リセット系迷宮探索ゲームにTS転生したら、子沢山になりました。 作:霜月 聖唯
ぽてぽて。ぼてぼて。
夕暮れの道を、一人の少女が歩いている。
迷宮から街へと向かう道、
彼女は今日も目立ってる。
彼女は今日もぼてってる。
銀髪、おかっぱ。
やや垂れ目がちの、意思の強そうな目。
真剣な表情は、彼女の真面目さを物語っている。
頭には大きな狐の耳がぴんと立っている。
頭の先までは140cmほど、耳の先までだと150cmを越えるだろうか。
白い巫女装束を着ていて、お腹は不釣り合いなほど大きい。
迷宮に出掛けて帰ってくる際には出産間近。
宿で子供を産んで一ヶ月育て、また迷宮へ。
そしてまた出産間近で帰ってくる。
彼女は迷宮の巫女様と呼ばれている。
街に帰ってきた彼女はまず取得物の売却。
武器防具店、雑貨屋、薬師の店を順繰りに巡る。
途中途中で彼女の娘達が母様母様と寄ってくるのを撫でて構って話を聞いて。
巫女様巫女様と挨拶してくる街の人達に挨拶も返して。
そろそろ産まれるくらいで拠点にしている宿に帰る。
ああすっかり慣れてしまったなぁとか思いつつも、彼女は仔狐を産む。
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数年前。
そのとき
目を開けて、周りを見渡すと荒野。
まず浮かんだのは、なぜこんなところにいるのだろうかという疑問。
次いで目線の低さが気になり、自分の手と腹を見て、ああそういうことなのか、とわかってしまった。
自分の設定したゲームキャラクターになっているのだと。そしてここはゲームのスタート地点なのだと。
もしやこれは物語でよくある、神様の手違いで死なせてしまったからゲームキャラクターに転生させてくれたというやつでは?
という疑問は、
ー 違います。
頭の中に響く声で否定された。
ー なんでも私たちのせいにされても困りますよ?さて、あなた、どこまでの記憶がありますか?
私たちとか言っているので神様なんだろうな、などと思いつつ、少し前は何をしていたかを思い出していく。
(昨日は確か。
そうだ、地獄の30連勤が終わって、しばらく休みになるはずの、最初の夜だった、気がする。
奇しくも好きなゲームの最新作の発売日で、予約をしていたそれの受け取りと、雑に酔える酎ハイの500ml缶とエナドリを何本かずつ買って帰った。
で。ゲーム開封をして、オープニングムービーを見ながら酎ハイとエナドリをチャンポンして。
ハイになりながらキャラメイクをして。
それから・・・それから?)
ー それからゲーム機で頭を叩きながら、イセカイテンセイ!イセカイテンセイ!などと叫んでいるうちに脳の血管が切れて死んでしまったのですよ、あなた。
即座に引き継いでの説明がなされる。どうにも恥ずかしい死に方をしてしまったようだ。
ただ、ではなぜゲームキャラになっているのかという疑問は解消されていない。
ー 私がこちらへ連れてきたわけではありませんからね?とりあえず、ようこそ『スワンプランビリスⅣ』の世界へ。といったところでしょうか。その疑問については最下層でお答えします。さて、12時間で出産する身体で登録されたあなた、登録し直しも最下層でしか受け付けていないので、この世界を存分に楽しんでくださいね?
言うことは言ったとばかりにそれから声は聞こえなくなった。
残されたのは色々と混乱している彼、いや彼女と、推定神様の残していったカードバインダー。
少しして、混乱しつつも動かないと未来はないことを自覚した彼女がバインダーから武器を実体化させ、迷宮探索を開始するのだった。
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『スワンプランビリス』シリーズ(※ラビリンスではない)は迷宮探索シュミレーションRPGだ。
プレイヤーは分身となるキャラクターを操り、迷宮内でモンスターを倒して素材を集めたり、落ちてるアイテムを拾い集めたりして、街で武器防具を作り鍛えてさらに奥地に潜る。
キャラクターが死ねば拠点へ戻され、その際持っていたものは失われる(救済措置として、最初に貰える武器だけは失われない)。
キャラクターもレベルアップで強くなるが、一端迷宮を出るとリセットされる。
マップ構成はシリーズを通して共通しており、浅層(チュートリアル用マップ)・上層・中層・下層・最下層と分かれ、それぞれの間に街が存在している。
下層を突破して最下層にたどり着ければ晴れてゲームクリアとなり、エンディングのあとは終わりの無い最下層探索を延々と続けられる。まさに底無し沼のようなゲームである。
Ⅳでは外部からキャラクターのイメージ画像を取り込んで立ち絵として設定することができた。
主人公は業務の隙間でセコセコと描いており、それを設定した形である。
学園都市ヴァ○ノワールと世界○の迷宮を足して煮詰めた感じの。