魔神フリーハグ 作:ロックマンモデルV
愛のカタチ。
僕は幸福な感情で満たされた生物が愛を表していると思う。
人間は愛には色んなカタチがあるって言うけど、僕には分からない。
他人の言葉で変わる様な愛なんて、僕には持ち合わせてないからね。
僕は与える側の魔神。幸福と快楽を与える魔神フリーハグ。
やぁ、愛に溢れる生命体の諸君!僕は魔神フリーハグ。またの名をリハク!ちょっと名前を弄って考えた僕の正体を隠すための偽名さ。中々に格好良い名前だろ?ふっふっふっ!
な~に、僕を恐れる必要は無いよ。他の魔神の様に攻撃的な野蛮魔神じゃないからね。何たって愛を大切にする平和的な魔神さ!
まぁ、偽名を考えるほどには色んな地域で迷惑を…ゴホッゴホッ。いや、何でもないよ。悪い事はしてないからね。うんうん。
そんな事より、君達はフォンテーヌの水神。魔神フォカロルスの事を知っているかい?そうそう、正義の神って言われてるフリーナさ。…正確には、ちょっと違うけど。
あ、いや、何でもないさ。そのフリーナがね、本当に可愛い行動をするんだよ!寝るときだって僕に抱きついて寝るし、二人だけの時は直ぐに甘えてくるからね。
ん?どうして一緒に寝ているか?…ふっふっふっ。
それは僕が魔神フォカロルスの眷属になったからね。え?理由になってない?まぁ、細い事は気にしな〜い気にしない。そもそも寝室に入っても良いと許可が出てて、ベッドに誘ってくるのはフリーナだからね?
こんな誰もが羨む生活環境で日々を過ごす幸せは、他の誰にも渡す気は無いけどね。これは僕だけの特権!ヌヴィヌヴィにだって譲らないよ。
あ、自分語りが多すぎたかな?って、誰に対して意見を求めているのか…。自分自身?やぁ、もう一人の僕!返事は要らないよ。これは僕の妄想の会話。想像の創造。理性の蒸発。愛のカタチ。
何だか思考回路が可笑しくなってきたよ。駄目だな、何処かでハグしないと落ち着かない。早速、街に散歩しにハグしてこよう!そう!抱擁!抱き締め!愛!アイ!あい!!
〜 フォンテーヌ廷 〜
何時ものように多くの人が行き来し、活気が溢れているフォンテーヌ。その中で合成台の近くで美しい人が両腕を広げ立っている。このフォンテーヌでは頻繁に見かける光景であり、フォンテーヌのオカシナ日常の一つである。
その両腕を広げている人に子供たちは抱きつきに走る。優しく受け止め愛情を持って抱き締める。そして子供たちが一通り抱き締められ、満足し離れて行くと次は大人達が抱きつきに行く。抱きついた人達は皆、幸せそうな顔をして離れて行く。
この抱擁を行っている人物は魔神フリーハグと人々に呼ばれている存在である。魔神フリーハグは水神フリーナより簡単に接触できる人物でもある。
最初は誰もが恐れ多く抱きつきに行くことは無かったが、魔神フリーハグの悲哀に満ちた瞳を見た民衆は一人、また一人と勇気を持って魔神フリーハグを抱き締めた。
魔神フリーハグは心から喜び、抱擁した相手に幸福と快楽を与えた。それも感情処理できるギリギリのライン。一歩間違えれば幸福感と快楽に溺れ廃人になっても可笑しくないレベルの感情操作。
その頃からフォンテーヌでは、家族や親しい人など愛を伝えるために抱擁することが伝統的なものになった。
そもそも何故、魔神フリーハグは抱擁をするのか。
理由は単純。抱擁した際に相手の余剰分の感情エネルギーを吸収して生命維持をしているからだ。他にも食事、睡眠でもエネルギーを吸収できるが、感情エネルギーと比べると天と地ほど差があるらしい。
もし、盗賊などが魔神フリーハグと出会ってしまうと周囲が甘い匂いで包まれ、強い魅了状態にされる。その後、魔神フリーハグに抱きついてしまうと一気に廃人レベルまで感情を操作され精神と肉体の両方を食べられる。
これは人だけではなく、感情を持つ全ての生物に適応される。
この魔神フリーハグは厄介な能力の他にも注意しなきゃいけない点がある。それは近接戦だ。魅了状態を防ぐ事が出来ても大型ランスと蛇腹剣を使った中•近距離戦を仕掛けてくる。
その戦闘技能の高さからフォンテーヌでは模擬戦の申請が多く提出されている。しかし、争い事が嫌いな魔神フリーハグは週末に申請者の紙を適当に五枚選びエピクレシス歌劇場の近場に作られた円形闘技場シンカー。
この闘技場は魔神フリーハグと戦う為に造られた頑丈な建築物だ。入場は何時でも可能な上、年中無料開放されている。申請すれば力比べや集団訓練の場所として貸し出される。稀にヌヴィレットが申請し、魔神フリーハグと決闘を行う事もあるようだ。それも申請した日に…。
さて、話しは変わるが昼過ぎまで抱擁を楽しんだ魔神フリーハグが合成台付近から移動を始めた様だ。沢山の人と抱擁した結果、とてもご機嫌な足取りでフォンテーヌの砂浜目指して歩いて行った。
〜 魔神フリーハグ 〜
ふふ〜ん♪いや~、やっぱり朝一番に合成台付近に立って皆と抱擁会するのは最高だね♪
「プクプク獣の君にも僕の幸せを分けてあげよう。」
イヤー、イラナイッスネェ。サラダバー。ザブーン。
えぇ?眼と眼が合ったのに素早く逃げられた。しかも変な雑念まで飛ばしてきたし…
よ~し、目についたプクプク獣達を抱擁しまくって可愛がってやる!今度は逃さないよぉ。
って!感情を周囲に流しすぎた!周辺のプクプク獣達が一斉に水の中に逃げていく!待てー!!逃げるなー!!
