推しのフリーレン   作:Woudy

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アウラ「星野アイはもういないじゃない」

アクルビ(黒星)「アウラ、自害しろ」

アウラ「ありえない……この私が……」ザシュッ

ツクヨミ「魔族如きが"神"に勝てる訳ないじゃない」



4人目のメンバーは、1000年以上を生きた魔法使いでした。

アイドル星野アイの死から12年後。苺プロダクション事務室。

 

 

――――この話は、

 

 

「暫く苺プロで世話になるフリーレンさんよ」

 

 

ミヤコさんが耳長な色白美少女を事務所に連れてきたところから始まる。

 

 

「一時的にB小町の4人目のメンバーとして在籍して貰う事になったから、みんな仲良くしてあげて頂戴」

「よろしく」

 

 

フリーレンと名乗る少女は淡白そうに軽くお辞儀をした。服装は現代的とは言い難く、長い耳も相まってファンタジー世界の住人が現実に現れたようだ。

 

そこへMEMとルビーが興味津々に急接近。興奮した様子でフリーレンに話し掛ける。

 

 

「ま、まさか! あの”葬送のフリーレン”さんですか……!? 魔族を悉くブチのめしてきた勇者一行の魔法使いの!」

「そうだよ、よく知ってるね。もう80年も前だから人類みんな忘れてると思ってたけど」

 

 

……ん? 何だそれ? ”葬送”? 初めて聞くが物騒な二つ名だな。 

 

 

「うわー、超絶美少女エルフだ! ねぇねぇ、どうしてB小町に入ろうと思ったの!?」

「わたしはエルフだから人間のことがよくわからなくて、"人間を知る"ために旅をしているんだ。その途中で"アイドル"を知ったんだよ」

 

 

切っ掛けは街中を彷徨っていたフリーレンをミヤコさんが偶然保護した時。苺プロへ向かう途中で大手アイドルグループのポスターを見かけた彼女は、ミヤコさんから話を聞いてアイドルに興味を抱いた。

アイドルをやってみたいかというミヤコさんの問いに、彼女は二つ返事で了承。帰還するまでの間だけB小町所属と相成った。

 

 

「アイドルをやれば人間のことがわかるでしょ? だから来た」

「なるほど、よく分かったよ!」

 

「いや、全然分からねえよ」

 

 

何故アイドルを知れば人間を知れると思ったのか。いや、偶像崇拝する人の習性をアイドルを通して理解するというなら別に間違ってないのか……?

 

 

「これまた随分と癖の強い子が入ってきたわねー。しかもエルフだなんて」

 

 

俺の隣では有馬がルビー達の遣り取りを腕組しながら観察していた。ってか、癖が強いのはお前もだろ。

 

 

「まぁ素材だけなら一級品だ。歌やダンスに関してはこれから素質の有無を確認するしかないが、上手くいけば相当化けるだろう」

 

 

寧ろ一番の問題は感情表現が苦手そうなところだ。アイドルは愛を振り撒く仕事。ファンの前では満面の笑顔を見せ続けなければならない。どうもフリーレンにはそれが出来るようには見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――おい、いるんだろ?」

 

 

夕暮れ時。誰もいない事務所の外で、俺はカラスを率いた例の少女と相対する。

 

 

「一体どうなってるんだ? ”葬送のフリーレン”なんて名前は聞いた事ねえし、況してやエルフなんて創作上の存在だ。なのに俺以外の全員が知って当然と言わんばかりに振る舞ってるぞ」

 

 

転生という非科学的現象を体験した自分が言うのも変だが、それでも確かめずにはいられない。

 

 

「……それに関しては彼女――フリーレンがこっちの世界へ来てしまった事に起因している。恐らく彼女が巻き込まれた転移魔法の影響だろう。この世界と向こうの世界が一時的に繋がった事により、両者の常識が混ざり合ってしまった。お陰で双方の神達はてんてこまいさ。……どうやら君だけは平気なようだね」

 

 

大分ややこしい事態になっているようだな。

 

 

「……元に戻れるのか?」

「ちょっと時間は掛かるらしいよ? 別世界へ人一人帰すにはそれなりに準備がいるからね。それまでは彼女にこっちの世界で過ごして貰う必要がある。そういう意味では常識が改変されて自身や勇者一行の名声が根付いていて良かったよ。帰還するまでに彼女に何かあったら、向こうの世界は終わったも同然だから」

「そんなに重要人物なのか」

「世界の根幹を成すと言っても過言じゃないよ。……君みたいにね」

 

 

フリーレンにしてみれば、この異常は不幸中の幸いって訳か。耳長の美少女とか絶対目立つし、下手すれば悪い連中に連れ去られる危険もあるからな。

 

 

「折角の機会だ。本来なら在り得なかった4人組の新生B小町。"JIF"?ってやつが近いんだろ? 観客を更に熱狂させてくれば良いさ」

 

 

そう言って少女はカラスと共に俺の前から靄のように消えていった。

 

 

「……取り敢えず、やる事は変わらない……か」

 

 

新生B小町の特訓も、アイを殺した黒幕への復讐も、予定通り続ける。今後の方針を再確認し終えた俺は、事務所内へと踵を返すのだった。




MEMちょ「ところでフリーレンさんはエルフだよね?」

フリーレン「まあね。これでも1000年以上生きてる」

MEMちょ(つまり私はメンバー最年長の座からオサラb)

フリーレン「もし年増扱いしたら三日三晩泣くから。本当だよ?」

MEMちょ「は、はい……(この目マジじゃん。彼女の前では歳の話題は避けとこ)」

かな「1000年!? 私らより圧倒的に年上じゃない!?」

ルビー「じゃあフリーレンちゃんって見た目少女でもお婆ちゃんなんだ!!」

MEMちょ「あ、ちょ、二人とも……」

フリーレン「うおーん、うおーん……」

MEMちょ「泣いちゃった……」
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