リスタート外伝 バハルス帝国二人旅   作:リセット

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神と従属神

 聖王国首都ホバンスから戻ったサトルとアイリス。二人は早速地下室に入れておいたクレマンティーヌの顔を見に行く。

 

「……こいつ逃げようとしたのか?」

「その通りでございます。目が覚めるやいなや、拘束を解いて部屋から出ようとしたので、やむを得ず足を折りました」

 

 バルキリーが申し訳なさそうに頭を下げる。それに「問題ない」とサトルは手をふっておく。悪いのは縛り方の悪かったサトル達だ。バルキリーに落ち度はない。

 

 ここで遊ばせていても勿体ないので、バルキリーには通常の任務に戻るように命じておく。バルキリー達は普段自分達の職業に応じた仕事をしている。守護系や感知系は浮遊要塞から持ち帰った財宝の見張り。移動速度が速い者は空を飛んで巡回。生産系なら道具の作成を手伝ったりなどだ。

 

 地下室を出ていくバルキリーを見送った後、サトルとアイリスは改めて捕まえて来た下手人を見やる。

 

 地下室に入れられてからまだ半日しか経っていないが、クレマンティーヌは随分と衰弱していた。サトル邸の地下室は物置に使われていたような部屋だ。人間が生活するには随分と不便なのだろう。我慢できなかったのか糞尿を漏らしていた。悪臭がしているが───

 

「<清潔>」

 

 巻物(スクロール)と呼ばれる、位階魔法を籠めたマジックアイテムでクレマンティーヌの全身を清める。使ったのはアイリスだ。彼女は別にクレマンティーヌが哀れだから使ったのではない。サトルに悪臭をわざわざ嗅がせたくなかったからだ。

 

 それを知っているのかどうか分からないが、足を砕かれて動けなくなったクレマンティーヌはアイリスを睨みつける。

 

「なんだよお前らは……」

 

 クレマンティーヌに会うために、わざわざアヤメとモモンの変装のままここに来ている。意識を失う寸前、アヤメが詠唱を唱えたのは覚えている。だからこのどことも知れぬ地下室に放り込んだのが、目の前の二人だと理解しているからこその……増悪を籠めた目だ。

 

 無遠慮にアイリスを睨みつけるクレマンティーヌに、少し苛ついたサトルだが行動に出たりするほどではない。もし足が折れた状態でもアイリスに掴みかかろうとしたら、今度はもう片方の足もへし折ってやるつもりではあるが。

 

「私達が誰かですか? ……そうですね。申し遅れました。私はアイリス。アイリス・リンウッド・ウール・ゴウンと申します」

「……アヤメは……偽名かよ……」

 

 折れた足に監禁されたのが思ったよりもストレスなのか、クレマンティーヌの言葉は途切れ途切れだ。口調に力が全くない。

 

「ポジティブ。偽名を名乗らせて頂きましたが……それはお前もそうでしょう。ねぇ、クレマンティーヌ」

 

 自分の本名を知られている事に、クレマンティーヌは少し目を見開く。一体なぜだと。

 

「ああ、そうでした。私やオーナーが何者なのか……でしたね。……スレイン法国生まれで元漆黒聖典には、こう言えば伝わりますか? 私は魔神です……正しくは魔神になるかもしれない者。百年の揺り返しの産物ですよ」

「……えっ?」

 

 今この女……いや。この御方はなんと言ったとクレマンティーヌの目つきが変わる。魔神。その言葉が持つ意味は、スレイン法国において非常に重い。『ユグドラシル』なる神の国から地上に舞い降りた六大神。彼らには大小様々な小神が付き従っていた。それらを法国は従属神と呼んでいる。

 

 魔神とはそんな従属神が邪悪へと堕落した姿だ。そして目の前にいる何かは自分を魔神と呼んだ。ならそれが意味するのは───

 

NPC(従属神)……さま?」

 

