まずはこれを使おうじゃないか
「━━━━━━!!」
(クソ……まだ足りないのか?)
先程の一撃から数分が経とうとしているが、未だにあれ以上のダメージは与えられていない。……いや、こちらは攻撃の手は緩めていない。……なら
(こちらの攻撃に順応している……か)
奴の体に大きく付けた傷も、今では殆どが塞がっている。再生能力も高く、それに加え装甲も先程より硬い。今も尚その強度を増している
(マズイな……あの一撃で決めるべきだったか。……さて、どうする?威力が高い技を使うには、それなりの貯めが居る。こいつがその際の隙を見逃す筈はない)
模倣するにしても……今のこいつに有効な攻撃はあるか?正直、この世界では呪術廻戦の様な術式は無い。銃撃戦が殆どだ。模倣できる技も限られてくる。……何か……何か無いか?見た事がある技……
ん?
(見た事がある技……見た事が……?)
もしかしたら……行けるかもしれない。正直やった事なんて無いから1発勝負な訳だが……しかし、模倣にはそれなりの隙ができる。どうするか……
「━━━━━━━ッ!!」
「っ!」
(マズイ!)
思考に夢中になり、目の前まで迫っていた攻撃に気がつかず、モロに攻撃を喰らってしまう……
「よっと!大丈夫?憂太君」
事は無かった。目の前に広がるのは、奴の真っ白な巨体では無く、それを受け止めている、僕よりも小さい背中だった
「小鳥遊さん?!どうして……」
「ちょっと苦戦してそうだったからねー……大丈夫?」
「はい……正直助かりました」
「そっか。良かった、余計なお世話って言われるかと思ったよ……っ」
会話をしている間にも、奴は力を込めてこちらを吹き飛ばそうとしてくるが、それを小鳥遊さんは耐えている
(呆けている場合じゃないな)
僕はすぐに小鳥遊さんの盾に手を添え、全力で押し返す
「━━━━━━━━!!」
「わっ、憂太君やっぱり力強いね」
この人なら行けるか……?奴の攻撃も耐えられていた。……賭けるか
「小鳥遊さん。申し訳ないんですが、少しの間奴の攻撃を耐えられますか?」
「んー?勝算があるのかな?」
「分かりません。ですが、方法はこれ位しか……」
「……分かった。なら任せて。他のみんなは先生を守ってるから、遠慮しなくて良いよ」
「……ありがとうございます」
有難い。彼女達が先生の所に居るなら安心だ。連邦生徒会長が招いた人だからね。死なせる訳には行かなかったからちょっと遠慮してたんだけど……大丈夫か
……集中する
(思い出せ……技のお手本なんて、"前世"で腐るほど見ただろう)
頭に思い浮かべるのは、呪い呪われ、人々の思いが廻る、戦いの記録。その中での"王"が使っていた御業
(何度見たと思っている?全てを断ち切り、圧倒的な自己で他をねじ伏せる、まさに"王"と呼ばれるに相応しい者の技)
……よし
「小鳥遊さん!」
「了解!後退するよ!」
……頭に彼の動きを映し出し、その動きを自分の体に落とし込む
『解』
「━━━━━━ッッッ!!!」
瞬間、奴の体に大きな切り傷ができる。先程の僕の攻撃よりも大きな傷が
(成功……だけど、これはヤバイな)
通常の模倣より、格段に神秘を消費する。何も考えずに使ったら、いくら僕でもマズイ……
(それに……)
「━━━━━━━━━━」
「……面倒臭いな」
傷を付けたと思えば、その傷も奴の再生能力により段々と小さくなって行く。先程よりも早いスピードだ
(なら……最高火力で再生前に消し炭にする)
その為には、神秘の制限を一時的に解除する必要がある。だが、奴がそれを待ってくれる訳が…………ん?
「━━━━━━━━ッ」
「……ははっ。良いね、お前」
まるでこちらに乗ってくるかの様に、その口先にエネルギーを集中させる。おそらく、先程僕に放ったビームだろう
(ならばこちらも……)
頭に思い浮かべるのは、あらゆる事象への適応という能力を持った、最強の式神。それを葬った、御業
(足りない完成度は、僕の神秘で代用する)
「火力勝負と行こう……」
「━━━━━━━━━ッッッ!!!」
「■」
『
"アツィルトの光"
眩い程の光の束と、全てを燃やし尽くす炎。その2つがぶつかり、アビドスの砂漠を光で包み込む
光が晴れ、そこに立っていたのは……
「ここに来てから3年程。その間に、僕は随分と戦闘を行っていたけど、その中でも十分強敵と言える程だったよ」
キヴォトスを1人で転覆できるとされ、あらゆるものから、恐れ敬われてきた男
「誇って良い。君は強かった」
乙骨憂太だった
VS DECAGRAMMATON
第三セフィラ・ビナー(BINAH)
―勝者
現代の異能 乙骨憂太
最初に使ったのは宿儺の術式でした。まあ術式のコピーじゃなくて技だけなので1回1回コピらないと駄目ですが
色んな術式使いたいなぁ……
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