐怖が抜けないから、とりあえず風呂に入ることにした。

 

湯船に浸かりながら、ふと考える。あの時、少女に捕まったらどうなっていたのだろうかと。

 

夢なのは知っていた。だけど、嫌な考えが頭から抜けなかった。

 

夢の中から出られなくなったのだろうか?

 

それとも死んでしまうのだろうか?

 

それとも──夢を通して悪夢が現実にやって来たのではないのだろうか?

 

真実はわからない。真実なんてないかもしれない。

 

でも、僕はこう願う。

 

これが本当に悪い夢でありますように。

 

そして、こういった夢を、もう見ることがありませんように。

 




※現実とは何の関係もありません。
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