虹の陰陽師   作:サバ缶みそ味

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 戦闘描写って難しいねサム……


11話 七輝、またまた喧嘩を売る

「伏見君さぁ、ほーんとーにっ困るんだよねぇ……」

 

 

 校長室にて、伏見は苦虫を噛み潰したような顔をしながら愚痴を盛大にこぼす武藤二郎校長の話をやつれ気味に聞いていた。

 

「授業が始まる日からスッポ抜かしてさぁ、校長おっかなビックリなんだけど?お昼時に来たと思ったら食堂に直行?え、なに、うちはファミレスかなんかと思ってるのかな?」

 

「か、彼に『食堂のご飯は美味しい』と話したのですが……と、登校してくれたので良かったと思います」

 

「んん?全然よくない。よくないよ?お昼ご飯食べたら帰るんじゃない?タダメシしてばっくれるつもりでしょ?めちゃくちゃ問題児すぎないかな?校長初めての事態で困惑してるんだけど?」

 

 入学して早々に七輝への評価が著しく悪い。このままだと停学はおろか退学処分されてしまうのではないか。もしそうなってしまったら鶤狩隊長に七輝諸共処刑されてしまう……最悪の事態を避けるためには自分がフォローしなければならない、伏見は必死に思考を張り巡らせた。

 

「こ、これ以上問題を起こさないよう私が注意します。どうか彼への対応をもう少し待っていただけないでしょうか……」

 

「………正直なところね、先週に問題児一人を一時停学処分をして一段落ついたばかりなんでね、また面倒事を起こされたら校長マジ困っちゃうんだよねぇ」

 

 校長は面倒くさそうにわざとクソデカため息をついてジト目で伏見を見つめる。ここでしっかり釘を刺さねば、七輝がこれ以上問題を起こす前に言わなければ、伏見は腹を括った。

 

「む、武藤校長っ!!た、大変です!」

 

 その時、校長室に一人の教師が大慌てで入ってきた。様子からして嫌な予感が過る。

 

「ちょっとなに?まさか、まさかと思うんだけどさ、また例の転校生がやらかしたの?」

 

「え、えっと……真田七輝君と2年生4名が喧嘩をし始めまして……訓練広場で喧嘩をするそうです!」

 

 校長と伏見はすぐさま窓から外を覗く。芝生が茂っている広場には沢山の生徒達が集まっており、生徒達の見ている先には七輝と2年生の生徒4名の姿が見えた。

 

「…………」

「…………」

 

 校長と伏見は顔を見合わせる。無言のまま苦虫を噛み潰したような顔で見つめる校長を見て、伏見は胃のあたりが痛くなってきた。

 

 

___

 

 

 訓練広場には七輝と推薦組の生徒達の喧嘩を覗く野次馬達が沢山集まっていた。 

 

「へー、グラウンドとは別にこんな広い所があるなんてな。意外と充実してんなぁ」

 

 

 七輝は周りの視線には気にせず悠々と準備体操をしていた。全く動じていないどころか反省の色すら見せない七輝に対して結城は冷や汗をかき、推薦組の生徒4名は苛立ちを募らせていた。

 

「の、呑気にしてる場合じゃないよっ!?はやく謝った方がいいって!」

 

「おい!いつまで体操してんだ!!さっさとしろや!!」

 

 

 推薦組の生徒4名は既に黒い軍服姿の霊衣を纏い、刀や槍や弓や大鎚といった盡器を構えている。あちらは臨戦態勢でいるためもう手遅れだと結城は察した。

 

「なあゆっきー、陰陽師同士による試合はどう勝敗つけんだ?」

 

「えっ!?それは……盡器を使う試合の場合、相手の盡器を破壊すれば勝ちになる」

 

 盡器は持ち主の令力で形成される為、破壊されてしまうと再構築するのに令力を集中して注がないとならない。また再構築するまで1日以上時間を要することもある。

 

「盡器が破壊されることは陰陽師の戦闘不能を意味するんだ」

 

「ふーん……じゃあよ、盡器がない場合はどうすんだ?」

 

「えっ?」

 

 結城は七輝の霊衣を纏った姿を見つめる。変わった霊衣の姿ではあるが肝心の盡器が見当たらない。盡器がない、初めて見るパターンに結城は困惑した。

 

「え、えーと……たしか気絶したら負けってルールもあるから気絶しないようにすればいいんじゃない、かな……?」

 

「オッケー!簡単で優しいルールだな!」

 

 七輝はやる気満々、もう止めることはできない。結城は途方に暮れるる。盡器がない状態でどう戦うのか、勝ち目がないのになんで余裕綽々なのか。

 

「待たせて悪いなぁ。いつでもかかってきな」

 

「随分と余裕じゃんか」

「自分が置かれてる立場、わかってんの?」

「俺達が正々堂々するつもりは満更ないんだけど?」

 

 すると推薦組の生徒の一人、弓の盡器を持っていた生徒が七輝に向けて札を投げた。

 投げらた札は黒い炎を上げて燃えだし、炎の中から黒い鎖が蛇のようにうねりながら現れると七輝の上半身に巻き付いた。

 

