「あの……英雄さん、教えてください。メゼポルタって」
「……おい」
「いいさ、話すよ」
ギルドナイト部下である女ハンター。
名前を『メール』と言う彼女は俺にメゼポルタの話を聞いてきた。
「そうだなぁ……どんな話を聞きたい?」
「あの……白いリオレウスが居るとは」
「ゼルレウスの事か
「白き飛竜に出会いし者は大願が成就する」
とされ神聖な生き物として祀られているのに対し
またある地方では
「白き飛竜に出会いし者には災いが訪れる」
とされ、不吉な生き物として恐れられている。
俺は後者だな、ゼルレウスが苦手だった」
「…懐かしい、お嬢さんもゼルレウスは嫌いだった」
「何でですか?」
「メール、君の得意な武器は?」
「弓です」
「なら、彼奴は弾属性に有利になる様に戦闘中に形態変化するんだ。斬撃属性も打撃属性もだ。しかも、その弱点部位が固くなって、ダメージが入らない」
「メゼポルタが魔境って噂、ホントなんですね」
「だから、4人で殴ってた。好き勝手に武器使って……弱点部位とかお構いなしに」
「…英雄怖っ」
「英雄殿、他に武勇伝等は」
「……後は……そうだなぁ……武勇伝か………」
「ラヴィエンテの事は?」
「アレは……面倒だったなぁ……ジエン・モーランならソロでも狩れるから、ジエンとかダレンに」
「ジエン・モーランもダレン・モーランもソロで勝てるモンスターじゃない!」
「でも、できちゃうんだもん、でもラヴィエンテはできなかった」
「……え」
「ラリー、これが英雄だ。……彼等は規格外だ」
でも、そうかモンハンの主人公勢は大抵英雄扱いだもんな。
普通のハンターからしたら、俺たち主人公勢なんてそんなもんだ。
モンハン世界じゃ、人がモンスターに殺されるのも茶飯事だしな。
「少し寝る、話疲れた」
睡魔に襲われて眠る振りをする。もし、裏切られればどうすれば良いんだろうか。
「……ギルドナイトに推薦したいです」
「難しいだろうな、彼の目を見たか?あんな目をしたハンターは始めて見た。仲間をどれだけ失ったんだ」
「……これは」
俺の荷物を漁っているのだろう、中にはかつてフロンティア時代に交換したギルドカードが沢山入っている。
何である?交換したギルドカードも据え置きなのか?
「これが…英雄達」
「英雄達は一期一会だったらしいが、ギルドカードの交換はやってたんだな……なんだよ、お嬢さんのもあるじゃないか」
「………でも英雄さんはもう...この人たちとは」
「きっと会えないんだろうな」
そうだ、もしかしたら俺以外にこの世界に転生したハンターがいるかも知れない。
でも、そのハンターが友好的かどうかもわからない、死んでしまっているかもしれない。
深く考えるべきでは無いだろう、俺は自分のことを先に考えなくては。
翌朝、俺以外のハンターは既に起きていた。
「なんだよ、俺のことも起こしてくれたら良かったのに」
「熟睡してましたから、それに覚えてないんですか?
