ちょいっと自己満ですいません……
「ついに俺達も討伐隊の一員だな!」
深夜、飲み会を終え帰路につくは3人の大学生の男達。陰陽寮に所属する陰陽師の一員であり、最初は地域担当の一兵卒で長きに渡る鍛錬と任務の日々の成果が実り遂に討伐部隊の隊員へと配属されるのであった。
「でもさ、本部に配属されても辛い訓練が待ってんだよなぁ……」
大学生の1人がしみじみと呟く。討伐隊の隊員となり支部に配属されるまで厳しい鍛錬と過酷な戦いが待っている。
「そうだけどさ、絶望ばかりじゃないぜ?本部には絶世の美女な菅家のご令嬢がいるんだ」
「わかる!めっちゃ美人らしいから修行が厳しくても美貌を拝めれるなら死んでも頑張れそうだぜ」
お嬢様のためなら死ねる、と意気込み配属される日を待ち遠しく思いながら語り合う3人。
その時1人の学生が男と肩がぶつかり合い、ぶつかった勢いが強かったか尻もちをついた。
「いってぇ……おい!何しやがる!」
尻もちをついた学生は怒りの声を上げてぶつかってきた男を睨む。その男は身長も体格も大きいのだが学生の声に無反応のまま歩き去ろうとしていた。
「おいお前!ぶつかってきたなら謝れよ!」
仲間の学生2人が男の行く手を阻むがまったく聞こえてないのかそのまま突き進んだ。止めようとするも力が強く押し通されてしまった。
「何なんだあいつ……!」
「てかあの野郎、歩きスマホしてやがるぞ」
その男、よく見ると両手で持っているスマホの映像に首ったけのようだ。
映像をガン見で突き進む男をそのまま見送ればよかったのだが、それも飲み会でお酒を飲んで酔いで一時ハイテンションになっており、しかも討伐隊の隊員に配属される男3人。彼らのプライドが許さなかった。
「この……俺達をバカにすんなよ!」
尻もちをついていた学生が立ち上がると駆けて男の前に立ちはだかると、男の持っていたスマホを引ったくり道路へと投げた。スマホは道路へと叩きつけられ、そこへ運悪く車が通りかかりスマホはひしゃげてしまった。
「へっ、ざまあみろ!」
「自業自得だぜ。歩きスマホしてんじゃねぇぞ」
「さっさと俺達に謝ればいいもの……を……?」
3人は男の方へと振り向くと、男はわなわなと震え鬼の形相で睨みつけていた。
「殺す――」
強烈な殺気を放ち、男は3人に襲い掛かった。
それは七輝が入学する1週間前の出来事であった――――
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「あのー……来てくれるのは嬉しいんだけどさ」
時は現在に戻り玄水市立西高が訓練棟にある技術倉庫。絡繰汎具の魅鞍洲のメンテナンスをしていた結城は申し訳無さそうにチラッと横に視線を向ける。
「2人ともちょっと寛ぎすぎじゃない…?」
メンテナンスしている結城を他所に愛蓮と彩葉はゆったりと寛いでいた。愛蓮はいつの間に持ってきていたのかハンモックを掛けて寝転がり、彩葉は茣蓙を敷いて手作りのクッキーを食べている。
「別にいいじゃん。ここが一番静かだし、さぼれ……寝るのに丁度いいのよ」
「ねえ今さぼれるって言いかけたよね!?」
「拙者達は結城殿のメンテナンスが終えるまで待っているだけでござるよ」
「真田のバカは先にゲーセン行ったけど。あたしも早く行きたいからさっさとしてよね?」
「どうしよう……七輝くんの影響だよねこれ……」
七輝の影響か、毒されたのかと結城は不快ため息をこぼした。レベル3の幻妖との戦いの後、このままの状況は良くないと考えたのか愛蓮と彩葉は鍛錬をより積み重ねるようになった。
伏見に修行の相手を仰いだり、月詠に鍛錬を申込んだり、更には未だに七輝に喧嘩をふっかけてくる上級生を七輝と共に返り討ちにしたり、そのせいかよく七輝とサボタージュしたりと良いのか悪いのか結城は困惑していた。
結城自身も今の現状を打破しようと絡繰汎具の精度を上げるためにメンテナンスしたり、己の令力を伸ばそうと奮闘している。しかしもっと効率よく伸ばすにはどうしたらいいか結城は悩んでいた。
そんなことを考えていたら、技術倉庫に月詠が入ってきた。
「失礼する。真田はいるか?」
「あっ九条先輩、お疲れ様です!な、七輝くんは……ゲーセンに行っちゃて……」
「ふふ、相変わらず自由な奴だな」
「真田殿に何か用事ですか…?」
「ああ、実は彼に頼み事があってな……真田が入学する1週間前、ある生徒が停学処分を受けたのは知っているな?」
月詠の話に結城と彩葉はハテナと首を傾げるが、それを聞いた愛蓮は物凄く嫌な顔をする。
「まさか……」
