虹の陰陽師   作:サバ缶みそ味

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鵺の陰陽師にはまって勢いでやってしまった。

反省はしてます


1話 虹を喰った

 意識がゆっくりと戻ってくる。

 

 

 うつらうつらと重たかった瞼が開き視界が次第に鮮明になっていく。

 

 はっきりと景色が見えるかと思えばまわりも遠くも見えない、光も差さない暗闇しかなかった。

 

 気がつけば全く知らない場所で突っ立っていた。

 

 

「ここはいったい……」

 

 

 真っ暗な空間でただ一人佇んでいる状況に焦ることなくどうしてここにいるのか経緯を思い出す。

 

 

 

 屋敷にずっと籠もっていること……いや、ずっと屋敷に閉じ込められていることに退屈し、村の監視をくぐり抜けて逃げ出し、途中見つかってしまったがなんとか撒いて走り続けた。

 

 休憩で大きな祠に隠れやり過ごそかと思ったがお腹がすいたのでそこら辺にあった()()()()を腹ごしらえに食べた。

 

「……ん?」

 

 おかしいと訝しげに首を傾げる。食べたその先が思い出せないのだ。

 

 その先でこの暗闇の世界に佇んでいる流れになる。まさか御供え物が腐ってて食あたりで死んだのかもしれない。

 

 死んだら死んだでまあいいかと納得する。これで束縛されずに済むのなら構わない。

 

 ならばあの世は何処だろうか。この暗闇の世界を歩き続ければいいのかもしれない。

 面倒くさいあの世の行き方だとため息をついて一歩進もうとした。

 

 

 しかし一歩踏み出すことはできなかった。気がつけば目の前に()()()()()()()()()()

 

「……っ‼」

 

 突然のことで絶句する。いつの間にいたのか、いつからそこにいたのか、まさか最初からそこにいたのか、驚愕で思考が追いつかない。

 

 その巨大な生き物のようなものは銀色と黒色の鱗と甲冑のような甲殻を纏い、腹部は赤や青や黄や緑やらと虹のように鮮やかで、頭部は極彩色で彩られ蛇の形をしている。

 

 腕があるようだが馬鹿でかすぎて全体の姿がわからない。

 

『……………』

 

 蛇のような龍のようなまたはた怪獣のような何かは縦長の瞳孔のある目でしかも片目だけでこちらを見ている。

 

 喰らうつもりなのだろうか。身構えていたが巨大な何かはただ見ているだけで動こうとしない。

 

 不思議に思い、じっくり観察すると巨大な何かは猫のように身体を丸めている。

 

 つまりは微睡んでいる。

 

 眠たそうにしているのだがこちらを見つめる眼差しはつまらなさそうにしていた。

 

「……そっか。そういうことか」

 

 ニッと笑って頷く。

 

 

「お前も退屈してるんだな」

 

 

 ここはあの世なのか違う場所なのか、何処だがわからないがこな巨大な何かはずっとここで動けずにいて退屈していた。

 

「時間や状況は違うけど、おれと同じだ。ずっと縛られてやりたいことできず閉じ込められている。村の掟だろうが家の掟だろうがそんなのはくそくらえだ」

 

 巨大な何かはじっと見つめるていたがこちらに向ける眼差しは違っていた。少し興味を示したのだろうか、わからないが話を続ける。

 

「なあ……一緒に抜け出さないか?お前がどんな奴なのかはわからないけど、自由気ままに生きてみようぜ?」

 

『……………』

 

 その言葉に反応したのか、巨大な何かは頭だけ動かし正面を向いて両目でこちら見つめる。

 

 そしてゆっくりと頭だけこちらに近づける。

 

『…………』

 

 ここに手を置けと言わんばかりの視線を向ける。その眼差しは虚ろさは消え、どこか子供のような楽しさに興奮したような眼差しだった。

 

「いいってことか……それじゃよろしくな!」

 

 嘴のような部分に触れた瞬間、暗闇の世界が虹色に光りだした。

 

「うおっ……まぶしっ」

 

 視界が虹色の光に包まれ、意識が反転していく。

 

 意識が薄れゆく中、巨大な何かが高く遠吠えしたのが聞こえた。声からしてなにやら嬉しそうなのはわかった。

 

 

_______

 

 

 暗転した視界に光が差し込み意識が次第に戻ってくる。

 

 視界が鮮明になっていくと大勢の人に囲まれて見下されていた。村の者が幾人かいるのがわかったが、中には軍服のような格好をしている者や黒色のスーツを着ている者と誰だかわからない連中がいた。

 

「………誰だぁ……てめえら……」

 

 

 重い口を動かし、ゆっくりと起き上がると囲んでいた人々が数歩下がった。動きや様子から見て何か恐れているようだ。

 

 祠の入口には沢山の村人がいた。興味や畏怖の眼差しを受けているのは何となくわかった。

 

 すると杖を振り回して村人を押しのけこちらに迫ってくる老人が見えた。数回しか会ってなくて覚えていないが恐らく村長だろう。村長は緊迫した顔をして掴みかかる。

 

「おまえ…!何をしたのか分かっているのか!?」

 

 ヤニ臭い口臭で鼻が曲がりそうだ。いちいち耳元で怒鳴るなと舌打ちする。

 

「知らねえよ……臭い息を吐くな」

 

「貴様……っ!」

 

 村長は胸ぐらをつかみ更に顔を近づける。

 

「わからんのか……貴様は『虹』を喰ったのだぞ⁉」

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

         怪異調査報告書

 

 

 【 】県の観測地『比土羅村』にて怪異が発生。現地の陰陽師の部隊と共に調査を開始。

 

 幻妖による観測地の被害は無く、調査の結果村人に恐れられている【 】を『神童』と呼ばれた少年が取り込んだとのこと。

 

 村人の幾人かは少年を殺害しようとし、緊急の事態により少年を保護。

 

 本部と陰陽師の会議の末、怪異観測捜査本部が保護することに決定した。

 

 尚、少年と少年が取り込んだ【 】の力は我々では抑制することが不可能の為、元本部長である『真田正雄』氏が保護観察することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 私事でありますが、少年と【 】による怪異の一件ともう一つ怪異の報告あります。

 

 

 例の観測地『比土羅村』ですが、少年を保護した半年後村人が全員死亡する事態が発生しました。

 

 陰陽師の方々は強力な幻妖が現れたと仰っていますが私はそうとは思えません。

 

 村人全員が蚊のように叩き潰されたような死に方をしているので幻妖の仕業とは考えられません。

 

 私共の調査は打ち切られ陰陽師に任せることになりまさたが腑に落ちないです。

 

 

 正雄様、もしかしたら彼……『真田七輝』君を狙っている何者かがいるかもしれません。

 どうか、彼に気をつけるよう言伝をよろしくお願い致します。

 

 

 

             怪異観測捜査本部 伏見 司





真田七輝(さなだ ななき)

比土羅村に生まれた少年。灰色の髪、赤色の瞳、異常な『令力』の為村人から『神童』または『凶事の児』として崇め、恐れてられ村から隔離されていた。


ある一件で村を出て真田家に引き取られることになった。
(イメージcv中村悠一さん)



はい、まんまどこかのさとるさんですね、ごめんなさい!


ノリでやってしまった………

鵺の陰陽師のキャラ全員魅力的だし、特に七咲先輩めっちゃかわいいよね!
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