 クレマンティーヌの言葉にアイリスは薄く微笑んだ後、眼から包帯を取り外す。同時に幻術を解除して本来の顔も見せる。現れた人外としか言えない美しすぎる顔に、クレマンティーヌは目を見開く。脳が嘘だと否定しようとする。どうしてこんな場所に従属神がいるのだと。

 

「うそ…………」

「ネガティブ。英雄級に到達したお前を一瞬で眠らせる。それが出来るのは誰でしょうか。あるいはここから逃げようとしても、すぐにその足をへし折ったバルキリーはなんなのでしょうか。分かりますか?」

「うそだ………………」

 

 どうして自分の前に従属神が現れるのか。理由が何一つない。スレイン法国で多くを学んだ。その中には当然百年の揺り返しと呼ばれる現象もある。百年周期で神々が地上へと降臨するのだ。周期としてはそろそろの筈だと、確かにクレマンティーヌは知っている。でもおかしいじゃないかと彼女は叫びたい。どうして自分のような人間一人の前に神が出てくるのだと。

 

「……私の言葉をネガティブする。あるいは諦めてポジティブする。それはどちらでも構いませんよ。これからたっぷりとそれを知る時間があるのですから」

「それは……どう言う意味で───」

「どうもこうもない。お前は今から、私やそれ以外から尋問されるんだ」

 

 地下室の入り口で、アイリスとクレマンティーヌのやり取りを見守っていたサトルが二人に近づく。漆黒の鎧が溶けて消え、代わりに金の刺繍が入った黒いローブに身を包む。ローブの下にある冴えない顔に見せかけていた幻術が消えて、灼眼の青年が変わりに出てくる。

 

 それを見て、男の方もまさか従属神かとクレマンティーヌは身構える。聖王国の酒場で食事を取る時にヘルムを外していたサトルだが、その時には念には念を入れて幻術までかけていたのだ。

 

「従属神ではありませんよ。私の愛しいご主人様です」

「!!」

 

 従属神が主と呼ぶ存在。それは一つしかありえない。

 

「まさか……ぷれいやー()様……」

「神か……ふん。どう呼ぼうがお前の勝手だ」

 

 従属神を引き連れた神の降臨。仮にスレイン法国がこれを知れば歓迎するか……あるいは拒絶するかはクレマンティーヌには分からない。人類に友好的な神であれば国を挙げて迎え入れるだろうが、八欲王のような悍ましい邪神なら討伐できないかを検討する。それが法国上層部の在り方なのだから。

 

「どうして。どうして神様が私を捕まえて……」

「そうだな。まずはそこから教えようか。私とそちらにいる私の可愛い従属神(アイリス)は少し前に、バハルス帝国の皇城に降臨した。そこで帝国皇帝ジルクニフと私は出会ってな。彼は私の降臨を大層喜び歓迎してくれたよ。その見返りに彼に協力しているのだが───」

 

 少しだけ考える振りをするサトル。チラリとクレマンティーヌの死角にいるアイリスを見れば、こっそりとカンペを用意している。

 

「困った事に、つい最近皇帝を悩ませる出来事があってな」

「……その、悩みとはなんなのですか……」

 

 ……つい最近あった出来事。そして捕まえられた自分。嫌な想像だけが胸の内で膨らんでいくが、黙っていても不安から心臓が止まりそうだったのでクレマンティーヌは問いかける。その問いかけにはもはや怯えしかない。最初は隙を見つけたら、なんとか殺してここから逃げられないかと足掻こうと考えていた彼女だが……もはやそんな思考は何処かに消えた。もしもこの灼眼の青年が本物の神で、自分を眠らせたアイリスなる少女が従属神なら勝ち目なんて何一つない。

 

 クレマンティーヌは知っている。彼女が所属していた漆黒聖典には怪物が二人いる。六大神の血を覚醒させた神人と呼ばれる二人が。そいつら相手でも、クレマンティーヌでは手も足も出ないのだ。では大本である六大神達と同じ神とはどれだけの怪物なのか。検討すらつかなかった。

 