「武藤校長の提案で、その生徒の停学処分を解除し真田の班に加わってもらうことになったんだ」
「僕達の班にですか?僕は構いませんが……」
「やったぁ!仲間が増えるでござるよ!」
結城は困惑し、彩葉は喜んでいるが愛蓮は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「あのクソ校長、面倒くさい奴を押しつけたわね……!」
「鮫島さん…?えっと、その生徒っていうのは…?」
「ああ、もう来ている。さ、入ってくれ」
月詠に連れられ入ってきたのは身長が高く、筋肉質な体つきをし、強面の顔に右目から右頬にかけてできた傷跡のついた黒のドレッドヘアをした男だった。
「………」
男はムスッとした顔で結城達を見回す。男の有様に結城は初対面の七輝の態度を思い出し、彩葉は目を輝かせ、愛蓮は物凄く嫌な顔をした。
「紹介しよう、彼は
余りにも逞しい体格に本当に高校生なのかと結城は圧倒された。そんな結城に薫はズカズカと近づき、猛禽類が獲物を狙うような目つきで結城を見下ろす。
「……お前にひとつ質問がある」
異様な威圧感を放つ薫に結城は終始圧倒され声を出せず、ゴクリと息を呑みながら頷いた。
「……どんな女性が好みだ?」
「……………………へ?」
ドヤ顔で笑って尋ねる薫の意図しない問いに結城は呆気に取られた。
「どんな女性が好みだと聞いている。勿論女性でなくても構わん。人には様々な好みがあるからな」
「え、えーと……」
どう答えたらいいのか、結城は戸惑いチラッと彩葉達に助けを求めた。月詠は頭を抱え、彩葉はキョトンと首を傾げ、愛蓮は『答えるな』と言わんばかりに首を横に振る。笑顔を見せるが威圧感を放ち続ける薫に結城は答えるしかできなかった。
「えっと……優しくて、おしとやかな女性かな……」
苦笑いしながら結城は答えた。すると薫は突然真顔になり、つうっと涙を流した。
「えっ!?ど、どうしたの!?」
「………どんな奴かと思えば、なんと退屈すぎる男なんだ貴様は」
薫は真顔のまま涙を流し片手で顔を覆い、わなわなと震える。涙を拭った瞬間、薫はギロリと怒りの眼差しで結城を睨みつけた。
「……っ!?」
薫の放つ凄まじい殺気を感じた結城は背筋が凍りつき身動きができなくなった。そんな結城に構わず薫は拳を強く握りしめた。
「あまりにも非凡。あまりにも退屈。貴様には失望したぞ……!」
薫は拳を振りかざし、結城目がけて振り下ろした。結城に当たる寸前、愛蓮が割って入り蹴りを放ち拳とぶつかり合った。
「さ、鮫島さん…っ!」
「ったく……見境なく襲うなっての、このバカゴリラ!」
「……鮫島か、久しいな。こんな退屈な奴といて堕落したか」
ふんと乾いた笑いをする薫に対して愛蓮は悪態をつく。
「鮫島殿、南海殿と知り合いでござるか?」
「別に、ただ前の学校で同じクラスメイトだっただけ。このバカゴリラとは関わりたくなかったんだけど」
「何、別ベクトルの不良仲間だっただけだ。それにしてもお前にも失望したぞ鮫島」
今度は愛蓮に対して殺気を放つ薫に愛蓮は大きなため息をこぼして肩を竦めた。
「……あんた、もしかして彼を真田と勘違いしてない?」
「………ひょ?」
ムスッと睨む愛蓮に薫はキョトンとして結城に視線を向ける。
「……こいつ、真田七輝じゃないのか?」
「やっぱり。彼は結城護、真田じゃないし……てゆうかちゃんと確認しなさいよバカゴリラが」
ポカンとする薫だったが威圧感と殺気があっという間に消え、ニコニコしながら結城の肩を叩いた。
「ははは!いやーすまない!勘違いしてたぜ!」
「か、勘違いで殺されそうになったんだけど……」
さっきまで威圧感を放って襲い掛かった薫が手を差し伸べ結城は苦笑いしながら握手をする。
「因みに、俺の女性の好みは尻と太ももがエッチな女性だ!!」
「いやそれドヤ顔で言われても……それより、七輝くんに何か用なの?」
「ああ、あの真田七輝という男……どうやらこの学園の頂点を目指そうとしているらしいな?」
「そ、そうらしいけど……」
「この俺も、この学園の頂点を目指している!そしていずれは陰陽師の頂点にも立つ!!」
ドヤ顔をする薫に月詠と愛蓮はため息をついて頭を抱えた。
「バカが更に増えた……」
「なんだか真田がもう一人増えた感じだな…」
「故に、頂点に立つ者は2人もいらん!どちらが頂点に立つ男にふさわしいか、決闘を申込みに来たのだ!」
「おぉ……所謂男と男の熱い戦いということでござるな!」
「うむ、流石は侍。よくわかっているな!後でジュースを奢ってやろう!それで、真田七輝は何処にいる?」
