エデン条約編。開始
堅白
世間はなにやら『エデン条約』とやらで盛り上がっている中、僕は一人、薄暗い地下通路を練り歩く。ある程度歩を進めると、一つの扉を見つけた
冷たい感触を感じながら、目の前にある重々しい扉を押し開けると、大きな空間が広がっていた。そして、そこに二つの人影が見える
歩を進めていくと、段々とその人影の全貌が分かってくる。黒いスーツを着た異形と、赤い肌をした体を白いドレスに身を包んだ貴婦人の様な異形だった。普通に生きていたら見かける事などない様な風貌だが、片方は見覚えがある
「ようこそ、乙骨憂太さん。お久しぶりです。遠路遥々お越しいただきありがとうございます」
見覚えのある方の黒い服を着た異形……黒服が口を開く。言葉の上ではこちらを労っているようだが、本心は労う気等更々ないという事が一瞬で理解できた
「……労う気なんてないんだから、さっさと本題に入りましょう」
「おや、これは失礼。ではさっそく。といっても、本日用があるのは私ではなく……」
「私です」
黒服の言葉を遮る様に言葉を紡ぐもう一人の赤い異形
「私の名はベアトリーチェ。このアリウス自治区の生徒会長を担っています。今日あなたに来てもらったのは、ある依頼をしたいのです」
「………内容は?」
赤い異形………ベアトリーチェは、その返答に口を不愉快に歪めながら答える
「─────」
「……」
なるほど……
「良いですよ」
「……クックック」
「ふふ……良いんですか?あの先生にはあなたも助けてもらったのでは?」
「別に。というか、助けてもらう場面より助ける場面の方が多かったですし。先生とか、そんなの関係ないですよ」
「……良いでしょう。では、こちらの契約書にサインを」
「……」
内容は、要約すると以下の通り
1.今回の件が終わるまで、双方は可能な限り相手に対して協力する。(但し、今回の件に関係の無い要求は断ることができる)
2.ベアトリーチェは今回の契約を終えた時、僕に対して報酬を払う
3.どちらかが契約を破った場合、破られた側は破った側に対して何でも要求する事ができ、破った側はその要求を全て呑まなければならない
4.今回の契約のことを、この場に居る三名以外に口外することを禁止する
大まかにいうとこんな感じだ。まあ特に問題は無いだろう
「ふむ……分かりました。これで大丈夫です」
「ふふ……では、よろしく頼みますね?」
「はい」
「桐娜先生は、僕が殺します」
すみません、先生。あなたには死んでもらいます
…
………
……………
数日後、エデン条約調印式当日。ゲヘナとトリニティの和解を記念する日になるはずだった日は、何者かの介入により、火と灰で彩られる事になった
短めでスマソ。次回は早めに上げるので許して