英雄さん、凄い威圧感放ってて...起こす方が怖かったですよ」
威圧感、おそらくは重ね着の下のドラゴンβのせいだろうか。
でも関係ない、俺はモンスターが襲撃してきた時起きれるだろうか、寝ながら死んだとか、そんなの嫌だ。
「威圧感なんて所詮、その程度だよ。それより、仲間を起こすのが先決だったと思う」
「疲れてる人を起こすのは忍びないさ」
「隊長さん……ありがとう」
「あの!ギルドカード、交換して貰えませんか!」
メールからそう言われて、驚きつつもギルドカードを手渡す。
「僕も…………お願いします」
何処か気弱そうなハンターさんとも交換し、驚く。
「女の子……だったんだ」
「えぇっと……今ですか?」
「ごめんね」
何処か気持ち暗くなってしまった。
「にゃ!お客さん!ドンドルマが見えてきたニャ!」
御者アイルーが笑顔で叫んだ。
「ついたな、」
「古龍迎撃都市……ドンドルマ」
初めて見る筈なのに、懐かしく、何処か寂しさを感じてしまう。
「ここまで………帰って来れたんだ」
「!」
「……ハンターさん、アンタは」
「…俺はメゼポルタ行きの飛行船を探す、じゃあなギルドナイト。また会おう」
俺はとりあえず、集会所に入った。
中では数多のハンターが腕相撲や飲食、クエストの受注をしている。
列に並び、受付嬢に話を聞いた。
「はじめまして、ドンドルマは」
「何度も来ているさ、メゼポルタ行きの飛行船はあるか?」
「メゼポルタですか?はい、後30分程で出発する便がありますが」
「それに乗れるか?」
「物資輸送船ですので、乗り心地は悪いと思いますが……構いませんか?」
「大丈夫だ」
「500zになります」
チケットがあったのかと驚きつつ、受付嬢に500zを手渡し集会所を去る。
途中、奇っ怪な目で見られた。仕方ないだろう、メゼポルタに行くハンターは今はいないのだろうから。
「……この便か」
「おう、ハンターじゃねぇか。どうしたんだ?」
「メゼポルタに行く物資輸送船はこれであっているか?」
船長らしい人に話しかけると気前の良い声で「そうだ」と笑った。
「チケットだ、乗せて欲しい」
「おいおい……メゼポルタはもうすぐ廃棄される、この物資輸送船の次は一ヶ月は戻ってこれないぞ?良いのか?」
「メゼポルタに大切な奴が居る、帰ったんだ。ただいまって言いたい奴らが居るんだ」
「……そうかい、お前さん………戻ってきたんだな。送ってってやるさ。乗りな、俺の船に。……クエストおつかれさん」
「あぁ、クリアしたよ。船長さん」
乗り心地は悪いとは言わないが、良いとも言えない。
船長の仲間達は俺を診ながらヒソヒソと話し続けている。
「にゃ~…ハンターさん、聞きたいにゃ」
「どうしたんだ?えと……」
「ミシンにゃ、ハンターさんは…あの、英雄かにゃ?」
「英雄ってのは辿異種や極みを倒した奴等を言うんだ。俺は……せいぜい中堅ハンターかな?」
ミシンと名乗った三毛のアイルーの頭を優しく撫でる。
逢えるかわからない、今ここで揺られるのは気分が良い。
「ニャビーって……知ってるかにゃ?」
「ニャビーを知ってるのか?!いや……ごめん、ミシン」
「アイルーで、尻尾がハンドルみたいになってて……お尻に黒い斑点があるにゃ」
「……ごめん、逢えば判る。聞く限りだと、ニャビーだった。はずだ」
「筈って……何かにゃぁ」
「何年もメゼポルタに戻れなくてさ、こう……判んないんだよ。でも……ニャビーなら俺はどう思われてるのかな。メゼポルタから急に消えて、良い奴だなんて思われないよな」
俺は船の雑魚寝部屋に入った。やることない間は正直寝るに限る。
何時間か寝ていた時、急に船が揺れた。
ヴォルバスターを背負い、即座に甲板へと走る。
「なんだ!」
「呼ぶ手間が省けた!ハンターさん、リオレウスに見つかった!どうにかできないか!」
「わかった、閃光弾がある!」
船とモンスターは切ってもきれない縁がある。100%安全な空路など存在しないのだ。
「今!」
リオレウスが足で飛びかかろうとした瞬間に閃光弾を飛ばした。
急な眩しさに落下していくリオレウス。だがリオレウスの事だ、途中で体制を立て直すことだろう。
「加速しろ!この空域から離れるんだ!」
少しでも離れる事を優先すべきだった。