「……エ・ランテル。お前にはこれだけで何のことか分かる。そうだろ?」

「……はい」

「よろしい。ではお前にはこれから私と共に、ジルクニフの元にまで来てもらう。<転移門>」

 

 言うや否や、サトルは<転移門>を開く。禍々しい黒い渦に、これから連行される犯罪者が慄く。見たことも無い魔法を当然のように使う青年。クレマンティーヌは漆黒聖典にいた頃に、多くの位階魔法を覚えさせられている。知識は武器となるからだ。その中にこんな魔法は無かった。だからこそ青年と少女が───神と従属神である証拠になってしまう。

 

 カチカチと歯を鳴らすクレマンティーヌを、アイリスは片手で苦も無く持ち上げる。見た目を裏切る剛力だが、従属神であればこの程度造作もないのかと諦め気味だ。

 

 三人は<転移門>を抜ける。その先には多くの人間がいた。ジルクニフを筆頭とした帝国の重鎮達だ。中には裁判に関わる司法官の顔もある。

 

 そんな人間達の前に、クレマンティーヌは荷物のように降ろされる。足が折れたままの哀れな若い女にしか見えないが、この場にいる全員は事前にこの女性が誰なのかを教えられている。既に帝国内でも、エ・ランテルで何が起きたのかは広まっている。そんな悍ましい事件を引き起こした犯人の一人だと。そう教えられているのだ。

 

「そいつがクレマンティーヌか。……御二方には感謝の念しかない。これほど迅速に事件の容疑者を連れてきてくださるとは……誠にかたじけない」

 

 サトルとアイリスへの労いはそこそこに、クレマンティーヌへの尋問が始まる。集まった人間の中から、一人の少年が前に進み出た。ンフィーレアだ。彼の目には増悪の火が灯っている。

 

 ……自分の故郷を滅ぼした一人が、目の前にいるのだから仕方が無かった。彼はズーラーノーンに拉致される前、漆黒の剣が目の前の女に殺されるのも目撃している。そこから起きた悲劇も教えられている。……二度と戻らない日々を創り出した犯罪者が……今まさに目の前にいる。

 

 少年がクレマンティーヌに近づくのを誰も止めない。サトルとアイリスも黙認する。クレマンティーヌ自身はンフィーレアを見て、乾いた笑いを少し漏らすだけだ。どうしてこのガキがここにいるんだとは聞かない。エ・ランテルが死都になったのは、彼女も良くご存じだ。そして死都になったあそこにはカジットがまだおり、この少年を有効活用するのだと息巻いていた。だからこんな場所に普通はいるわけがない。

 

 しかし普通ではない存在───神がいるのだから、あそこから連れ出すことぐらい簡単なのだろう。なにせ英雄にまで至った自分を、軽く制圧してしまうのだから……。

 

「ンフィーレア・バレアレ。その女がクレマンティーヌで間違いはないか?」

「……間違いありませんジルクニフ皇帝陛下。この糞女が僕を……僕を拉致した犯人の一人です……この糞女が!!!」

 

 ンフィーレアの拳が突き刺さる。万全なクレマンティーヌであれば簡単に避けられた拳だが、足が折られたり衰弱したり神の降臨なりで疲弊している彼女には不可能だった。

 

 クレマンティーヌの頭が揺れる。ダメージ自体は大したことがない。むしろ殴ったンフィーレアの拳の方が腫れ上がっているくらいだ。しかしンフィーレアの拳は止まらない。マウントを取って何度も殴りつける。それが20を超えたあたりで───

 

「そこまでですよンフィーレア。それ以上は貴方の拳が痛みます」

 

 やんわりとアイリスに止められる。止めると同時に<大治癒>でンフィーレアの手を治しておく。止められた事に一瞬ンフィーレアは驚き、アイリスに視線をやるが……まだまだこれから時間はたっぷりあるのだと思い出し、クレマンティーヌから少し距離を取る。

 

