そこへ、特捜班の方に一本の電話が入ってきた。
「何、特急「いなほ」で死体が消えた。」
と、高杉は小海に言った。
「ええ、社内のトイレで発見されたんだけど、行ってみたらその死体が消えていたんです。」
「うん、そうか、じゃあ分かった、こっちからも応援を送る。」
高杉は、電話を切って南と高山に言った。
「羽越本線特急「いなほ3号」の車内で、死体が消えたそうだ。」
「えっ、それ本当なんですか。」
「ああ、とにかく現場へ向かってくれ。」
「わかりました。」
と、メモを渡して南と高山は現場へ向かう事にした。
「南、高山と一緒に酒田へ向かってくれ。」
「わかりました。」
そう言って、南と高山は上越新幹線と特急に乗り継いで山形県の酒田公安室へ向かっていった。
酒田駅
「やっと、酒田か。」
「今、小海さんが公安室に言っています。」
「そうか。」
秋田鉄道公安室酒田鉄道公安分室
「誰かに殺されたんだと決まっています、妻の服が血に染まっていて、俺は何が何だかよくわからなくて。」
「まぁ、落ち着いてください。」
「死体が消えるなんて、まるでキツネがつままれたみたいだ。」
そこへ、南と高山がやって来た。
「小海、大変だったな。」
「ええ、この話が終わったら村上温泉へ行くので。」
「そうか。」
そして、1人の男が南と高山に言った。
「ああ、どうもご苦労様です、私は秋田鉄道公安室酒田鉄道公安分室の捜査主任の白鷺 源次郎と言います、同じく私服捜査員の北斗 政治です。」
「どうも、鉄道公安隊特捜班の捜査主任の南です。」
「同じく、公安特捜班の高山です。」
「主任、こちらは被害者のご主人の川井 淳郎さん、そして、目撃者の青木さんです。」
「早速ですが、事件の状況を説明させていただけないでしょうか。」
「はい、その男が妻を探していたらトイレの中で死体を発見されて、その時に私は車掌を呼びに行きました。」
「ほう、なるほどね。」
「すると、車掌が到着したときには、死体が消えていたんだね。」
と、南は川井と青木に言った。
「ええ、そうです。」
「そして、車掌を呼びに行った時にはもう、死体が消えていたんです。」
「ほう、すると現場へ戻って来た時にはもう死体は消えていたんだね。」
「はい、でも死体が消えていたのは事実だから。」
「ところで、特急「いなほ3号」の車内で怪しい人物は見なかったか?。」
と、高山は青木に言った。
「そうだな、怪しい人は見なかったな。」
「そうですか。」
と、その時だった。
公安室に1本の電話が鳴り響いた。
「はい、秋田鉄道公安室酒田鉄道公安分室、はい、そうです、えっ、何、女性の死体が!、うんうん、場所は何処ですか、うん、浜中海岸。」
と、メモを取った。
早速、南と高山と小海は山形県警のパトカーに乗って、死体現場と思われる浜中海岸へ向かった。
「昭代、昭代、」
「奥さんに間違いないですね。」
「はい、妻の昭代です。間違いありません。」
「主任、死因はナイフによる出血死です。」
「おう、最初の現場は特急「いなほ3号」の車内とみて間違いないですね。」
「ええ。」
「ん、この女性は確か。」
「小海、何か知っているのか。」
「私、この女性見たわ。」
「えっ、何処で。」
と、南は小海に言った。
「私がね、特急「いなほ3号」に乗る前に新潟駅で見かけたわ。」
「新潟駅で。」
「それ本当なのか。」
「うん。」
「という事は、特急「いなほ3号」が新潟を発車した後に殺害されたって事か。」
「ええ。」
「ほう、なるほどね。」
「でも、何で特急「いなほ」で殺されて、何で浜中海岸で発見されたのかしら。」
「それにしても、きつい香水をしていますね。」
「あっ、本当だ。」
と、高山は言った。
「でも、どうやって死体遺棄をしたのかしら。」
「ああ、何か気になるな。」
そして、犯人は誰なのか?