Side ルイズ
数時間後、既に双月が天高く昇り、真夜中となった時間帯。
――――保健室――――
「ん、んぅ?・・あ、れ・・・私・・・?」
ルイズはベッドの上で目を覚ます。
確か、サモン・サーヴァントをしてて・・・それで・・・あ、そっか・・・なんでか一気に魔力を消費して意識が・・・でも、私にはまず、やらなきゃならないことがある!
「知らない天井ね・・・」
「知ってる天井でしょ?」
キュルケさん、居たの? いえ、もちろん知ってる天井だけど。
魔法を爆発させる度に気絶してここに運び込まれてるもの。
でもここは敢えてネタ的な意味でこの言葉が相応しいと思うの。
だからキュルケさん。 可哀相な人を見るような目を向けないで。
額に手を当てて熱を計らないで。 私は正常だから。
ふるふると顔を振ってキュルケさんの手を振り払う。
「おはようルイズ。大丈夫なの?」
その心配はもちろん倒れたことについてよね? 頭の心配じゃないですよね?
「大丈夫です。ところで召喚の儀はどうなりました?」
呪文を唱えて大きな爆発が起きて・・・そこから先の記憶が無い。
妙に魔力が持って行かれたような気がしたような、しなかったような?
「あ〜・・・え〜と・・・」
キュルケさんが妙に歯切れ悪いです。
・・・まさか。
「犬・・・ですか?」
エロ犬、駄犬、盛り犬。 呼び方はなんでもいいですけど、私の中での抹殺対象その1です。
殺人? そんなの知りません。 相手は犬ですから。 殺人ではなく駆除です。
「犬?じゃなくて人よ」
人・・・。 まぁアレは見た目的にはそうですね。
そうですか。やはり犬ですか。 なら、あの犬はどこに?
今すぐ駆逐しなくては姫さまにもシエスタ・・・果てはタバサにも害が及ぶわね。
「ちょちょちょっと!杖持ってなにする気なのルイズ!?」
慌てて私の背中にしがみつくキュルケさん。
背中にふわふわぷにぷにが当たってます。
羨ましいです。 胸の無い私に対するイジメでしょうか?
「放してください」
「だからなにする気なのよ!?」
説明をしろと? 一言で言うなら・・・
「駆除」
「殺す気!?」
キュルケさんが反対してきます。 ですが私も今回ばかりは譲れません。
例え契約であってもあんな犬に私のファーストキスを捧げるなんてイヤすぎます。
一緒の部屋で生活するなんて考え出せるだけでも
そんなことを考えていた時でした。
「う・・・ここ、は・・・?」
彼の声が聞こえたのは。
Side ヴィストリア
頭が痛い。 身体がだるい。まるで二日酔いになったかのような不快感が全身を襲う。
お酒なんか飲んでないはずなのに・・・ま、まさかツヴァイの呪い!? ツヴァイめ。
さすが核弾頭並の危険さだね。いや、むしろDC兵器並の危険さ?・・・あれ?DC兵器と核弾頭ってどっちの方が危険なんだっけ?
いや、そもそもDC兵器も核弾頭も古い?今やガンダムの時代?いや、ガンダムも割と古いような?
あ、初代は古いけど
まぁ僕は個人的には種〇命のスト〇イクフ〇ーダムが好きだったり。あとはアス〇レイとか?オー〇の機体最高です♪
・・・って、あ、あれ? なんか思考がズレていってるような・・・?
はっ!?
・・・・・・。
一人ノリツッコミは寂しすぎるね。こう言うときこそツヴァイのオーバーアクション気味のツッコミが欲しいのに。
それにしてもなんだか周りが騒がしい。 そろそろ目を覚ました方が良いのかな?
僕はうっすらと目を開ける。・・・・・・どこですか、ここ?
「う・・・ここ、は・・・?」
・・・・・・はっ!? しまった!
言ってから気付いたけど、目覚めの言葉を間違えた!?
「ここは“知らない天井だ”って言う場面だったのに!?」
「「ひっ!?」」
近くで誰かの声が聞こえた気がする・・・けどっ今は無視!構ってられる余裕無し!