 殴られていたクレマンティーヌにはあまり怪我はない。20以上離れているレベル差補正とステータス差により、威力の大部分が殺されたからだ。

 

 とは言えンフィーレアが行なったのは暴力だ。通常であればこの場から退席が求められるが……誰も見なかった振りをする。エ・ランテルを滅ぼした犯人と、滅ぼされた住民の生き残り。そうであるならば、あまりにも正しい対応だったからだ。

 

「その女がクレマンティーヌであると、バレアレが証言した。ここからは司法官に任せようか」

 

 皇帝の言葉に「はい陛下」と答えた中年男性に、クレマンティーヌは根ほり葉ほり訊き出される。

 

 名前に嘘はないか。年齢・生まれた国・これまでの人生・城塞都市で何を行ったのか・どうしてそれを引き起こしたのか。あらゆる事を喋らされた。

 

 それをクレマンティーヌは隠さなかった。言い淀む度に、サトルかアイリスが彼女の頭に手を置いたからだ。神々に対して逆らう気力など一切ない。包み隠したら最後、何をされるのか分かった物じゃない。そもそも神々は自分がどこにいるのかを簡単に察知できたのだ。しかも元漆黒聖典の一員であることや、本名まで存じていた。その状況で隠し立てすればどうなるのか……本当に定かでない。

 

 クレマンティーヌの証言を書記官が紙に書き記していく。そして聞かなければいけない全てが記された。

 

「……以上……です」

「そうか。ではその女を地下牢にまで連れていけ」

 

 ジルクニフの命を受けた近衛が、クレマンティーヌを担いで連れて行く。それを見送った後───

 

「奴の証言を皆も聞いたな。エ・ランテルの事件と、私の間には何の関連もない。それを良く覚えておけ。市民の間に流れている噂は、所詮噂に過ぎん!!」

 

 ……エ・ランテルをアンデッドに襲わせたのは皇帝なのではないか。そんな噂が広まりつつあるのだ。なにせジルクニフには、あの都市を攻撃する理由がいくつもある。

 

 分かりやすい部分では毎年の小競り合いにおいて、エ・ランテルが王国の軍事拠点となるからだ。帝国は毎年カッツェ平野と呼ばれる巨大な荒野で、王国軍を迎え撃つ。その時に一番近い城塞都市が用いられるのは自明の理。

 

 つまり第三者から見た時、帝国の意図を知らなければエ・ランテルとはジルクニフからしたら邪魔な拠点なのだ。そこを陥落させる意味があるように見えてしまう。

 

 だからそうではないと、せめて重鎮連中には教える必要があった。……クレマンティーヌが実は皇帝が用意したスケープゴートである可能性もあったが、ンフィーレアの増悪に燃える反応は演技のそれではなかった。更に言えば……クレマンティーヌを探し出すために、夫婦は少なからず労力を割いている。もしここであれはただの身代わりだなどと口にすれば……恐ろしい化物二人に命を狙われるかもしれない。だから誰も指摘はしない。

 

 あるいは指摘すれば帝国の立場が揺らぐと理解していた。今の帝国から皇帝ジルクニフがいなくなれば、この国は内乱が巻き起こり空中分解する。それだけは何としても防がねばならなかった。

 

 クレマンティーヌはエ・ランテルの浄化が終わった後、市民の前で大々的に処刑する事が決定した。その際の処刑人はンフィーレアだ。彼には今からポーション作成で培った知識を総動員して、凶悪な毒薬を産み出して貰うつもりだと皇帝は宣言。彼女の死刑方法は薬殺刑だ。

 

 その命令にンフィーレアは歓喜した。自分の手で憎い相手に復讐出来る。それも国が後押しをしてくれる形でだ。これでもかと歓喜した後、ンフィーレアは最も苦しんで死ぬ毒薬の開発に励むことになる。彼の暗い炎が注ぎ込まれた毒薬はさぞ素晴らしい出来となるだろう。

 

 クレマンティーヌへの尋問が終了した後、皇帝と夫婦は密談を交わしていた。

 

