推しのフリーレン   作:Woudy

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気付いた事が一つ。ツクヨミとフリーレンって喋り方似てる。どっちも中身年寄りだから?


ギャップ

アイドル星野アイの死から12年後。苺プロダクション、ミヤコ&星野兄妹の自宅。

 

 

急遽我等がB小町の4人目として加わった美少女エルフ、フリーレンちゃん。家が無い彼女は帰還するまでの間、私達の自宅に居候の身となっている。

 

 

「フリーレンちゃん、走りに行くよ! ほら起きて起きて!」

「うゥ……あと少し……5分だけ」

「そう言って昼過ぎまで寝ちゃうでしょ! 先輩とMEMちょも待ってるんだから、しっかりする!」

「ふぁあい……」

 

 

この子は朝が遅い、遅過ぎる。放っとくと午後になってもベッドから出てこない。だから彼女を起こすのは私ルビーの役目。ジャージに着替えさせ、手を引いて外に連れ出すのは最早日課である。

 

 

「あぁ、来た来た。おはよう二人とも……その様子だとまた寝坊しかけたみたいね、フリーレン」

「ごめんて」

 

 

合流した先輩から呆れられ、ショボショボの目のままコクンと頭を動かし謝るフリーレンちゃん。……ちょっと、立ったまま二度寝しようとしないで。

 

 

「おはよー、みんなー!」

「MEMちょー、おはよう!」

 

 

そこへMEMちょが一番最後に合流する。よし、これでB小町全員揃ったね。

 

 

「じゃあ早速走り込みを……てフリーレンちゃん?」

 

 

どうしてまた杖をMEMちょに向けてるのかな? おーい。私が軽く肩を揺すってあげると、彼女はハッと覚醒してMEMちょに気付く。

 

 

「おっといけない、メムチョか。おはよう」

「うん、おはよー! ……じゃなくてフリーレンちゃん! 寝ぼけてこっちに魔法撃とうとしないでってば!」

「ごめん、その角へ先に目が向くから一瞬魔族かと――」

「これは飾り! 私は正真正銘の人間!」

「MEM、もう朝はそのカチューシャ外した方が良いんじゃない?」

「むぅ、そうした方が良いかも。このままだと最悪ゾルトられちゃうし……」

 

 

寝ぼけたフリーレンちゃんの勘違い。角っぽい飾りを頭に付けたMEMちょを魔族と思い込み、ゾルトラーク?という魔法を放とうとする光景。その前に気付く為最悪の事態に至る事はないが、毎度攻撃されかけるMEMちょにしてみれば溜まったものではない。

 

 

「ホントごめん、気を付けるよ」

「明日からはその杖家に置いてきて、お願いだから。毎朝これだと心臓に悪いよ……」

「分かった。こっちで魔族に襲われる危険はなさそうだし、そうする」

 

 

この遣り取りも一種の日課と化してたけど、それも今日で見治めなようだ。

 

 

 

 

 

その後、走り込みを済ませた私達は近くの公園で休憩タイム。ベンチに仲良く座って一休みだ。

 

 

「温かいお茶なら出せるけど、今は冷たい飲み物の方が良いんだよね?」

「うん。有難い申し出だけど、この火照った身体を冷やしたい気分だから」

 

 

私含む3人が息を切らせる中、フリーレンちゃんだけは全く涼し気な様子で飲み物を用意しようとしていた。

 

温かいお茶を出す魔法。寒い時ならこれ以上ないくらい頼もしい魔法だけど、暑い時に熱い物は流石にキツイので丁寧にお断りした。そして彼女を連れて自販機の前に立つ。

 

 

「フリーレンちゃんは凄いなあ。私達と同じスピードで走ってたのに全然疲れてないじゃん」

「ずっと色んな処を旅してきたからね。魔物から走って逃げる事も少なくなかったし、これくらい苦でもないさ」

 

 

魔法使いと聞くとフィジカルはそこまで無いイメージだけど、フリーレンちゃんを見ているとその認識を改める必要があるかもね。

 

ダンスや歌も上手かったし、体力もかなり高め。ルックスは言わずもがな。彼女の程の逸材が、短い間だけとはいえ仲間になってくれたのは非常に心強かった。

 

「それにしても、この世界は便利だね。箱に魔法を仕込んで、色んな飲み物を提供できるようにしてあるなんて」

「自動販売機って言うんだよ。魔法じゃなくて機械。フリーレンちゃんが住んでいた場所には無いの? ――あ、何飲む?」

「この果物の絵が描かれた鉄の水筒で――無いよ。魔法が使えなければ温かいお茶にあり付くのも一苦労さ。片手で火を起こすとか不可能だし――――ありがとうルビー」

「どういたしまして」

 

 

フリーレンちゃんは非常に文明の遅れた場所からやって来たらしい。世界には原始的な暮らしをしている部族も存在すると聞いた事があるので、似たような所が他にも残っているのだろう。

 

 

「おまたせー!」

「待ってましたー!」

 

 

戻ってMEMちょと先輩にドリンクを渡すと、私とフリーレンちゃんもベンチに腰掛け、喉を潤す。

 

 

「あ゛~、火照った身体に沁みるよ~!」

「メムチョのその言い方、凄く年寄り臭いね?」

「フリーレン、アンタがそれ言うとブーメラン「ふぇ……」いや、待ちなさい、泣こうとしないで。またああなったらホントキツいんで勘弁して……」

「わーわー、フリーレンちゃん落ち着いて落ち着いてー!」

 

 

フリーレンちゃんは1000年以上の時を生きている。長命種だから当然なんだけど。ただ、それを指摘すると凄く泣く。どれくらいかと言うと、文字通り三日三晩。当時の私達はレッスンと同時並行で彼女を慰める羽目になり、彼女の前で年齢の話は二度としないと心に誓った。……今しがた先輩がうっかり失言して地獄の日々が再開するところだったけど。

 

こんな感じで種族も住んでいる場所も文明形態も違うからか、そこから起因するギャップで時々苦労しつつも充実した日々を過ごしている。

 

 

「ねえねえフリーレンちゃん、また冒険の話を聞かせてよ! そのヒンメルさんって人の事は特にKUWASHIKU!」

「そ、そうそう! 勇者様の話、私も聞きたいなあ~!」

「良いよ、どこから話そうかな……」

 

 

JIS開催まで短くはないが長くもない日。今日も私達は華々しいデビューを飾る為、遅くまで汗水流す特訓を繰り返すのだった。

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