ただし、小説家になろうの方が話しが進んでいる関係で、設定資料はネタバレのオンパレードです。それでもいいという方のみ小説家なろうでお読みください。
また、先の話しになりますがこちらにもちゃんと投稿しますのでご安心を
64日目
さて質問です。以前、スリルを味わいたい、合戦がしたいなどという不埒な発言をした人間はどちらの方でしょう? 怒らないから出てきなさい。……うんうん。そうだねプロテインだね。答えは俺です。イッツミー。
「もう一度聞こう。何がここに向かってきているって?」
俺はハウトゥーファンタジー片手にふわふわを俺の目の前を浮いているメアリーに問うた。
「だからートロールの軍団だってば」
「鼻水とかヨダレとか色々と垂れ流しのあいつ?」
「そ。臭くて汚いあいつ」
悪いフラグはへし折らない限り必ず訪れる。俺はまた1つ賢くなった。しかし――
「なんてこったとはこの事だ。せっかくいい感じに色々進んでいるというのに。で、いつ来るの?」
「明日のお昼ー」
「Majiでkireru5秒前! ちょっとハウトゥーファンタジーを寄越しなさい」
本当になんてこった。人間相手ならば何も問題はないが相手はよりにもよってトロールか。今まで倒してきた有象無象とはレベルが違い過ぎる。
調べた感じ、物理耐性は高いし、魔法耐性もそれなりにある。その巨体から繰り出される槌の攻撃に当たればミンチ確定だ。
しかも、最悪な事にこいつらは異様な程に火属性耐性が高い。つまり、いつものように黒色火薬爆弾を使った作戦が立てられない。全く、困った相手です。
更に、そんな極悪なやつが300人規模で、ピンポイントでユグドラシルに向かってきています。戦闘は避けられない。
「ええい! 第3回偉い人会議じゃ! 騎士長、人を集めてきて!」
「ほいきた」
という訳で開かれた第3回偉い人会議。議題はもちろんトロールの襲撃について。
「なんでお前がそんな事を知っているかという疑問はこの際置いておくとして、はっきり言って逃げた方がいいとわしは思う」
俺はハウトゥーファンタジーの事をじーさん達には教えていなかった。現時点でハウトゥーファンタジーの事を知っているのはスフィーダ王とハルを除くハーレム。そしてもちろんの事、騎士長だけだ。
彼らを信用していない訳じゃないけど、何事も万が一という事は考えなくてはならない。どこから情報が漏れるかわからないからな。と、いうか今はそんな事はどうでもいい。
「逃げる事には賛同しかねるな。今回集まってもらったのは如何にしてトロールを撃退するか、という事に関しての意見交換だから」
「そうは言うが、わしら人間ではどうしようもないぞ」
「だよなあ。エルフはどうです?」
「遠くから弓を撃つ程度の事は出来るが、大した戦力にはならないだろうな」
「と、なるとやはり我々だけで対処しなければならないわけか」
俺はアンジェを始めとするいつものメンバーと、戦闘部族であるフェンリルの長、フェンリスを見た。
「とは言うものの、いくらフェンリルでもトロール相手だと、同時に相手出来るのは1人1体が限度だと思いますわ。……そう考えると戦力差が見えてきますね」
相手が大体300。こっちが大体100。ノルマは1人3体なのに、頼みの綱であるフェンリルが1人1体が限度とは。
「よしこうしよう。トロールが通る道に、ちょうど渓谷がある。まず最初にトロールがそこを通っている時に、鳥男率いる爆弾隊が空から大量の爆弾を落としてガケを崩す。トロール相手にどこまで通用するかはわからないけど、多分少しくらいは足止めないし分断は出来ると思う」
「でもそうしてしまうと戦う際の足場に不安が残りますわ」
うーん。だよなあ。地形を利用出来ない、かといって正面切っての戦いは論外。難しいな。せめて相手に知能があれば……。
「……公平」
右隣りに鎮座していたカンナが、不意に俺の服の袖をクイクイと引っ張った。
「トロールは……リンゴが好き。例え戦闘直前だとしても、リンゴを見たら真っ先に近寄るわ」
ふむ。確かリンゴはウォームが大量に保持してたな。あれを貰えばいいし、移動時間の問題もトリさん達に頼めば今日中に行って帰ってくる事が出来る。
「カンナ……ありがとう。君のおかげで先が見えた」
「うふ……うふふ……公平の役に立てた……」
俺はカンナの左手に手をおいたまま、今思いついた作戦を皆に話し始めた。
「鳥男、今から急いでウォームに行ってリンゴを大量に貰ってきて。前に一回連れて行ったから場所はわかるでしょ?」
「わかりますけど、そんな行ってすぐリンゴわけてもらえるんですか?」
「俺の名前を使えば大丈夫! ダメでも強引にかっぱらってこい。後で俺がなんとかする」
こういう時のためにいろんなところに恩を売っておいたのさ。困った時はお互い様というが、先を見越して困る前に頼る相手を見つけるのが肝要だ。
「あああ…そんな。窃盗なんて野蛮な。野盗みたいな事したくないですよう」
「やかましい。で、当日トロールが開けた場所に出たら、トリさん達が空中からリンゴを点々と設置していく。そうすれば多体1という状況は生まれにくくなるはずだ」
「それならばまず負ける事はありませんわ」
「よし! 後は、前に話してた新武器の件だけど、あれさ、今日明日中になんとか完成させてくれないかな?」
「前に言ってた火薬槌の話しか?」
「そう。それと、もう一個の方もね。後、フェンリル達に使わせる専用の武器も作ってくれ。前に試作品が出来てただろ?」
「お前なかなか無茶言うな」
「出来ないの?」
「やってやるさ。ドワーフの誇りにかけてな」
「実に頼もしい。今回俺達以外はユグドラシルの護衛って事で。そんじゃま、始めますか。頼んだぞ鳥男、今回の作戦は君達にかかってるんだから」
「あああ…わかりましたからそんなにプレッシャーかけないで……」
そうして俺達は各々戦の準備を始めた。大丈夫。俺達ならやってやれない事はない。
次回予告
今までは質よりも量をとるために一定の水準以上の物は全て完成品としてきたが、今回はユグドラシルの危機だ、そんな事は言ってられない。一時的に量産を取りやめさせ、飛び切り良い物を作らせる事にした。
「お前さんの言っとった火薬槌ってのはつまり、槌の中に火薬と火打ち石詰めて殴ると同時に爆発を起こして衝撃を強めるっちゅーもんじゃ。で、問題はここにある。そんなもんを近距離で振り回したら、自分まで爆発に巻き込まれるっちゅうんで柄の部分を長くしたんだが、そうしたら今度相手に与えるはずの衝撃が自分にも返ってきて、まあ端的に言うと試しに振り回した奴は腕が折れた」
アンジェが、鍛冶屋が使う槌の柄を長くしたような火薬槌を手にした。その身の全てを黒に包んだ火薬槌は、不気味に光を反射していた。
「わかった。作っておく。で、最後に騎士長、お前さんようの武器じゃが、それももう出来とる。これだ」
君にジュースを買ってあげる♥お楽しみに
MOZU風の次回予告