「では御二方はこれから法国に向かわれるので?」

「その通りです陛下。クレマンティーヌから、法国内部の事情などは手に入れていますので」

「元漆黒聖典第九席次か……なるほど。確かにそれならば詳しいか」

 

 クレマンティーヌの記憶から情報を得た事で、二人は法国がどれほどの戦力を抱えているのかを把握している。クレマンティーヌが持っていた記憶と、アイリスが知っている記録を比較照合する事で判明したのだ。

 

 アイリスの得た情報が正しければ、スレイン法国の現戦力は六大神より遥かに下───つまり通常のユグドラシルプレイヤー六人よりも劣るのだ。法国が抱える最高戦力はスルシャーナの従属神。その次が六大神の武具の守護を行っている漆黒聖典メンバーの番外席次。その次が漆黒聖典第一席次の隊長。その下はフールーダ級の逸脱者まで落ちる。

 

 その他にも法国内部への侵入ルートも確保済みだ。クレマンティーヌは国抜けを画策してたこともあり、どこからならばバレずに国を脱出出来るのかを良く検討していた。脱出できると言う事は、同時に侵入にも使える。

 

 ジルクニフから法国を探る許可を得たサトルは、すぐさまアイリスを連れて法国へと向かった。目指したのは首都である法都シクルサンテクスだ。ここが一番情報を得やすい。二人は<完全不可知化>を使い、法都の最奥を目指す。アイリスの読み通り<完全不可知化>を見破れるような仕掛けは一切無く───それでなくともアイリスが支援系スキルで大幅に強化しているので、プレイヤーでもよほど探知に特化していないと見破れない───誰にも見咎められることなく二人はとある部屋へと入った。そこは漆黒聖典ですら滅多に入る事を許されない場所。神官長会議室だ。

 

 そこで二人は張り込むことにした。神官長を一人一人むやみに探し出すよりも、確実に全員現れる場所で粘った方が有意義だからだ。そう……二人はこの部屋にずっといたのだ。その瞬間が来るまで……ずっとだ。

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

「もしも真相が判明しなかった場合……犯人として帝国皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス、及び逸脱者フールーダ・パラダインを人類に対する反逆者として我らは糾弾する。誰かがこの騒動の責任を取らねばならん。必要ならば皇帝とかの逸脱者が独断で行ったと証拠も捏造して暗殺する。この意見に異論はあるか?」

「……異論がないと言えば嘘になるわ。冤罪で人類に対する戦犯として処罰されるもの」

「それに現皇帝がアンデッドを使って都市を破壊したとなれば、帝国は王国以上に荒れるぞ。それは我らとしても看過は出来ん」

「確かに。だが我らの土台が揺らぐのと、帝国が揺らぐのでは訳が違う。仮に帝国が倒れてもまだ挽回できるが……我々が倒れたら人類は終わりだ。違うかね?」

 

 その言葉を誰も否定できない。脆弱な人間種の明日を勝ち取るには、手段を選んでいられないのだ。例え汚名を被せることになろうとも……だ。その上で最高位天使を用いてエ・ランテルの騒動を治めれば、悪は帝国であり法国は善となる。酷い話だが……これが現実だった。

 

 罪を擦りつける相手としては王国も候補だが、帝国の方が魔法技術が発展しており罪を被ってもらう相手としては適切であった。

 

「すまないな鮮血帝。悪く思うな」

 

 形だけの誰にも届かない謝罪が部屋に響いた。誰にも届かなかった筈の戯言。最奥の間に集まった法国の重鎮十二人は聞かなかった事にした。それだけの何の効力もない言葉は……届いてしまった。

 

 絶対に届いてはいけない言葉が……届いてはいけない人物に伝わってしまった。





会議参加者:12人ではなく14人だった

クレマンの行方:最初は拷問コースとか考えてたけどアイリスが記憶を読んだので神と従属神と明かすコンボの方が効率的だと判断。割と穏当に済んだ

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