中立から内側へ 健全版 作:シオリスキー
シオリが帰った後――
「ショックだった?」
エレナはサラにそんな言葉を投げ掛けていた。
「まあね。生きてても死んでてもどっちでもよかったってのは、さすがにね」
「でも、そんなものよね」
「ええ。何の理由もなく助けたって言われるよりは納得したわ。どうしてまだ装備もマトモになかったアキラがアイツ等の装備を置いていったのかがずっと疑問だったけど――」
「殺す事だけが目的で装備にも興味なかったって事ね」
何とも言えないとばかりにエレナは一息吐く。
「ああー、でも本当にショック……」
「そんなに?」
サラの反応がエレナには意外だった。
アキラが何の裏表もなく、ただ自分達を助けてくれた。
それを盲目的に信じられる程には、純粋ではないと思っていたから。
「だってそのくらいの事で私達に嫌われるかもしれないって思ってたんでしょ? もっと信用してもらえてるって思ってたのに……」
「ああ、そっちね」
今度は納得した。
エレナ達からすれば、本当にその程度の事でしかないのだ。
気に入らない相手が居たけど殺す理由なんてない。
その相手を殺す為のダシに自分達を利用した。
仮に最初から全て知らされていたって、それでもエレナ達は怒りなんてしなかった。
むしろ――
助けてくれてありがとう。
なんて、二人はアキラに心の底から感謝していただろう。
そもそも、だ。
それでも助けた事には変わらないんだから見返りを寄こせ、というのがエレナ達の感覚からしてみれば普通であり――
助ける気なんてなかったからお礼の言葉さえ要らないなんて時点で、十分お人好しにしか思えないのだ。
「エレナはショックじゃないの?」
だからこそ、その程度の事を話してくれないアキラの事がサラにはショックだった。
「それに関しては逆じゃないかしら?」
「逆?」
「こんな事を考えていたって知られたら嫌われるかもしれない。それだけは嫌だ。そんな風に思ってくれるくらいには、アキラも私達の事考えてくれてるんじゃない?」
「そう、かしら?」
それなら嬉しいなと言わんばかりに笑みを浮かべるサラに――
「そうよ」
エレナ自身もそうだったら嬉しいと願いを込めて笑い合う。
「けど納得出来ないなー」
それでもサラの不満は収まらない。
「これでも私達、大分解りやすくアキラの事信じてるって示してきたじゃない?」
「まあね。そもそも、そのくらいで嫌うようなら家に上げたりしないし」
「恰好だってそうよ。今のアキラなら、その気になれば私達を押し倒すくらい出来る筈じゃない……」
まだ駆け出しの頃なら、そんな気を起こしても取り押さえられるから気にされてないと感じるかもしれない。
けれど力を付けてきた今も変わらず、あえて無防備な恰好で居るのは、それだけ私達はアキラの事を信じているという二人の意思表示でもあったのだ。
「どうしたら信じてもらえるのかしらね?」
「難しいわね……」
あそこまでしていたのに、それでも心の底からは信じてもらえていない。
「いっそ次に呼ぶ時は裸で応対してみようかしら?」
それならば、もういけるトコまでやるしかないかと。
半ば冗談のつもりでサラは口にしたのだが――
「……下着姿くらいまでなら有りかもしれないわね」
そういう事には固いエレナが、真剣な表情で肯定的な答えを返してきたことに驚く。
(エレナがこう言うって事は本当に、それくらいしないと駄目なのかしら?)
今度アキラを家に呼ぶ事があったら、態度次第では本当に裸にでもなってやろう。
サラは本気で、そんな事を考え始めていた。
この中で0章に何か言いたい事があれば
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解像度が高い
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シオリの書き方上手い
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レイナの書き方上手い
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サラ&エレナの書き方上手い