中立から内側へ 健全版 作:シオリスキー
四か月分くらい予約投稿している状態なので、感想等に気付くのに遅れる可能性がありますが、そこはご理解頂ければ助かります。
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特に拘りがないのであれば、R18にあるほとんど同じ内容の作品にはエロシーンだけでなく、後書きなどのおまけがあるので、そちらを読む事をお勧めします。
ただし、まだ18歳未満の方は、こちらで我慢して頂ければ嬉しいです。
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2026.9.07追記
筆名を変えて投稿しているのですから、作品名とか別名義を特定出来るものを目に付く場所に書き込まない事。
公式に迷惑を掛けない事。
そこ等辺の二次創作での、暗黙の了解というものをご理解した上で両使用して頂ける方だけ、読んで頂ければ幸いです。
この作品は原作の新刊発売日前に公開中になり、発売後に非公開になります。
という訳でこの作品が見えている間は、原作の新刊予約が始まっているので是非。
不運な三人
「はー、最悪……」
その日のエレナ達は非常に運が悪かった。
ある遺跡付近にモンスターの群れが湧いたと聞いて、向かってみれば影も形もなし。
おまけに本当に群れ自体は存在して大暴れしたのだろう。
遺物だけでも回収に行こうと遺跡に向かえば、入口が倒壊してて重機でも持って来なければどうしようもなさそうだった。
「これじゃあ時間無駄にしただけじゃない……」
やるせなさにサラが溜息を吐いた時だった。
「誰かこっちに向かって来てるわね」
エレナの索敵に反応があった。
過去の手痛い失敗から、二人は油断なく周囲を警戒するが――
「なんだ、シオリさんじゃない」
それなりに見知った相手であると気付いて、緊張を緩める。
(一人なんて珍しいわね)
レイナが傍に居ない事を不思議に思いつつ、レイナと一緒に遺跡に入る前に事前調査とか安全確保の為に先行してて、レイナの護衛は最近増えたもう一人のメイドにでもさせているのだろう程度に軽く考えていた。
けれど――
「止まって」
それにしては雰囲気が妙な事にサラは気付く。
まるですぐ傍にモンスターでも居るかのように、臨戦態勢を維持したまま近付いてくるのだ。
「それ以上近付くなら、こっちにも考えがあるわ」
エレナもその事に気付いたらしく、二人は示し合わせたように臨戦態勢を取る。
この場にモンスターは居ない。
居るのは自分達だけである以上、シオリが戦おうとしている相手は決まっているのだから。
「訳も何も訊かないで下さい。アナタ達に非は一切なく、全てこちらの事情です。恨んで下さって構いません」
それでも何か誤解があるのかと期待した二人だったが。
その期待はシオリ自身の言葉によって完全に打ち砕かれた。
「本気……なのね」
それでも最後の確認とばかりに声を掛けるエレナ達であったが――
「不本意ながら」
シオリの返答は消極的ながらも肯定するものであった。
「それなら私達に殺されたって恨まないでよ!」
これ以上近付かれれば、完全にシオリの有利な間合いになる。
それを防ごうと放ったサラの牽制射撃を皮切りに、三人の戦いが始まった。
◆殺し合い未満
三人の戦いは、どこか精彩を欠いたものだった。
というのも――
「ねえ、何か事情があるんでしょう?」
いざ戦いを始めてみたものの、シオリが本気で自分達を殺そうとしているようには、どうしてもエレナ達には思えなかったからだ。
「そうよ。本気で殺す気ならこっちも相応の対応するけど、そうじゃないみたいだし話くらい聞くわ」
それというのも、銃撃を潜り抜け自分の間合いに持ち込むところまでは見事なのだ。
けれど、いざ懐に潜り込んでシオリの間合いになった途端、急激に動きが鈍り追い払えてしまうのである。
「……いいえ。私は本気です。今のタイミングではサラ様を殺せても、私がエレナ様に殺されます。確実に二人を殺せる機会を伺っていただけです」
実際のところ、シオリは二人を殺そうとしているつもりではあった。
もし二人が並みの対人能力しか持ってないハンターならば、とっくに殺してしまっていただろう。
(アキラ様といい、どうして私が戦う事になるハンターは対人戦の訓練も行っているのですか……)
ハンターは基本的にモンスターと戦う技術なり遺跡で遺物を収集する為の能力を磨く。
対人戦の能力なんて重要視するのは稀な方だ。
けれど、エレナ達は過去にそれが原因で比喩や誇張表現でない死ぬ程痛い目に遭った事がある。
二度と同じ過ちを繰り返さない為、力を入れ始めるのは極自然な成り行きであった。
「お覚悟」
そうして、精彩を欠いた攻防は繰り返されていく。
最初こそエレナもサラも殺されるかもしれないと必死で戦ったものの、相討ちになりそうな状況になれば引いてくれる。
そうと解れば対処はそれほど難しくない。
二人掛かりで、そんな小細工をしなければならない程にシオリは強かったが――
逆を言えば、そこまですればあしらえる程度にしか力の差はなかった。
「今度は私を殺せてもサラは殺せないから止めたって事かしら?」
呆れたようにエレナが告げる。
そこには、いい加減にしてくれという強いうんざり感が色濃く出ていた。
「……そういう事です」
だが、シオリの言葉に嘘はない。
どちらか一人を殺して自分が死ぬ。
それでは意味がないから、殺せる機会を本気で伺っているのだ。
(私が死んでも捕まっても、レイナお嬢様は殺される)
シオリが二人を襲った理由。
それはレイナが攫われたからであり、攫った相手が二人の死を望んでいたからだ。
おまけに迷彩か何かで隠れてシオリの様子を見ているらしく、下手な動きをすればレイナを殺すと言われている。
事実、エレナ達の所へ向かう途中。
情報端末で事情だけでも二人に説明しようとしたシオリだったが、人質がどうなってもいいのかという男の声が聞こえてきた。
(私の様子が見える範囲には居る筈なのです!)
けれど、相当高性能な迷彩装置を持っているのか。
全く見付けられない以上、シオリには二人と戦うという選択肢しか取れなかった。
(相討ちでは無駄に死体が増えるだけ……)
レイナの為に命を懸ける事はシオリには当たり前。
けれど、その為に何の恨みもない人間を無駄死にさせる事なんて許容出来ない。
いや――
そもそもレイナが助かるからといって何の恨みもない二人を殺す時点で、シオリには耐え難かった。
(私一人の命で全て解決出来るなら、どんなによかった事か……)
その葛藤が、決定的な機会になればなるほど、シオリの動きを鈍らせていた。
それさえなければ、あるいはエレナ達二人掛かりであったとしても、殺して自分だけ生き残れていたかもしれない。
「私達も暇じゃないのよ? これ以上続けるっていうなら殺す覚悟でやるしかなくなるわ」
そして、お互いが無事で居られた最大の要因。
それは本当の意味で、お互い覚悟を決め切れていないからだった。
「エレナさん! サラさん!」
このままではお互い覚悟を決めざるを得ない。
その流れを変えるように一人の少年が場に乱入してきた。
「丁度いいところに! アキラ、シオリさんを取り押さえるのを手伝って!」
エレナ達が窮地に陥っているとアルファに聞かされ、遺物探索を途中で放り出してやってきたアキラだった。
「一体何が……」
「それが解らないのよ。恨みはないけど理由は訊くな。とにかく死んでくれって言って襲ってきたんだけど――」
「その割には殺す気がないというか……」
要領を得ない二人の説明に、どうすればいいかとアキラは迷った態度を見せる。
「アキラ様」
そこにシオリの声が割り込んだ。
初見の方ですか?
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初見です
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