リオレウスはヘタレウス等と言われてるが、モンハン世界がゲームから現実になった今、リオレウスは真に空の王者なのだ。
「にゃぁぁ?!!リオレウスがもう体制を立て直したにゃ?!!」
「ちぃ、この船にバリスタは無いのか!」
「後部に一つと先端に一つある!ハンターさん!やれるかい!」
「やるやらないじゃない!やるしかない!」
後部に設置されているバリスタは固定式の速射砲だった。
一発一発を発射するバリスタよりも固定式速射砲の方が命中しやすい。
「弾は切らたら、持ってくるニャ!ハンターさんはできるだけ頑張ってニャ!」
「わかった!」
固定式速射砲に入り込み、照準をリオレウスに向ける。
トリガーを引けば、砲身が回転しながら小口径のバリスタ弾を連射していく。
「ブレスが来る!ハンターさん!怯ませてくれ!奴の頭を狙うんだ!」
リオレウスが滞空した瞬間を狙って固定式速射砲を頭に叩き込む。火球ブレスを吐こうと吐こうという瞬間、怯ませる事に成功する。
「おい、嘘だろ」
「今度は何だ!」
リオレウスを再び固定式速射砲で狙おうとした矢先に、船員から不穏な声が聞こえてくる。
「ラッ……ライゼクスだぁぁぁ!!」
「捕まってろぉぉぉ」
船長が無理矢理、船を傾かせる。
固定式速射砲に何とかしがみついている時に、それが見えた。
「にゃ……ハンターさん」
固定式速射砲の弾を運んできてくれたであろう、ミシンが今にも落ちそうになっている。
俺は迷わず固定式速射砲から手を離した。
「馬鹿野郎!死ぬきか!」
船員の一人にそんな事を言われるが、仲間の命を見捨てたくない。
「ハンターさん、ごめんにゃ」
「痛むけど!許してくれよ!」
落ちかけたミシンにスリンガーを飛ばし、その体を掴む。
「手を伸ばせ!」
「とった!」
「離すなよ!」
船が戻るまでの間、俺は船員達に掴まれ、ミシンをスリンガーで捕まえたままだった。リオレウスとライゼクスは縄張り争いを続けている。
船長の腕が良いのだろう、最大速度で空域を離脱した。
「にゃーー!ハンターさん、ありがとうにゃ!命の恩人にゃ!」
「俺だけじゃない、皆で巣食ったんだ。あのままだったら、俺は落ちてた。船員の皆が救ってくれたんだよ」
「…へへ、そう言われると悪い気はしねぇな?みんな」
「何いってんだよ!ハンターさんが一番頑張ったじゃねぇか。俺達が生きてるのはハンターさんがやりあってくれたからさ」
「そうだ、お前達!今回のMVPに乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
飲んでいるのはジュースだが、全員が今生きていることに感謝している。
「ありがとうな、ハンターさん」
「なに、バレバレではパンツ一丁でダレン・モーランを撃退したハンターも居たぐらいさ」
「だな、有名な『我等の団』のハンターか」
「なら、ハンターさんは『帰還した英雄』だ!」
「え?」
船長がそう言うと、全員が俺を船首に行くように言う。
「……これは」
「「「「おかえりなさい!ハンターさん」」」」
「むさい男共だが、許してくれよ」
涙が止まらなかった。
「ただいま、みんな」
月明かりに照らされたゴーストタウン。しかし、所々に灯る火が確かな名残を見せている。
俺は、帰ってきたんだ。『メゼポルタ』に!
ギルドナイト隊長 アレン 男
HR120 MR75
メイン武器 双剣
武器は基本的にモンスターに有効な属性で選ぶハンター。
死が間近な現実できちんと戦えている。
ソロでテオ・テスカトルなら行ける。
ギルドナイト部下 メール 女
HR89 MR51
メイン武器 弓
ワールド規準の弓使い。無いのはスリンガーだけ。
傷つけも、クラッチも出来ないが、仲間達が剣士な為遠距離から支援に徹する。回復や粉塵を撒く見極めがとくい。
ギルドナイト部下 ラクシャ 女
HR88 MR59
メイン武器 大剣
主人公が男だと勘違いした女ギルドナイト。
胸はツルぺったん。大剣もワールド規準。
大抵の攻撃はタックルでどうにかする。
それでもシリーズ主人公と比べたら弱い。
ギルドナイト部下 デイブ 男
HR90 MR34
メイン武器 操虫棍
一足速く帰ったギルドナイト。操虫棍を使うがバッタではない。
このギルドナイトメンバーで唯一、主人公とギルドカードの交換はしていない。