「えっと……ゲーセンにいると思うよ?」
七輝の居場所が分かった薫は不敵な笑みを浮かべ拳を鳴らして駆け出した。
「よーし、真田七輝よ!首を洗って待っていろ!」
「行っちゃた……ど、どうしよう、七輝くんが危ないかも…!」
「バカとバカが喧嘩してゲーセンが更地になるかも。止めにいくよ!」
「男と男の決闘……拙者も見届けなくては!」
薫を止めるため結城達は追いかけて出ていった。取り残された月詠は苦笑いして肩を竦めた。
「まだ下校時間になっていないんだが……」
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ゲーセンに辿り着いた結城達はドヤ顔でゲーセンの入り口前に立っついる薫に追いついた。
「止めても無駄だぞ。これは譲れない戦いだからな」
「だからと言って公共施設を破壊しないでよね?」
悪態をつく愛蓮に薫はふっと軽く笑ってあしらった。
「案ずるな、真田はどんな男か最初は見定めるだけだ。まあ奴の態度と行動によるがな」
薫は意気揚々と入り、七輝の居場所を探る。
「結城、奴は何処いる」
「確か……最初は格闘ゲームの台にいると思うよ」
薫はズカズカと突き進み格闘ゲームのエリアへと向かう。結城の言う通り、七輝は格闘ゲームの台でじっくりプレイしていた。
「奴が真田七輝か……なるほど、ただ者ではなさそうだ」
七輝の後ろ姿を見た薫は不敵に笑い、七輝の隣の台に座りコインを入れた。
「……!」
突然現れた対戦相手に七輝はピクっと反応し、挑戦者の薫をチラッと見た。
「だ、大丈夫かな……」
「大丈夫でござるよ結城殿。この決闘、無闇矢鱈に荒らさないはず」
「いやなんで彩葉がわかるのよ……まあ暴れたら割って入るしかないし」
一触触発にならないか、結城はドキドキしながら2人を見守る。しかし七輝と薫は争うことなく格闘ゲーに集中していた。
「……コマ投げか……火力は高えが…!」
「ただのバッタじゃない……なっ、めくられただと!?」
「おらおらおらぁっ!!」
「ば、ばかな……そのキャラに十割コンボがあったのか!?」
どうやら格闘ゲーでは七輝が有利のようで、数ラウンドした結界七輝が勝利した。
「投げのミスをカバーする動き、隙あれば投げる操作に投げからのコンボ……ただ者じゃねぇなお前」
「ダイヤ不利のキャラで勝利を掴むテクニック……かなりやり込んだと見る」
どんな相手だったか、じっくり睨み合う七輝と薫。戦いが始まるのか息を呑む結城達だったが、2人は台を離れてエアホッケーの台に移った。
「だが、テクニックなら俺も負けてないぞ?」
「はっ、連続で黒星つけてやらぁ」
不敵な笑みを見せた2人はエアホッケーを始めた。七輝は円盤を何度も弾かせて薫はゴールに迫る円盤を弾き返すだけで攻撃は七輝が有利かと思えた。しかし、一向に薫からゴールを奪えないでいた。
「何でだ…ちっとも入らねぇ!」
「甘いな。何処を弾かせても結局はこのゴールへと入る。お前の動き、円盤のルートを見れば直ぐに分かる。そしてお前の無駄な動きが一瞬でもあれば…!」
薫がカウンターで弾かせた円盤は勢いよく七輝のゴールへと入った。
「勝利は容易い」
「……っ!?」
薫の反撃に七輝は驚愕する。いくら七輝が弾かせて攻めようとも薫の反撃で点を奪われる。そして戦いの末、七輝は1点も奪取できずに敗北した。
「なんて奴だ……!」
「パワーはある。だが、戦略では俺が上だ」
ゲーセンでの戦いは続く。クレーンゲーム、コインゲーム、レースゲーム、プリクラ、七輝と薫は勝ったり負けたりを繰り返し熾烈な闘いを繰り広げた。
「……ただゲーセンで遊んでるだけじゃないかな、これ」
「あたしに尋ねないで」
やがて闘い、否遊び尽くした2人はゲーセンを出て遂に対峙する。闘気漲る2人についに闘いが始まるのかと結城は息を呑む。
「……俺は真田七輝。頂点を目指す男だ」
「……俺は南海薫。同じく頂点を目指す男だ」
見上げ見下ろし睨み合う七輝と薫。七輝の並ならぬ闘志に薫は好戦的な笑みを浮かべた。
「どんな奴かと思えば……面白い奴だ。頂点に立つ男は2人も要らない。どちらがふさわしいか決めようか!」
「……はっ、てめぇも面白い奴だな。頂点に立つのは俺だ!」
ついに闘いの火ぶたが切られた。どんな闘いになるのか、彩葉は目を輝かせる。
「……ねえ、あたし帰ってもいい?」
「待って鮫島さん!?帰らないで!?僕だけじゃ収拾がつかないから!!」
南海薫……モデルは呪術廻戦の癒し、東堂さん
イメージのcvは木村昴さん
東堂さんみたいなキモ……面白いキャラにできるよう頑張りたいです