あぁ、へこむ・・・。なにに対してここまでショックを受けてるのか自分でも判らないけど、とにかくショックだ・・・。
「そう、これはまさにオイルショックにも匹敵する程のショックだよ・・・」
・・・違うか。 確かオイルショックって石油が無くなるからってことで、トイレットペーパーがバカ売れした事件のことのはずだし。
あれって絶対に製紙会社やトイレットペーパー生産会社の陰謀だと思う。というかまた話が変な方向に・・・。
ひょっとして、僕ってツヴァイがいないとまともな思考も出来なくなってる?
これはもしやツヴァイ依存症? というかなんだかやけに静かなような?
いつもなら僕の思考にハッキングでもしてツヴァイからツッコミが来るのに。
ツヴァイの様子が気になって彼女の定位置である右手首を確認する。
・・・・・・あ、れ・・・?
そこにはツヴァイが居なかった。
「うそっ!?なんでっ!?ツヴァイっ!?」
彼女が居ない。彼女を生み出してからずっと一緒に居た僕の相棒がそこには居なかった。
さっきの比じゃないショックが僕を襲う。
そう。まるで第三次世界大戦が起こっていたことに気付かず、気付けばいつの間にか終戦していたことを知らされた日本人のようなショックを受けた。
・・・・・・我ながらこの例えはどうなんだろう?
そういえば人間界のゲームにスー〇ーロボッ〇大戦とかいうゲームがあった。
第二次スーパ〇ロボッ〇大戦だとか第三次ス〇パー〇ボット大戦だとか。第二次と第三次に出てくるキャラクターはほぼ変わらず。
外見も変わらず。 ということは・・・?彼等って短期間で戦争しすぎじゃない?
とかどうでも良いことを考えてみる。・・・うん。また思考が変に歪んでるね。
これは早くツヴァイを見つけないと・・・僕、普通に人と会話出来ないかも・・・。
一方その頃・・・浮遊大陸アルビオン・ウエストウッド村とか言われてるぶっちゃけただの森と言っていい場所では・・・
「〜・・・使い魔を召喚せよ!」
ヴヴンッ・・・
突如、有り得ないくらいに胸が大きな少女・・・ハーフエルフのティファニア・・・の右腕に小さなゲートが通過し、ティファニアの腕に見たこともない腕輪が付けられた。
「な、なに?腕輪?」
『っ・・・ここは・・・?』
「し、喋った!?」
『知らない天・・・ヴィスティは!?』
喋る腕輪・・・ヴィストリアが現在進行形で探し求めているデバイス。
「ううう、腕輪が喋って・・・喋って・・・!?」
『というか、ここどこなの!?』
「なにこれ!?なにこれぇっ!?」
腕輪が喋った為、腕輪の付いた腕をブンブン振り回すティファニア。
『ウルサいわよっ!ちょっと静かにしてよっ!』
「ひぅっ!?ごごごごめんなさ・・・」
腕輪に怒鳴られるという貴重な体験をして涙目になるティファニア。
『ていうかあんた誰よっ!?』
「え!?わ、私はっ」
『あんたの正体なんてどうでもいいわよっ!ヴィスティはどこよ!?』
自分から聞いておいてそれは無いだろう。
「えぅ〜・・・聞かれたから答えようとしただけ・・・」
『そんなことよりヴィスティはどこよ!?』
「ヴィ、ヴィスティ・・・って、なに?」
『役立たずっ!』
「はうぅっ・・・理不尽ですよぉ」
ツヴァイ。それが彼女の名。
彼女は、ヴィストリア以外話が通じないような"ヴィストリア至上主義者"・・・いや、至上主義腕輪。
ティファニアは、ヴィストリアに会うまでの数日、ツヴァイに振り回される運命を背負わされたそれはそれは不幸な少女だった。
『ヴィスティはどこよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
「えうえう〜」
どうしてこんな事に~と、るるるーと涙を流しながらこれからの生活に嘆くのだった。
あ、別に私ティファニア嫌いじゃないですよ?
ただ、アレだけ一部分がでかいとネタにされそうだなぁと・・・