「お?なんだ?」

 

「っ!!『縛鎖(ばくさ)』!?試合において戦闘向けの盡器を持つ陰陽師の場合、汎具(ふぐ)の使用はルール違反だよ!!」

 

「ん?サバ?フグ?魚なのかこれ?」

 

「違うって!?汎具は戦闘向きの盡器を持たない陰陽師または令力のない人が扱う令力が込められた武具のことなんだ。中には縛鎖のように幻妖を拘束するといった道具もあるんだ!そ、それより!ルール違反するなんて卑怯だぞ!」

 

 結城は反論するが推薦組の生徒4名はニヤニヤしながら嘲笑う。

 

「別に、俺達試合するつもりはないし?」

「調子に乗るとどうなるか、分からせるだけだ」

「まっせいぜいイキったことを後悔するんだな」

 

 嘲笑う彼らに対して結城は睨むが七輝は焦る様子もなくニッと笑う。

 

「いいんじゃねぇの?ハンデでこれくらいが丁度いいや」

 

 嘲笑うどころか嘲笑い返されて推薦組の生徒4名の額に青筋が浮かび上がる。結城はこの人何言ってんだと唖然になった。

 

「先輩達は優しいなぁー。両手が塞がれた状態での戦い方を教えてくれるなんて、この学校の訓練は徹底してるな」

 

 

「ふ、ふざけやがってぇぇっ!!」

 

 怒声を皮切りに弓の形をした盡器を持った生徒が弓を構えて七輝に狙いを定めて矢を射った。飛んでくる矢に対して七輝はしゃんで躱すとその隙を狙って大鎚の盡器を持った生徒が大鎚を振り下ろす。

 

「おらあああああっ!!」

「……」

 

 

 声を大にして振り下ろされた大鎚を七輝は無言で後方に跳んで避ける。その七輝を逃さまいと槍の盡器を構えた生徒と刀を構えた生徒が迫り刃を振るった。

 

「………」

 

 七輝は目で追いながら何も言わず2人の連携攻撃の連続を躱していく。正面に迫る槍の一突きを屈んで躱すと横から大鎚のひと薙ぎが迫り、下がって避けると数本の矢が迫り、七輝は右へ走って避けていく。

 

「い、一方的じゃないか……!!」

 

 これは試合ではない、単なるリンチだと結城は推薦組の生徒達による暴挙に憤る。七輝は両手を拘束され反撃することもできず推薦組の生徒達は連携を組んで一方的に攻め立てる。成す術がない状況だが自分が助けに行こうにも力がない、ただ見ている自分にも結城は拳を握り苛立ちを募らせた。

 

「ほらほら逃げろ逃げろ!」

 

 槍と刀で攻め、避けた隙に大鎚を振るい、弓矢で狙い追い立てる、推薦組の生徒達は嘲笑うように反撃しない七輝を攻め続けた。

 

「……」

「悔しかったら反撃してみろ!」

 

 大鎚の一撃を七輝は上に跳んで躱す。

 

「っしゃ!!そこだっ!」

 

 今が好機と、後方で弓を構えた生徒が矢を射った。放たれた矢は七輝の身体に直撃する。結城はあっと声を上げて驚き、推薦組の生徒達はしてやったりと笑む。

 

「……っと」

 

 しかし、七輝は空中で身を翻して軽々と着地をした。効いていないのかピンピンとしている。

 

「さ、真田くん!?痛くないの!?」

 

「馬鹿だなぁ。鎖は防具にもなるし?全然痛くねぇな」

 

 飛んできた矢を拘束している鎖で防いだ。余裕だと七輝は結城に向けてニッと笑い、推薦組の生徒達に呆れ気味に見つめる。

 

「てゆーか?推薦組?今のところ全然大したことなくてガッカリなんだけど?本気出してんの?」

 

「てめえ……イキってんじゃねぇぞ!!」

 

 

 七輝の挑発に乗ってしまった大鎚の盡器を持った生徒が高く跳んで大鎚を力強く振り下ろす。迫りくる大鎚の一撃を七輝はひらりと避けた。

 

「へっ……?」

「まあそんなもんか……なっと!!」

「ごばべっ!?」

 

 大きく頭を振って頭突きの一撃を相手の顔にぶつける。ぶつけられた生徒は情けない断末魔を上げて大の字に倒れた。

 

「土山っ?!」

「このやろっ!!」

 

 槍の盡器を構えた生徒が怒りに任せて七輝に迫り、突きの一撃を放つ。しかし七輝は拘束している鎖で防ぎ、鎖はバラバラに砕けた。

 

「ハンデを解いてくれるなんて先輩ってば優しいなぁー」

「あっ……」

 

 七輝はニッと笑うと生徒の後方から此方に狙いを定め弓を構えている生徒の位置を把握する。再び迫り槍の一撃を横に避けて相手の腕を掴み引き寄せる。

 

「っしょあっ!!」

 