イヤーキツイッスネ。
アタマオカシインジャネ
オレハカエル
ゼンソクゼンシンダ!
マガレェ!!
ちょっと!君達!変な雑念飛ばしながら別々に逃げるなよ!少しお触りして皆で幸せになろうとしてるだけじゃん!もぉー!!
マァ、ゲンキダセヨ。
おや?君は重甲ヤドカニ君じゃないか。何て優しい心の持ち主なんだ。君が僕の光だよ。お礼に抱き締めてあげる。
ギャ~!!ノウガフルエルゥー!!アッ!アッ!
アハッ♪脳処理の限界突破から獲られる感情エネルギーは最高!凄くカワイイよ。重甲ヤドカニ君。ピクピク痙攣してる。まだまだギアを上げれるから、もうちょっと楽しもう!
………。、。?!。?、、、
あれ?もう壊れちゃった?一瞬で脳が焼き切れちゃったかな?幸せな感情で死んじゃったんだから、最高な終わりだよね♪大丈夫、安心して。心だけじゃなく身体も全部、僕が食べるからね♪
もぐもぐ…。もぐもぐ…。ンクッ。
はぁ、良い感情だったねぇ。人間の方がもっと美味しいけどやり過ぎるとヌヴィヌヴィがうるさいからねぇ。お互いが幸せなら問題無いと思うけど、何か事あるごとに怒られるから面倒くさいよね、人間の扱い。
だから、こうして外に出て絶滅しない程度に食事旅するのが僕の楽しみだからね。正直、何もしなくても数千年くらいは生きるだけのエネルギーは貯まってるけどね。
僕の燃費はかなり良いし、吸収効率も高い。つまり、ハイスペックなニートになっても問題無い状態にいるからね。1日中フリーナとベッドで抱き合いたいなぁ。お互いの体温で心地良い睡眠が出来そうだよ。
ヌヴィヌヴィを誘っても嫌な顔して断ってくるから、何時か絶対にベッドに連れ込んでやるもんね!待ってろよ、最高審判官!!
無理矢理に抱きついたら怒って円形闘技場に連れて行かれるから、綿密な作戦が必要だ。毎回フリーナに相談するけど実行するその日に何故かヌヴィヌヴィが知ってて円形闘技場に連れて行かれるんだよねぇ。不思議じゃない?何処で情報が漏れてるのか…
「魔神フリーハグ、また君は問題を起こしているのか」
ふぇ?ヌヌヌヌヌヌヌヴィレット!何で此処にいるの!?
「生物に対して、その行動は控えるように以前も話したはずだが?」
こーれは、不味いね。ここ一週間ずっとプクプク獣や重甲ヤドカニ君を食べてたのバレてるね。あぁ、こっそり食べてたつもりなんだけど、バレてたかぁ。う~ん。
ねぇ、ヌヴィヌヴィ。一言いいかい?
「円形闘技場で話しは聞こう。拘束させてもらう」
おわぁ!?ごめんて!ヌヴィヌヴィ!可愛い僕がやったお茶目な事件だろ?そう怒気に包まれた顔しないで見逃してヨオオオォォォ!!水ビーム痛ーい!!いやぁー!!
「魔神フリーハグの管理不十分が一番の問題として、水神フリーナ、魔神フリーハグ両名は一週間、自宅謹慎処分とする。」
「おかしいじゃないか!ヌヴィレット!何で何もしていない僕も悪い事になってるのさ!」
「やったねフリーナ!一週間もお休み…『君って奴は!』痛い!どうして殴るのさフリーナ!!」
「もう知らない!フンッだ!」
フリーナは本当に可愛いよ!まさに僕の光!ヌヴィレットだってムスッとしてることが多いけど極稀に見る頬が緩む時の顔は可愛いの一言!
こんな二人に出会えた奇跡には感謝感激雨あられって言うやつだよね!