現代の異能(偽)の青春の記録   作:チキ・ヨンハ

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決定事項

 

 

 

「あ、居るな」

 

ベアトリーチェの元へと向かう途中、飽きる程感じたあの気配を感じた

 

「居る……って、何が?」

 

「ユスティナ聖徒会です。もう少し先に居ますね」

 

「あぁ……」

 

「それじゃ、作戦通りに。頑張って下さいね」

 

同時に、前方に複製の大群が見えた。そいつらが見えた瞬間に、四回手を叩く。それにより、一番後方に居た複製達と、先生とスクワッドの面々が入れ替わる

 

「うわっ……ほんと、これどうなってるんだろ」

 

「あいつ、本当に人間なの?」

 

「それは疑わしい所だが……とりあえず今は姫が優先だ。急ぐぞ」

 

「あ、遅かったら僕が貰っちゃうんで、頑張って下さいよ?」

 

「ふっ……ああ。ここは頼んだぞ」

 

入れ替わりに一瞬戸惑った様だが、彼女達はすぐに先へと進んでいった。そんな彼女達を追おうとする複製だが……奴らの前を塞ぐことでそれを防ぐ

 

「彼女達には彼女達の敵が居る。そしてそれはお前らじゃない。お前らの相手は僕だ」

 

色々迷惑かけちゃったからね。足止めくらいはやらせてもらいますよ

 

「……ん?なんだあいつ」

 

大量に居る複製、その中に一際強い気配を放つやつが居る。他とは比較にならない強さだ。なるほど。僕が足止めに徹することは分かってたのか。普通の複製じゃ僕を止められないって事も知ってるしね……まあ良いか

 

「彼女たちに譲る……って言ったけど、正直僕も一発くらいは殴っときたいんだよね」

 

だから

 

「最初っから本気で行く。幸い、周りに人は居ないし、敵は生徒じゃない。手加減する必要はないからね」

 

 

 

 

彼と共に戦ったことのある者。また彼の力を少しでも知っている者。その者達は、皆が口を揃えて言う

 

 

 

 

乙骨憂太は一人の時が一番強い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ、ああ……なりません……!!私の権能が……!!なりません……まだ儀式が完了していなかったのでしょうか……?まだ力が……ああ……」

 

あの怪物の様な姿から、人型の姿になってしまったベアトリーチェ。そんな彼女を、先生は見下ろしていた

 

「たかが……たかが貴様ら如きに……!!バルバラ……いえ、パシリカに存在するすべての兵力をここに……!!」

 

 

「こちらに戻ってきなさい!」

 

(まずい……!流石に全ての兵力が集まるのは……サオリ達も疲労が溜まっている。これ以上は……)

 

「はぁ……くっ……」

 

「ま、まだ来るんですか……?うわぁ……」

 

「くっ……これ以上は……」

 

「しっかりしろ!まだ終わりじゃない……支援が来る前に、早く……!!」

 

 

「━━━パシリカの兵よ、私を保護なさい!!」

 

 

 

しかし、彼女の呼びかけには誰一人答えなかった

 

「……何故、来ないのですか……?いくらあの生徒が足止めしているといっても、何故一人も……バルバラは?何故まだ誰も……」

 

「そりゃ、誰も来ないよ。出られない様に閉じ込めているんだし」

 

しかし、彼女の疑問に応える者が一人。入口の方から現れた

 

「憂太!?」

 

「なぜ……なぜ貴様が!貴様はユスティナ聖徒会と……!」

 

乙骨憂太だ。未だ複製との交戦中であると思われていた彼が現れたことに、その場に居る全員が驚きを顕にしている

 

「いやー。我ながら良い考えだと思いましたよ。倒しても湧いてくるなら、倒さずに無力化すれば良い……ってね。幸い、手段は持ってたし」

 

「……有り得ない。こんな……私の計画が……!……お前は」

 

 

 

 

 

 

「お前は……何なんだァ!!乙骨憂太ァァァァァァァァァ!!!!」

 

「デカい声出さなくても聞こえてるよ!ベアトリーチェ!!!」

 

二者の叫び。その後に、ベアトリーチェはその身体を再度変化させていく

 

「憂太!」

 

「ここは僕にやらせて下さい。みんな限界が近い。……それに」

 

「……?」

 

「言ったでしょう?遅かったら貰う……ってね」

 

「……はは。そうだったね。みんな、ここは譲ってあげてくれないかな?」

 

「……まあ、私は別に。というか、あんたがマダムを焚き付けたんだから責任とってよ」

 

「えへへ……私も構いませんよ。むしろ楽になるので助かりますぅ」

 

「……私、は」

 

「サオリさん」

 

「っ」

 

俯いているサオリの肩に手を置く乙骨。優しく語りかけるような口調で彼女に言葉をかける

 

「君は頑張った。十分すぎる程にね。……いや本当に。君くらいの歳の子が背負っていい重さじゃない荷物を、君は投げずに背負い続けてきた。そして、その荷物は、多少軽くなるかもしれないけど、これからも背負っていく。……だから、今のこの瞬間くらいは、休んで良いと思うんだ」

 

「……あぁ、そう……か。そう、だな。少し……疲れた」

 

糸が切れたように、地面に倒れこもうとするサオリの身体を、後ろから先生が支えた

 

「おっと……いやぁ助かりますよ先生。僕かやったらセクハラになっちゃうかもしれないので」

 

「あはは……結構余裕そうだね」

 

「まあ。所詮見た目が気持ち悪いだけのおばさんですし」

 

「言葉つよくない?」

 

そんな先生の呟きをスルーし、彼はベアトリーチェの元へと向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、お待たせお待たせ。律儀に待ってくれるなんてね。助かったよ」

 

「ふん、気にすることはありません。むしろ邪魔な虫が居なくなっただけ好都合です」

 

「へぇ……そう。ま、彼女達が居ても居なくてもどっちでも結果は変わらないさ」

 

「ほう?」

 

「どっちもお前が負ける事には変わりないからね」

 

「……クソガキが!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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