 ぐるりと身体を回転させて勢いよく槍を持った生徒を投げ飛ばした。宙へと放り投げ出された生徒は飛ばされた先に弓を構えている生徒がいることに気づいたが時すでに遅し、両者ぶつかり共倒れとなる。

 

「ごっ!?」

「ぶっ!?」

 

 ぶつかり倒れた生徒2人に追い討ちをするように七輝は2人の生徒の顔を思い切り踏んづけた。

 

「横山っ!!的尾っ!!」

 

「どしたー、もう降参かー?」

 

「こんのぉ……調子のんじゃねぇ!!」

 

 相手の神経を逆なでするように挑発する七輝に怒りが爆発する。刀を構え身体を低く身構え、屈んだ勢いで素早く七輝に迫り、七輝の目の前で突きを放った。結城は目で追うことはできなかったが、七輝は軽々と躱し相手の手を蹴り上げる。蹴られた衝撃で刀の盡器は回転しながら上へと翔んだ。

 

「ひょ……?」

「てめえより七咲先輩の方が一億万倍速い」

 

 その瞬間、七輝の強く握られた拳の一撃が顔面に炸裂。情けない断末魔を上げながらワンバウンドして倒れた。一方的に攻めていたはずが一瞬にして全滅、あっという間の事に結城は唖然とし、見ていた野次馬達はざわざわと騒ぎ立てる。

 

 

「さ、真田くん……め、めちゃくちゃ強いんだね……?」

 

 

 結城は目の前の有様に動揺するが七輝は背伸びをしてひと息つくと物足りないようにため息をこぼした。

 

「運動にもなんねぇなぁ……他の推薦組とかいねぇのか?もう一戦やろうぜ!」

 

 ざわざわつく野次馬達に向けて七輝は挑発をする。また火にガソリンをぶちまけようとする七輝を結城は慌てて止めた。

 

「ちょちょちょっ!?なんで挑発するんだよ!?」

 

「だってよぉ、推薦組って戦い慣れてんだろ?どんな戦い方すんのか勉強しようと思ってな」

 

「だからって相手を怒らせたらダメじゃないか!?推薦組全員敵に回すつもり!?」

 

「あ、それ面白そうだな!」

 

「面白くない!!全然面白くないよ!?」

 

 七輝を止めなければ大乱闘が勃発し学級崩壊してしまうのではないか、結城は考えるだけで頭が痛くなってきた。

 

 すると先ほど七輝が踏んづけた弓の盡器を持っていた生徒がふらふらと立ち上がった。

 

「おっ?もう一戦するか?戦い方をもっと教えてくれよ先輩」

 

「てめえ……調子に乗りやがって……!!」

 

 七輝の挑発に怒りを爆発させるた生徒は軽く指に傷をつけ血を滲ませる。生徒の一連の行動に結城ははっと気づき、七輝に注意する。

 

「さ、真田くん気をつけて!!」

 

「いわゆる奥の手ってやつか?」 

 

淵廟(えんびょう)9番―――」

 

 

 血を滲ませた指を額に近付けていく―――

 

 

 

「――――そこまでだ」

 

 

 その時、血を滲ませた指を額につけようとした生徒の首に刀の刃が向けられた。生徒はゴクリと息を呑んで恐る恐る振り返る。

 

「的尾、下級生相手の試合では式神の召喚はルール違反だぞ?」

 

 黒い籠手と具足、白と黒の防具、黒と紫を角飾りを身に着けた霊衣姿の黒のショートヘアの女性が刀で相手の動きを征していた。

 

「まして盡器を持たない相手を拘束し、集団で攻めていたのもいただけないな」

 

「……っ」

 

 刃を近づけられ、生徒はヘナヘナと力なく膝をつく。突然の女性の登場に七輝はハテナと首を傾げるが見ていた野次馬は更にざわつく。

 

「なあゆっきー、あのちょっとえっちぃ格好の奴は誰だ?」

 

「ちょっ、真田くん!?し、し、失礼すぎるよ!?」

 

「………君が例の問題の転校生か」

 

 女性はへたり込んだ生徒を後に七輝にゆっくりと向かっていく。

 

「あんた誰だ?」

「はじめまして。私は西高生徒会長、九条月詠(くじょう つくよ)だ」

 

 

 生徒会長と言う言葉を聞いて七輝は目を輝かす。

 

 

「ゆっきー、俺の読み通り……『生徒会長って大抵強キャラの美女』だ!!こういうスケベで強そうなの待ってたぜ!」

 

 

「漫画の読みすぎ!!というか初対面で失礼だよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 




七輝をボコろうとした生徒

刀の盡器を持った生徒……石動

槍を持った生徒……横山

大鎚を持った生徒(坊主頭……土山

弓を構えてた生徒……的尾


 生徒会長の九条月詠さん……イメージはエーテルゲイザーより、『震離・ツクヨミ』
見た目とCV石川由衣さんだからすんごくエロカッコイイ…ゲフンゲフン、カッコイイ

エーテルゲイザーのバトルもキャラも好き
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